HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

JANE BIRKIN / EX FAN DES SIXTIES

2010-03-04 20:32:58 | THIS SONG
「ビートルズのメンバーの名前を教えてください。」
こんな質問をする人は、多分いないと思うが、この質問の意図はメンバーの名前を
教えてもらうことにはない。回答する人がメンバーの名前をどんな順番で挙げてくるかが
興味の焦点である。ここでピート・ベストとかスチュワート・サトクリフとか言いだす人には
用はありません。(笑)

では、私が聞かれたら、どんな順で答えるだろうか?。
「えっ、ビートルズのメンバー?。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴだよ。」
実にありきたりである。では、何故この順番で答えるのだろう?。
多分、今まで読んだり見たりしてきた音楽雑誌やライナーの表記の多くが、この順だった
のかもしれないし、ほとんどの曲が「レノンーマッカートニー」のクレジットなので
そんな順になったのかもしれない。
お恥ずかしい話だが22,3歳の頃まではジョン・レノンはロックで、ポールは1ランク下の
ポップ・ソングを書く人くらいに思っていた。アルバム単位で考えると私にとってジョンには
決定的な1枚、いや2枚があるのだが、ポールにはない。これは今も変わらない。
しかし、シングル盤や楽曲単位で考えると話は大きく変わってくる。

掲載写真はジェーン・バーキンのシングル「EX FAN DES SIXTIES(想い出のロックンローラー)」。
かつての60年代のファンが、当時の音楽をミュージシャンの名前を織り込んで懐かしむ
内容で、ここにビートルズの4人の名前も登場する。
歌われる順はポール、ジョージ、リンゴ、そしてジョンである。特に名前の長さが
曲の尺に合った順というわけではないので、作者のゲンスブールが好きな順番だったらと
考えると面白い。

ちなみにこの「想い出のロックンローラー」だが、深く考えて歌詞を読まないことを
お勧めする。考え始めると酒の量が増えてしまうから。
例えば・・・。
何故「ドアーズ」と「ジム・モリスン」が歌いこまれているのか?。
何故「ストーンズ」はダメで「ブライアン・ジョーンズ」はO.K.なのか?。
「T.レックス」よりも「マーク・ボラン」のほうが良くはないか?。
だいたい、「T.レックス」と名乗り出したのは70年代なんだけど・・・

で、私も決めました。もし、先のような質問をされたら、今後はこう答えようと。
「ビートルズのメンバー?。ジョージ、ポール、ジョン、そしてリンゴだよ。」
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ムスタング / ゲルピン・ロック 

2010-03-02 22:17:20 | THIS SONG
先日の放送をハード・ディスクに録画しておいた「GSワンダーランド」を見た。
一番の目的は、栗山千明である。一般受けするタイプの女優ではないが、私は好きである。
10代の頃に好きになった同級生に似ているというのが一番の理由であるが(笑)、
一筋縄でいかなさそうなところが好きなのかもしれない。
相方には嫌がられるが、G.S.は割と好きで、あの名コンピレーションCD「カルトGS
コレクション」のCDは全て所持している。

「グループ・サウンズ」としてデビューしたのはいいが、レコード会社の思惑に
踊らされ、メンバー達の意思を超えたところで物事が進んでいくという図式は
メジャー・カンパニーにいれば多かれ少なかれ今も昔もそんなに変わらないだろう。
元々、「レコード会社の思惑」でデビューできたのだから。
それでも、今ならCDを聴いて笑って確認できる、何でもありの迷走ぶりは当事者にも
訳がわからなかっただろうし、気の毒な感じもする。

映画は配役が良かったことと、当時のディテールの再現度の高さ、それに映画用につくられた
オリジナルの曲の出来の良さの3つが揃っていて、十分楽しめた。
レコード会社の社長役である岸部一徳が、タイガースの「銀河のロマンス」のシングルを
見ながら「凄いねぇ。67万枚だってさ。」と会議で呟くのは最高だ。

タイガースやスパイダースのシングルが格好良いのはともかく、GSのコンピ盤を聴いて
一発でぶっ飛んだのが掲載写真のシングル。ムスタングは今ではマスタングと言うのが
正しいのだろうが、アメリカのスポーツ・カーから名前をとったであろう日本人のバンドが
ドイツ語(?)に由来する言葉をタイトルにした歌を歌うというのが可笑しい。
いやいや、本当に曲を聴いて単純に気に入りました。(笑)
正当派のロックンロールなのに、曲の途中にやたらと入る合いの手がいちいち面白いし
だいたい、車や飛行機の効果音を楽器で無く口で表現するという馬鹿馬鹿しさが
強烈だ。水木一郎が歌う特撮ソング『超人バロム1』には敵わないけれど。(笑)

ムスタングはこのシングル1枚しかレコードを残していない。このシングル並みの曲が
12、3曲入ったアルバムの1枚もあれば、もっとその名が後世まで知れ渡ったであろう。
それだけに、これはGS好きには忘れることの出来ないシングル盤である。
コメント (4)
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村八分 / ぶっつぶせ!!1971北区公会堂 Live

2010-03-01 20:31:59 | 日本のロック・ポップス
俺の話を聴いてほしい
冴えない男の お話で
銭ゼニ金かね 差し出して
カモじゃないさと つぶやいた
ああ 尽きぬ欲をも どうして満たすやら

私が村八分の存在を知ったのは1984年のことだったが、その頃はまだ村八分の
レコードはエレックから出ていた73年の西部講堂でのライブ盤しかなかった。
「他のライブ録音やスタジオ録音なんて、残ってないのかなあ。聴きたいものだ。」という
思いはずっと続いていたのだが、世紀も変わった頃から次々と新しい音源がCD化され
2005年には「とどめ」と言わんばかりのボックスも世に出た。
20年前のことを思えば、おそろしく充実した気分であったが、またしても新しい音源が
登場した。

ボックスの年表を見るまでも無く、村八分最初期の音源である掲載写真のライブは
オーディエンス録音特有の生々しさと迫力が、十二分に感じられる音源である。
ジャケットに写る3人こそ村八分の基本だという、山口冨士夫の思いも伝わってくるジャケ写も
雰囲気を出している。

しかし。そんな貴重な音源だからこそ、もうちょっとなんとかならなかったのかという気持ちが
CDを聴き進めるにつれて増幅する。ジャケットも改訂版歌詞カードも、間違った曲順が
記載されているし、致命的なのはテープ・スピードが遅いことだ。
ブルーズ・マンが声の調子にあわせてチューニングを変えるというのは、よくあるが
村八分はそんな器用なバンドではないだろう。今回の録音に最も近い日付はボックスの
ディスク1だがそこでの演奏と比べても、やはりピッチが遅い。
Cのコードで始まる曲がBで始まるといえば、どれくらい違うかわかるだろう。
発売側は気付かなかったのか。

それでも貴重な音源に間違いは無い。
でもね。ピッチ調整のできるCDプレイヤーを買う金は私には無いのであった・・・。
コメント (10)
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