千葉県九十九里浜へ行くと、コウボウムギがそろそろ麦秋を迎える頃となっている。もっとも、コウボウムギはムギと言ってもカヤツリグサ科であって麦のようにイネ科ではない。コウボウムギは雄株と雌株とがあり、雌雄異株なのだ。しかし、これらが同じ所に生えていることは少なく、雌株は雌株ばかり、雄株は雄株ばかりが集まって生えている。これでは、種子が結実しにくいのではないかと長年思っていたものだ。ところが、なんとコウボウムギはほとんど栄養繁殖をしてしまうらしい。その分布拡大は地下茎の伸長によっているというのだ。乾燥して砂の移動の激しい砂丘地帯では、多くの植物にとって種子による繁殖は困難だ。そこで、最初の進入は種子によるものだったとしても、その後の分布の拡大は地下茎の伸長による栄養繁殖をしていたのだ。どおりで、雌雄異株で、同じ所に生えていなくとも群落を作って繁茂している訳だ。画像は、細く茶色の花穂が雄株。雌株の画像に雄株の画像を貼り付けて合成したもの。撮ったところは九十九里浜の木戸浜海岸。
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