先週は夏休みをとって帰省した。帰省となると新幹線や列車に7時間近く乗るわけで
そこで毎度のことながらiPodの登場となる。普段聴かないアルバムをと思い古の
英国ハードロックの盤を聴こうとしたのだが、何とも気が乗らない。紙ジャケで5枚
ほど所持しているこのバンド、もしかしたら私には必要ないのかも。そろそろ身辺整理の
時期か。(笑)
TVでよく見る980円で聴き放題なんたらかんたらとかいうCMの中で「ドライブで
盛り上がる曲」とか「テンションなんたら」(笑)とかいって候補曲を選ぶ場面がある。
いちいち鬱陶しいと思っていたが、「列車内で聴く曲」なんて言えば何か選んで
くれるのだろうか。結局テンプスの諸作やディランの地下室ボックスや頭脳警察等を
聴き続けた。3500万曲の中にこれらの曲があるのかどうか知らないのだが少なくとも
先の私のリクエストにこれらを選出してくれることはないだろう。
掲載写真はマーク・リーボウが自身のグループをヤング・フィラデルフィアンズと名乗り
敢行した日本でのライブを収録した「LIVE IN TOKYO」。録音は14年で収録曲は
全て往年のフィリー・ソウルの名曲ばかり。リズム・セクションはオーネット・
コールマンのプライム・タイムに在籍していたことのある二人で、そこに一筋縄では
いかないもう一人の女性ギタリストと三人のストリングスが絡む。
ジャズともソウルとも形容しがたい音の形態は予想通りであるが、音の展開は予想すら
出来ない面白いもので、どちらの聴き手からも敬遠され或いは好かれる可能性がある。
その振れ幅の広さがロック者には受け入れられやすいはず。
パンクにファンクにソウルにノイズ、そしてジャズ。ジャンルわけに便利な別方向を
向いたこれらの言葉が一つになるその瞬間が、即興がユニゾンになるとの解釈が
可能なハーモロディックを体現しているというのは、自己本位の緩い解釈ではあるが
そんな戯言を真に受けたくなる魅力が、この盤には刻まれている。