先週末、明日香は真由美から一緒に渋谷に買い物に行かないかと誘われた。
明日香は真由美と一緒に買い物をして楽しかった経験はあまりない。延々と付き合わされるのが大部分だ。あるいは「明日香さんも試着してみなさいよ」などと言われて予定もしていなかった服を買うはめになったりする。その服がまあまあ自分に似合っていたところで、予算外の買い物による出費はあとで生活にひびいてくるので、無駄な買い物だったなと後悔することもある。
真由美が試着すると、店員さんが「とてもお似合いですね。素敵ですよ」なんて褒めたたえ、「アタシはこれに決めたわ。ねえ、これいいわよ、明日香さんも色違いを買わない?ねえ、明日香さんも同じのを着てみてよ」なんてことがある。
「そういうのは着て歩く機会もないし、たぶん私には似あわないと思うよ」と明日香は断るが、「いいじゃないの、とりあえず着てみるだけなんだから。意外と似合うかもよ。たまには変わったものを着てみたらどう?」なんて言ってくる。それで明日香が着てみると、やっぱり似合わない。
真由美も「う~ん、ちょっと・・・、やっぱり明日香さんには似あわないみたいね。うん、なんかおかしいわね。・・ああ、やっぱり変だわ。乞食みたいよ。ハハハ、ダメだったわねえ」なんてことになるのだ。バカ野郎。
そんな思いをしたくないので、真由美と買い物に行くのは極力避けたい。
真由美からのメールは、「明日香さん、あしたは何か予定ある?いろいろお話してストレスを発散させたいわ。アタシはあした、渋谷のお店に特注のバッグを取りに行くので、よかったら明日香さんも一緒に行かない?」というものだった。
普通、真由美と会う時には、ランチをしたあとショッピングビルなどをうろつき、その後で休憩を兼ねたお茶というような行程である。
明日香は、用事もないのに渋谷まで付き合う気にもなれないので「家事もたまっていて、あいにく渋谷まで行くほどの時間はないのですが、真由美さんが渋谷から戻ってきた後でなら、お茶くらいはできると思います」と返信した。
すると「じゃあ、あしたの夕方連絡するわ。」と返事が来た。
だが、翌日、真由美からは夕方5時をすぎても連絡がなかった。
いったい何時まで買い物をしているのだろうか?きまぐれな真由美のことなので、渋谷で何か面白いものをみつけて、はまりこんでいるのかもしれなかった。
すでに日も暮れかけて夜になろうとしていた。近所に夕飯の買い物に行き自宅に戻って6時半を回った。「今、駅に着いたからすぐ来てください。」なんて言われても「今日は、もう遅くなっちゃったから次回にしましょう。」と答えようと明日香は決めた。
夜も7時を過ぎたころ、真由美からメールが来た。
「今日は、連絡できずごめんなさい。先週居酒屋で知りあった水野くんがプールに行くというので、そっちに行ってました。水野くんは水泳すごく上手で、いろいろ教えてもらっちゃいました。スタイル抜群でイケメンです。先週彼女と別れたんですって。これから水野くんと夕飯を食べに行きます。お世話になったので、ステキなレストランでごちそうしちゃいます。明日香さん、最近運動してる?水泳はとても健康と美容にいいのよ。明日香さんも運動しないと体型が崩れるばかりよ。明日香さんも頑張ってね。また、今度ランチしましょうね。」
水野くんは33歳だそうだ。真由美は51歳である。そして真由美には55歳の夫がいるが、夫婦で行動することはないそうだ。家庭内離婚だそうだ。
真由美は結局、その日、渋谷には行かず、昼からプールに行っていたらしい。
明日香は真由美と一緒に買い物をして楽しかった経験はあまりない。延々と付き合わされるのが大部分だ。あるいは「明日香さんも試着してみなさいよ」などと言われて予定もしていなかった服を買うはめになったりする。その服がまあまあ自分に似合っていたところで、予算外の買い物による出費はあとで生活にひびいてくるので、無駄な買い物だったなと後悔することもある。
真由美が試着すると、店員さんが「とてもお似合いですね。素敵ですよ」なんて褒めたたえ、「アタシはこれに決めたわ。ねえ、これいいわよ、明日香さんも色違いを買わない?ねえ、明日香さんも同じのを着てみてよ」なんてことがある。
「そういうのは着て歩く機会もないし、たぶん私には似あわないと思うよ」と明日香は断るが、「いいじゃないの、とりあえず着てみるだけなんだから。意外と似合うかもよ。たまには変わったものを着てみたらどう?」なんて言ってくる。それで明日香が着てみると、やっぱり似合わない。
真由美も「う~ん、ちょっと・・・、やっぱり明日香さんには似あわないみたいね。うん、なんかおかしいわね。・・ああ、やっぱり変だわ。乞食みたいよ。ハハハ、ダメだったわねえ」なんてことになるのだ。バカ野郎。
そんな思いをしたくないので、真由美と買い物に行くのは極力避けたい。
真由美からのメールは、「明日香さん、あしたは何か予定ある?いろいろお話してストレスを発散させたいわ。アタシはあした、渋谷のお店に特注のバッグを取りに行くので、よかったら明日香さんも一緒に行かない?」というものだった。
普通、真由美と会う時には、ランチをしたあとショッピングビルなどをうろつき、その後で休憩を兼ねたお茶というような行程である。
明日香は、用事もないのに渋谷まで付き合う気にもなれないので「家事もたまっていて、あいにく渋谷まで行くほどの時間はないのですが、真由美さんが渋谷から戻ってきた後でなら、お茶くらいはできると思います」と返信した。
すると「じゃあ、あしたの夕方連絡するわ。」と返事が来た。
だが、翌日、真由美からは夕方5時をすぎても連絡がなかった。
いったい何時まで買い物をしているのだろうか?きまぐれな真由美のことなので、渋谷で何か面白いものをみつけて、はまりこんでいるのかもしれなかった。
すでに日も暮れかけて夜になろうとしていた。近所に夕飯の買い物に行き自宅に戻って6時半を回った。「今、駅に着いたからすぐ来てください。」なんて言われても「今日は、もう遅くなっちゃったから次回にしましょう。」と答えようと明日香は決めた。
夜も7時を過ぎたころ、真由美からメールが来た。
「今日は、連絡できずごめんなさい。先週居酒屋で知りあった水野くんがプールに行くというので、そっちに行ってました。水野くんは水泳すごく上手で、いろいろ教えてもらっちゃいました。スタイル抜群でイケメンです。先週彼女と別れたんですって。これから水野くんと夕飯を食べに行きます。お世話になったので、ステキなレストランでごちそうしちゃいます。明日香さん、最近運動してる?水泳はとても健康と美容にいいのよ。明日香さんも運動しないと体型が崩れるばかりよ。明日香さんも頑張ってね。また、今度ランチしましょうね。」
水野くんは33歳だそうだ。真由美は51歳である。そして真由美には55歳の夫がいるが、夫婦で行動することはないそうだ。家庭内離婚だそうだ。
真由美は結局、その日、渋谷には行かず、昼からプールに行っていたらしい。