市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

当会会員が県選管を提訴した選挙無効等訴訟第1回弁論が7月1日14時半に東京高裁511号法廷で開廷決定

2019-05-11 23:19:00 | オンブズマン活動

■県内の統一地方選のスタートとなる群馬県議選は今年3月29日に告示されました。「清く正しい一票を」と各市町村の選挙管理委員会はさかんに喧伝していますが、群馬県選挙管理委員会の松森修平・委員長はマスコミに対しては「平成が終わり、新しい時代を迎える中の県議選は県政の方向を決定する上で極めて重要。積極的に投票し、できない場合は期日前投票などを利用してほしい」と述べています。しかし、昨年9月23日に投開票された館林市議選では、開票の結果1票の食い違い生じたため、館林市選管のずさんな投票箱管理体制や開票体制の疑義が問題となり、これでは投票用紙のすり替えなど容易に可能だとして、候補者の一人で当会会員が、選挙の無効を訴えて市選管と県選管に異議申し立てをしてきました。しかし、両選管ともずさんな選挙の実態を直視せず、真相解明のための調査すら全くしようとする気配さえありません。そのため、当会会員は3月29日に東京高裁を訪れて、まともに選挙管理改革をしようとしない県選管を相手取って選挙無効・損害賠償請求訴訟を提起しました。その後、いくつかのやり取りを裁判所とのあいだで行っていたところ、次の通り第1回弁論への期日呼出状と関連文書が東京高裁から送られてきました。それによると、第1回弁論は7月1日(月)午後2時30分から東京高裁5階511号法廷となっています。

2019年3月29日に当会会員が訴状を東京高裁に提出した際に受領した事件番号票。

 この投票すり替え疑惑事件のこれまでの経緯については、次のブログ記事をご覧ください。
〇2019年1月20日:館林市議選の有効性が問われる中、当会の審査申立に対し、館林市選管が弁明書を県選管に提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2865.html
○2018年12月10日:館林市議選の有効性が問われる中、市選管からの異議申出棄却決定通知に対し県選管へ12.10審査申立!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2839.html
○2018年11月28日:館林市議選の有効性が問われる中、11月27日に選管から異議申出に対する棄却決定通知が届く!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2828.html
○2018年10月14日:市議選の有効性が問われる中、10月12日に選管から来た供託金返還通知に当会から公開質問状
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2779.html
〇2018年10月10日:選挙の有効性が問われる中で、10月9日館林市議会臨時会が議長・副議長を選出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2776.html
〇2018年10月5日:館林市議選の有効性をめぐり当会会員が館林市選管に異議申し立ての補正書を提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2770.html
〇2018年10月1日:9月23日投開票の館林市議選の開票場の様子から見えてくる我が国選挙制度の不誠実な現況
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2766.html
〇2018年9月26日:9月23日の館林市議選の開票結果を巡る謎の解明は果たして可能なのか?
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2763.html
〇2018年9月17日:館林市議選で当会会員が奮戦中!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2760.html
○2019年3月2日:館林市議選の有効性が問われる中、当会の審査申立に対し、県選管が何も調べず棄却を裁決!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2897.html
○2019年3月29日:きょう告示された群馬県議選に合わせて当会会員が県選管を相手取り選挙無効等訴訟を東京高裁に提起
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2917.html

*****期日呼出状*****ZIP ⇒ 20190509o.zip
   〒374-0068
   群馬県館林市台宿町1番31号

    小林光一 様

平成31年(行ケ)第10号 選挙無効損害賠償請求事件
原告 小林光一
被告 群馬県選挙管理委員会
          期 日 呼 出 状
                          令和元年5月9日
原告 小林光一 様

           〒100- 8933
           東京都千代田区霞が関1丁目1番4号
           東京高等裁判所第5民事部
 裁判所書記官 加藤木 学
   電話03-3581-2012
   FAX03-3592-0829

 頭書の事件について,当裁判所に出頭する期日が下記のとおり定められましたから,同期日に出頭してください。
              記
      期  日   令和元年7月1日(月)午後2時30分
             口頭弁論期日
      場  所   511号法廷(5階)
      (出頭の際には,この呼出状を上記場所で示してください。)
※別添の亭務連絡を御確認ください。

*****庁舎案内図*****

◎あなたの行く法廷は5階511号法廷です。

〔最寄駅〕 地下鉄 丸ノ内線      霞ヶ関駅(A1出口) 2分
            日比谷線      霞ヶ関駅(A1出口) 2分
            千代田線     `霞ヶ関駅(C1出口) 8分
            有楽町線      桜田門駅(5番出口) 3分
            都営三田線     日比谷駅 (A10出口) 13分
        J R 山手線・京浜東北線 有楽町駅(日比谷口) 18分
==============================
          東 京 高 等 裁 判 所
       〒100- 8933千代田区霞が関一丁目1番4号
        503 (3581) 2012(第 5 民事部ダイヤルイン)
※正面玄関以外は都合により閉鎖される場合がありますので御注意ください。
※当庁の駐車施設は狭あいで,かつ閉鎖されることもありますので,車による来庁は御遠慮ください。

*****期日請書*****
平成30年(行ケ)第10号 選挙無効損害賠償請求事件
原告  小林光一
被告  群馬県選挙管理委員会
            期 日 請 書
                          令和元年5月11日
 東京高等裁判所第5民事部 御中

                  氏名  小 林 光 一  ㊞

 頭書事件につき,口頭弁論期日を,令和元年7月1日午後2時30分と指定告知されましたので,同日時に出頭します。
                            以上

必要事項を記入し,押印のうえ,裁判所に提出してください(FAX可)
(東京高等裁判所第5民事部 FAX 03-3592-0829)

*****事務連絡*****
平成30年(行ケ)第10号 選挙無効損害賠償請求事件
原告 小林光一
被告 群馬県選挙管理委員会
            事 務 連 絡
                          令和元年5月9日
原告 小林光一 様
被告 群馬県選挙管理委員会 代表者委員長 松本修平 様

            〒100-8933 東京都千代田区霞が関1丁目1番4号
                  東京高等裁判所第5民事部
                     裁判所書記官 加藤木 学
                       電話 03-3581-2012
                       FAX 03-3592-0829
 当事者双方は,本件訴訟には公職選挙法213条が適用されることを踏まえ,次のとおり準備してください。
1 被告は,6月14日までに,①訴状,平成31年4月19日付け回答書及び原告準備書面(1)に対する認否及び被告の主張を理由づける具体的な事実等を記載した答弁書,②立証を要する事由につき証拠書類があるときは,その写しと,証拠説明書を提出してください。
2 原告は,6月26日までに,①答弁書に対する認否・反輪を記載した準備書面,②立証を要する事由につき追加の証拠書類があるときは,その写しと,証拠説明書,③すでに提出した甲第1号証ないし第7号証の証拠説明書を提出してください。
                               以 上
**********

■当会会員が3月29日に東京高裁に訴状を提出してから、これまでの1か月半の間に、当会会員と東京高裁との間では次のやり取りがありました。

 訴状提出後、4月18日に東京高裁から次の内容の回答要請の通知が到来しました。そのため、送られてきた回答書の様式に、チェックマークの追記や、今回の提訴のきっかけとなった群馬県選挙管理委員会からの裁決書の受領日などを記載して東京高裁に返送しました。

*****東京高裁からの最初の通知【回答要請書】*****ZIP ⇒ 20190418.zip
            回 答 書

1 請求の趣旨第1項について
 [質問]
 請求の趣旨第1項は,下記のように解されますが,このように訂正することでよいでしょうか。

 原告がした平成30年9月23日執行の館林市議会謙員選挙における選挙の効力に関する審査の申立てについて,被告が平成31年2月13日付けでした上記申立てを棄却する旨の裁決を取り消す。
 平成30年9月23日執行の館林市議会議員選挙を無効とする。

 [回答]いずれかの□にチェックをしてください。
 ☑ 請求の趣旨第1項を上記のとおり訂正します。
□ 請求の趣旨第1項は訂正しません。

2 請求の趣旨第2項について
 [質問]
 請求の趣旨第2項として,被告に対して損害賠償金の支払を求める旨の記載が されていますが,地方公共団体の議会の議員の選挙の効力に関する訴訟(公職選 挙法203条)では,審査の申立てに対する被告の裁決に関連する損害賠償請求等に係る訴えを併合することができないとされています(同法219条により行政事件訴訟法16条が準用される場合を参照)。
 そこで,当裁判所においてこれらの訴訟を同時に審理することはできませんの で,本件訴訟では請求の趣旨第1項のみを対象とし,請求の趣旨第2項を削除することが考えられますが,いかがされますか。

 [回答]いずれかの□にチェックをしてください。
 ☑ 請求の趣旨第2項を削除します(併せて,訴状4頁の「また,本件選挙の公正・公平を信じて立候補した原告の信頼を裏切ったことにより原告が被った損害として訴訟物の価額160万円の支払いを要求する。」との記載も削除します。)。
 □ 請求の趣旨第2項は削除しません。

2 裁決書の交付を受けた日について
 [質問]
 地方公共団体の講会の議員の選挙の効力に関する訴訟は,審査の申立てに対する被告の裁決に係る裁決書(甲6)の交付を受けた日の翌日から起算して30日以内に提起することとされています(公職選挙法203条1項参照)。そこで,あなたが上記裁決書の交付を受けた日を教えてください。

 [回答]下線部に具体的月日をご記入ください。
 私が,被告の裁決に係る裁決書(甲6)の交付を受けた日は,平成31年02月28日です。

3 請求の原因について
 [質問]
 訴状によれば, 被告の裁決の取消事由及び本件選挙(平成30年9月23日執行の館林市議会議員選挙)の無効の原因として,主として訴状第2の2記載の事情を主張されていますが,公職選挙法205条は,裁判所が選挙の無効を判決しなければならない場合につき,「選挙の規定に違反することがあるとき」であり,かつ,「選挙の結果に異動を及ぼす虞」がある場合としています。
 そこで,訴状第2の2記載の事情に加え,当該事情が「選挙の規定に違反することがあるとき」に当たること及びこれにより「選挙の結果に異動を及ぼす虞」があることについての具体的主張(例えば,当該事情が選挙の管理執行の手続に関する明文の規定のいずれに違反するかなど)はありますか。

 [回答]
 □ 上記の点について特に主張することはありません。
 ☑ 上記の点については,別に提出する準備書面で主張します(注:この回答書とは別に「準備書面」を作成して提出してください。)。

     平成31年4月19日

          作成者氏名__________________印
**********

■最後の項目で要請のあった「公職選挙法205条に基づく選挙無効判決に必要な条件」として、「選挙の規定に違反することがあるとき」と「選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合」について、具体的な主張の陳述のために原告の当会会員は、次の内容の準備書面(1)を4月中旬に提出しました。

*****原告準備書面(1)*****
平成31年(行ケ)第10号 選挙無効請求事件
原  告  小 林 光 一
被  告  群馬県選挙管理委員会 委員長 松本修平

            原告準備書面(1)

                         平成31年4月19日 
東京高等裁判所第5民事第 御中
                   原  告   小 林 光 一 ㊞

 平成31年4月18日付で御庁から原告宛に郵送された請求の趣旨及び原因等に関する質問状に対して、別途同4月19日付で回答書を送りましたが、この第4項で、請求の原因に関する公職選挙法205条についての主張を原告としての主張を本準備書面で陳述いたします。

第1 公職選挙法第205条に関し、訴状第2の2記載の事情に加え、当該事情が「選挙の規定に違反することがあるとき」に当たること及びこれにより「選挙の結果に異動を及ぼす虞」があることについての具体的主張

 選挙の効力に関する争訟において選挙が無効となるのは、法第205条第1項の規定により、その選挙が選挙の規定に違反して行われ、かつ、その規定違反のために選挙の結果に異動を及ぼすおそれがある場合に限られるとの定めがあります。
 この点について、原告は具体的にどのような事実が存在し、どの法令等に違反するのかを次の通り摘示します。
 はじめに選挙の執行にかかるそれぞれのステージ(段階)ごとに選挙の規定に違反し、選挙の結果に異動を及ぼす虞について列記します。

(1)期日前投票と投票箱の管理について
 今回の選挙では、平成30年9月23日午後6時28分に一見30歳代と思しき男が四角形の「投票箱」と判断できる箱を片手に持って開票所の館林市体育館の階段を駆け上がってきたことが目撃されています。このことについて、実際に現場を目撃した市民オンブズマン群馬副代表の大河原宗平氏は、次の通り証言をしています。
          <市民オンブズマン群馬副代表の証言>
 開票は午後9時からだと前日の新聞で確認していたので、開票時間前に机の配置や会場の雰囲気を把握しておくために、午後6時20分頃「城沼総合体育館」へ連れと2人で行ってみた。
 既に暗くなっていたので建物全体像は確認できなかったが大きな建物であることはわかった。
 体育館1階の事務所で開票作業場を確認すると「外階段から2階へ上がってください」と案内された。外階段から2階へ上がってみると右側出入り口の内側に「開票即票公開用」のホワイトボードが設置されていてここが開票所だと確認できた。だがフロアは閉ざされており開票作業場の雰囲気は確認できない。
 市職員らしき3~4名がうろうろしていたので「開票所を見せてください」と申し入れると「8時まで投票しているので、まだ見られません」と入場を断られた。
 それならば時間調整をしてから再度来てみよう、と考え、館林市市内や同所の駐車場で時間調整をして午後8時50分に再度来ることとして体育館2階から外階段を半分ほど降りた。すると一人の一見30代と見える男性が四角形の「投票箱」と判断できる箱を片手で軽々しく持って階段を駆け上がってきた。腕時計で時間を確認すると午後6時28分だった。
 咄嗟に「期日前投票箱だ」と判断できた。
  副代表 :それは投票箱かい?
  男性:そうです。
  副代表 :期日前投票箱か?
  男性:そうです。
  副代表:あなたは選挙管理委員ですか?
  男性:いえ。市役所職員です。
  副代表:選挙管理委員はいないのか?
  男性:いません。市役所職員がやっています(「運んでいます」の意味だと理解した)。
  副代表:ここの選挙管理委員も市役所職員に任せきりで全く選挙を管理していないのですね。
  男性:私たちが任されています。
  副代表:期日前投票箱こそ、告示日以降の投票用紙を市役所で管理しているのだから不正の温床になっているということを全く気付いていない無能な選挙管理委員はどこも一緒だね(高崎市の選挙管理委員も投票箱が開封されて投票用紙を数え始めると選挙管理委員会事務局長(総務部長)に案内されて開票所を後にしてどこかへ消えてしまう事実を知っていたからそのように思ったわけだ。)。
との会話を交わして投票箱を持った男性とすれ違いに、私達は階段を下りて駐車場へと向かった。
            <証言おわり>

(2)開票作業の管理について
 今回の選挙では、平成30年9月23日午後8時50分に城沼総合体育館で開票作業が開始されましたが、選挙管理委員などしかるべき立場の者による開票所内へのひとの立ち入りについてチェックが行われないまま開票作業が行われていました。このことについて、実際に現場を目撃した市民オンブズマン群馬副代表は、次の通り証言をしています。
          <市民オンブズマン群馬副代表の証言>
 午後8時の随分前から同体育館の駐車場で待機していると、軽トラックやワゴン車などが慌ただしく同体育館駐車場に乗り付けてくる。様相は青色のポロシャツを着て首にタオルをかけており「選挙事務所の運動員か?」と思わせる人物が数人ずつ談笑しながら体育館方向へ歩いていく。
 「館林の選挙陣営は熱心だ。」(高崎市の場合だと選挙速報を先取りしたいマスコミがいただけだったので)そう思ってしまった。
 午後8時50分になったので車から降りて開票所へ行ってみた。1分もかからなかっただろう。
 今度は2階のフロア入り口がオープンになっており 開票所の雰囲気は見えた。すると先程らいの会場に入った「青色のポロシャツ姿」の者が開票台を取り囲んでいるのが見えた。(ああ、こいつらは市役所職員だったのか。それにしても暗がりの駐車場を談笑しながら歩く姿は品がなかった。これが市役所職員の本性だと再認識できた。どこもこんな職員の給料を払うために税金を納めているのかとがっかりし直した。)
 さて2階から3階に上がろうとすると1人の男性が「名前と住所を書いてください」と言ってきた。
 「開票作業を見るのに名前はいらないだろう。個人情報だ」と記名を拒否して3階へ上がろうとすると体を張ってこれを阻止してきた。
 「市役所職員に対する公務執行妨害だ」と現行犯人逮捕されては困るので押し問答には参加せず 開いているドアから2階の雰囲気を目視した。
 選管事務局に配置されている市役所職員だと思われる者が「9時になったら鍵を開けて・・・」などと発言している。
 会場には時報が流されていた。私が会場内の様子をうかがっていると、私に「名前と住所を書いてください」と言ってきた男性は私の連れに「名前を書いてくれ」と迫っている。
 私は抗議した。「連れは女性だ。そんなに近寄るな・・・セクハラじゃないか」と。男性職員は連れの女性から離れた。
 直に2階フロアから40台半ばと見える男性が「このドアを閉めます」と遮断した。ここも実力で開けるわけには行かず 開票作業の観覧を諦めた。でも私に「名前と住所を書いてください」と言った職員だけは確認しておこうと考え、名前を聞いた。
 「安全安心課(と言ったと思うが違うかもしれない)の、津久井」と名札を見せながら言ったと思う。「津久井」だけじゃあ 特定にならないので、下の名前を聞いた。「紀行(のりゆき)」と聞こえた。
 津久井は続けた。「館林市に住所があって有権者じゃないと観覧できません」と。
 私は「何だい。結果的に高崎市と書いたら入れなかったんじゃないか。」と、心の中で思った。最初から「館林市に住所があって、有権者じゃないと観覧できません」と言えばよかったのに。
               <証言おわり>

(3)票の差し替え・入れ替えの虞について
 原告が会員となっている市民団体「市民オンブズマン群馬」副代表の大河原宗平氏が開票作業をその目で観覧したかったのは、きちんと監視するとともにビデオに録画しておくためでした。その理由は2つあります。
 1つ目は「期日前投票の票の差し替えをやる可能性」です。
 2つ目は「開票作業に当たる市役所職員が票の入れ替えをする可能性」です。
 選挙の大前提として投票用紙は有権者数以上の投票用紙が印刷されます。一方、投票率はよく行っても「50%」でしょう。実際に、今回の平成30年9月23日執行の館林市議会議員選挙の投票率:43.85パーセントでした。そうすると選挙が終わっても投票されない白票が、選挙管理委員会に有権者数の半分が残ることは疑いのない事実です。
 それから選挙管理委員会事務局職員を始めとする「市役所職員」は「病気その他で、絶対に投票しない(可能性が高い)人を知っている」ことも事実です。過去の選挙の投票状況をみれば「この人は絶対に投票所に来ない人」というのが把握できるわけです。
 これらを前提とすると「選挙管理委員会事務局職員を含む市役所職員」が投票された票の「不正さし替え」や「不正入れ替え」を働くことが可能なのです。
 ですから「期日前投票をしてはいけないこと」と「当日の開票作業をしっかり監視しなければいけないこと」が公正・公平・透明な選挙の必須要件となります。

 1)期日前投票の差し替えについて
   それでは「1つ目」の「期日前投票の票の差し替えをやる可能性」を指摘します。
   期日前投票は告示の翌日から本投票日前日まで定められた「期日前投票所」で行われます。昔は「不在者投票」と言っていましたが、いつからか「不在者投票」と区別されて「期日前投票」と呼ばれるようになった模様です。
   この「期日前投票」の投票箱の管理に問題があるのです。毎日の投票が締め切られると、形ばかりに立会った選挙管理委員が封印して帰ります。しかしこんな封印は「紙」なのです。張り替えて、保管してある市役所内の選挙管理委員会事務局に保管されている「判子」を押せば証拠は隠滅されてしまいます。
   問題は「期日前投票箱」にかけられている「鍵」です。この「鍵」を開ける「キー」を誰が持っているのでしょうか?聡明な判事の皆様はもうお気付きでしょう。そうです、この「キー」こそ、市役所内の選挙管理委員会事務局の(市役所)職員が持っているのです。
   市役所行政に何かと、クレームをつける、「市議になってもらっては困る候補者の票を、夜間、密かに「さし替え作業をやる」のです。
   繰り返しになりますが「半分は投票されない白紙の投票用紙」が「市役所内の選挙管理委員会事務局の市役所職員の手の中」にあるのだから簡単にできる作業なのです。
   もしも館林市の選挙管理委員が「それは絶対にない」と証明できるのならば 選挙管理委員全員が期日前投票期間の全部の時間に投票箱から離れなかったことを証明しなければなりません。
   市民オンブズマン群馬副代表の大河原宗平氏は、鹿児島県の阿久根市役所の選挙管理委員会事務局長をした経験を持っており、その体験から以上のことを明言しています。
 2)開票作業での票の入れ替えについて
   2つ目の「開票作業に当たる市役所職員が票の入れ替えをする可能性」について説明します。
   これは「開票所の開票作業」で行われる「不正」です。行う目的は、前と同じで市議になってもらっては困る候補者の票を、密かに「入れ替える作業」です。手法は至る場所で可能です。
   例えば、予め「票の入れ替え役」を決めておき、または、自ら「票の入れ替え役」になり、開票台で候補者別に票を仕分けする段階で予め自分のポケットに入れておいた「入れ替え票」を投票箱から出された「落としたい候補者の票と入れ替える」のです。
   票の枚数は「100票」がやり易いのです。この段階で誰かが「100票減って」、誰かが「100票増える」のです。
   ちなみに、原告はこれまでに2回、館林市議会議員選挙に立候補しました。
    【平成22年9月26日執行】(投票率:56.26パーセント)
        小林光一   514.067票
    【平成26年9月21日執行】(投票率:51.06パーセント)
        小林光一   707.393票
   そして今回の選挙の結果は、前回の4割も減少したのです。
    【平成30年9月23日執行】(投票率:43.85パーセント)
        小林光一   431.172票
   原告はまた、その半年前に館林市長選挙に立候補しました。
    【平成29年4月2日執行】(投票率:47.99%)
        小林光一 1,404
   半年前に市長選に出馬した原告が、半年後の市議選で4年前の得票数より4割減らすというのは、どうにも腑に落ちません。選挙の結果に不正な開票作業の影響が及ぼされた虞があると言わざるを得ません。

第2 選挙の規定に違反する可能性について
 原告は、期日前投票箱の鍵の管理がズサンに扱われている実態を指摘したり、期日前投票箱が得体の知れない人物が一人で運んでいる現場を目撃したり、開票作業に立ち会う人物らの所持品検査が行われないなど、公選法に基づく公正性が担保されない実態を問題視してきました。
 本件選挙を執行した館林市選管は、本件提起に至るまでの過程で、原告の審査申立てが本件選挙において、投票者総数よりも投票数が1票多かったことを契機としてなされたものであることについて、原告が主張する疑義①~④に対し、それぞれ次のとおり釈明しました。
(1)疑義① 投開票作業に従事する職員の選任について
   【選管の釈明】
     投開票に従事する職員については、地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条の3及び法第273条により、市町村の補助機関である職員を選挙に関する事務に従事させることができると規定されており、本件選挙においても平成30年8月3日付けで、259人の職員に委嘱している。
   これについて原告は次の通り主張します。
   地自法第180条の3は「普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の委員会又は委員と協議して、吏員その他の職員を、当該執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員と兼ねさせ、若しくは当該執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に充て、又は当該執行機関の事務に従事させることができる。」と定め、公選法第273条は「選挙事務の委嘱」として「参議院合同選挙区選挙管理委員会又は都道府県若しくは市町村の選挙管理委員会が、都道府県知事又は市町村長の承認を得て、当該参議院合同選挙区選挙管理委員会又は都道府県若しくは市町村の補助機関たる職員に選挙に関する事務を委嘱したときは、これらの職員は、忠実にその事務を執行しなければならない。」と定めています。
   このように、委嘱をうけた職員は忠実にその事務を執行しなければならない、とされているのですから、期日前投票箱の管理がきちんと実施されていたのかどうか、その証拠を住民に示すためには、誰がいつどこでどのような役割をしたのか、きちんと説明できる体制が構築されているはずですが、その具体的な説明がないまま、不当にも被告は供託金を一方的に原告に返戻しました。
 2)疑義② 期日前投票における投票箱の管理及び開票管理者への送致について
   【選管の釈明】
     期日前投票における投票箱の管理については、法第48条の2第5項の規定により読み替えて適用される法第53条及び公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号。以下「政令」という。)第49条の7の規定により読み替えて適用される政令第43条により、期日前投票における投票箱の閉鎖及びそれに伴う鍵の取扱いが規定されており、本件選挙においても当該規定にのっとり、投票管理者及び投票管理者が指定した投票立会人により適切に行われている。
     また、期日前投票期間中は、当日の投票終了から翌日の投票開始までの間については、投票箱及び封印された投票箱の鍵は、当委員会の金庫で厳重に保管されている。
     期日前投票の投票箱の開票管理者への送致については、法第48条の2第5項の規定により読み替えて適用される法第55条及び政令第49条の7の規定により読み替えて適用される政令第44条により、期日前投票期間の末日に選挙管理委員会に送致し、選挙の期日に選挙管理委員会が開票管理者に送致しなければならないと規定されており、本件選挙においても当該規定にのっとり、期日前投票の投票箱は、期日前投票期間の末日である平成30年9月22日の投票終了後に当委員会に送致され、翌日(選挙期日)に当委員会の書記により、開票所の開票管理者に送致されている。
   これについて原告は次の通り主張します。
  ① 期日前投票における投票箱の管理
    公選法第53条は「投票所を閉じるべき時刻になったときは、投票管理者は、その旨を告げて、投票所の入口を鎖し、投票所にある選挙人の投票の結了するのを待って、投票箱を閉鎖しなければならない。 2 何人も、投票箱の閉鎖後は、投票をすることができない。」と定め、公選法施行令第43条は「投票箱を閉鎖する場合の措置」として「法第五十三条第一項の規定により投票箱を閉鎖すべき場合には、投票管理者は、投票箱の蓋を閉じ、施錠した上、一の鍵は投票箱を送致すべき投票立会人(投票管理者が同時に開票管理者である場合には、投票管理者の指定した投票立会人)が保管し、他の鍵は投票管理者が保管しなければならない。」として、複数の鍵が使われ、それらを複数の者がそれぞれ保管しなければならないことが分かる。今回は、「謎の1票」が生じたのであるから、こうした鍵の管理について、市選管はいつ誰がどのように鍵を持たされ、保管していたのかをきちんと把握しているはずなので、詳しくそのことを説明できる筈であるが、説明がないのはおかしい。
    ちなみに、投・開票後の有効投票は、段ボール箱に入れられるというが、開けられてしまう可能性がある場所をすべてガムテープ及びロープで密閉梱包し、さらに蓋の合わせ目を紙などで封じ、管理者と立会人全員がそれぞれの印鑑で割り印を押すという。また、無効投票も有効投票と同様に、選挙別にクラフト紙などで包み、麻ひもなどで縛ったうえで、梱包の合わせ目に管理者および立会人全員の割り印を押すという(図1参照)。これほどまでに厳重に封印をしないと、選挙の公正性は担保できない。

図1 封印の一例
    期日前投票箱は、夜間、どこでどのように封印されて保管されていたのか、金庫に鍵を入れていたと言うがその金庫はどこにあり、金庫の鍵や暗証番号は誰がどのように管理していたのか、市選管からその具体的な説明が未だにない。
  ② 期日前投票箱の開票管理者への送致
    公選法第55条は「投票管理者が同時に当該選挙の開票管理者である場合を除くほか、投票管理者は、一人又は数人の投票立会人とともに、選挙の当日、その投票箱、投票録、選挙人名簿又はその抄本及び在外選挙人名簿又はその抄本(当該在外選挙人名簿が第三十条の二第四項の規定により磁気ディスクをもつて調製されている場合には、当該在外選挙人名簿に記録されている全部若しくは一部の事項又は当該事項を記載した書類。以下この条及び次条において同じ。)を開票管理者に送致しなければならない。ただし、当該選挙人名簿が第十九条第三項の規定により磁気ディスクをもつて調製されている場合で政令で定めるときは選挙人名簿又はその抄本を、当該在外選挙人名簿が第三十条の二第四項の規定により磁気ディスクをもつて調製されている場合で政令で定めるときは在外選挙人名簿又はその抄本を、それぞれ、送致することを要しない。」と定めており、投票箱の送致は必ず投票管理者に加え、一人又は数人の投票立会人とともに開票管理者に送致されなければならない。
    ところが、市選管は、得体の知れない人物一人に期日前投票箱を持ち運びさせて投票管理者に送致しており、完全に違法行為である。にもかかわらず、この事実をなぜか市選管は認めて詳しく説明しようとしない。
 3)疑義③ 開票作業について
   【選管の釈明】
     本件選挙においては、開票作業には上記のとおり市の職員が従事したほか、法第62条及び法第66条の規定にのっとり、開票立会人10人を定め、開票に立ち会わせ、及び開票管理者とともに投票の点検を待っている。また、開票所の出入りについては、入口に受付を設け、部外者が開票所に入らないようにしている。
   これに対し、原告は次の通り主張する。
   公選法第62条は「開票立会人」として「公職の候補者は、当該選挙の各開票区における選挙人名簿に登録された者の中から、本人の承諾を得て、開票立会人となるべき者一人を定め、その選挙の期日前三日までに、市町村の選挙管理委員会に届け出ることができる。ただし、同一人を当該選挙と同じ日に行われるべき他の選挙における開票立会人となるべき者として届け出ることはできない。」と定め、同第66条は「開票」として「開票管理者は、開票立会人立会の上、投票箱を開き、先ず第50条第3項及び第5項(いずれも選挙人の確認及び投票の拒否)の規定による投票を調査し、開票立会人の意見を聴き、その投票を受理するかどうかを決定しなければならない。 2 開票管理者は、開票立会人とともに、当該選挙における各投票所及び期日前投票所の投票を開票区ごとに混同して、投票を点検しなければならない。 3 投票の点検が終わったときは、開票管理者は、直ちにその結果を選挙長に報告しなければならない。」と定めている。
   しかし開票立会人の位置は開票所の特定場所に設定され、その場所以外の移動も制限されているやにきく。そのため、開票に携わる市職員の開票作業を全て見ることは到底不可能と思われる。
