ディノ・ヴァレンテが自身の名を冠した唯一のソロ・アルバム「DINO VALENTE」がCD化された
時は、飛びついて買った記憶がある。クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスのメンバー
だったということと、何やら怪しげなサイケなフォークという紹介のされ方が気になったからだ。
聴いてみると、暗く沈みこむような音なのに何故かどんどん覚醒していく不思議な感覚が
気に入った。ジャケットも格好良いし。頻繁に聴くことはないが、思い出したように聴く盤の
仲間入りをしたのは言うまでもない。
一般的にディノ・ヴァレンテの曲で一番有名なのは『GET TOGETHER』だろう。ディノが本名の
チェスター・パワーズを名乗って書いた曲で、ヤングブラッズやジェファースン・エアプレインの
演奏で知られるものの、本人の歌唱を収録した盤を聴いたことが無かった。
掲載写真は先日リリースされたディノの未発表集「GET TOGETHER」。64年から70年に
かけて録音された曲を集めていて、アルバム・タイトルになったように、遂に本人の歌で
「GET TOGETHER」を聴くことができた。そのこと自体が嬉しいのだが、アルバムを通して
聴き進めるにつれて「何故これだけの音が今まで未発表だったのか」という驚きが増大していく。
単なるデモではなく、楽曲毎にしっかりアレンジされていて、ギターとパーカッションのシンプルな
構成のものがあれば、ピアノと弦がしっかり絡む素敵な『COUNTRY FAIR』のような
曲もある。13分を超えるこの曲は即興的なところもあると思うが、ディノの歌唱も絶妙で
今のところアルバム中、これが私のフェイバリット。趣は違うがフレッド・ニールの「SESSIONS」を
好きな人にもアピールするだろう。
さて、このCDは普通にamazonで購入が可能なのだが、It's About Music.comのHPで
購入すると、9曲入りのボーナスCD-Rが付いた2枚組として購入できる。
『GET TOGETHER』の別バージョンや『COUNTRY FAIR』の
アコースティック・バージョンを聴くことができるこのCDーRを見逃す手はない。
そして。また、CDを買ってバッヂを貰ったのである。(笑)