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HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

これ、な~んだ?。

2010-11-26 23:10:58 | REGGAE

数日前にやっとこさ届いたのが、ウイングレス・エンジェルのCD。馬鹿でかい日曜大工で
つくったような箱に入っているのが、そこらの雑貨屋で売っているようなジュード麻の
何と言うか、複雑な入れもの。その中に2枚のCDと1枚のDVD、ステッカーにブックレット、
そして掲載写真の紙きれ。2枚のCDのうちの1枚は過去盤だし、普通に流通するCDを買えば
事足りるのだが、酔っ払いの勢いというのは止まらないもので、この「紙きれ」目当てで
世界限定100枚の仲間入りをしてしまった。DVDはほとんど演奏シーンが無く余り面白いとは
言えないのが、少々残念。

ストーンズ・ファンには良く知られた海外のHPでこの箱の全貌を見ることができるのだが、
どうも「紙きれ」のデザインは1種ではないようで・・・。(笑)
こんなものを買うのは好き者か変わり者のストーンズ・ファンであるのは間違いなく、何れにせよ
辛い出費であるのは間違いない。

それでも、レゲエ或いはナイヤビンギというものに、ある程度の嗜好があれば幾らかは
救われるというものだ。ジャスティン・ハインズのレコードを聴いたことがあるなら、尚更だ。
もう、自分を納得させるために、いろいろと後付けしているのだが、私が「レゲエ100選」に
トライする景気付けというか、ご褒美というか、そんなふうにさえ捉えている。
勿論、ジャスティン・ハインズも私的レゲエ100選にランク・インしている。

ナイヤビンギではないが、ジャスティン・ハインズ&ザ・ドミノスの76年の「JEZEBEL」は
一度は聴くべきだろう。オジー・ヒバートとアーネスト・フー・キムの二人の仕切りによる録音の妙と、
アルバムの全曲で映画「ロッカーズ」の主人公であるホースマウスがドラムスを叩くという
二つの隠し味が、ジャスティンの歌唱に彩りを添える。

「レゲエ100選」も実のところ、後5枚を残してほぼ確定なのだが、残り5枚が辛い辛い。
アーネスト・フー・キムの技が冴える「LIBERATED DUB」を入れるか、はたまた
オジー・ヒバートの「LEGGO DUB」を選ぶか・・・。どっちも選ばなかったりして。
今夜も眠れない。(笑)

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WILLIE WILLIAMS / ARMAGIDEON TIME

2010-11-16 20:00:53 | REGGAE

レゲエのアルバムを立て続けに聴いていくと、ヤバいことになる。実にヤバいことに。
それがどういうことかというと、ロックのレコードが酷くゴテゴテと飾りつけたものに思えたり
かったるく感じたりするのだ。これはロック者としては非常にまずい。ロック馬鹿一代を標榜しても
いいというくらいロック好き(それでも、最早期間限定なのだが)のはずなのに。
家ではレゲエ、カーステではストーンズとデッド。ああ、なんだかダメ人間になりそうだ。(笑)
先日のBSでの日本のロック特集が楽しめなかったのは、これが一因かも。(?)

『レゲエ100選』にトライすると大見栄を切った以上、ちょっとは気合を入れているのだが
選盤の基準には、どうしても今まで聴いてきたロックからの影響が大きく関わってくる。
ウィリー・ウイリアムスのアルバム『ARMAGEDON TIME』(掲載写真)もそんな1枚だ。
勿論100選の内の1枚である。

ウイリー・ウイリアムスというと、今でも最初に浮かぶのは1980年にアントニオ猪木と
異種格闘技戦を闘った空手家である。今までテレビで見てきたプロレスとは違った緊張感と
うやむやな感じでリングアウトになってホッとした妙な気持ちは、今でも忘れられない。
もっとも私は20歳くらいまで、猪木が世界で一番強いと信じていたのだけど。(笑)

レゲエのウイリー・ウイリアムスは、クラッシュのファンなら避けて通ることはできない存在だ。
なにせ、シングル「ロンドン・コーリング」のB面でウイリーの「ARMAGEDON TIME」をカバー
したのだから。クラッシュのレパートリーとしては、比較的地味な感じがしたが、
ウイリーのバージョンはドラムスの刻みは単調なものの、キーボードとホーンのアレンジが
効果的で気持ちがいい。というか、この曲には実はオリジナルがあって元曲はサウンド・ディメンションの
「REAL ROCK」でこれをダブにしたトラックに歌を被せたのが、ウイリーのバージョンである。
サウンド・ディメンションの盤は60年代の録音だが、2008年にCD化されたので今でも
容易に聴くことが出来るので、興味のある方はそれも試してみていただきたい。

