HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

2016 NOBEL PRIZE IN LITERATURE

2016-10-13 21:45:53 | DAY BY DAY

ポピュラー・ミュージックにおける歌詞の持つ役割は重要である。聴き手自身を
投影させることで個の共感を得ることができ、それが個人史の中での音楽の延命に
繋がるし、社会問題を投影させることで時に誤解を招く危険を孕みながらも、
世論を動かすことも出来る。

今年のノーベル文学賞はボブ・ディランが受賞した。意外なようで当然のような
気がするのが自分でも不思議だ。ポピュラー・ミュージックにおける「詩」という
ジャンルからの選出なら誰よりも最初に名前が挙がって当然かもしれない。
しかし、選考にあたっては数多の世界の小説家や戯曲家とも比較されるわけで、
仮に本人が「賞を欲しい」と思ってもなかなか受賞への道程は厳しいはずだ。
そんな中での受賞はディラン・ファンとして素直に嬉しい。

とは言うものの、私はそれほど熱心にディランの歌詞を追いかけたわけではない。
今の風潮は知らないが、昔のガイド本やその類に「SSWならではのナイーブな感性が
云々」とか、「歌詞が重要」とか書かれたミュージシャンやレコードの紹介文を幾つも見た。
捻くれ者の私は「曲やアレンジより歌詞が重要な人なら詩集でもだして趣旨替えしろよ」
なんて思っていた時期もあった。ま、今も少し思っているけど。(笑)

ディランの場合はそれとは違って、曲もツアー毎に変わるアレンジも好きだったし
何より声や歌唱の節回しが好きだった。ネイティブであればもっと歌詞を理解できた
であろうことを自分の努力不足を棚に上げて羨ましく思いつつ・・・。
それでも、当然ながら好きな曲の歌詞は気になるし、事実幾つかの曲の歌詞の一節は
心に強く突き刺さっている。

ともかく。本人がこの賞(設立された経緯を含めて)をどう思っているか知らないし
どういうコメントを出すかもわからないが、目出度いことだと思う。

コメント (14)
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