HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

追悼 キャプテン・ビーフハート

2010-12-19 18:16:19 | ROCK

FZのことを記事にした翌日に、牛心隊長のことを書くことになるのは何か因縁めいた
ものを感じる。残念なのは、それが訃報であるということだ。

キャプテン・ビーフハートが12月17日、多発性硬化症の合併症のためカリフォルニアで
亡くなった。享年69歳。

ビーフハートを聴いて感じたのは、「難解である」とか「面倒くさい音楽」とかではなく
「ブルーズを拡大解釈し、風通しをよくした音楽」ということである。敢えて名指しは避けるが
先日リイシューされたギタリスト二人が延々ソロを繰り広げるような音楽がブルーズなら
私にとってブルーズは実に退屈なもので終わったはずだ。
ビーフハートは、ブルーズに不協和音やノイズそしてロック本来のダイナミズムと、何より
自由な発想を持ち込んだのだ。

後年のビーフハートの音楽には70年代初期にあった、「唸り」や「うねり」が薄れていった
気がするが、82年には音楽業界から身を引いて絵画の創作活動に入る。
ビーフハートのディスコグラフィーの変遷は、音楽とそれを取り巻くビジネスに興味を
失う過程でもあり、それを思うと何となく複雑な気持ちにもなる。

掲載写真は72年の「THE SPOTLIGHT KID」。アルバム制作にあたりリプリーズから
前払いされた金でジャケットを新調し、文字通りジャケット制作したという逸話が最高だ。
ビーフハート没後も私たちは残された音楽を聴き続ける。
単純に気持ちよくなるために、そして複雑なリズムとメロディーの謎に迫るために。

THE TORTURE NEVER STOPS・・・・

コメント (2)
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