HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 27

2014-07-27 08:58:55 | JAZZ

今でも全くジャズは疎いのだが、おそらくはミュージック・マガジンか何かで見た早坂紗知&
STIR UPのアルバム「ストレート・トゥ・ザ・コア」のジャケット写真は強烈に印象に残っていた。
ジャケットに写る女性の写真を見て単純に「女性でサックスを演奏する人がいるのか。」と
思っただけなのだが。

今では女性のサックス・プレイヤーなんて珍しくもなんともないが、87年或いは掲載写真の
アルバム「ストレート・トゥ・ザ・コア」が出た89年頃は、ほとんど存在しなかったのではないだろうか。
ヴァイ・レッドのような人もいたが、日本人ということだと私には想像もつかなかった。

まあ、そんなことを思いながらも当時の自称一本気なロックンローラー(笑)は、脇目もふらずに
ロック道を邁進していたので、この盤を手に取ることもなかったのだが先日の再発を機にようやく
手にした。で、その格好よさに驚いたというわけである。

オーネット・コールマンにローランド・カークという私の好きな先達の曲を取り上げているのが
掴みとして入りやすかったし、その解釈の素晴らしさというか猛々しい感じが気分にぴったりで
何より「小洒落た」感じが全く無いのが良いのだ。

「二本吹き」ができるが故の、ソプラノからアルトへ瞬時に音を繋げる技というのはアルバムの
録音にあたってはダビングでも良さそうなものだが、それを一発でやってしまうところに
ジャズの在り方を垣間見るようで、そんなところも男気ならぬ女気を感じる。

トロンボーン奏者が作ったスカ・ナンバーや早坂のオリジナルも、オーネットの『ロンリー・ウーマン』の
ロック的アプローチに負けず劣らず強力であった。

阿呆な私はSTIR UPにSTRAIGHT TO THE COREなんて言われると、よからぬ想像をして
しまうのだが、それは逆にそれだけ琴線に触れる官能的な盤であることの証左であると
身勝手な解釈をして、この盤を愛で続けることに決めた。そして彼女のような人をライブの
メンバーに取り込むことのできた原田芳雄のことを改めて考えるのであった。

コメント
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