スタジオ・ワンに残されたトラックを駆使してつくったアルバムなので、土台は保証されたような
ものだが、そこに被さるボーカルの素晴らしさは素直に認めるべきだろう。
「TURN ON THE POWER」のトラックの勢いに負けず劣らずの、ダブル・トラックで録られた
ボーカルの活きの良さは、ソウル・ファンにも聴いてもらいたいほどだ。
アルバムの構成も見事で、最後はミディアム・テンポの幾分甘めの曲調で終わるのがいい。

このアルバムは1度CD化されたのだが、アナログ盤とは似ても似つかぬジャケットでのCD化だった。
LPのジャケットを見て何の予備知識も無しに購買意欲が沸くかと問われれば、それは疑問だが
私はこのジャケットが好きだ。結構、本人に似ていると思いますよ。(笑)

クラッシュ絡みでいくと、トゥーツ&ザ・メイタルズや、マイキー・ドレッドも当然ながら外せない
ということになる。なんだか、楽しいな。(笑)

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男前の肖像シリーズ・バイクと男前番外編

2010-11-06 18:09:20 | REGGAE

以前、アルバム単位で「クイーン」を熱心に聴いていないことを書いたが、それは初期と後期の話で78年の
「JAZZ」から82年の「HOT SPACE」の期間のアルバムはよく聴いた。おっとここでも、フラッシュ・ゴードンの
サントラは除くという注釈が入るのが面倒くさいが(笑)それが事実だ。
「JAZZ」というアルバムはジャケットも好きだし、収録曲も好きな曲が多い。その中にシングルにもなった
「BICYCLE RACE」という曲がある。歌詞中に「スター・ウォーズ」「スーパーマン」「ジョーズ」「ピーターパン」等の
固有名詞が登場し、プロモーション・ビデオにはそれらのアニメーションが挿入されていたのだが、現行DVDで
見ることができる「BICYCLE RACE」では、アニメの部分は差し替えられている。何だか残念なのだが
それらの名詞が歌詞中では否定的に扱われているのと、いろいろな権利関係のしがらみがあって差し替えに
なったであろうことは想像できる。

そうそう、この曲の歌詞で凄いと思ったのは歌詞中に『FAT BOTTOMED GIRL』という言葉が出て来るところだ。
この言葉はそのままクイーンの曲名であり、アルバム「JAZZ」のA面2曲目に収録されている。アルバムを続けて
聴き進めるとA面4曲目の「BICYCLE RACE」に辿り着くわけで、そこで2曲前のタイトルが耳に入ると「おおっ」と
思ってクレジットを見ると二つの曲は作者が違う。「FAT BOTTOMED GIRL」はブライアン・メイの曲で
「BICYCLE RACE」はフレディー・マーキュリー作。私的には両方ともフレディーのイメージがあるのだが、それが違った
ということでも記憶に残っている。
クイーンの何が気に入らないかというと、それはドラマーの演奏と作曲能力なのだが、それはまあいいか。(笑)

で、自転車絡みでやっと辿り着きました、ココ・ティー。(笑)
バイクと言えば日本語の感覚だと単車だが、本来は自転車を指す。よって「『番外』とは何事か、俺が本流だ。」と
言われればその通りであるが、ここまできたら後戻りは出来ないのである。

掲載写真は85年のアルバム「I LOST MY SONIA」。これがデビュー・アルバムだが、ココのレコーディングの歴史は
74年に始まる。80年代であること、当時のジャンル分けがダンスホールであったことで、聴かず嫌いを
通していたが、やっぱりジャケットの魅力には抗えなかった。グラサンで自転車に跨り何となくイキがっている感じが
格好悪くも格好良いのである。収録時間が短いのも飽きずに聴ける範囲で良かったし、歌も多少甘くスムース。
しかしながら、ココこそ、その後のコンピューターライズド・レゲエを牽引する役割を果たした人でもあり、
なかなか他のアルバムに手が出せないのであった。
ココには他にも自転車に跨ったジャケットのアルバムがあるので、これはいつか「ジャケ買い」したいと思っている。

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男前の肖像シリーズ・バイクと男前その3

2010-11-05 20:55:33 | REGGAE
バイクに乗った男前の極めつけはコレだろう。
掲載写真は80年代前半に活躍したディージェイのトーヤンが84年に発表した「HOT BUBBLE GUM」。
バイクの後部座席に乗ると、まあ座り方にもよるが前がほとんど見えないということになる。
これは私に言わせると、かなりの恐怖で、スピードが出ているのに視界が開けていないと
危険の察知が遅れるのは間違いない。二人乗りバイクが事故を起こした時、運転手より後部座席の人の
方が大怪我をする確率が高い一因であるといえる。
女を乗せて、いざ飛ばさんとするこのジャケットは、いかにも男前だが現実は危険極まりないのである。

アルバムの中身はジャケットに相応しく、何となく軽そうな感じのメロディーとダミ声のトースティングの組み合わせが
絶妙のバランスで収まっている。人力レゲエの最後の砦というのは大袈裟だが、これくらいの時代を境に
私的好みから言えば、どんどんバック・トラックが機械化されて面白く無くなっていくのであった。

ここまでバイクの写ったジャケットを3枚続けたが、実のところ私はバイクに全く興味が無い。
造形的に格好良いのは認めるが、車のほうが安心できるので。
私は違う場面や小道具で、男前を目指すことにします。(笑)


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男前の肖像シリーズ・バイクと男前その2

2010-11-03 15:55:56 | REGGAE
「仮面ライダー」というくらいだから、番組の中で登場するバイクは重要なアイテムである。ライダーが乗る
愛車サイクロンもライダーのコスチュームの変化にあわせて2回ほどモデル・テェンジする。新サイクロンは以前より
スピードが出るのだが猛スピードの後の停車の際には後部からパラシュートを展開し速度制御する。
子供心に「変なの。使い終わったらどうするんだろう」とか思っていたが、やがて大人になって、スペース・シャトルが
帰還した際に速度制御にパラシュートが使われるのをテレビで見て、「おお、ライダーは凄かったんだ。」と
一人ニンマリしたものだ。こんなことは誰にも話さなかったが。(笑)

レゲエ・シーンにバイクは欠かせない。車が写ったジャケットも多いが、車より安価で機動性に富んだバイクが
ジャマイカで多く利用されていたのは間違いないし、映画「ロッカーズ」や「ハーダー・ゼイ・カム」での様々なシーンが
刷り込まれているため、なんとなくバイクのイメージが強い。その名も「CB200」という名盤を残したディリンジャーが
自らバイクに跨ったジャケ写が男前なのが掲載写真の「TALKIN' BLUES」。77年に英国はマグナム・レーベルから
出された盤で、各面3曲ずつしか収録されていないが、全ての曲が後半にダブになる長尺仕様。
ズバリ、ジャケットも音も最高の名盤。

所謂ショーケース・アルバムというヤツだが、ショーケースはアーティストにも聴き手にも有利な点がある。
7インチだとA面にオリジナルを入れ、B面にバージョン(ダブ)を入れるのが一般的だが、7インチが市場に残る期間は
知れている。アルバムのほうが市場に残る期間は長いだろうし、再発される可能性も高い。収録時間が長い分、
シングルの両面でやっていた作業を繋げて1曲として披露することも可能だ。それにディージェイなら、
そもそも「オリジナル」云々を気にすること自体が大して重要な発想じゃない面もあるだろうし、作品として
広く聴かれることを望むなら1曲で2度美味しい、ショーケースはディリンジャーのような人には向いている。
聴き手は快感の長時間持続という恩恵に与るのは言うまでも無い。

このアルバムは米国ではタイトルを「NONSTOP DISCO STYLE 」と変えてリリースされ、今でもそのタイトルで簡単に
入手が出来るのだが、ジャケットの図柄が何とも味気ない車の画に変わってしまい、それはアメリカが
車社会であることを示しているような気もする。

何だかジャケットのディリンジャーが滝和也に見えてきた。
勿論、気のせいである。(笑)

