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HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

COLOUR ME POP

2012-09-26 19:42:20 | REGGAE

     

仕事を終えて家に帰ってくると、4枚組のCDが届いていた。あまり好きになれないジャケットの
イラストだが、ファンには認知されているキャラクターだとか。ふ〜む。で、その4枚組を
私が云々しても誰にも相手にされないので(笑)、今日はもうすぐ出る4枚組の話でも。

少し前にダブのアルバムを集めた4枚組のシリーズ「EVOLUTION  OF DUB」のことを書いた。
昨年リリースされた「VOL.6」で止まっていたのだが、11月に何と「VOL.7」が出るという
アナウンスがあった。よしよし、望みは書いてみるもんである。(笑)

今回収録される4枚のうち、私は2枚聴いたことのない盤があったので、当然ながら捕獲の
ための予算計上。聴いたことがある中の1枚に掲載写真の盤がある。
このアルバムが単体でCD再発されたことがあるのかどうか知らないのだが、今回の箱に
収まることに何の文句もない、ズバリ名盤。

今回収録されるダブはイギリスのレーベル、スタジオ16関連の盤で掲載写真はウィンストン・
エドワーズ&ブラックベアードが80年にリリースした「DUB CONFERENCE」。
演奏は同年同レーベルに、これまたインストの名盤「STRIKE」を残したウェル・パック・バンド。
そのウェル・パック・バンドの音源をデニス・ボーヴェルがミックスし、ウィンストン・エドワーズが
プロデュースしたのが本盤。

全曲これ聴き処で、ダブ好きには堪らない仕掛けが満載である。上モノに様々なエフェクトを
かける様が楽しく、時折異様な音の大きさで割り込んでくる音の遊びがまた楽しい。
各種管楽器の音色の活かし方と、初めてエフェクターに触った時のような無邪気さが
そのまま形になったようなギターにかけられたディレイの対比が実に面白い1枚なので、
これ目当てに今回の4枚組を買ったとしても元は十分にとれるはず。

気になるのはペーパー・スリーブの色なのだが、英国スタジオ16盤はモノクロ・ジャケで
フランスのセルロイド・レーベル盤はカラー・ジャケ。本来の趣旨からいくとモノクロ・ジャケ
なのだが、私は出来れば「色付き」を希望。(笑)結構、いい色合いだと思うのだけど。

もう一回くらい書いておこうかな。
できれば「VOL.10」くらいまで、お願いします。(笑)

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ダブの進化・その2

2012-08-03 19:01:36 | REGGAE

   

「EVOLUTION OF DUB」のVOL.4はジョー・ギブス&プロフェッショナルズがリリースした
「AFRICAN DUB CHAPTER 5」の収録が肝か。「CHAPTER 1」から「CHAPTER 4」
までは単体でCD化されていたが、「5」は今回の箱で初CD化。一つだけ未CD化だと
座りが悪い(笑)ので、これで一安心。単独CD化されている「MAGESTIC DUB」の音は
本来なら私の不得手な音なのだが、何回も聴くうちに気に入ってしまったのは、
年代がギリギリの79年録音故か。

   

VOL.5は聴きものが多い。オジー・ヒバートの「CRUESHAL DUB」は、この箱で初CD化された
のだが、そのレア度と完成度の高さから喜んだ人は多いだろう。「EARTHQUAKE DUB」は
単独でCD化されてもいる有名盤だが、ジャケットが変更されている。今回はオリジナル・
ジャケットでのCD化。サー・ロイド・コクスンの2枚の「KING OF DUB ROCK」は
名盤の誉高いのだが、単独で購入するのはちょっと躊躇するジャケットでもあるので、
箱にソッと入っていれば「おお、この箱を買って良かった」と思わせてくれ、私のような
にわか者には嬉しい限り。

   

VOL.6は、ハイまたまた登場しましたプリンス・ジャミーの「KAMIKAZI DUB」。もう、この
ジャケットが好きなもんで。(笑)音源的に重要なのは、未発表ダブを集めた1枚「CRUCIAL
DUB」ということになるのだろう。ブラック・ユフルの「UHURU IN DUB」は、その元である
「BLACK SOUNDS OF FREEDOM」の現行2枚組CDを買えば簡単に元音源とダブを
聴き比べることができる。

プリンス・ジャミーという人は私にとっては「レゲエのデジタル化を推し進めた極悪人」(笑)に
他ならないのだが、VOL.6はジャミーの「いい仕事」をてっとり早く確認できる箱という意味で
便利である。

というわけで2回に分けて取り上げた「ダブの進化」であるが、何より4枚のCDが入って
安価であるのが嬉しいシリーズであった。
さて、今宵もDUBの扉を開けよう。

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ダブの進化・その1

2012-08-01 21:10:21 | REGGAE

夏だレゲエだ、なんて書くと阿呆のようで嫌なのだが、通年レゲエを聴いていても
正直な処やはり夏には使用頻度が高まる。暑さでへばった体に心地よく響く音は
寝苦しい夜をいくらか楽にしてくれる。単に酒のピッチが早まって、それが契機に
なって睡眠を誘発するだけだったりするのも事実なのだけど。(笑)

4枚のダブ名盤を収録した「EVOLUTION OF DUB」と銘打ったシリーズは09年から
始まったのだが、11年にVOL.6が出たところで止まってしまった。できればVOL.10
くらいまで行って欲しかった(笑)のだが、安価な上に初CD化を多く含んだこの
シリーズは今でも重宝している。シリーズが始まった際にVOL.2を取り上げたが
改めてこのシリーズを振り返ってみる。

  

