HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

GAINSBOURG / AUX ARMES ET CAETERA

2010-12-24 21:03:46 | REGGAE

昨日のスペシャルズと同じような感覚で「レゲエ100選」に選んだのがゲンスブールの
79年のアルバム「AUX ARMES ET CAETERA」。シャンソンを軽く飛び越えジャズから
ポップスまで様々な音楽をこなしたセルジュが、レゲエに挑んだといえば格好良いのだが
眼のつけどころがワン・テンポ遅かった親爺が、単なる快感原則に則って録音した盤と
言ってしまえば、身も蓋もないか。(笑)いや、ほとんどそんな感じだと思うし、だからこそ
私はセルジュを好きなのだ。

只でさえ歌詞が穏やかでないフランス国家の歌詞を引用し、レゲエ・アレンジで歌うというのは
ポピュラー音楽を作ることを生業にしている人間にとって、どれくらいチャレンジングというか
危険な作業であったかということを、まずは理解する必要がある。事実、セルジュはナショナリストの
襲撃を受けるようになり、その反動からか後年には「ラ・マルセイエーズ」の著作権を
買い取ったりもしている。レゲエということに惑わされるかもしれないが、歌詞のいかがわしさは
さておき可愛らしいメロディーの曲が意外と多いので、セルジュ全史の中でも軽んじることは
出来ないアルバムなのだ。

そして何が凄いかというと、このアルバムを録音した面子である。バックはスライ&ロビー率いる
レボリューショナリーズで、コーラスはアイ・スリーズ。出て来る音は、何処に出しても恥ずかしくない
ルーツ・ロック・レゲエ。メロディーはアイ・スリーズに歌わせ、自らはここ数年の芸風(笑)である
ボソボソと呟く感じでの吹き込み。ディージェイ達のような派手に目立つ立ち回りこそないが、
これぞセルジュ、という趣を感じるのは私が単なるセルジュ信者(笑)だからか?

何れにせよ、私が「レゲエ100選」を編む目的の一つはこのアルバムを紛れ込ませることに
あったのだ。そして目的は穏やかに遂行された。
そんなに時間はとらせない。だから12月だけのクリスチャンの貴方もジャマイカへ飛んで欲しい。

ところでセルジュ、そこは火星じゃないよね?。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする