HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

TWO TONE KISSES

2015-06-11 22:00:09 | ROCK

      

ストーンズの「FROM THE VAULT」シリーズはどれも素晴らしいのだが、今回もまた
格別のセットと言って過言ではないだろう。

発売されたタイトルは「THE MARQUEE CLUB LIVE IN 1971」で、そこにかつて
配信で発売され、その後超高額物件の箱物で限定発売された「BRUSSELS AFFAIR」の
CDが添付されるというもの。

今回は日本盤に限って両者が独立したCDサイズのケースに収められている。
73年の絶頂期を捉えたライブ盤が「おまけ」のような扱いになるのを避けられたという
意味で、この計らいは実に「粋」であり、製作者のストーンズ愛をひしひしと感じる。

ブリュッセルでの演奏はアナログの時代からブートレグで親しまれ、私でさえ未だに
3種のブートレグを所持しているのだが、オフィシャルで配信された時は聴いたことの
ないセカンド・ショーの演奏が多く含まれて驚いたものだ。

それをCDRにして聴いてはいたが、こうして手軽な値段とは言えないものの、
それなりに頑張れば手に入る値段で流通したというのは画期的でさえある。この時期
特有のチャーリー・ワッツの裏拍を強調するバス・ドラの響きと、オープン・ハイハット
とタムの組み合わせで聞かせる絶妙のタメに魅せられて、もう30数年であるが
未だにこの気持ち良さには勝るものはないとさえ思う。

ここでの『MIDNIGHT  RAMBLER』は最強だろう。白人ブルースマンの多くが
シカゴやテキサスのモダンでアーバンな(笑)ブルースを真似たのに対し、ストーンズは
ブギ仕様のエンジンを搭載し、減速と加速を見事に演出したのだから。

マーキーの方は、画質の悪いVHSで親しんだものだ。頻繁に切り替わるカメラに
イライラしたのも何だか懐かしい。これを初めて見たのは二十歳くらいだったのだが
『BITCH』のメイン・リフをミック・テイラーが弾いてキースがリードの役割で
あることに驚いたものだ。

演奏時間に4時間も遅刻してやってきた髭面のキース・リチャーズというのもなかなか
他では(少なくともステージでは)見られないし、「BRUSSELS AFFAIR」には参加
していないボビー・キーズの熱い演奏を聴くと、彼のベスト・プレイの一つに『LIVE
WITH ME』を挙げた私は正しかった、という思いも強まる。

さあ、次は76年のパリとネブワースを2枚のブルー・レイと4枚のCDでお願い
したいところだ。

コメント (4)
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