HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

LINDA LEWIS / SAY NO MORE . . .

2012-03-19 21:32:10 | ROCK

何故今まで只の一度もCD化されないのか不思議でならなかった、リンダ・ルイスの71年のアルバム
「SAY NO MORE . . .」が、やっとCD化された。リプリーズ・レーベルの「LARK」や「FATHOMS DEEP」は
とっくにCDになっていたのに、何だか意図的に忘れ去られていたみたいで解せなかったのだが
もう一度書くと、やっとCD化された。目出度し愛でたしである。(笑)

「LARK」がリンダの最高傑作であると言う人は多いだろう。勿論私も異論は無い。で、その次が「FATHOMS
DEEP」と続くのは、まあそれも半分くらいは肯定するのだが、そう続くのは「SAY NO MORE . . .」を
簡単に聴くことができなかったから、とい気持ちも半分ある。

単純に黒人だからソウルというわけではなく、ロックでもポップスでも何でもいいが、リンダの音楽は
安易なジャンル分けを望んではいない。中庸という言葉は、時につまらないものを指す時にも使うので
使いたくは無い。境界線の無いリンダの音楽は、開放的で自由で気持ちが良い。このアルバムの
前にグループのメンバーとして参加した盤が2枚あるが、この盤を聴けばリンダのソロとしての最初のステップが
如何に大らかで軽やかだったかがわかるだろう。

贔屓の引き倒しと言ってもらって結構なのだが、この盤が世に出る上での最大の貢献者は、リンダを除けば
クリス・スペディングである。クリスはギターは勿論、ベースやピアノまで弾き、アレンジのアイディアや創作上の
貢献があったことがクレジットされている。

冷静に聴けば、メロディーの起伏に関わらず、ギターがキーとなるワン・コードのカッティングで押し通す箇所が
ある曲が1枚のアルバムに2曲もあれば、そこだけ妙に目立ってしまっているのだが、きっと些細なこと
なのだろう。(笑)リプリーズ時代の3枚のアルバムの中で、一番ロックの要素が残っているのは
クリスさんのおかげだろう。何だかんだ言ってもロック者としては、このアルバムの、「いいロック加減」(笑)が
好きだ。

アカペラで始まり、壮大なオーケストラとコーラスで終わるアルバムの構成も素晴らしい。
何れにしろ、今回のCD化(すなわち、誰でも簡単に聴くことができるようになった)を喜びたい。
早くも年末の当ブログ認定「ロック大賞・ストレート・リイシュー部門」最有力候補の登場、である。

コメント (8)
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