HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

FLOWERS FOR AL JARDINE

2012-03-08 21:29:24 | ROCK

ビーチ・ボーイズが8月に来日するという。ブライアン・ウィルスンとマイク・ラヴが揃ったビーチ・ボーイズと
いうのは、可笑しな表現であるのは承知の上だが、何だかとても貴重な感じがする。
きっと楽しいライブになるのだろう。私は行かないけれど。

掲載写真はアル・ジャーディンが2010年にリリースしたアルバム「A POSTCARD FROM CALIFORNIA」。
意外と言えば意外なのだがアルの初めてのアルバムで、具体的な録音時期のクレジットはないのだが
08年には完成していたものの発売するレコード会社が決まらず、10年に自主制作の形で発売された。
私が所持するのはCDーRで、ジャケットも写真が多くあるものの印刷の具合が如何にも自主制作という
感じである。(笑)この3月には普通の流通経路に乗るようなので、広く聴かれることになると思うが
ということは、3月発売のヤツはプレスCDなんだろうなと思うと、ちょっと悔しい。(笑)

ビーチ・ボーイズにおけるアルの役割というのは、サイド・ギターとコーラスで余りリードをとることもなく
印象は地味だ。それでもビーチ・ボーイズ・ファンなら誰もが知っている『HELP ME ,RHONDA』(『HELP
ME ,RONDA』)のリードはアルだし、作曲での貢献もかなりあって私は「SURF'S UP」収録の『DON'T
GO NEAR THE WATER』なんかは好きな曲だ。

今回のアルバムは実は目玉が多く、なんでこれがなかなかレコード会社が決まらなかったのか不思議なくらい
良いアルバムだと思うのだが、まずビーチ・ボーイズの当たり曲『HELP ME , RHONDA』や『CALOFORNIA
SAGA』のカバーが楽しい。前者のボーカルとギターでスティーヴ・ミラーが、後者のリード・ボーカルにはアルの
他にニール・ヤングがクレジットされ、コーラスにはクロスビー&ナッシュが参加。

『DON'T FIGHT THE SEA』はボーカルにカールの名前があるので、録音は古い部類に入るのだろう。
ブライアン・ウィルスンは3曲に参加。何らかの曲で今夏来日するメンバー全員の名前を見つけることが出来るし
アルの息子達も参加し、まさに家族と友人でつくったアルバムという感じで、かつてリンゴ・スターを盛り上げるべく
豪華なメンバーが揃ったアルバムがあったが、それと同じように聴いて楽しい盤だ。

ブライアン・ウィルスンの新曲として地味にビーチ・ボーイズのベスト盤の末席に置かれた『CALIFORNIA
FEELIN'』のアル・ジャーディン・バージョンというのも乙なものだ。アルの自前の曲の出来もよく、
全てのボーカルがアルであるという統一感を差し引いても、ビーチ・ボーイズ・カバーと並べても遜色ない。

先に名前を出したついでではないが、リンゴ・スターの最新作「RINGO 2012」を聴いて、普通にポップで
ロックなアルバムを作れるという才能は、何て素晴らしいのだろうと思ったばかりだが、このアルバムも
正にそんなアルバム。機会があれば是非。

コメント
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