野ばらと格闘したのは、もう1か月も前のことだと思うのだが、そのときに、右の人差し指に棘が刺さり痛い思いをして、そこが未だに治っていないのである。
野ばらは駐車場の花壇に生えているが、抜いてしまおうと思って、枝を切った後に根っこを掘ったのだが、地中の四方に延びた細い根を切ったものの全然抜けなかった。
根っこのところに大きな石があり、それが邪魔をしているのだろうと思って石を掘り出そうとした。
石もなかなか動かず、野ばらの根が邪魔をしているのだろうと思った。
根を切ったり石の周りを掘ったりしてやっとのこと石を掘り出すと、石の長さは20cmくらいあった。
それでも野ばらの根は動かず、よくよく観察すると、太い主根が地中に真っすぐに深く伸びていて、ビクともしない。
のこぎりかなんかで切らないとダメだろう。ということで、結局野ばらの根絶はあきらめたのだった。
切った野ばらの枝は細かい棘だらけで持つところがない。気を付けて持っても、手に刺さって飛び上がるほど痛い。
さらには、自分が夏に切って地面に放置していた野ばらの枯れ枝を、他の草と一緒に掴んでゴミ袋に入れようとしたので、めいっぱい手に棘を刺してしまった。何度も何度も痛かった。
棘のついた野ばらの枝は、ビニール袋の口のあたりにも刺さってしまうので、ひっかかって袋の中に入っていかない。
野ばらの棘とはこんなにもひどいものだとは初めて知った。
「いばらの道」なんていうけど、確かにこんなものが生えている中を歩いていくことはできないだろう。
「眠れる森の美女」なんてのは茨に囲まれた城の中に眠っていて誰も近づけなかったんだっけ?確かに実感としてわかった。
たった1本のショボい野ばらでさえも、こんな格闘の末に負けてしまうのだから。
・・・
話が脱線してしまった。
先月野ばらの棘を刺したところが、今でもキリッと痛み、全然治らなかったのである。
こんなに治らないのは、やっぱりおかしいと思い始めた。
よく見ると穴が空いていてその周りがプクッと膨れているのである。
だが、棘のようなものは見えず、刺さっているとは思っていなかった。
それにしてもなぜ穴がふさがらない?
そこで中に棘が残っているのではないかと、最近思い始めた。
ギュウギュウ押してみると、汁や血が出てくるが、棘は出てこなかった。
今日は、パソコンで棘の抜き方を検索した。
まずは、お湯の中に手を浸してふやけさせる。それから棘を押し出す。
棘は見えないが、とにかくでたらめにも棘を押しだすような圧迫をいろいろと加えてみた。
・・・
すると、急に穴の近くに黒くて1mmもないような小さな物が付いているのだ。
これは虫眼鏡じゃないと見えないくらいのものである。
いきなり現れたところを見ると、どこか別のところから飛んできたわけではなく、やはり指の穴から出て来たらしいのだ。
やっぱりこの棘が刺さっていたから、なかなか治らなかったのか。
とにかく棘が取れてめでたしである。
これで、指の痛みもなくなり、穴もふさがるであろう。