Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

ピアノソナタ第15番ハ長調 D840第3楽章の終結部について(No.1547)

2008-05-01 14:44:04 | 作曲家・シューベルト(1797-1828
シューベルトCDの紹介も「5枚組以上のジャンル」全てが終了したので、本日号は、5月4日(日)13:00から 東京駅丸の内北口「ニッセイプラザ丸の内」で開催される

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で、佐伯周子が演奏する ピアノソナタ第15番ハ長調 D840第3楽章の終結部について述べてみたい。


シューベルトの舞踏楽章主部は必ず冒頭主題にて終結する鉄則


 舞踏楽章は「スケルツォ」または「メヌエット」と表記される。第1楽章や第4楽章に比べて、(作曲着手した時は)完成される率が極めて高い。
・・・と言うか、

D840 以外の「ピアノソナタ用舞踏楽章」は連弾ソナタも含めて全曲完成


が実情!


  1. D334(1815)初稿?
  2. D157/3(1815)第2稿?
  3. D277A(1815)初稿?
  4. D279/3(1815)第2稿?
  5. D566/3(1817)
  6. D459A/2(1817?)
  7. D570/1(1817)
  8. D575/3(1817)
  9. D593/1(1817)初稿?
  10. D593/2(1817)第2稿?
  11. D625/2(1818)
  12. D812/3(1824)
  13. D845/3(1825)
  14. D850/3(1825)
  15. D568/3(1826?)第3稿?
  16. D894/3(1826)
  17. D958/3(1828)
  18. D959/3(1828)
  19. D960/3(1828)

 これが「ピアノソナタ用舞踏楽章」の全てである。組合せがはっきりしない楽章もあるが、【D840/3以外は全部完成している】が特徴。
 D571+D570 や D625 のように両端楽章は仕上げられていないのに、舞踏楽章だけ完成しているソナタも複数ある!


 上記全舞踏楽章を聴けば誰でもすぐわかるのだが、シューベルトの舞踏楽章主部は必ず冒頭主題にて終結する鉄則 が存在する。大半の曲は「同じ高さにて再現」するが、ごく稀に「異なる声部で再現」する曲(例 : D958)もある。だが「2番目の主題で終わることは決して無い」のだ!


 D840/3 は2つの主題から成り立っている。

  1. 第1主題呈示 1~12小節(12小節)
  2. 第2主題呈示 13~18小節(6小節)
  3. 第1主題装飾確保 19~30小節(12小節)
  4. 第2主題確保 31~38小節(8小節)
  5. 展開部 39~74小節(36小節)全て 第2主題の動機展開
  6. 再現部第1主題 75~80小節 ← ここで自筆譜が作曲中断されている

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