HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

TIM BUCKLEY / LIVE AT THE FOLKLORE CENTER,NYC

2009-09-06 15:19:25 | ROCK
CDの時代になってリリースされたティム・バックリーのライブ盤は
BBC物を除けば4枚ある。最初に発売されたのは2枚組の
「Dream Letter: Live in London 1968」で、ティムのライブ盤が発掘される
なんてことを思いもよらなかったのと、演奏内容が良かったこともあって
音楽雑誌では好意的に評価されていたように記憶する。
実際、私も何度も聴いたものだ。

掲載写真は最新発掘盤で67年3月6日にNYはフォークロア・センターで
録音されたライブ盤。つまり、これまでにリリースされたライブ盤と比べて
最初期の録音である。最初の2枚のアルバムを中心に未発表曲を6曲も
演奏しているというのが、購入前のセールス・ポイントであるのだが
内容も素晴らしく、若々しいティムの声とギター・プレイは単なる
「フォーク」の枠を軽くはみ出る様を容易に感じることができる。
とてもギター1本での演奏と思えない迫力と存在感は、デビュー時点で
既に完成形で、そこに留まらずディランと同じように次の地平を目指した
からこそ今も多くの聴き手に支持されていると思う。
語弊があるかもしれないが、ソウル寄りのアプローチをとったと私は
解釈していて、それを可能にしたのはティムの声があったからで、
そこにウッドベースとヴァイヴを組み合わせるというのは、実に
冴えたアイディアだと思ったものだ。
この最初期のライブはジャケット写真からもわかるように、観客はごく少数
だったのだが幸福な体験をした彼や彼女達は、その後のティムを追いかけた
のだろうか。

古い録音の割には、68年の「THE COPENHAGEN TAPES」とは比べられない
くらい音質もいいので、手に入れる価値はある。
ティム・バックリーを説明する時に使われる常套句を意識して使わなかった
のは、単にその言葉が嫌いだからでそれ以上でも以下でもない。(笑)
コメント
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