HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

追憶のブートレグ61・ACT58 / BONZO DOG BAND

2009-03-17 20:55:03 | ROCK
ボンゾ・ドッグ・バンドを初めて知ったのは、ビートルズの「マジカル・
ミステリー・ツアー」のビデオである。そこに収録された曲(DEATH-CAB
FOR CUTIE)は、なんだかふざけた曲調で最初は印象が悪かったし架空のバンド
だと思っていたのが、ある日それがボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドと
いうこれまたふざけた名前の実在のバンドであると知って興味が湧いてきた。
試しに1984年に出たベスト盤を買って、それを気に入り今に至る。
LPを間違ってB面からかけてしまい、冒頭の「THE INTRO AND OUTRO」の
ふざけ具合が、先のマジカル・ミステリー・ツアーとバッチリ結びついたのも
今思えば良かったのかも知れない。メンバー紹介を兼ねているかと思えば
ジョン・ウェインが木琴を、アドルフ・ヒトラーはヴィブラホン、
おまけにエリック・クラプトンはウクレレを担当、なんて出鱈目を並べ立てる
洒落は強烈に笑いを誘ったわけである。

そんなボンゾズのブートレグCDは私が知る限りは2枚しかない。
1枚はメンバーのソロなどのオフィシャルとして発売された音源の
カウンターフィットが内容の大半を占めるもので、それほど有り難味は
感じなかったが、掲載写真のブートレグCDRは興味深かった。
クレジットをどこまで信用していいのかわからないが、68年12月の
「COLOR ME POP」から14曲、69年8月のアムステルダムでのライブが
7曲収録されている。前者はテレビ番組なので「絵があるだろう。」という
思いもあるが、そんなものは見たことが無いし音が聴けるだけでありがたい。
昔はビートルズやストーンズもテレビ番組から落としたブートレグが
重宝されたものだ。後者は途中ではいる喋りがライブ感を削ぐ編集で
どこまでが本物のライブかすら怪しいが名曲「URBAN SPACEMAN」は
紛れも無くライブのアレンジで聴くことが出来、これが聴けるだけでも嬉しい。
実際、音質は誉められた物ではない。しかしながらそれを上回る価値が
ここにはあると思うし、何度も書いているがこれこそがブートレグの
醍醐味である。

音質が今ひとつということを書いたのだが最近気になることがある。
音楽CDの新素材開発もそうなのだが、今や映像ソフトはDVDから
ブルーレイに移行しつつあるの。これは画質音質重視の側面が強くなっている
ことを意味している。そうすると何が気になるかと言うと、以前ビデオで
発売されて今や廃盤になった製品の中でも、画質を差し置いて貴重さ優先で
ソフト化されたブツはこの先ブルーレイでは再発の対象にすらならない
可能性があるということだ。
それは画質が優れているほうが良いに決まっているが、画質は良くても
内容がゴミなら本末転倒である。

ボンゾズのブートレグを聴きながら、音質や画質を云々する前に、
音楽の本質的な良し悪しを惑わされないようにしたいと思うのであった。
というわけで、ボンゾズの演奏シーンを数多く見る事が出来る「ドゥ・ノット・
アジャスト・ユア・セット」はDVDで手に入るうちに買っておきましょう。
コメント (2)
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