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男前の肖像シリーズ・バイクと男前その1

2010-11-02 20:18:10 | REGGAE

子供の頃のヒーローといえば「ウルトランマン」と「仮面ライダー」のシリーズを挙げたいところだが、リアル・タイムで
見たのは前者だと「帰ってきたウルトラマン」で、「仮面ライダー」は第1回の放送から食い入るように見た。
格好良いのだけど、なんだか妙に暗くて怖かったような記憶があるのだが回が進むごとに、どんどん番組のトーンも
ライダーのコスチュームも登場人物も明るいというか、解かり易くなったのが子供心にも判ったときには
「もしかして、こんなことを考えているのは俺だけかも」と周りの友達を見回しながら思ったものだ。
世界征服を標榜するも、幼稚園の送迎バスを襲ったり団地で妖しい除虫剤を配ったりするのは、どうしたものだろう
とか・・・。(笑)
それでも、単純なもので幼稚園の運動会で配られたライダー・スナックに付いていたライダー・カードの袋を破り
いそいそと取りだしたそれが、ショッカーのアジトでの死神博士の横顔だった時は心の底から落胆した。(笑)

掲載写真を見て欲しい。
GO ! GO ! LET'S GO !  輝くマシン。(笑)

掲載写真はドクター・アリマンタドが83年にリリースしたアルバム「LOVE IS」。
なんだ、このジャケットは。特に風に靡くでも無い髪にグラサン、様々なポーズをキメる首にはスカーフ、いや
マフラーと呼ばせてもらおう。(笑)これが男前でなくて何が男前だと言うのだ。
ちっとも格好良く無く、そこはかとなく見る者の笑いを誘う男前こそ、真の男前なのだ。

アリマンタドと言えば、まずは79年発表(録音は77年)の「KINGS BRESD」が、マリファナ畑のジャケット写真と共に
頭に浮かぶ人が多いだろうし、グルーンスリーブスの1番という栄誉を与えられた「BEST DRESSED CHICKEN IN
TOWN」を思い浮かべる人もいるだろう。「LOVE IS」は71年から83年に録音された曲を集めたアルバムなので
何となく寄せ集めのようなイメージがあるが、いやいや内容は素晴らしいのだ。
DJでありながら、しっかり歌うことも出来るし何よりプロデュース能力の高い人で、だからこそ様々な時期に
様々なスタジオで録音された曲を、違和感無く並べることができるのだ。
飛び道具のような効果音が絶妙に配されたダブの数々は、くせになる。
そういえば、「BEST DRESSED CHICKEN IN TOWN」でのアリマンタドさん、何故ズボンのチャック全開だったの
だろう?。(笑)男前のすることは凡人には理解不能である。

GO ! GO ! LET'S GO ! 深紅のマフラー。(笑)

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追悼 グレゴリー・アイザックス

2010-10-26 20:26:09 | REGGAE
クール・ルーラーの異名をとるグレゴリー・アイザックスが肺がんのために亡くなった。
享年59歳。自身の歌唱に絶対の自信を持ち、「バックや流行に左右されない。俺には全てを引っ張っていく
だけの強いシンギング・スタイルがある」と言い切った男。
若かりし頃はドレッシーでクールな佇まいが強面な感じで、実に格好が良かった。
映画「ロッカーズ」で主人公のホースマウスが叩くドラムを背に、黒のハットと揃いの色の蝶ネクタイに、
タキシードで颯爽とステージに登場し、「SLAVE MASTER」を歌うシーンを思い出して欲しい。

一般的には82年の「NIGHT NURSE」のヒットで広く名前が知られているところだが、ここはグレゴリーの
称号とも言える78年の「COOL RULER」で彼を偲ぶことにしよう。
「冷静な人」という意味と「威厳をもって他者を支配できる人」の意味がある『クール・ルーラー』。
このアルバムはスライ&ロビー、チナ、ビンギー・バニーにトミー・マクック、アンセル・コリンズら
錚々たるメンバーに加えてヘプトーンズをコーラスに迎え、しかもプロデュースは自身という外面も中身も
全て揃ったアルバムだと思う。

ああ、やっぱり続けて「NIGHT NURSE」も聴こう。キーボードの音色が80年代であることを如実に物語るが、
ルーツ・ラディックスをバックに歌うグレゴリーの歌唱は、極めてスマートだ。
ジャマイカ屈指の伊達男の冥福を、謹んで祈りたい。
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JIMMY CLIFF / HARDER ROAD TO TRAVEL

