掲載写真はニール・ヤングの新作で2枚組のライヴ盤「EARTH」。昨年のツアーで
録音された音源に、スタジオで綿密に録られたコーラスや様々な鳥や動物や虫等の
鳴き声や街中での生活音をダビングしてあり、単純な記録としてのライヴ盤とは
一線を画す。
昨年リリースされた「THE MONSANTO YEARS」でも明確に表明されたニールの
地球環境保全の姿勢を更に強く打ち出すようなアルバムで、あたかもニールの曲や
メッセージが心ある人間だけでなくあらゆる生き物にも届け、或いは届かせるのだと
いうような意志を感じさせる。
収録された楽曲の演奏が素晴らしいのが、この2枚組を素晴らしいものとしている。
「THE MONSANTO YEARS」収録曲は勿論のこと、意図的にかどうかは知らないが
91年の傑作「RAGGED GLORY」から多くの曲が取り上げられているのに気付く。
そのせいか、はたまたエレクトリック・ギターでの熱演が多く聴けるせいか、91年の
演奏を収録したこれも傑作ライヴ盤である「WELD」を想起させる。当時は反戦という
大義があったが何れにせよ、ロック・ミュージシャンが社会問題に言及することが
求められない昨今にあって、ニールの精神というか存在は貴重で尊いものだと改めて
感じた新作であった。
「LIVE」は「liv」であり「laiv」である。生の演奏が生活と同期する様を多くの人が
目の当たりにせねばなるまい。今宵その夜、である。
全く退屈しない100分間に心が洗われる。
さて。国のための準備はいいか?