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HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

DADAWAH / PEACE AND LOVE

2010-06-20 08:22:22 | REGGAE
それほど多くの盤を聴いたわけではないが、所謂ナイヤビンギ物は好きだ。
元々はラスタファリアンの集まり(宗教的な意味合いがある場合が多い)で、パーカッションを
叩きながら歌ったことが始まりで、歌詞の内容も思想的である。
日本人で宗教嫌いの私が聖書やラスタファリズムの教えを実践するわけもないが、何故この手の
音楽を好むかというと、単純に気持ちがいいからである。(笑)

掲載写真はラス・マイケルが74年にDADAWAHという変名で出したアルバム『PEACE AND LOVE』。
翌75年にトロージャンが広くディストリビュートした際のジャケットはラスの写真の
上半身を拡大して抜き出しオレンジを基調に着色したもので、同年のアルバム『NYAHBINGI』と
2イン1でCD化された時もそのジャケットが使われた。
今年になって市場に出たのがオリジナル・ジャケットで、トロージャン盤しか知らなかった者の
度肝を抜いたというわけだ。

全編で聴くことができるパーカッションやピアノ、ボーカルにかけられた深いエコーと、
コードを刻むだけでない官能的なリード・ギターの絡みがおそろしくサイケデリックで
しかもどの曲も10分前後の尺。明るいとか能天気とかという言葉とは全く無縁の
漆黒の世界。レゲエ以外での比較対象としてはヤホワ13かサン・ラの音を挙げるのが
相応しいと言えば、ロック好きにもなんとなくニュアンスは伝わるかも。

デジ・パック仕様だが、フロントとリアに使われたオリジナルのジャケットの情報は
全てわかるようになっているし、レーベルも両面とも写真が掲載されている。
未聴の方はもちろん、過去盤をお持ちの方も購入する価値が大いにある優れた再発であるのは
間違いない。


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CLINT EASTWOOD / DEATH IN THE ARENA

2010-05-04 16:03:36 | REGGAE
チナ・スミスと同時に購入したのが掲載写真のLP。
クリント・イーストウッドを名乗り、しかもジャケットが格好いい。昔から気になっていた
盤で、チャンネル・ワンのブツはCD化される物が結構あるのでCD化を待っていたのだが
なかなか実現せず、それならばと購入したわけである。
昨日の記事でジャマイカ盤の再発LPのことを「ジャケット、盤質ともに難あり」という
感じで書いたが、これはファクトリー・シールドされた普通の輸入盤。ジャケットも盤質も
しっかりしていて「ジャマイカらしくないなぁ」と思いながらよく見たら再発元は
ブルックリンにあるようで、なるほどジャマイカ盤では無いようだ。(笑)

レゲエの細かいジャンルの中でもディー・ジェイというヤツはあまり得意ではない。
人のトラックに歌唱というよりは喋りを被せるわけで、どちらかというと歌えない人が
やっていると軽く見ていたのだが、デリンジャーを知ってから、そういう考えも多少は
変わってきた。サウンド・システムという現場で聴集に言いたいことをリアル・タイムで
手っ取り早く伝える方法として実に有効なのだから、このスタイルが廃れないわけだ。
ただ、私がダンスホール以降やヒップ・ホップを好きになれないのは、バック・トラックの
問題があるのは以前書いたことがあるし、それは今も変わらない。

レヴォリューショナリーズの演奏に巻き舌で言葉を重ねる様は、ジャケット同様になかなか
格好の良いものだ。少ししゃがれた声は時にジョー・ストラマーのようでもあるが
クセのある歌唱いやトースティングなので、万人向きではないかもしれない。
プロデューサーのジョセフ・フーキムはチャンネル・ワンを設立した人でバリー・ブラウンの
「FAR EAST」やアース&ストーンの「KOOL ROOTS」といった名盤を手掛けた人でもある。

さて、クリント・イーストウッドを名乗る男がどんな顔をしているか・・・。
それはレコードを手にとり裏ジャケを見てのお楽しみ。映画「ロッカーズ」にも出演している。
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EARL CHINNA SMITH / STICKY FINGERS

2010-05-03 21:04:48 | REGGAE
激烈なダブ、深みのあるボーカル・・・・どちらもレゲエの醍醐味である。
それらとは一味違って、カリプソやソウル・ミュージックと密接な関係にあるレゲエが持つ
更なる魅力にインスト物がある。どちらかというと「フュージョン」なんて言葉に括られかねない
雰囲気を持つものの、そこは性根の座ったレゲエである。
聴いて気持ちいいのは当たり前、大らかで深くて渋い音の塊はカーステで聴こうが、
部屋で聴こうが、気分を明るくポジティブな方向へ誘ってくれる。

アール・チナ・スミスの名前を知らないレゲエ・ファンはいないだろう。
ボブ・マーリーやジミー・クリフは勿論、キング・タビーやリー・ペリーらの録音、
いや一説にはダンス・ホールが盛んになる以前は、ほぼ9割以上の録音に関わっているとも
言われるギタリストだ。チナが率いたソウル・シンジケートを持ち出すまでもなく、
ソウル・マナーに則った滑らかなギターは、意識しなくともレゲエに接すれば聴いている
というわけだ。

掲載写真はチナが81年に出したソロ・アルバム「STICKY FNGERS」。オール・スターと
呼ぶべきアグロベーターズをバックに、チナが弾くギターのまろやかな音色が心地よい。
未CD化であるが、アナログ盤は今でも入手が可能。ただし、入手にあたってジャマイカの
再発盤がどんなものかは覚悟が必要だ。ジャケットの印刷の滲みは当たり前、レコードは
あってもなくても関係なさげな縒れたヴィニールに入れられ、何よりプレスは最悪だ。
レコードの反りが無くても表面に凸凹があり、普段聴いている針圧では音が飛ぶことも
ままある。私の所持するこのレコードも数か所で針飛びするので、曲によってはカートリッジの
上に5円玉を乗せることもある。(笑)ノイズが多いのも当たり前。
それでも、このレコードが出す音の魅力には逆らえない。
えっ、もしCDになったらどうするって?。そりゃぁ、喜んで買いますよ。

このレコードを聴いていると、まだ未見の映画「WORD、SOUND、POWER」のDVDを早く
購入せねば、と改めて思うのであった。
ところで俺に「BROWN SUGARってSTICKY FINGERSの1曲目ですよね。」なんて聴くんじゃないよ。
間違ってはいないが、「STICKY FNGERSの1曲目?。SWINGING SHUFFLEさ。」なんて
偏屈なことを言いかねないから。(笑)
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BLACK UHURU / ANTHEM

2009-11-22 10:24:39 | REGGAE
ブラック・ウフルと書くべきか、ブラック・ユフルと書くべきか。
通りがいいのは前者だが、信頼の置けるガイド本では後者で書かれていたので
私もここではそう表記する。

ボーカル・グループなのにグループ創設時のメンバーがほとんど入れ替わった
時期にブラック・ユフルは売れた。ロック向きの声質のリード・ボーカルに
スライ・ダンバーが叩きだすシンセ・ドラムの組み合わせが、当時の
ニュー・ウェーヴ以降のロック・ファンにアピールしたこと、84年の
アルバム「ANTHEM」を抱えてツアーをしたこと、これらが成功の要因となり
彼らにグラミー賞をもたらした。女性ボーカリストの存在がステージ映えに
一役買ったのも想像に難しくない。

私は彼らを一躍有名にした「ANTHEM」を聴いたことが無かった。
というのも、アイランドから83年に出た盤を聴きたいと思っていたのを
見つけられなかったから。84年にリミックスされた盤が所謂ロック・ファン
を取り込んで市場を開拓すべく発売されたという話を漠然と知っていたので
それなら、まずオリジナル・ミックスを聴きたいと思ったのだ。

掲載写真は2004年にHIP-Oからリリースされた「ANTHEM」。
ここにはオリジナル・ミックスを含む4枚の「ANTHEM」が収録されている。
オリジナル・ミックスは当時アメリカでは出回ってなかったことが
表記され、「グラミーを獲得したのは、リミックス盤のおかげだったのか。」
と思ったのも束の間、私が想像していたリミックスはU.K.盤で、
U.S.仕様のリミックス盤の存在を初めて知って驚いた。というか、門外漢の
情報集収能力の欠如を思い知らされたものだ。ちなみに残る1枚は
これまで未発表だったダブ集。

そのU.S.仕様であるが、オリジナルと比べると少々派手でU.K.仕様より
わかりやすくて幾分ロック寄りと言ってもいいだろうが、これがU.K.リミックス
より優れているというようには感じない。オリジナルから1曲外し、
スティーヴ・ヴァン・ザントの曲を入れているのはU.K.仕様と同じだが、
アメリカ進出用にアピールするなら、オリジナルとU.K.仕様にあった
スライ&ファミリー・ストーンの「SOMEBODY'S WATCHING YOU」を外す必要は
無かったのでは、と思うからだ。何れにしろ3枚を聴くと一番レゲエの
醍醐味から遠いのがU.S.仕様だと感じたが、それがグラミーに繋がるのだから
「アメリカ向け」戦略は成功したのだろう。なにしろ「アメリカ」の賞
なのだから。メンバーがグラミーのトロフィーと共に写っている写真には
紛れもなくU.S.盤のLPも写っていた。

レゲエ・アーティスト最初のグラミーであったが、レゲエの流れで言うと
これ以降打ち込み主流になることを思えば、なんだか勝手に虚無感が
私に襲いかかる。ちなみにこの年のグラミーの最優秀アルバムはマイケル・
ジャクスンの「スリラー」、最優秀楽曲はポリスの「見つめていたい」であった。


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JUNIOR MURVIN / POLICE & THIEVES

2009-10-09 21:29:30 | REGGAE
微に入り細に入り音楽を聴き、果ては通を気取ったその道の達人
(大抵は自称で他人はそう思ってないケースが多々ある)が、スルーする
ミュージシャンやレコードというのがある。
ソウルなら「余りにメジャー過ぎてスティーヴィー・ワンダーを聴かない」
とか、レゲエなら「ボブ・マーリーは古臭くて」とかなんとか言って
彼らの曲やアルバムをろくに聴かずに軽視する人に、どんなレア盤を
推薦されても白けてしまう。

ジュニア・マーヴィンの「ポリスとコソ泥」もそんな1枚だったらどうしよう。
「クラッシュのカバーで知った?。ああ、もう聞き飽きたよ、その手の話は。」
「レーベルはアイランドなんだろ、ジャマイカ原盤じゃないんだ。」
「リー・ペリー?。他に凄いのがあるから教えてやろうか。」
そんな感じで軽く見る人がいないことを願っているのだが。
掲載写真は遂に登場したデラックス・エディション。
このアルバム周辺の音源に関してはこれで十分満足の便利なセットである。

77年のアルバム発売から3年経って市場に出た『POLICE & THIEVES』の
12インチにはアルバム未収録曲が3曲収録されている。
簡単に聴けるようになったのは97年に出たリー・ペリーの3枚組CD「ARKOLOGY」のおかげであった。
『POLICE & THIEVES』の「オリジナル」、ジャー・ライオンを使った「DJ」、
サックスをフューチャーした「インスト」、そして「ダブ」の4つの
バージョンの何れもが素晴らしく、初めて聴けた感動とともに
この完璧な4曲入り12インチを所持している人を羨ましく思ったものだ。

2004年にリリースされたCDには先の12インチとは全く別のボーナス・
トラックが5曲も追加された。長尺の別ミックスは快感の持続時間の延長が
単純に気持ちいいし、ジュニア・マーヴィンのファルセットからすぐ連想
することが出来る、カーティス・メイフィールド(インプレッションズ)の
「PEOPLE GET READY」の改作「RASTA GET READY」も納得の1曲。
この5曲で30分を超え、贅沢な世の中だ(笑)と思ったり。

今回のデラックス・エディションは上記の12インチや再発CDのボーナス・
トラックは全て収録されているので、これからこのアルバムを聴こうと
思う人には大変便利なセットとなっている。勿論昔からこのアルバムを
好きな人も十分満足できる全33曲収録。もう一生楽しめます。

ポリスとコソ泥・・・・。
もう一度ジャケットを見て歌詞を読んで欲しい。
単純に庶民の味方と敵とで区別できればいいのだが、合法か非合法かの
違いがあるだけで、どっちも庶民の敵ならこれほど間抜けな話は無い。
しかしながら実際我々の身近でも、そんな話は腐るほどある。
日本の外なら、もっと酷い現実があるだろう。
単に例え話の一つであったとしても、誰があるいは何が本当に正しいのかを
我々は正確に見極めることが必要だ。

先に「贅沢」と書いたが同時にタフな世の中である。
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グリーンスリーブスのいい仕事

2009-06-15 21:00:14 | REGGAE
グリーンスリーブスというのはレゲエ好きには避けて通れないイギリスの
レーベルなのだが、今年に入って魅力的な再発を手がけてくれている。
掲載写真左は「EVOLUTION DUB VOLUME 2」と題されたコンパクトな
ボックス仕様のCD4枚組。レゲエやダブのCDはロックやソウル以上に
CD化が遅れ例えCD化されても、市場に残っている期間は短い。
この「ダブの進化」と題されたシリーズは定番は勿論、なかなか聴くことの
できなかった音源をCD化してくれて有難いことこの上ない。
更に嬉しいことに価格が安いし、当時のアナログ盤を模した紙ジャケ仕様で
各CDを収納している。勿論、紙ジャケといっても元が大したことない(笑)
ので、日本で流通する箱庭感覚の紙ジャケとはわけが違うが、それでも
アナログ盤の雰囲気を感じ取ることができる。

個人的に「VOLUME 1」の中では未聴だったキング・タビーの「DUB FROM
THE ROOTS」が嬉しかった。王冠をかぶったまさにキングの風格漂うジャケットに
憧れたものだ。さてこの「VOLUME 2」では私の目当ては掲載写真右の
「BRASS ROCKERS」だった。演奏者としてトミー・マクック&アグロヴェイターズ
がクレジットされている。オリジナル・スカタライツのトミーがカールトン・
デイヴィスにロビー・シェイクスピア、チナ・スミスらの名手を
従えてサックスを気持ちよく吹く。プロデュースはバニー・リー、
ミックスはキング・タビーとこれ以上はないセッティングでのレコーディング。
内容は期待通りで、まあこれで気に入らないならレゲエだのダブだのを
云々するなってなものである。

ジャケットのマスター・フィルムなんて残ってないのだろう、アナログ盤から
ジャケット写真を起こしているが、それもまた雰囲気。表裏しっかり
再現してくれることで、このアルバムがレゲエやダブの世界では珍しく
参加メンバーの写真と名前がしっかり掲載されていることもわかった。
英文ライナーは情報量が多くなかなか読むのが大変だが、今までどんな
それらしい本を見ても解りづらかったアルバムの「発表年」という基本的な
ことがわかるのも嬉しい。本当に些細なことなのだけど、それすら
ガイド本の類には載ってないこともあるのだから。

このシリーズ、現在はVOL.4までリリースされているのだが、私の手元には
まだVOL.3と4は届いていない。かなり前からオーダーしているのになぁ。(笑)
何はともあれ充実のダブ・ボックスなので、これで打ち止めと言わず
VOL.10くらいまで続いて欲しいものだ。
え~と、AFRICAN ALL MIGHTY DUBのシリーズは全部お願いします。(笑)
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不親切の極み

2008-12-15 21:41:46 | REGGAE
ワッキーズというレーベルは、レゲエ好きには避けて通ることの出来ない
レーベルの一つである。ジャマイカやイギリスでなくニューヨークに拠点を置いた
レーベルというのが面白いし、なんとなくクールで渋い作品が多いのは
レーベル・オーナーのロイド・バーンズの気質とニューヨークという土地柄が
うまくミックスされた賜物と考えると、このレーベルへの愛着も一段と深まると
いうものだ。

毎年何枚かCD化されていくので、気になるアーティストの名前が冠されている
ものや、ジャケットのデザインの気に入ったものから適当に購入しているのだが
これが今時の再発とは思えないほど不親切の極みである。
例えていうなら、一昔前の自動車教習所の教官のようなものだ。(笑)

私は19歳の時に実家の近所の教習所で車の運転免許を取った。
初めて教習所内で車に乗った時のことは今でもよく覚えている。
「周りを良く見て。乗ったらシートベルトを締める。ミラーを見て。
エンジンをかけろ。ギアをローに入れて発進。」
自動車教習所の教官と言うのはクソ生意気でバカなヤツが多いと話には
聞いていたが、こいつもまさにそんな感じで偉そうにふんぞり返って
いる割りには、会話と言うより箇条書きでしか話せないのかとか思いながら
ギアをローに入れて発進。
しばらくすると、こう言いやがった。
「おい、おまえ。いつまでローで走っとるんや。」

これには頭にきた。いままで箇条書きの命令口調で喋っていたのだから
こっちは「次、2速に入れて」とか言うのを待っていただけである。
お望みならあの狭い教習所の直進コースで80キロ出して急ブレーキを
踏むことだって出来たんだぜ。ギアを2速ではなくニュートラルに入れて
車を止め「おい、てめえ降りろ」と教官と喧嘩をして1コマ無駄にしてしまった。
近所に住んでいる別の教官が、「まあまあ。」と止めに来たので、
その人の顔を立ててその場は終わらせたのだが、その後そいつが助手席に乗っている教習車を見つけると、後ろにピッタリついて煽り続けたのは言うまでも無い。

原付バイクの教習の日にあたった別の教官もふざけていた。
「雨降りやなあ。君らどうせ原付は無免で乗ったことあるやろ。
2時間ほど、時間潰して帰ってくれ。教習終わったことにするから。」
私は、教習所の脇を流れる川を煙草を吸いながらぼんやり眺めるだけで
教習が終わるのなら、それも別にかまわないのだけど、その阿呆な教官が
こんな講習で金を稼いでいるかと思うと、その点だけがムカついて仕方なかった。
原付は軽い気持ちで乗ると、危ない乗り物だと思うのだが
それを教えないと言うのは不親切の極みである。

大幅に話がそれたが(笑)つまりワッキーズの再発CDはそれくらい
不親切と言うことだ。今時の再発なら簡単なライナーの一つも添付されて
レーベルの成り立ちとかアルバムがレコーディングされた経緯とかが
書いてあるのが一般的だが、ワッキーズ関連は当時のレコードのジャケットの
裏表以外の情報は何一つ無い。興味を持ったら自分で調べるしかないのである。

私が一番気に入っているのは「AFRICAN ROOTS ACT1」というアルバム。
ロイド・バーンズではなくクライヴ・ハントの製作で、なんとも篭った
音質がスタジオ内に立ち込めたであろう紫煙を連想させるのが格好いい。
掲載写真はRoots Undergroundの「Tribesman Assault」。
なんとなくストーンズ者は、自然と1976年のネブワースのロゴマークを
想起したりして、そこが気に入って掲載写真に選んだ。


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MUSICAL BONES / LEE PERRY & THE UPSETTERS

2008-07-06 22:42:43 | REGGAE
リー・ペリーの数多くあるプロデュース作の中でも、ファンにとっては
74年から79年のブラック・アーク・スタジオで産み落とされた作品は
格別の意味合いがあるだろう。
実際、この間に製作されたアルバムの中にはレゲエ・ファンのみならず
ロック・ファンにも浸透しているものが幾つかある。
例えばジュニア・マーヴィンの「POLICE & THIEVES」もこの時期の作品だ。
クラッシュのお陰でこのアルバムにたどり着いた人は、私を含めて
かなりいる筈だ。

掲載写真のアルバム「MUSICAL BONES」は前作「KUNG FU MEETS THE DRAGON」、
次作「RETURN OF WAX」の3作と合わせて70年代インスト3部作と
ペリーは言っている。全て75年作で、自前のスタジオを持ち
制作意欲が高まったのと、当時のアップセッターズの力量があったとはいえ
この時期のペリーのハード・ワーカー振りには恐れ入る。
そんな3部作の中で一番好きなのが「MUSICAL BONES」。

60年代後半から70年代頭のアップセッターズはオルガンを効果的に
使っていた。これはイギリス市場を見据えてその効果をペリー自身が
確認しての戦略だが、「MUSICAL BONES」ではトロンボーンが目立つ位置に
配されている。このスタイルはこれに限ってのことだがこれが結構
ハマる。ウエットなトロンボーンとドライなリズムがかみ合う時、
今までに無い何か新しい感覚を得たような気分になる。
それはドン・ドラモンドやリコ・ロドリゲスのアルバムを聴いている時とは
違う感覚なので、そこらがプロデューサーであるリー・ペリーが
狙ったところかもしれない。

最初にジャケットを見たとき抵抗があった。
ブートレグのような滲んだ荒い図柄だし、アーティスト名や
タイトルは雑な書き文字であるが、音を聴いてそれが気に入るとジャケットの
雑なところさえ気に入ってくるから不思議だ。(笑)

ところで、私が一番好きなリー・ペリーのアルバムはいわゆるブラック・アーク
の時代のものではない。そのアルバムの話は何れまた・・・。
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THE BORIS GARDINER HAPPENING / SLEDGEHAMMER

2008-03-02 17:08:40 | REGGAE
まずは先日のソウル/ファンク100選を選んだときに思ったことを少々。

「ソウル/ファンク」の選盤をする際の線引きって何だ?
ということである。楽しい遊びで終わらせるのが一番なのだが、
ジミ・ヘンドリックスや、マイルス・デイヴィスを選ぶということ
或いは外すということを考えると、色々なことが思い浮かんできた。
ロック・フィールドでも認められているプリンスは何故入ったのかとか
じゃあ、先の二人を選んで一般的に言う「ロック」や「ジャズ」まで
範囲を拡げたのなら、ブラジルやジャマイカまでは飛ばないのかとか。

私の選盤には入ってないが、アラン・トゥーサンやリー・ドーシーを
入れてドクター・ジョンは何故入らないのか?。
基本のリズムの考え方はそれほど変わらないと思うのだが。
「黒人の音楽」ならジミとマイルスは○、ドクター・ジョンは×、
「英語圏」ならジャマイカは○、ブラジルは×。
ギターが裏のリズムをを刻めば「レゲエ」というほど単純ではないが
都合のいい言葉で言えば「ソウル・マナー」「ファンク・マナー」という
曖昧な言葉が全てをうまくまとめてしまう。
アメリカ産の黒人音楽という括りでいけば、整合性があるのだろうか?。
なら、ジミとマイルスが○でドクター・ジョンや他の国が×なのは
条件に合致する。

こんなつまらないことをダラダラ考えるきっかけになったのが75年に
発表された掲載写真のアルバム。
ボリス・ガーディナーは一時期、リー・ペリーの重要なセッションで
ベースを弾いていた人である。
ペリーの「スーパー・エイプ」、ジュニア・マーヴィンの「ポリスと
こそ泥」といえば、ロック者にも「ああ、あれか」と思い浮かぶだろう。
そんなボリスさん、よくよく写真を見ればドレッド・ヘアでなく
アフロである。(笑)
スカのアプローチとは全く違う、ソウル寄りのホーンの使い方がレゲエの
アルバムでは珍しいし、まして歌い方がスイート・ソウルのそれである。
「俺はレゲエ・シンガーではない。ソウル・マンでバラディアーだ。」と
言い切る彼をレゲエの枠に縛るのは、あくまでホーンとコーラスを含む
ボーカル以外のバック・トラックが「レゲエ・マナー」であるからに過ぎない。
彼がハンマーで砕こうとしているのは、自身を縛るレゲエという枠に
他ならないのではないだろうか。

このブログが続いていれば、いつかスカ/レゲエ100選をやろうと思う。





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You say you want a revolution,Well youknow

2007-04-02 22:06:14 | REGGAE
We all want to change the world.

仮に今の自分に満足している人も(私は全く満足してないが)、
高熱から解放され、3日ぶりに酔っ払っている阿呆の戯言として読み飛ばして欲しい。

もし、洋の東西や時代の如何を問わず、あるバンドのオリジナル・メンバーに
なれるなら、どのバンドがいい?。

それならザ・フーかブランキー・ジェット・シティ。

本当になれるなら、セルジュ・ゲンスブールがいいな。
「狂乱の貴公子」「南海の黒豹」「美獣」「超獣」と、いろいろキャッチ・フレーズは
あるものの(おいおい、全部プロレスじゃないか)、セルジュを表現する時に
よく使われる「リズムのプレイボーイ」という言葉くらい格好いいコピーはない。
ミュージシャンに対する賛辞でコレを超える言葉にはまだ出くわしたことが無いし
この先もないだろう。

ベーシストと組んで屈強なリズム・セクションとして名を残すのも格好良いな。
例えば、アストン・バレット&カールトン・バレットや、ウィリー・ウィークス&
アンディ・ニューマーク・・・。
勿論スライ・ダンバー&ロビー・シェイクスピア。

スライ・ダンバーが中心となってスタジオ・ワンで数々の傑作を残した
レボリューショナリーズのアルバムの中でも、このゲバラ・ジャケットは
一際強烈である。ジャケ買いしなくて、どうする?ってなものだ。
アナログの真っ赤なジャケが欲しいのだが、これでも十分刺激的。
「メロディで革命は起きない、音楽の革命は常にリズムから起こる」というのが
持論の私にとって、このアルバムこそ、リズムで革命を起こした数少ない1枚と言える。
単なる奇をてらったダブとは全く違う。
豊かなメロディ・ラインに気をとられ、気持ちよく流れていきそうだが、
メロディ以上に豊かなリズムに気が付いた時、全てが変わる。

このCDも見つけるのは今となっては難しいかもしれないが、もし見かけたら
万難を排して入手していただきたい。その価値は私が保証する。

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COUNTRYMAN / FROM BAM-BAM TO CHERRY OH ! BABY

2006-09-20 22:37:32 | REGGAE
「THE HARDER THEY COME」は「レゲエ・ムービー・コレクション」という
3枚組のうちの1枚というかたちで購入したのだが、他の2枚の中に
82年製作の「COUNTRY MAN」も含まれている。これもサントラはとうに
入手していたが、映画は未見だった。
ジャマイカ内の2大政党の対立に今も昔も変わらないアメリカのおせっかいを
逆手にとって揶揄するようなものだが、内容はそこそこと
いったところ。主人公のカントリーマンが自然の神の思し召しのまま、
正義に活きる、といった感じが本当の見所かもしれない。
面白いのは、カントリーマンと悪漢達との格闘シーンである。
カントリーマンの動きもそうだが、悪漢の一人がヌンチャクを武器にする。
「ROOTS,ROCK,REGGAE」でリー・ペリーのブラック・アーク・スタジオが
映し出されるシーンがあるが、そこにはブルース・リーの写真が貼られてあった。
ジャマイカにおいても、リーの影響が絶大だったことがわかる。

映画のサントラは映画のエンディングに「ボブ・マーリーに捧げる」という
クレジットがあるようにボブの曲が主に選ばれている。
他にはリコやアスワド、スティール・パルス等も収録されているが
トゥーツ&ザ・メイタルズの「BAM-BAM」も再録音バージョンが収録されている。
この曲は1966年にスタートしたジャマイカ・ソング・フェスティバルの優勝曲で
もちろん、トゥーツ・ヒバートのオリジナル。
そのオリジナルを手軽に聴けるのが「FROM BAM-BAM TO CHERRY OH !BABY」という
コンピレーション盤。これは66年から72年までのフェスティバル入賞曲を集めたもので
名曲ぞろい。メイタルズは実に3回も優勝している。

そのメイタルズに匹敵するのがエリック・ドナルドスン。この盤には収録されて
いないが、77年と78年にも優勝している。71年の優勝曲で個人的にも
最大の聞き物なのが「CHERRY OH !BABY」。ジャマイカで40万枚を売り上げたと
言われるこの曲は、ストーンズ者ならあの「BLACK AND BLUE」でカバーした
曲だと即座に反応するだろう。
掲載写真左の盤が最近再発されたCD。ジャケット右上に小さく写る枠の写真が
アナログ盤の本来のジャケット。
ソウルのシングルと同じように、オリジナルの楽曲がアルバムに収録されないことが
多いレゲエの場合、こういった良質なコンピレーションは非常に役立つ。

無くならないうちにどうぞ・・・。
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JIMMY CLIFF IN THE HARDER THEY COME

2006-09-17 21:21:40 | REGGAE
恥ずかしながら、この映画を見た事がなかった。
「ロッカーズ」や「ボンゴマン」は見た事が有るのに・・・。
映画館で見ている相方は「音楽はともかく、『映画』としてみたらB級やで。」と
ありがたい忠告をしてくれる。ほっとけ。(笑)

確かにストーリーの細かい描写や、話の進行具合は『映画』としてみたら
ちょっと強引だったり、稚拙だったりする。
しかし、この映画の持つ熱というものはそれらの欠点を補って余りある。
72年製作ということは、先日紹介した「ROOTS,ROCK,REGGAE」より5年前という
ことになる。『映画』の体裁をとっているが、ジャマイカの当時の
生活や、音楽製作現場の様子を生々しく描ききっているのがまず素晴らしい。
ライナーにも書かれているのだが、戦前のブルーズマンと同じように、
レコード製作を仕切る者が全てを搾取し、ミュージシャンには、その場限りの
小銭しか入ってこないというのは、なんともリアルで50年代のアメリカが
そうだったように、音楽が市場を含めて成熟していく前段階は何処の国も
同じようなものだったんだと改めて思う次第。

流れる音楽は全編最高。アルバムは20年近く愛聴しているのだが、いまだに
聴くたびにわくわくする。
ジミー・クリフ演じる主人公アイヴァンは「THE HARDER THEY COME」を20ドルの
報酬で録音するが、生活に困窮しマリファナ売買を始め、警官殺しをしてしまう。
マリファナ売買の世界でも理不尽な搾取を受けるアイヴァンは、そのシステムにも
立ち向かい、表の権力とも裏の権力とも対立する。
そんなアウトローが録音した「THE HARDER THEY COME」は大衆から支持される
ようになり、曲はヒットする。

ここいらの展開は私の大好きな「太陽を盗んだ男」で、ジュリー演じる
木戸誠が、ラジオでDJと喋ってリスナーから支持を得出すところと
イメージがかぶり、大好きな流れである。
(もちろん、「太陽を盗んだ男」のほうが、製作は後ですが)
映画の最後にアイヴァンは警官に撃たれる。
このシーンが本当に凄いカメラ・アングルで、何か特撮を見ているような
錯覚さえ起こす。

72年はちょうど、ボブ・マーリーがアイランドと契約し「キャッチ・ア・
ファイアー」をリリースする年でもある。
ジャマイカの音楽シーンの中で、何かが動き始めた記憶すべき年なのかもしれない。

私ももはや、大きな組織の中の部品のひとつでしかない。
代替品はいくらでもある。
でも。飼いならされたけど、大人しくはないぜ。

ところで、アイヴァンは本当に死んだと思うかい・・・・?。
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ROOTS,ROCK,REGGAE

2006-08-27 18:31:27 | REGGAE
私の嫌いではない(おい、遠まわしだな)日本のミュージシャンが
こんな発言をしたことがある。
「いい音楽は政治とは関係のないものだ。」
多分こんな趣旨だったと思う。多分同時代では頭脳警察のようなものを
指すのだろうし、彼の出す音とは全く正反対のパンク・ミュージックに類する
ものを指して言ったのかもしれない。
発言の時期もうろ覚えなので、あまりとやかく言えないが、少々違和感があった。
「じゃあ、ルーツ・レゲエはどうなのよ。」

かくいう私も基本的にブラジル物や、レゲエを聴く時は自分の「快感原則」が
最優先される。しかし、どちらも政治やシステムとの闘争の歴史があったことを
忘れているわけではない。
「ROOTS,ROCK,REGGAE」と題されたこの60分足らずの映画は、77年にジャマイカで
撮影され78年に公開されたという。日本でも今年劇場公開されたものだが
早くもDVDでの登場となった。

私にとっては、動いている姿を初めて見るミュージシャンだらけで
それだけでも驚きの連続であった。ジョー・ヒッグスの弾き語り、アシビニアンズ、
グラディエイターズ、マイティ・ダイアモンズといったコーラス・グループの
上手さに度肝を抜かれる。まさか、ラス・マイケル&サンズ・オブ・ニガーズを
見られるなんて・・・。アップセッターズをバックにヘプトーンズとコンゴスが
歌う図なんてのは夢のようだし、何と言ってもあのブラック・アーク・スタジオでの
リー・ペリーのスタジオでの仕事ぶり(エフェクターさばき)は何回も
リピートして見てしまう。
そして、もちろんジミー・クリフにボブ・マーリー・・・。

たった60分でレゲエの在り方、政治との関係、ダブとはサウンド・システムとは、
なんてことを濃密に描ききっているので、見た後はお腹一杯、でも
おかわりならぬ「もう1回見るか」という気にさせる優れたドキュメントだ。

この映画の監督であるジェレミー・マーとの2006年のインタビューが添付
されているが興味深いくだりがある。
「今のレゲエは人間の弱さを全く扱わない。人を搾取すること、性的に搾取する
ことばかりを歌っている。初期のレゲエは人間の弱さと向き合うものだったし、
その中に前向きさとスピリチュアリティーがあった。それが人々に希望を与えて
いたんだけど、今の音楽にはそれがなくなってしまったね。」
全くその通りだと思う。

現実と向き合うためにも現実から逃避するためにも、レゲエとマリファナを
必要とした、その背景と人間の弱さ、そういったものを感じ取るような時代では
ないのかもしれないが、今時の若い衆の聴く「レゲエのようなもの」には
何のシンパシーも抱けない。
もっとも、10年落ちのミニに乗って大音量でキング・タビーを聴きながら
近所のスーパーに刺身を買いに行く私に言われても、何のリアリティーもないのが
本当のところだろう。

とりあえず、必見。
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JACKIE MITTOO / REGGAE MAGIC

2006-05-18 23:47:28 | REGGAE
オルガンという楽器の持つ求心力というか、気を集める作用というのは
他の楽器にない特性だと思うのは私だけだろうか。
「ジャズの帝王」も「ゴッド・ファーザー・オブ・ソウル」も
時にオルガンをプレイした。大した演奏でなく、悪く言えば適当な
演奏であるが、本来の自分のテリトリーでない楽器をステージでも
演奏したのは、場をまとめるためか、流れを変えるためか・・・。
何れにしろ、選んだ楽器がオルガンだったというのは興味深い。

さて、激烈なダブの魅力とは対極にあるメロウなソウルよりのレゲエ。
その中でもジャッキー・ミットーの諸作品は素晴らしいものが多い。
掲載写真はその名も「RAGGAE MAGIC」。本来なら「IN LONDON」や
「MACKA FAT」が優先されるべきであるが、これもジャケットの
魅力に逆らえないので・・・。どう見てもこの後、金払うように見えないのが
なんともいいのだ。「何みとんじゃぁ」とか言いそうである。

内容は・・・。商店街のBGMか、アトラクション会場のBGMかといった
風情である。ロックやポップスの有名曲をゆるくインストでカバーするのも
この人の常套手段のひとつなのだが、この盤にも「アローン・アゲイン」や
「煙が目にしみる」などがまったりと収録されている。
おまけに誰が仕込んだか、ご丁寧にストリングスが被されたりして
なんだか不思議な気分にもなる。だが、スタジオ・ワンのサウンドを支え続けた
男の盤である、悪かろうはずがない。
ルーツ・レゲエのファンはもちろん、ソウル的グルーヴ(なんのこっちゃ)を
求める人は気に入るはずだ。

それにしても。なんでカナダ録音なのだろう。
ジャマイカ人が72年にカナダでレゲエを録音する、なんてことがあったこと
自体不思議でならない。もっともジャッキーは90年にカナダで亡くなっているので
かの地が気に入っていたのだろうけど。
レゲエはカリプソとジャズの橋渡し・・・。ジャッキーのこの言葉を
信じて「レゲエ・マジック」に幻惑されるのも一興だ。
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SUGAR MINOTT / BUY OFF THE BAR

2006-05-16 22:31:40 | REGGAE
80年代中盤以降のソウルやレゲエに触手が動かない最大の理由が
打ち込みのリズムにある。単調で細かいニュアンスが感じ取れないのが
好みでないところだが、ニーズの違いによってこの打ち込みは
必然となる。

まずは、打ち込みによってドラマーを雇わなくてすむ。
セッションで楽器別に言うとドラマーは高額を持っていくという話を
きいたことがあるが、真偽はさておき、プログラムする人間が他の楽器の音も
打ち込めば、そのパートの経費も浮く。
何より、聴くことも大事だが踊ることに重きをおいた場合、ボトムの
リズムは単調でも構わないが、走ったりもたったりしてはならない。
レゲエにおいてはダンスホールというジャンルがある。その名のとおり
踊るためのもので、だいたい85年以降主体となる、打ち込みリズムが幅を利かせる
一翼を担ったジャンルでもある。

そのダンスホールの中で「親分」的存在がシュガー・マイノット。
掲載写真は84年発表の「BUY OFF THE BAR」。打ち込みに移行する手前である。
トラックもスライ&ロビー、ジャッキー・ミットーら錚々たる面子によるものだ。
名盤と呼ばれるものが多いマイノットだが、このアルバムは今もCDには
なっていない。一般受けしないからか、ニーズがないからか理由は
知らないが、人力によるリズムの嵐の中で歌いこなすマイノットの素晴らしさは
ヴィニール盤で聴くのが相応しい。
A面B面各3曲ずつ収録だが、各曲のあとにその曲のダブが収録されている
ので、都合12曲の収録となる。どうせならA面にオリジナル6曲、B面に
ダブを6曲いれたほうがすっきりしたと思うが、ほとんど曲間なしで
流れるので、流して聴くにも踊るにも(私は踊らないけど)大した問題ではない。

ジャケットを見て欲しい。なんとも男前ではないか。(笑)
ちなみに笑うと前歯がなくて格好わるかったりするが、数あるレゲエの
レコードの中でも「ジャケ買い」候補の筆頭であるとも思う。
えっ?もしCD化されたら・・・?。
もちろん買いなおします。それにしてもジャマイカの再発盤ってなんであんなに
作りが雑なんでしょうねぇ。
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