ジェリー・ゴフィンのアルバム「IT AIN'T EXACTLY ENTERTAINMENT」(掲載写真右)が日本でCD化されたのが
2001年。あのゴフィン=キングのジェリー・ゴフィンが、73年にボブ・ディランの影響を受けた作風で
スワンプ・ロックのアルバムを作ったという、それだけの情報しか知らなかったのだが、私には購買意欲を
掻き立てるのに十分だった。2枚組というボリュームと、当時のSSWのアルバムの雰囲気を
感じさせる手触りのジャケットに満足し、少々ラフでありながら暖かい雰囲気を感じさせる曲の数々に
のめりこんだものだ。
2001年の日本主導のCD化は、同時に世界初CD化であったが、今度は韓国主導でとんでもないブツが
CD化された。掲載写真左の「IT AIN'T ENTERTAINMENT DEMO & OTHER SESSIONS」がそれだ。
73年発表のアルバムに収録された3曲のデモというか別テイクと、同時期のセッションでアルバム未収録の
8曲が収録されている。オリジナル・アルバムのリア・ジャケットの写真を流用し、文字の色合いやフォント、
ジャケット写真の構成を似せて作られた今回のジャケットは実にいい雰囲気を出している。
完全に初登場音源というわけでは無く、元々は簡素なジャケットがつけられたアセテート盤が存在し、
11曲中6曲目までがA面に収録されていた。当時、未発表に終わった8曲の出来だが、オリジナル・アルバムに
収録された楽曲と全く遜色なく、やむなく落としたという感じだ。アルバムが売れれば『次のストック』にも
成りえたのだろうが、ポップス・ファンが求めるものと当時のゴフィンが追及したものが懸け離れていたためか
アルバムは売れず、次のアルバムが出たのは96年であった。
73年のアルバムを聴いて、まずハッとしたのは『IT'S NOT THE SPOTLIGHT』だった。聴き覚えがあると
思ったのは、ロッド・スチュワートの「ATLANTIC CROSSING」で聴いていたからだが、「こんな渋い曲を
とりあげていたのか」と改めてロッドを見直すことにもなった。話は脱線するが、「大西洋を渡ってからの
ロッドはどうも・・・」という方も多いだろうが、「ATLANTIC CROSSING」のB面の選曲のセンスは
今思えばアメリカとイギリスの両方を見据えてのもので、実に冴えていたと思う。
サザーランド・ブラザーズは勿論、クレイジー・ホースのオリジナル・バージョンを聴く度にそう思ったものだが
ジェリー・ゴフィンもか・・・と思ったものだ。
今回の「DEMO & OTHER SESSIONS」には『IT'S NOT THE SPOTLIGHT』も収録されているので、聴き比べるのも
一興。クレジットは無いものの女性ボーカルがリードをとる『BABY,I'M AFRAID YOU LOST IT』で聴ける声は
キャロル・キングとのこと。年末恒例の「HARRY'S ROCK AND ROLL VILLAGE認定ロック大賞」(笑)では
発掘部門にエントリーすべきか、過去にアセテート盤があるのでストレート・リイシュー部門にエントリーすべきか
阿呆なことで頭を悩ませている。
実に素晴らしい。
2001年。あのゴフィン=キングのジェリー・ゴフィンが、73年にボブ・ディランの影響を受けた作風で
スワンプ・ロックのアルバムを作ったという、それだけの情報しか知らなかったのだが、私には購買意欲を
掻き立てるのに十分だった。2枚組というボリュームと、当時のSSWのアルバムの雰囲気を
感じさせる手触りのジャケットに満足し、少々ラフでありながら暖かい雰囲気を感じさせる曲の数々に
のめりこんだものだ。
2001年の日本主導のCD化は、同時に世界初CD化であったが、今度は韓国主導でとんでもないブツが
CD化された。掲載写真左の「IT AIN'T ENTERTAINMENT DEMO & OTHER SESSIONS」がそれだ。
73年発表のアルバムに収録された3曲のデモというか別テイクと、同時期のセッションでアルバム未収録の
8曲が収録されている。オリジナル・アルバムのリア・ジャケットの写真を流用し、文字の色合いやフォント、
ジャケット写真の構成を似せて作られた今回のジャケットは実にいい雰囲気を出している。
完全に初登場音源というわけでは無く、元々は簡素なジャケットがつけられたアセテート盤が存在し、
11曲中6曲目までがA面に収録されていた。当時、未発表に終わった8曲の出来だが、オリジナル・アルバムに
収録された楽曲と全く遜色なく、やむなく落としたという感じだ。アルバムが売れれば『次のストック』にも
成りえたのだろうが、ポップス・ファンが求めるものと当時のゴフィンが追及したものが懸け離れていたためか
アルバムは売れず、次のアルバムが出たのは96年であった。
73年のアルバムを聴いて、まずハッとしたのは『IT'S NOT THE SPOTLIGHT』だった。聴き覚えがあると
思ったのは、ロッド・スチュワートの「ATLANTIC CROSSING」で聴いていたからだが、「こんな渋い曲を
とりあげていたのか」と改めてロッドを見直すことにもなった。話は脱線するが、「大西洋を渡ってからの
ロッドはどうも・・・」という方も多いだろうが、「ATLANTIC CROSSING」のB面の選曲のセンスは
今思えばアメリカとイギリスの両方を見据えてのもので、実に冴えていたと思う。
サザーランド・ブラザーズは勿論、クレイジー・ホースのオリジナル・バージョンを聴く度にそう思ったものだが
ジェリー・ゴフィンもか・・・と思ったものだ。
今回の「DEMO & OTHER SESSIONS」には『IT'S NOT THE SPOTLIGHT』も収録されているので、聴き比べるのも
一興。クレジットは無いものの女性ボーカルがリードをとる『BABY,I'M AFRAID YOU LOST IT』で聴ける声は
キャロル・キングとのこと。年末恒例の「HARRY'S ROCK AND ROLL VILLAGE認定ロック大賞」(笑)では
発掘部門にエントリーすべきか、過去にアセテート盤があるのでストレート・リイシュー部門にエントリーすべきか
阿呆なことで頭を悩ませている。
実に素晴らしい。