197X年5月28日
・・・(略)・・・
次に“若い女性”を開き、今日買う服を研究しようとしたら、18歳の小説家、雑誌 群像の新人賞とか何とかで、中沢けい とかいう人間が載っていた。
明大二部の経済学部、昼はOL か。
私は人間を知らない。私は男を知らない。私は女さえ知らない。私は親を知らない。
私は、中沢けい とはまるで違う人間。
私が東京で今、夜間に通い、昼働いて1人では生きていけないだろう。
中沢けいが、高校時代に知っていたことを、私はこれから知る。
私の環境は恵まれていて、私は人間のキズを持っていない。
私は幼い。
しかし、私は焦らない。
私には、私の道があり、私には私の世界がある。
私は、中沢けいの世界を持っていない。
私には、もっと違った、私だけの世界がある。
だから私は、それを読んで、中沢けいという18歳の小説家を知っても
焦らなかった。
★ ★ ★
2012年5月30日
つい2~3日前、本屋に行って、文庫本の棚を眺めていたとき、中沢けい の文庫が並んでいるのを見て、ちょうど思い出していた。
この人が自分と同じ年で若くして群像の新人賞を取ったときには、本当に驚いたものだ。
そして、その内容がすごく大人びていると当時思ったことも記憶にあった。
この人、今もなお小説家なんだな~と、何気なく思った。
その後、どんな作品を書いているのだろうとは思ったが、本を開いてみるでもなく、
他の本を買ってきた。
「風をつかまえて」 高島哲夫
「教授の異常な弁解」 土屋賢二
なるほど、タ行の作家の本を買ってきた。
中沢けいの本は、これらのもう少し右にあったっけ。
買った2冊の本は、家に戻っても袋にいれたまま、開けもしないで数日が経っていた。
なんという本を買ったかも忘れていて、今開けてみたところだ。
5月28日の日記は、大学ノート8ページにもわたるもので、読むのも大変だし、転記するのも大変だから、すっとばしていたのだが、今日読んでみたら、中沢けいのことが書いてあったので、そこだけ転記してみた。この人の最近の作品も読んでみるといいかもしれない。
・・・(略)・・・
次に“若い女性”を開き、今日買う服を研究しようとしたら、18歳の小説家、雑誌 群像の新人賞とか何とかで、中沢けい とかいう人間が載っていた。
明大二部の経済学部、昼はOL か。
私は人間を知らない。私は男を知らない。私は女さえ知らない。私は親を知らない。
私は、中沢けい とはまるで違う人間。
私が東京で今、夜間に通い、昼働いて1人では生きていけないだろう。
中沢けいが、高校時代に知っていたことを、私はこれから知る。
私の環境は恵まれていて、私は人間のキズを持っていない。
私は幼い。
しかし、私は焦らない。
私には、私の道があり、私には私の世界がある。
私は、中沢けいの世界を持っていない。
私には、もっと違った、私だけの世界がある。
だから私は、それを読んで、中沢けいという18歳の小説家を知っても
焦らなかった。
★ ★ ★
2012年5月30日
つい2~3日前、本屋に行って、文庫本の棚を眺めていたとき、中沢けい の文庫が並んでいるのを見て、ちょうど思い出していた。
この人が自分と同じ年で若くして群像の新人賞を取ったときには、本当に驚いたものだ。
そして、その内容がすごく大人びていると当時思ったことも記憶にあった。
この人、今もなお小説家なんだな~と、何気なく思った。
その後、どんな作品を書いているのだろうとは思ったが、本を開いてみるでもなく、
他の本を買ってきた。
「風をつかまえて」 高島哲夫
「教授の異常な弁解」 土屋賢二
なるほど、タ行の作家の本を買ってきた。
中沢けいの本は、これらのもう少し右にあったっけ。
買った2冊の本は、家に戻っても袋にいれたまま、開けもしないで数日が経っていた。
なんという本を買ったかも忘れていて、今開けてみたところだ。
5月28日の日記は、大学ノート8ページにもわたるもので、読むのも大変だし、転記するのも大変だから、すっとばしていたのだが、今日読んでみたら、中沢けいのことが書いてあったので、そこだけ転記してみた。この人の最近の作品も読んでみるといいかもしれない。