光年・千年

纏わりつくが、纏まらないおはなし、日記ふう。

どっこいしょの秋の断片

2007-10-19 18:42:33 | 散策
  普段は介護施設にお世話になっている父が帰って来る時がある。
  夕方、久しぶりの家に帰って来ても、彼の脳裏に、その面影は深く深く奥の方に追いやられて、しばしここはどこか、思案する。まー、たぶんそうゆう風なことを思っているのではないか、想像する。
  もう少し、体がしっかりしていればそれほど心配はないのであるが、何かの拍子に”よたよた”となるので、それには注意しないといけない。もっとも、自分一人で、なかなか動き回ることもなく、それでも元気なときは立ち上がる。私が横にいるときは、自分の眠っていたところへ、今もそこで眠るが、その方向へ行く時があるので、ここが眠るところなど、説明をする。わかった、というとしぐさをする。こうゆうときは、まだいいほうで、
  どうも、一旦座ると、なかなか起き上がろうとはしないときがある。最後は、立たせて歩かせるが、この作業も慣れないと、どうしていいかわからないものである。その点、介護施設の方は、いとも簡単に人を立たせるので、こっちは恐縮するのみ。
  最近は、座っているとして、ちょうど後ろから両手で体を支えて、輪のようにぐるりと手を回す、それで、少し体をそらせるように持ち上げると、さほど力を入れなくても、立ち上がらせることが出来ることがわかって、この時、さすがに父の体と、私の手との間で、摩擦が起こるから、痛い痛いと言うが、立ってしまえば、あとは、まーどうにかなる。
  それでは、眠っている朝はどうかというと、彼はまだ眠いから、さらに今は寒さもあって、布団をはがしてもまたそれを頭から被る。どうも、痴呆とは思えない行動をする。この辺が、少し笑わせてくれるところ。で、布団を引っ剥がして、最後は、やはり後ろに回って、抱きかかえる。この時、私が布団の上にいると、これは体が不安定になる。しょうがなく、少し父の手を持って、引っ張る。自分が布団の外に出たことを確かめて、よいしょと持ち上げる。アイタタとまた言う。
  やせた体格だが、それでも、その細い腕で、何でも持ち上げた。その腕も、今はふにゃふにゃで、筋肉はない。寒いのが一番苦手だが、その季節がやって来た。




  雑草が刈られた空き地からまた草が生えてきて、モンシロチョウが、たぶんである、止まった。近づくと逃げる。モンキチョウが来ても移動する。落ちつかないチョウのようである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