2010-10-14 20:12:51 | REGGAE
ジミー・クリフという人は、どういう聴き方をされているのだろうと、ときどき考える。
長いキャリアを誇る割に、レゲエ好きの方々の支持を余り集めていると思えないのが、その理由。
レゲエというフィールドにいながら、ポピュラー・ミュージックという更に大きな枠内での
ヒットを放った人であり、余りにも有名人であることや、後に数々の大メジャー・レーベルと次々と契約した
こともあって、硬派なレゲエ・ファンはジミー・クリフを軽く見ているような気がしてならないのだ。
私もそんな一人であることを否定できないのだが、そろそろ考えを変える時期かもしれない。

ヒット曲や有名な持ち歌を持っている歌手というのは、何に強いかと言うとライブである。
レゲエの世界ではライブ盤は売れないことになっている(笑)のだが、ジミー・クリフの76年のライブ盤
「IN CONCERT THE BEST OF JIMMY CLIFF」はヒット曲満載の熱い演奏で、ジミーのスタジオ盤を
それほど聴いたわけではないが、「ジミー・クリフの盤で最初に買うべき盤は何か」と問われれば
間違いなく、件のライブ盤を挙げる。

長いキャリアを誇るジミーには、他の大物達に負けず劣らずの多数のベスト盤がある。大抵が適当な
ジャケットに適当な選曲で、購買意欲を掻き立てない物がほとんどだ。映画「THE HARDER THEY COME」での
二丁拳銃を構えた有名な写真をフロントやリア・ジャケットに使っていながら、名曲「THE HARDER THEY COME」を
収録していないベスト盤は、私の知る限り2種はある。(笑)シングル盤(ISLAND WP-6139)の
「THE HARDER THEY COME」はサントラに収録された2つのバージョンとは違うので、いずれ何かの
ベスト盤で手を打とうと思っていたものの、踏ん切りがつかず月日は流れ・・・・。

そんな中、時期を60年から72年という初期に限定しているものの、ジャケットと内容が伴った
最高の2枚組ベスト盤が出た。掲載写真のジャケットを見て欲しい。映画「THE HARDER THEY COME」や
そのサントラにヤられてレゲエの道に入った人には堪らないジャケットである。
思わず「買うてまうやろ~」と心の中で叫んだのは私だけではないだろう。(笑)
「THE HARDER THEY COME」のサントラの拡大版は、アーティストは関係があっても曲は直接関係無いという
選曲故に買うのを躊躇していたのだが、この新しいベスト盤は幾つかの問題を軽く解決する。

シングル盤の「THE HARDER THEY COME」は勿論、その元歌となった71年の「THE BIGGER THEY COME,
THEY HARDER THEY FALL」も、今回のベスト盤で聴くことができる。他にも有名な曲や重要な曲は
丁寧に集められて、おそらくこれ以上のベスト盤は編めないだろうという選曲だ。
バック・トラックも充実しているので、ジミー・クリフという不世出のシンガーの魅力に触れるには
最良のセットと言える。

男前なら、是非ともジャケ買いしていただきたい一品。
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BORIS GARDINER / EVERY NIGGER IS A STAR

2010-09-22 21:02:27 | REGGAE
以前も取り上げたが、ボリス・ガーディナーという人はアップセッターズでベースを弾いていた
ことでリー・ペリーのファンは元より、レゲエ・ファンには馴染みのある名前である。
しかしながら、彼のアルバムはレゲエ・テイストは当然ながらあるのだが、どちらというと
ソウルやファンクのファンが注目しても良さそうなアルバムが目白押しである。
ドレッドでなくアフロな髪型に注目していただきたい。(笑)

掲載写真はボリスがほとんどの楽曲を手掛け、アレンジに歌唱にと大活躍した映画の
サントラ「EVERY NIGGER IS A STAR」。レア盤の再発であることが様々なところで書かれているが
確かに有名なガイド本や、私が参考にしているHPにもこの盤のことは触れられていなかった。
では内容はと言うと、レゲエとソウルの両方が好きな人にはバッチリのアルバムで、単なる
有り難いレア盤の再発の域を軽く超えていたのであった。

冒頭のタイトル曲は74年という時期を反映したニュー・ソウルの匂いを感じさせる。
ソウル・マナーに則った激烈グルーヴが炸裂するインスト曲「GETTO FUNK」にはソウル・マニアは
思わず身を乗り出すだろう。軽快なギターのカッティングと隠し味のパーカッションに、
オルガンが唸り要所で聴けるワウ・ギターも渋い。A面はほとんどソウルなのだが5曲目で
正真正銘のレゲエを聴くことができる。

B面はどちらかというとレゲエ寄り。「RATS IN THE GETTO」は滋味なダブを聴いているようで
続くタイトル曲のアコースティック・バージョンに泣かされる。そして最後の「NEGRIL」は
またもファンク。1枚のアルバムとしての構成も十分に練られている。

この時期のボリス・ガーディナーが如何に充実していたかは72年の「IS WHAT'S HAPPENING」
75年の「SLEDGEHAMMER」を聴けば即座に解かるわけで、今回の「EVERY NIGGER IS A STAR」は
その間に挟まれた時期の録音ということになる。このジャケットを見て嗅覚が働いた方は
きっと正解でしょう。至福の33分間をお約束します。(笑)
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LEE PERRY / REVELATION

2010-09-02 20:48:23 | REGGAE
過去のアルバムの激烈さと奇行故に、伝説のように扱われるリー・ペリー。
しかしながら、今夏投下された新譜「REVELATION」の現役感覚には恐れ入った。
近年組むことの多い、スティーヴ・マーシャルがアルバムや楽曲の音を決定づけていて
御大はそこに歌唱と色合いを添えるというのが、実情だと思う。
御大自身が昔のようにフェーダーをいじって強烈なダブをかます、という構図では無いのだが
全ての曲つくりに参加しているのだから、気に入らない曲を歌う訳が無い。

今回のアルバムは楽曲がバラエティに富んでいて面白い。効果音が的確にキマり、
ここぞというところでは、おそらく御大が弾いているであろうシンセのチープな音色が
ファンキーさを醸し出す。腕組みして目を瞑って聴いてもいいし、リズムに体を預け
ゆったりと腰を振ってもいい。昔からソウルとレゲエは密接な関係にあったが、
今風?のR&Bや、私には何のことかよくわからない細かいジャンル(笑)を消化した
2010年のレゲエが、ここにある。

ストーンズ・ファンにはキース・リチャーズさんの参加が気になるところ。
目隠しで、つまりクレジットを見ずに曲を聴いても、どこに参加しているかすぐ解かります。(笑)
シェリル・クロウの新譜へのゲスト参加もそうなのだが、ストーンズ本体の動きが無いので、
キースさんが体を持て余してのセッション参加なら、もうそろそろ、お楽しみが待っていると
都合のいいように解釈していいのだろうか?。ロン・ウッドも新譜を出し、体も温まった頃あい
だろうから。

私の一番のお気に入りのトラックはジョージ・クリントンが参加した「SCARY POLITICIANS」。
じわじわ忍び寄るファンクネスは、パーラメントの残り香を感じるに十分なのだ。
大物ゲスト参加の話題性に釣られて買ったとしても、損の無いアルバム。

まだまだ夏は続く・・・。
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LEE PERRY / KUNG FU MEETS THE DRAGON

2010-07-31 17:13:16 | REGGAE
先日BSで放送されたのを録画しておいたブルース・リーの映画を一挙に3本見た。
何れも、かつて見たことがあるのだが、かなり昔に見た映画もあり曖昧だった記憶が
正しく修正されたり、新しいことに気付いたり。
小学生の頃、ブルース・リーは大ブームだった。学校の近くの駄菓子屋ではブルース・リーの
カードが売られていたので、ライダー・カードと並行して集めたものだ。

初めて映画を観た時と違って、ロック者となった今は映画のBGMとかも気になるわけで、
「死亡遊戯」の音楽担当のクレジットにジョン・バリーの名前を見つけると「ああ、ジェーン・
バーキンの元夫だなあ。」と思ったり。
面白かったのが71年制作の「ドラゴン危機一発」。この映画は何度も音声や音楽の編集が
改変されて放映されたり商品化されているようなのだが今回の放送は広東語バージョンで、
BGMは74年以降に使われた英語バージョン。
それ故に71年の制作時には有り得ないはずの、ピンク・フロイドの「狂気」やキング・
クリムズンの「太陽と戦慄」からの曲が、平気で流れてくる。(笑)
それよりも、ちゃんと権利をクリアしているのかが心配になったりして。

ブルース・リーから思い浮かぶレコードというと、リー・ペリー制作の掲載写真の1枚。
アルバム・タイトルが「KUNG FU MEETS THE DRAGON」で、ジャケットもそれっぽく描かれている。
靴底を大きくみせる蹴りは、映画「死亡遊戯」での見せ場である五重塔で三番目に待ち構える
ハキムを想起させるが、アルバム制作は75年であることは申し添えておこう。
ジャケット左端にブルース・リーらしき人が描かれているのも面白い。

音はと言えば、激烈なダブというものではないがバラエティに富んでいる。
オーガスタス・パブロのメロディカが鳴り響く曲があれば、リンヴァル・トンプスンが
「ウッ」とか「ハッ」とかの勇ましい掛け声の後ろで渋く歌う、その名も「KUNG FU MAN」
という曲もある。多分御大ペリーが低く唸っているのであろう「FLAMES OF THE DRAGON」の
雄叫びとクールな演奏の対比も楽しい。
現行CDはボーナス・トラックが5曲あって、その中の「23RD DUB」はあの「TSOP (The Sound
of Philadelphia)」を渋くレゲエ仕立てで演奏している。

怪鳥音は聞かれないけれど、楽しい1枚だ。

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JACKIE MITTOO / NOW

2010-07-20 21:06:59 | REGGAE
掲載写真はジャッキー・ミットーのアルバム「NOW」。
実に面倒くさいアルバムである。
実際のところ、オリジナル・アルバムというより、コンピレーションという色合いが
強いせいなのだろう、オリジナル盤の発売から現在の再発に至るまで、同じ内容、曲順で
リリースされたことが一度も無いのである。

69年のオリジナル盤はジャケット無しでの発売、翌70年の再発盤のジャケットが
現在手に入る再発CD、LPに使われている。現行CDが一番曲数が多いのだが、
69年のオリジナル盤のA面収録曲はごっそり収録されていないのは何でだろう?。
そんな疑問を抜きにしても、素晴らしいレゲエ・マジック炸裂の1枚なのだから
これを聴かない手はない。

ジャッキーの数あるレコードの中でも、ソウル寄りのアレンジの多い盤で、「STEREO FREEZE」に
おけるJ.B.顔負けのファンキーなギターのワン・コードのカッティングを軸に展開する、
オルガンや諸々の楽器の遊び心は、最高だ。追加トラックのウイリアム・デヴォーンのカバーも
このアルバムのソウル風味を高めている。ビートルズや、ニール・ダイアモンド、
クリスティーのベタな曲を選ぶのがいかにもジャッキーなのだが、これらが皆エキゾチック
だったり、遊園地のアトラクションを楽しむかのような長閑さを漂わせているのが嬉しい。

「TORONTO EXPRESS」と題された曲はCSN&Yの、あの曲である。
♪This summer I hear the drummin'.Four dead in Ohio.♪

エアコンのぶっ壊れた車を走らせながら、汗だくで聴きたい1枚。
あっ、私の車のエアコンはちゃんと稼働しますから。(笑)
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追悼 シュガー・マイノット

2010-07-13 21:20:33 | REGGAE
7月10日、シュガー・マイノットが54歳の若さで亡くなった。心臓を患っていたという。

マイノットはディー・ジェイではなく、シンガーであったが既成のリディムに全く別の
メロディーを乗せるという手法を編み出し、多くのヒットを放った。
ダンスホール大将の異名をとったかと思えば、ラヴァーズロックのスタイルでも成功を収め、
また、後進の活動のために尽力した人でもある。

掲載写真は81年にリリースされた「GOOD THING GOING」。アルバム冒頭に配されたタイトル曲は
マイケル・ジャクスンのカバーで英国でヒットした。このアルバムには「WALK ON BY」のカバーも
収録。尖った音はここには無いが、ジャケット写真のようにちょっと気取った小粋なレゲエも
いいものだ。私の好みから言えば少々外れるところもあるのだが、偉大なシンガーであるのは
間違いない。

そして、私はこのアルバムの対局にあるチャンネル・ワンで録音された84年の「BUY OFF THE
BAR」を愛聴する。全曲マイノット作の名盤なのだが未だにCD化されていない。
今夜はこれを聴いて御開きにしよう。
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LYNN TAITT & THE JETS / HOLD ME TIGHT

2010-07-11 15:43:59 | REGGAE
ビートの強いスカに比べて、ゆったりとしたリズムでしっかりしたメロディを持つのが
ロックステディ。ロックステディはアメリカのソウル・グループを参考にした所謂コーラス・
グループの時代で流行した期間は短かったのだがレゲエもソウルも好きな人にはたまらない
時期でもある。昨日取り上げたエデズモンド・デッカー&エイシズもそんな中に
位置付けされる。

ロックステディ黄金期を支えた一人がリン・テイトで、デッカー&エイシズの「007 SHANTY TOWN」でも演奏している。
掲載写真は2005年に出た2枚組ベスト盤「HOLD ME TIGHT (ANTHOLOGY 65-73)」。
1枚目には主にリン・テイト&ザ・ジェッツを名乗って録音したインストを、2枚目には
演奏に参加したロックステディの名曲をこれでもかと詰め込んだ聴きごたえのある編集盤。
ジャケット写真はリンの68年のアルバム「ROCK STEADY」の流用。もうこの写真を見ただけで、
アイク・ターナーと同様の格好よさを感じるわけで同じように感じた方には「間違いない」と
言っておきましょう。(笑)フロント・ジャケットのアーティストの綴りが違うのが
「何だかなあ」という気分にさせるが、内容は100%満足保証。

これ見よがしなギター・ソロなんてものではなく、印象的なメロディーを弾くという表現が
適切な人で、『PRESSURE AND SLIDE』を聴くと、「あのジュニア・マーヴィンの『POLICE AND
THIEVES 』の先祖はこれか?」なんて勝手な想像をするのも楽しいのだ。
リー・ペリー、グラッドストーン・アンダースン、トミー・マクックをそれぞれフューチャーした
曲は、強烈なゲストの個性を消すことなく、バッキングの中にさりげにキメのフレーズを忍ばせる。
ディスク2を聴くと、またまた収録されたアーティストのオリジナルのレコードが欲しくなる。
特にキース&テックスは早期のCD化を熱望。

68年の「ROCK STEADY」も欲しいのだが、現在手に入るLPはモノクロ・ジャケット。
カラー・ジャケットで再発されるといいのだけど。

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DESMOND DEKKER THE ACES / 007 SHANTY TOWN

2010-07-10 20:48:54 | REGGAE
ピーター・バラカン氏に「最強のサントラ」と言わしめたレコード、それが映画「THE HARDER
THEY COME」のサントラである。実際、これはレゲエの枠を通り越して全てのレコードの
中でも特筆すべき内容を誇るもので、私自身何度聴いたか解からないくらい聴いた。
ジミー・クリフが歌うタイトル曲は勿論、収録されたメイタルズ、スリッカーズ、メロディアンズ
の曲はどれも印象に残り、その曲を収録したアーティストのオリジナル・アルバムも
買いそろえた。つまり、レゲエの門戸を叩いた者への格好のサンプル集であり道標でも
あったのだ。

例えばレゲエでも何でもいいが、コンピレーション盤を出すとしたらCDの
収録時間を目一杯使って曲を詰め込み、あるいはそれが組物になることもある。
そうすると、1枚の収録時間が長いため「お得感」はあっても、80分近く集中するのは
難しいし、もしかすると途中で好みで無い曲に出くわして、だれる瞬間があるかもしれない。
それを考えれば「THE HARDER THEY COME」はLPの時代だったというのを差し引いても
12曲40分というのは絶妙の尺だったと言わざるを得ない。

そんな「THE HARDER THEY COME」に収録された曲の中で、オリジナル収録盤になかなか
辿り着けなかったのがデズモンド・デッカーの「SHANTY TOWN」だったのだが、オリジナルの
フォーマットでCD化された。68年に「ACTION!」と題された盤がリリースされていたが、
掲載写真のCDには「THE ORIGINAL CLASSIC 1967 ALBUM」のステッカーが貼られ、由緒正しい
DOCTOR BIRDのレーベル写真も掲載されていて「やっとCD化された」と、なんだか嬉しくなった。

正確に言えばこれはデッカーのソロではなく、3人のコーラス・グループとしてのレコードで
ソウル・マナーに裏打ちされた素晴らしいコーラスとデッカーのリードを楽しむことが
出来るアルバムである。歌手として又ソング・ライターとしても素晴らしい才能を発揮した
デッカーだが、レゲエ史においても、レコード・ガイドのような文脈で語る時も、なんとなく
軽い扱いなのが残念なのだが、このアルバムを機会に一段高い評価が定着すればいいなと思う。
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