HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE KINKS / PRESERVATION IN PROVIDENCE

2010-10-23 20:17:07 | ROCK
有名なテーパーの音源がCDになると騒がれるものだが、流石にキンクスともなると、しかも
それが黄金期のプリザベーション時代となると(笑)本当の好き者しか反応しないのではと心配に
なる。まあ、そもそもブートレグとはそういう人の為に存在するものだから静かに流通するのがよろしかろう。

掲載写真は74年11月14日のライブを3枚のCDRに収録したブートレグ。前半にヒット曲を
ぶちかまし、後半は80分に渡って「プリザベーション」の世界を展開する。
コーラスやブラス担当のメンバーが多数参加してのステージは、アルバムの再現にピッタリで
レイ自身も歌にナレーションに大活躍。だいたい、「プリザベーション第2幕」のアナウンスメントの前に
鳴り響くトランペットの音が、このCDRから聞こえてきて胸がときめかないヤツがいたら、
そいつはキンクス・ファンじゃないね。

音質はオーディエンス録音としては最高峰といえる高音質で、2時間強に渡ってコンサートを楽しむことが
できる。アンダー・グラウンドでのテープはともかく私が知る限り74年のライブがブートレグCDになったのは
BBC物を除けば初めてである。それだけでも貴重な一品だ。ただコンサートをオープニングから捉えているか
どうかは疑問が残る。このブートレグは「HERE COMES YET ANOTHER DAY」(ブートレグは曲名を誤表記)から
始まるのだが、74年のライブのオープニングは「VICTORIA」で、この日に限って演奏していないという
ことは考えにくい。私が所持する「11/24/74 Palace Theatre, Albany, New York」のテープも、しっかり
「VICTORIA」から始まる。ディスク3の曲目表記も疑問があるが、そんなことを差し引いても
全てのキンクス・ファンは聴く価値のある1枚と言える。

74年は「プリザベーション」のツアーであったが、同年7月には既にテレビ放送用に「石鹸歌劇」を
収録(同年9月放送)している。74年12月までプリザベーション・ツアーを続け、75年3月に
「石鹸歌劇」を発表し4月にはツアーにでかけるキンクス。メンバーはさぞかし疲れ果てただろう。
恐るべきは、レイモンド・ダグラス・デイヴィスというわけだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする