昨日の流れで引っ張り出してきたのが、ミュート・ビートが88年にリリースした
セカンド・アルバム「LOVER'S ROCK」。
これもリアル・タイムでは聴いていない。また繰り返しになるが私にとっては
時期が悪かった。時はバブル期真っ盛りであり、大きなビルが建ちそこに企業が
金を出したライブハウスが入るといった時期でもあった。冷静に聴けば硬派な音楽
であるのに、私の感性は捻くれて別の方向を意識して見ようととしていたことが
弊害となっていたとしか弁明のしようがない。(笑)
音の隙間で交わされる濃密な楽器のやり取りとミュージシャンの息づかいに、
気持ちの良い音であるのに、心地よい緊張感を強いられる。これが80年代の音なら
あの時代の音も捨てたものではないと、一瞬だけそんな気持ちにもさせる。
御存知の通り、このアルバムのジャケットには、スリーマイル島の原子力発電所の
写真が使われている。全編インストの盤であるが、声高にアジテーションをしなくても
これが何に対してアピールしているかは明白である。
昨日取り上げたストーンズ・トリビュートを出した会社からは絶対に出せないCD。
アルバム最後に配された曲はイアン・デューリー&ザ・ブロックヘッズのカバー
『LULLABY FOR FRANCES』。(綴りはこのアルバムに記された通りに記載)
スリーマイル島原発事故があった79年にでたアルバム「DO IT YOURSELF」に
収録されている曲である。ロック者として、この盤を愛する理由はこんな処にも
あるのだ。