VOL.1にはキング・タビーの有名盤で単独CD化もされている「DUB FROM THE ROOTS」
「THE ROOTS OF DUB」を含むが、何と言ってもジョー・ギブス音源でエロール・
トンプスンがミックスした73年の「DUB SERIAL」の初CD化に価値がある。ヴィニールで
再発されたが、単独CDでの再発は今までに一度も無いところに、VOL.1の箱の価値がある。

  

VOL.2は収録された4枚のうち、今現在だと全て単独CDや別の箱物で聴くことができる。
私にしてみればアグロヴェーターズの2枚は、「DUB ATTACK」と題された3枚組CDで
既に入手していたので、ダブリ感(笑)が高かったのだが、これが出た時点でトミー・
マクックの「BRASS ROCKERS」は初CD化だったので、それが嬉しかったように記憶する。

  

掲載写真左の「SLEDGEHAMMER DUB」は77年に300枚のみプレスされた盤で
07年にジャケットを新装してCD化されているのだが、それを聴いていなかった私は
この箱で初めて聴いた。ボーナス・トラックこそ無いものの、そのダブの完成度に唸ったものだ。

ダブの元ネタはデニス・ブラウンの74年のアルバム「DEEP DOWN」。元になった
この盤も恐ろしく完成度が高い盤で何度聴いても飽きない。現在だと今年出たばかりの
4枚組(といっても、これも廉価です)「DEEP  ROOTS OBSERVER STYLE」で
簡単に聴くことができるので、併聴すると面白さは倍増。

  

VOL.3は、全てレヴォリューショナリーズ。「OUTLAW DUB」は、超有名盤というか
よく知られているレコードだが、私の知る限り単独CDは無かったと思う。他に収録された
「NEGREA LOVE DUB」「GREEN BAY DUB」然り。何れもリンヴァル・トンプスン制作の
レコードで、何れも驚くような派手さは無いものの、何度も聞くうちにその渋さを理解した
つもりになってしまうのと同時に、レヴォリューショナリーズのアルバムを一気に手中に収める
ことができるという意味で素晴らしい箱である。(笑)

個人的にはリンヴァル・トンプスン自身のアルバムを通して聴いて、それほど好きになった
ことは無いのだが、彼が制作したダブはどれも素晴らしい。

次は残りの3セットを取り上げてみる。

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PETER TOSH / 1978 - 1987

2012-07-07 08:42:45 | REGGAE

リアル・タイムでそのニュースを知ったわけではなく、後追いで歴史の事実としてしった
ことだが、ローリング・ストーンズが自身のレーベルにピーター・トッシュを招き入れたことは
物凄く格好良いニュースだったのではないだろうかと、今でも思いだしたように振り返る
ことがある。

ストーンズにしてみれば、レゲエ史上最も危険なアーティストであったトッシュを
手中にしたことで、自身の目配りの良さをアピールできるだろうし、トッシュにしてみれば
「特にロックがどうこうじゃないが、ストーンズが来てくれというからさ。」と言ったかどうかは
知らないが、ステイタスを上げ自身のメッセージをより広く多くのロック・ファンに届ける
機会になるであろうことは計算の上だったとしても。

単なるロック・ファンやレゲエ一筋の人には、それなりの反感や「それで?」という
反応もあっただろうが、ロックもレゲエも好きな人には、魅力的なニュースだったのは
間違いないだろう。

結局、トッシュが78年から81年にかけてローリング・ストーンから出したアルバムは3枚であった。
最初の「BUSH DOCTOR」はともかく、その後の2枚はディスコやダンス・ミュージックを
意識したようなサウンド・プロダクションが目立つが、それでもトッシュの真っ直ぐな
メッセージは変わることなく表明され、それは87年の「NO NUCLEAR WAR」まで続いた。

掲載写真は78年から87年にトッシュが発表した音源を集めた6枚組CD「1978-1987」。
6枚のオリジナル・アルバムを4枚のCDに収録し、2002年にリマスター再発された際に
各アルバムに収録された7インチ、12インチ、ロング・バージョン1枚にまとめ、更に
これまで未発表だった83年のBBCコンサートを収録した1枚で構成される。

リマスター再発された際のボーナス・トラックが全て収録されているわけではないが、
そのほとんどはここで聴くことができ、おまけに6枚組で販売店によっては2000円ほどで
購入できるのだから、有り難い話だ。コアなトッシュのファンがBBCコンサートのみを目当てに
購入したとしても、納得できる価格設定であると思う。これからトッシュを聴こうと思う人には
最適な価格であり、先に出た「LEGALIZE IT(解禁せよ)」と「EQUAL RIGHTS(平等の権利)」の
DXエディションも、それほど高額では無いので、今こそピーター・トッシュの足跡をを
振りかえるのに最適の時期ではないだろうか。

トッシュの81年のアルバムに「WANTED DREAD AND ALIVE」というタイトルの盤がある。
「WANTED DEAD OR ALIVE」ではない。前を向いて進み続けたトッシュが、今も生きていたら
どんなメッセージを発していただろうか。

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鰆の尻尾をよこしな

2012-05-13 12:00:38 | REGGAE

        

コンゴスと言えば、誰もが(私も)大好きなのが77年の「HEART OF THE CONGOS」。リー・ペリー・マジック
炸裂の1枚だから当然と言えば当然なのだが、06年に出た「FEAST」(掲載写真左)もなかなかのアルバムだ。

70年代の音源を集めたコンピレーションで、プロダクションやメンバーは様々なのだが、どのトラックも
渋い仕上がりで何よりセドリック・マイトンのボーカルが冴えている。また、ギターの細かなフレーズも
レゲエの枠を超えて広く聴かれるべきもので、全体にソウル好きにもアピールするアルバムだと思う。

そんなアルバムのダブが登場した。ダブが施された年代というのがわからないのだが、12年になって
突如登場した「DUB FEAST」がまた素晴らしい。オリジナルはソウル好きにもアピールすると先に書いたが
このダブは、完全にレゲエ愛好者対象。特に目新しい感じがしないと言うか、次の展開が読めるダブであるが
これぞ王道のダブという感じに仕上がっていて、安心して聴いていられるのだ。

ジャケットも良い。最初に「FEAST」のジャケットを見た時は、「宴会なのに、魚だけ?」と思ったものだが
後になってダブが出てきて身の喰われた魚のジャケットを見て「確かに、上手い魚だった」と思わせるのが良いのだ。
これは「FEAST」を曲順違いの別タイトル盤「COCK MOUTH KILL COCK」で所持していると、
理解できない「お楽しみ」ではあるが。

ダブの施されたトラックの隙間をぬって聞こえて来るボーカルにもほどよいエフェクトがかけられているが
元歌が良いだけに、ダブの施し甲斐があっただろう。

ああ、鰆が食べたくなってきた。(笑)

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LIVE AT THE TURNTABLE CLUB

2012-04-30 08:33:39 | REGGAE

レゲエのライブ盤と言われて真っ先に思い浮かぶのが、この2枚。

       

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「LIVE ! 」は、私のレゲエ事始めの盤であり最初にこれを聴いた時の
衝撃は大きかった。ジミー・クリフのこのアルバムは「IN CONCERT - THE BEST OF JIMMY CLIFF」と
いうタイトルなのだが、日本盤は「ベスト・オブ・ライブ !」というタイトル。両者とも付けも付けたりのタイトルで
その名に偽りなしの渾身の歌唱を聴くことができる。私にとってジミーのこのアルバムは、ロックのレコードに
例えれば、ニール・ヤングの「LIVE RUST」と同じような位置にある。つまり、両者のアルバムで最も好きな
盤ということだ。

     

次いで挙げるなら、この2枚か。ミスティー・イン・ルーツの「LIVE AT THE COUNTER EUROVISION 79」は
ちょっと経験値を上げてから出会った盤で、彼らのデビュー・アルバム。英国のレゲエ・バンドに目を向けると
こんな凄いバンドがいるのかと驚かされた盤でもあった。デニス・ブラウンの「LIVE AT MONTREUX」は
映像も残されている。この映像は単体でも発売されているが、やたらとセット売りもされていて、掲載写真の
ライブ盤CDと同梱されたり、デニスのベスト盤CDと同梱されたりもしている。それだけ定番であるということ
なのだろう。

で、今回取り上げるのは先日のCD化で初めて聴いた、このアルバム。

     74年12月、このライブ盤制作のためにキングストンの
「ターンテーブル・クラブ」で行われた演奏を収録。ソウル・シンジケートをバック・バンドに、デニス・ブラウン、
アレクサンダー・ポーテウス、デルロイ・ウィルスン、ビッグ・ユースの4者の演奏を聴くことができるのだが、
ここで聴くことができるのは、どれも勢いのある、ちょっと危険な匂いのする演奏で雑然とした混沌を感じる
ことができる。

特にアルバム最初に収録されたデニス・ブラウンの勢いが素晴らしい。若さにまかせた怖いモノ知らずの
勢いをそのまま捉えている。アレクサンダーの演奏は大して上手くないと思うが、雰囲気は十分。
デルロイ・ウィルスンの『IT'S A SHAME』は聴きものだし、ビッグ・ユースのレゲエ賛歌は会場を湧かせる。

歓声のミックスが幾分作為的で、純粋なライブ盤というには少々違和感を感じない事も無いが、ミックスを
キング・タビーが担当し、マスタリングをアップル・スタジオで行ったとなれば、有難味も増すというものだ。(笑)
今回のCDは見開きの紙ジャケ仕様。中ジャケの観客を写した写真を見ながら聴くと、ライブの熱気が
より一層伝わるかも。

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リー・ペリーのいい仕事

2012-04-26 20:28:06 | REGGAE

       

リー・ペリーといえば、アップセッターズをプロデュースしたスカ、ロック・ステディ時代、或いはブラック・アーク・
スタジオでのブッ飛んだダブが人気であるが、先日、隠れたいい仕事といえる「歌物」に関わった2枚のCDが
リリースされた。

掲載写真左はキャンディー・マッケンジーの「LEE 'SCRATCH' PERRY PRESENTS CANDY McKENZIE」。
77年にブラック・アークで録音されながら、今回のリリースまで表に出ることの無かったアルバム。
コンゴスやアスワドのアルバムでバック・ボーカルを担当していた人だが、これほど素晴らしい歌手だとは
この録音集を聴くまで気にも留めていなかった。

77年という時期のペリー制作のバック・トラックが悪いわけが無いというのは、贔屓の引き倒しである(笑)が
この年は先に書いたコンゴスの「HEART OF THE CONGOS」や、ヘプトーンズの「PARTY TIME」、そして
ジュニア・マーヴィンの、あの「POLICE & THIEVES」を世に送り出しているのである。

キャンディー・マッケンジーの盤が世に出なかった理由が、金銭的なものか御大の気まぐれによるものかは
知る由もないが、ここで聴くことができるトラックはソウルフルでグルーヴ感に満ちている。
そして、何よりキャンディーの歌が素晴らしい。この録音の前にペリーは、マーサ・ヴェレスやスーザン・カドガン
といった女性ボーカル物を手掛けているが、そのどちらよりもこの録音の方が私には素敵に思える。

まさにソウルを感じさせる『DISCO FITS』、ダスティー・スプリングフィールド・カバーの『BREAKFAST IN
BED』といった曲の出来の良さは勿論だが、アルバム中でキャンディー自身が手掛けた曲が数曲あり、
単なる歌手以上の才能を見せているということにも驚かされる。

掲載写真右はジョージ・フェイスの「SUPER EIGHT」。今回の発売はジャマイカ盤仕様で、オリジナルは
ジャケットにレーベル面が印刷されていない、白地にアーティスト名とタイトルが黒文字で書かれたジャケット。
数年前にHIP-Oから、英国アイランド盤で発売された時のタイトル「TO BE A LOVER」とジャケットで
再発されていた。英国盤とジャマイカ盤は曲順も違うので、今回のジャマイカ盤仕様での発売は、その値段の
安さと相俟って歓迎されるのではないだろうか。

実はこれも77年の発売(ステッカーには1976 ALBUMとあるが)。特に評価の高い歌手というわけでもないので、
ペリーの仕事の中では軽視されがちだがここでのトラックも素敵だ。ジョージ・フェイスの歌唱も悪くないし、
何より数曲で聴くことができるコーラスの良さが素晴らしく、クレジットを見るとメディテイションズとダイアモンズ。
成程、納得である。

ポール・アンカの『DIANA』のレゲエ・アレンジなんていうと、笑いの一つも出てきそうだが、これが意外と
悪くないのだ。オージェイスのカバーも良いし、何よりウィルスン・ピケット(『IN THE MIDNIGHT HOUR』)と
リー・ドーシー(『YA YA』)の有名曲をメドレーで繋ぐという技も、ド真中に直球を投げ込む感じで面白い。

今回リリースされた2枚のアルバムは、ペリーのファンは勿論、歌心のあるレゲエを聴きたいという向きにも
最適だと思う。何より、どちらも安価なのが嬉しい。このような再発は大歓迎だ。

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RASTA COMMUNICATION

2012-04-23 23:10:18 | REGGAE

           

2011年の始まりに「ルーツ・ロック・レゲエ100選」というのをやったのだが、その中でキース・ハドスンの
どのアルバムを選ぶかで悩んだのが、上記の2枚であった。リー・ペリーやキング・タビーに負けず劣らずの
ダブ名人であった故に悩んだのだが、その時は内容の重要性を鑑みて掲載写真左の「FLESH OF MY
SKIN BLOOD OF MY BLOOD」を選んだ。その選択は今も正しいと思っている。

で、個人的にダブの名盤の印象が強いので、歌モノとは言わないが正面からボーカルに取り組んだ
「RASTA COMMUNICATION」とかを軽んじてしまったわけだが、今年になって同盤のデラックス・エディションが
登場した。ディスクの1枚目にオリジナル盤と12インチ・ミックス、シングルの所謂A面を収録し、2枚目には
ダブを収録してある。

      

「RASTA COMMUNICATION」のダブ盤といえば「BRAND」(掲載写真右)なのだが、今回のダブは
「BRAND」収録以外のダブもある。例えば今回のDXエディション収録の『BLOODY EYES DUB』は
「BRAND」には収録されていない。
これの元歌は『BLOODY EYS』で、同曲のダブ『MY EYES ARE RED DUB』は両者に収録。
しかしながら、今回収録された『BLOODY EYES DUB』の濡れ具合(笑)が実に気持ち良く、これを
聴くことが出来ただけでも、価値があるというものだ。

私が所持する「BRAND」は再発CDなのだが、それにはボーナス・トラックで『BLOODY EYES DUB』の
トラックにキースのボーカルがのるヴァージョンが収録されている。手っ取り早く言えばボーカル抜きヴァージョンが
「RASTA COMMUNICATION」のDX盤に収録されたということなのだが、なんだかややこしいでしょ。(笑)
快感指数の高さに比例するややこしさが、レゲエなのです。なんて堅苦しいことは抜きにして気楽に楽しめば
いいのである。

というわけで、今回のDX盤は「BRAND」未収録のダブも幾つかあるので、「BRAND」を持っているからといって
スルーは厳禁。(笑)
そういう私は今回、本体の「RASTA COMMUNICATION」の力強さに改めて気付きました。

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ダイヤルMを廻せ!

2011-12-17 21:39:00 | REGGAE

今年はレゲエをあまり聴かなかった。いや、例年通り普通に聴いていたはずなのだが、昨年は
かなりの時間をレゲエに費やしたので、今年は少なく感じるのかもしれない。その分、ジャズを聴く時間が
大幅に増えてしまったのだが。(笑)

アルフレッド・ヒッチコックの数ある名作の中で私が好きな映画は「DIAL M FOR MURDER(ダイヤルMを
廻せ!)」と「THE TROUBLE WITH HARRY(ハリーの災難)」である。前者は、まずタイトルがよかった。
甲斐バンドは映画の邦題を曲名にすることが稀にあったが、そんな中に『ダイヤル4を廻せ』という曲があり、
その刷り込みが、映画を見にあたってのスムースな入口になったのは間違いない。内容も面白く、グレース・
ケリーが美しいとくれば、気にいるのも当然か。後者を気に入っているのは、私が名前を拝借したからという理由では
ないということは明記しておきたい。(笑)

フィル・プラットが制作した「DIAL M FOR MURDER IN DUB STYLE」は、そのインパクトの強いジャケットは
知っていたが今まで聴いたことがなく、そんなアルバムがCD化されたので思わず飛びついてしまった。
フィル・プラット&ザ・サンショット名義での登場であるが、実際のところのレコーディング・メンバーをみると
ほぼレヴォリューショナリーズというべきで、当然のように演奏は素晴らしい。

フィル・プラットは、ダブというよりも歌物のプロデューサーという印象が強いが、この80年の盤もメロディーの
しっかりした曲が多く、単なる音響効果を楽しむだけだったり、遊びの度が過ぎただけのダブではないのが
何度もの再生を可能にする。78年のチャンネル・ワンでの録音なのに、当時はアメリカでしか発売されなかったのが
不思議なのだが、こういったCDは例によって手に入るうちに入手するに限る。

    

フィルがプロデュースしたアルバムで私の好きな盤が、75年にキース・ポッピンが発表した「ENVIOUS」。
これ以外のフィル制作の盤でも聴くことができる、リズム・セクションと簡素なピアノをメインにした音数の
少ないトラックで歌手の上手さを引き立てるという手法が最も成功した例だと思う。

フィルは「DIAL M FOR MURDER」以前の78年に「STAR WARS DUB」というアルバムを発表していて、
こちらもアルバム・ジャケットのカラフルさが示す通り、楽しいダブ。映画とは何の関係もないところが
笑えるのだが、それが不快だったり嫌味を覚えないのがレゲエというジャンルである。

それにしても。今になって三船敏朗が演じるダース・ヴェイダーというのも見たかったような気がする。(笑)

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アイスクリーム頂戴

2011-08-15 20:24:27 | REGGAE

暑い。暦通りに仕事をする私に盆休みなど無い。
ふとアイスクリームを食べたいと思うが、いい歳して「ガリガリ君」を買うのは恥ずかしいので
箱に棒状のアイスが何本か入ったヤツを2種類買って帰る。今日はメロン味を食べよう。(笑)

掲載写真はトラディションが78年に発表した「ALTERNATIVE ROOTS」。子供が食べているのが
アイスクリームかどうかはわからないが、このジャケットは大好きだ。何ともいえない優しさというか
温かさが伝わってくるジャケットで、攻撃的な側面とはまた別のレゲエの大らかな部分を見事に
表現している。

英国のレゲエはジャマイカのそれと違って、気候や風土も多分に関係しているだろうが、身近にロックが
あったり、ノーザン・ソウルの根強い人気もあるせいか、モダンな(洗練されていると読み替えてもよい)アルバムに
出会うことが多く、これもそんな1枚。基本的にボーカル・グループなのでリードとコーラスを聞くべきだろうが
ソウル寄りのトラックが素晴らしく、今年冒頭の「ルーツ・ロック・レゲエ100選」にも選んだ。
1曲目の『REACH MY GOAL』での冒頭の語り、うっすらと聞こえるエレピに徐々に楽器が増えて盛り上がる
というメロウなソウル・マナーに持っていかれたら、後はもう耳を預けるだけだ。

  で、このアルバムには強烈なダブ・バージョンもある。
80年に発表された「CAPTAIN GANJYA AND THE SPACE PATROL」がそれだ。元々はボーカル・グループの
アルバムだが、先に書いたようにトラックがよく出来ているので、ダブの施しにも力が入ったのは想像に容易い。

ホーンやキーボードに過度にかけられたディレイに、木霊が連れてきた山彦のようなボーカルが被さり、
エレピが天の川の如く流れるとアルバム・タイトルではないが、宛ら宇宙旅行をしているような感覚に陥る。
私にとってのダブは優れたサイケのアルバムと同じく、非日常の表現に他ならず、このダブも最長の
飛行距離を誇る。通年常用のハード・ドラッグと呼ぶに相応しい1枚。

明日はマンゴー味のヤツを食べよう。(笑)

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男前の肖像シリーズ・ドラムと男前その5

2011-04-13 20:47:18 | REGGAE

スライ・ダンバーの名前を知ったのが、いつ頃だったのか全く思い出せない。おそらく17,8歳の
頃だったと思う。ただ、この「スライ・ダンバー」という名前を「格好良い」と思ったことは
妙に覚えている。『スライ』という単語から単純に「スライ・ストーン」の名前が浮かんだこと、
そして当時覚えたばかりの「エインズレー・ダンバー」というドラマーの名前が重なって
なんだか、格好良いなと相成ったのだと記憶する。後に『スライ』の名称は自身が好きな
スライ・ストーンに因んでつけたことを知る。

「もし、自分がバンドのオリジナル・メンバーの一員になれるならザ・フーがいいな。」と思ったことも
あったが、カールトン&アストン・バレットや、スライ&ロビーのようにベーシストとタッグを組んで、
セッションで叩きまくるのも格好良いな、とは今でも思っている。

動くスライ・ダンバーを初めて見たのは、ミック・ジャガーが85年に出したアルバム「SHE'S THE BOSS」
からシングル・カットされた『JUST ANOTHER NIGHT』のプロモ・ビデオだ。ドレッド・ヘアーを
振り乱して楽しそうに叩く、その姿は何とも刺激的であった。因みにこのアルバムには
ビル・ラズウェル、バーナード・エドワーズ、コリン・ホッジキンスンと錚々たるベーシストが参加しているが
スライがドラムを叩く4曲のベースが相方のロビー・シェイクスピアであるのが、先に書いた
「格好良いタッグ」への憧れを更に強大なものにしたものだ。

掲載写真はスライ&ザ・レヴォリューショナリーズが77年にリリースした「GO DEH WILD RIDDIM」。
カールトン・バレットが生み出した「ワン・ドロップ」は、レゲエならではのスタイルだが、それを
過去のリズムにするかのような強烈な「ミリタント・ビート」や「ステッパーズ」を生み出したのが
スライで、その音を具現化したのがレヴォリューショナリーズだった。この盤は珍しくレヴォリューショナリーズ
としてのクレジットではなく、スライの名前が冠されていることからも主役が誰か解かり易い。
アルバムの冒頭で「INTRODUCING TO THE WORLD, THE GREATEST REGGAE DRUMMER」と
コールされているし。(笑)他のレヴォリューショナリーズ名義の盤と違って、幾分リラックスした感のある
アルバムなのだが、その中にあって切れ味鋭いドラムを聞かせるスライ・ダンバーは、やはり最高の
ドラマーである、としか言いようがない。

ジャケットの渋さも素敵で、ジャケ買いしても外しません。それにしても、この布はなんだ?。(笑)

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ルーツ・ロック・レゲエ100選

2011-01-01 09:10:04 | REGGAE

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

というわけで、昨年の予告通り「ルーツ・ロック・レゲエ100選」である。
1アーティスト1枚縛りなので、数多くのアルバムを出しているアーティストに関しては
選盤に迷ったものもあるが、概ねこれでいいだろうと自分を納得させた。
ボブ・マーリーに関しては一点の澱みも無く迷いも無かったのだけど。
以前の「日本のロック・フォーク」も「ソウル/ファンク」も100枚だったので今回も100枚なのだが
名前の漏れた大物が多い。まあ、潔くいきましょう。

こうやって100枚を眺めると我ながら壮観なのだが、まるで乱暴狼藉を働く様な選盤もある。
大体、スカタライツの1枚を選ぶと言うのに、何で「ダブ」なの?(笑)
全体にダブが多めでディージェイやラバーズに冷たいセレクションである。
そして、今回はコンピレーション盤が重要と思った場合は、それを選択した。
因みに100枚を選ぶにあたり、最後まで候補に残っていたのがコーネル・キャンベルの
「BOXING」であった。CD化されていなく、同じようなジャケットで内容の全く違う編集盤
「I SHALL NOT REMOVED」とどちらにするか悩んでいるうちに違うアーティストを選んだという
笑えないオチもある。まあ、潔くいきましょう。(笑)

それでは題して「ルーツ・ロック・レゲエ100選」。

001 ABYSSIANS / SATTA
002 GLADSTONE ANDERSON / GLADY UNLIMITED
003 HORACE ANDY / IN THE LIGHT・IN THE LIGHT DUB
004 ASWAD / SHOWCASE
005 CARLTON BARRETT & FAMILY MAN / THE SOUND OF MACKA DUB
006 BLACK ROOTS / IN SESSION
007 BLACK SLATE / OMIGA
008 BLACK UHURU / ANTHEM (ISLAND・ILPS9769)
009 CEDRICK"IM"BROOK / UNITED AFRICA
010 DENNIS BROWN / JUST DENNIS
011 BURNING SPEAR / MARCUS GARVEY
012 JUNIOR BYLES / BEAT DOWN BABYLON
013 CARLTON & THE SHOES / LOVE ME FOREVER
014 AUGUSTUS GUSSIE CLARKE / DREAD AT THE CONTROLS DUB
015 JIMMY CLIFF / IN CONCERT THE BEST OF JIMMY CLIFF
016 CONGOS / HEART OF THE CONGOS
017 CULTURE / TWO SEVEN CLASH
018 DADAWHA / PEACE & LOVE
019 JUNIOR DELAHAYE / SHOWCASE
020 JUNIOR DELGADO / TASTE OF THE YOUNG HEART
021 DILLINGER / TALKIN' BLUES
022 ERIC DONALDSON / KEEP ON RIDING 
023 DR. ALIMANTADO / LOVE IS
024 MIKEY DREAD / AT THE CONTROLL DUBWISE
025 DON DRUMMOND / 100 YEARS AFTER
026 DUB SPECIALIST / 17 DUB SHOTS FROM STUDIO ONE
027 EARTH & STONE / KOOL ROOTS
028 WINSTON EDWARD & BLACKBEARED / DUB CONFERENCE
029 ETHIOPIANS / SLAVE CALL
030 FORSE OF MUSIC / LIBERATED DUB
031 PABLO GAD / TRAFALGAR SQUARE
032 THE BORIS GARDINER HAPPENINGS / IS WHAT'S HAPPENING
033 SERGE GAINSBOURG / AUX ARMES ET CAETERA
034 GAYLADDS / UNDERSTANDING
035 GLADIATORS / PRESENTING
036 WINSTON GROOVY / THE GROOVY COLLECTION
037 DERRICK HARRIOT / REGGAE DISCO STYLE
038 HEPTONES / ON TOP
039 LENNIE HIBBERT / CREATION
040 JOE HIGGS / LIFE ON CONTRADICTION
041 JUSTIN HINES & DOMINOES / JEZEBEL
042 KEITH HUDSON / FLESH OF MY SKIN ,BLOOD OF MY BLOOD
043 KIDDAS I / ROCKERS:GRADUATION IN ZION 1978-1983
044 IJAHMAN / HAILE I HYMN
045 GREGORY ISSACS / COOL RULER
046 ISLAEL VIBRATION / THE SAME SONG
047 WINSTON JARET / RANKING GHETTO STYLE
048 LINTON KWESI JOHNSON / BASS CULTURE
049 KEITH & TEX / STOP THAT TRAIN
050 KING TUBBY / DUB FROM THE ROOTS
051 KNOWLEDGE / STRAIGHT OUTIA TRENCHTOWN 1975-1980
052 LITTLE BOY / TAFARI EARTH UPRISING
053 BOB MARLEY & THE WAILERS / LIVE !
054 MATUMBI / POINT OF VIEW
055 TOMMY McCOOK & THE AGGROVATORS / BRASS ROCKERS
056 FREDDIE McGREGOR / BOBBY BOBYLON
057 MEDITATIONS / MESSAGE FROM THE MEDITATIONS
058 MERGER / EXAILE ON A BABYLON
059 SUGAR MINOTT / BUY OFF THE BAR
060 MISTY IN ROOTS / LIVE AT THE COUNTER EUROVISION 79
061 JACKIE MITTO / REGGAE MAGIC !
062 JUNIOR MURVIN / POLICE & THEIVES
063 THE MYSTIC REVELATION OF RASTAFARI / GROUNATION
064 JOHNNY OSBOURNE / TRUTH & LIGHTS
065 AUGUSTUS PABLO / ORIGINAL ROCKERS
066 THE PARAGONS / ON THE BEACH
067 LLOYD PARKS / OFFICIALY
068 LEE PERRY / ARKOLOGY
069 PIONEERS / FREEDOM FEELING
070 DESMOND POPSY / DUBBING IN THE U.K.
071 EARNEST RANGLIN / RANGLIN ROOTS
072 RANKING DREAD / RANKING DREAD IN DUB
073 RASS-ES BAND / HARDER NA PASS
074 THE RASTAFARIANS / ORTHODOX
075 REVOLUTIONARIES / REVOLUTIONARIES
076 RICO / MAN FROM WAREIKA
077 SCIENTIST / SCIENTIFIC  DUB
078 SKATALITES / THE LEGENDARY SKATALITES IN DUB
079 SLICKERS / BREAK THROUGH
080 EARL CHINNA SMITH / STICKY FINGERS
081 SLIM SMITH / BORN TO LOVE
082 SOUL SYNDICATE / HARVEST UPTOWN,FAMINE DOWNTOWN
083 THE SPECIALS / THE SPECIALS
084 LYN TAITT & THE JETS / HOLD ME TIGHT ANTHOLOGY 65-73
085 TETRACK / LET'S GET STARTED
086 PETER TOSH / BUSH DOCTOR
087 TOOTS & THE MAYTALS / MONKEY MAN
088 TRADITION / ALTERNATIVE ROOTS
089 THE UNIQUES / SHOWCASE
090 THE UPSETTERS / BLACKBOARD JUNGLE DUB
091 V.A. / THE HARDER THEY COME O.S.T.
092 V.A. / ROCKERS O.S.T.
093 VICEROYS / SLOGAN ON THE WALL
094 BUNNY WAILER / BLACKHEART MAN
095 DELROY WASHINGTON / RASTA
096 MERYN WEBBER / ONCE YOU HIT THE ROAD
097 DELROY WILLIAMS / I STAND BACK
098 WILLIE WILIAMS / ARMAGEDON TIME
099 DELROY WILSON / SARGE
100 YABBY YOU / DELIVER ME FROM MY ENEMIES 

ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのライブ盤と、映画ザ・ハーダー・ゼイ・カムのサントラが全ての
始まりであった。そこに長年聴いてきたロックからの影響と、ソウル・ミュージックの嗜好が加味されて
出来あがったのが、今回の100枚。これを叩き台に更に奥の細道を辿っていきたいと思う。

コメント (4)
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GAINSBOURG / AUX ARMES ET CAETERA

2010-12-24 21:03:46 | REGGAE

昨日のスペシャルズと同じような感覚で「レゲエ100選」に選んだのがゲンスブールの
79年のアルバム「AUX ARMES ET CAETERA」。シャンソンを軽く飛び越えジャズから
ポップスまで様々な音楽をこなしたセルジュが、レゲエに挑んだといえば格好良いのだが
眼のつけどころがワン・テンポ遅かった親爺が、単なる快感原則に則って録音した盤と
言ってしまえば、身も蓋もないか。(笑)いや、ほとんどそんな感じだと思うし、だからこそ
私はセルジュを好きなのだ。

只でさえ歌詞が穏やかでないフランス国家の歌詞を引用し、レゲエ・アレンジで歌うというのは
ポピュラー音楽を作ることを生業にしている人間にとって、どれくらいチャレンジングというか
危険な作業であったかということを、まずは理解する必要がある。事実、セルジュはナショナリストの
襲撃を受けるようになり、その反動からか後年には「ラ・マルセイエーズ」の著作権を
買い取ったりもしている。レゲエということに惑わされるかもしれないが、歌詞のいかがわしさは
さておき可愛らしいメロディーの曲が意外と多いので、セルジュ全史の中でも軽んじることは
出来ないアルバムなのだ。

そして何が凄いかというと、このアルバムを録音した面子である。バックはスライ&ロビー率いる
レボリューショナリーズで、コーラスはアイ・スリーズ。出て来る音は、何処に出しても恥ずかしくない
ルーツ・ロック・レゲエ。メロディーはアイ・スリーズに歌わせ、自らはここ数年の芸風(笑)である
ボソボソと呟く感じでの吹き込み。ディージェイ達のような派手に目立つ立ち回りこそないが、
これぞセルジュ、という趣を感じるのは私が単なるセルジュ信者(笑)だからか?

何れにせよ、私が「レゲエ100選」を編む目的の一つはこのアルバムを紛れ込ませることに
あったのだ。そして目的は穏やかに遂行された。
そんなに時間はとらせない。だから12月だけのクリスチャンの貴方もジャマイカへ飛んで欲しい。

ところでセルジュ、そこは火星じゃないよね?。(笑)

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順番には逆らえない?

2010-12-06 18:12:55 | REGGAE

元々の録音があって、そこから音を抜いたりエフェクトを加えたりして「ダブ」ができる。
私が「ダブ」を好きなのは、元の録音から更にリズムが強調されるのが一番の理由だが
過度のエフェクトが宇宙を想起させたり、特撮の効果音のように笑わせてくれたりするのも
大きな理由だ。まあ、いい大人がさんざん遊んでいるというところに最大の魅力があると
いうのが格好良いのだ。

本来は元のアルバムを聴いて、その後にダブを聴くほうが順番的にはいいはずだが
アルバムとの出会いというのは、それほど順序通りに行くものではない。
かのバーニング・スピアーの名盤「MARCUS GARVEY」は先にダブの「GARVEY'S GHOST」を
聴いてしまったのだが、そのダブの完成度の高さに、しばらくは「MARCUS GARVEY」を探すのを
忘れていたほどだった。

掲載写真右はイスラエル・ヴァイブレーションのダブを2イン1で収録したCD。このCDには彼らの
傑作1ST「THE SAME SONG」のダブが収録されている。イスラエル・ヴァイブレーションの1STも
先にダブを聴いてしまったのだが、これまたダブが素晴らしい。しかしながら、今度は掲載写真左の
オリジナルである「THE SAME SONG」を入手するのに時間はかけなかった。

結局のところ、バック・トラックが素晴らしく、それ以上にボーカルやコーラスが素晴らしければ
ダブの魅力より、オリジナルの魅力が優先する。「MARCUS GARVEY」も「THE SAME SONG」も
バック・トラックと同等以上にボーカルに抗えない魅力を感じたので、100選ではダブではなく
オリジナルを選んだ。順番には逆らえないのだ。

おっと、ダブの過激な音遊びがオリジナルより気持ちよく感じた盤もある。
例えばブラック・スレイトの「AMIGO」にはダブ盤「OGIMA」(タイトルを逆にしただけですね)が
あるのだが、彼らは100選にダブを選んだ。理由はきっと飛び道具のように使われる効果音と
深いリヴァーブの遊び心が、歌唱の魅力に勝ったということでしょう。

私の100選はファミリー・ネーム優先のABC順の表記。ちなみにBURNING SPEARは11番目に
登場する。恥ずかしながら数年前に知ったのだが、BURNING SPEARは個人名であると同時に
グループ名でもあるので、早い並びでの登場となる。順番には逆らえないのだ。

そういえば、ALICE COOPERは74年まではボーカリストの名前でありグループ名だったのだが
75年の「WELCOME TO MY NIGHTMARE」以降はバンドとしてではなく個人名として扱われるようになる。
BURNING SPEARがグループ名でなく個人名として扱われるようになるのは77年からだ。
(「MARCUS GARVEY」は75年のアルバム。)

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王道です

2010-12-05 11:42:14 | REGGAE

昔からそうなのだが、何か目標とか目的を決めても、それに向かって集中するということが
出来ない。学生の時はテスト期間になると、何故だか部屋の掃除とか模様替えをしたくなって
時間を無駄にしたものだ。昨年末のカバー集作製の時も集中力に欠けたし。
今回は「レゲエ100選」なのだが残り3枚で悩んでいるというのに、「ソウル」や所謂「レア・
グルーヴ」のレア盤のダウンロードに熱中してしまうし。(笑)

ウェイラーズからピーター・トッシュとバニー・ウェイラーが脱退したのは、アルバム「BURNIN'」
発表後。ボブ・マーリーと袂を分かったのは、音楽や思想や様々なことに起因するのだろうが
その後、大メジャー展開するボブ・マーリーを貶める気は毛頭無いし、ピーターとバニーの方が
レゲエの精神を全うしたと言う気も無い。3者3様の王道を歩んだとするのが正解だろう。
バニーの1STソロに、ピーターが参加したがボブは参加しなかったとしてもである。
ビートルズを例えに出すのは間が抜けているが、一つのグループにこれだけの才能が集まったことが
奇蹟なのだ。

「レゲエ100選」は1アーティスト1枚縛り(ちゃんと、抜け道も用意してあるが)なので、
ウェイラーズの3人のようにアルバム数が多く、その中の何枚もが優れているアーティストは
選盤に悩むのは言うまでも無い。掲載写真右はバニー・ウェイラーの1ST「BLACKHEART MAN」。
私は2002年に発売された輸入盤CDで所持するのだが、各曲のクレジットが詳細でほぼ
全編でピーター・トッシュが活躍していることがよくわかる。ギターだけでなくハーモニカや
メロディカまで演奏していることから、かつての同僚を盛り上げようようとする男気が感じられる。
硬派な歌詞を比較的柔和なサウンドで包んでいるのだが、徒に攻撃的である必要はない。
そこのところがバニーのボーカルと共に、レゲエの懐の深さを感じさせる盤で、8分を超える最終曲
「THIS TRAIN」の美しさもあって、100選にはこれを選んだ。

掲載写真左はピーター・トッシュの3枚目「BUSH DOCTOR」。ローリング・ストーンズ・レーベルの
1枚目でもある。ピーターは、その発言や行動が過激で危険なアーティストと認識されていたのだが
そんなピーターを上手くレーベルに引き込んだ、当時のストーンズの戦略は実に冴えていた。
しかしながら同時にピーターは毒気を抜かれたというレゲエ・フリークからの反論があったのも事実。
最初の2枚にあった強烈なメッセージは薄れたかもしれないが、私にはソウル寄りのトラックが音的に
魅力的であること、そして私がストーンズ者であることを合わせれば、100選でこれを落とす理由が
見当たらないのだ。決してストーンズに精気を吸い取られたのではない。ピーターの音作りの変遷は
時代の要請であったこと(楽曲的にも、政治的にも)を理解すべきだろう。
ま、ここでもタイトル曲で「解禁せよ」と歌っていますがね。(笑)

えっ、ボブ・マーリーは何を選んだのかって?。
純粋なレゲエ・ファンには敬遠される「LIVE!」ですよ。

オリジナル・ジャマイカ仕様の「CATCH A FIRE」も素敵だが、単に「CONCRETE JUNGLE」のEm,Amと続く
コード進行が日本人好みなだけじゃないの?という誰に対するでも無い皮肉も書いておきたい気もした。
正にそれは私自身のことなのだから。

何れにしろ、王道なのです。(笑)

コメント (6)
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