   さらに、開票所の出入りについては、部外者の立入りを禁じているというが、開票に携わる市職員の所持品検査をどのようにしているのか、全く説明がない。これは、明らかに「職員に選挙に関する事務を委嘱したときは、これらの職員は、忠実にその事務を執行しなければならない」という法令の定めに違背している。
 4)疑義④ 投票用紙の管理について
   【選管の釈明】
     投票用紙は印刷業者から納品後は当委員会の金庫で保管している.また、各投票所において使用されなかった投票用紙については、選挙終了後、当委員会で保管している。
     なお、本件選挙においては、選挙終了後、各投票所において使用されなかった投票用紙の枚数を確認し、各投票所の投票録等の書類と照合したところ、一致している。
   これに対し、原告は次の通り主張する。
   今回「謎の1票」が生じた背景には、未使用あるいは効力決定済みの投票用紙、いわゆる「白票」の取り扱いに問題があった可能性も指摘される。この「白票」は選挙の投開票において、厳格に管理し、慎重に取り扱わなければならず、この取り扱い方法について市選管は「納品後の白票は当委員会の金庫に保管し、各投票所で未使用の白票は当委員会で保管している」としており、その具体的な納品後や投票期間中、そして各投票所で未使用の白票の保管場所・方法と保管数についての説明が何もない。
ちなみに、何も記入されていない投票用紙「白票」には次の3つの定義があるとされている。
  ① 有権者に交付する前に選挙管理委員会事務局本部及び各投票所で保管している投票用紙
  ② 選挙当日に使用することなく、各投票所(期日前、不在者分含む)から開票所に送致される投票用紙の残数
  ③ 有権者の意思により、何も記入せずに白紙のまま投票箱に投函された投票用紙
   これらの白票は、取り扱いを間違えると、不正や選挙無効につながる重大な事態を引き起こす可能性がある。今回の「謎の1票」の発生がいかに重大なことなのか、そのことについて、詳しい説明を弁明書でも避けている市選管は果たして、十分認識しているのかはなはだ疑問である。
                           以上
**********

■すると東京高裁から4月25日付で2回目の事務連絡通知がありました。第1回弁論期日を設定するために、当事者らの都合を確認するための通知です。


事務連絡

訴訟進行に関する照会書

 当会員は、たくさんの候補日時に〇をつけて返送しました。結局7月1日(月)午後2時30分に第1回弁論が開催されることになったわけで、東京地裁が提示したうちの最も遅い日時となったわけです。おそらく被告の都合が大きく影響した可能性があると思われます。

■こうして昨年9月23日の投開票から実に9か月余り経過してようやく東京高裁の法廷で、投票用紙すり替え疑惑事件が俎上に上ることになったわけです。このうち、館林市選挙管理委員会で2か月、異議申し立ての準備に1か月、群馬県選挙管理委員会で2か月、そして訴訟提起準備に1か月ののち、東京高裁で3か月かかって第1回弁論に漕ぎつけました。

 それにしても、投票用紙すり替え疑惑を追及しても、法廷で第1回弁論までに9か月が経過してしまうのですから、一体この国の行政不服審査手続きは本当にまともに機能していると言えるでしょうか?この国が本当に法治国家だと言えるでしょうか?当会には到底信じられません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「甲賀市の白票水増し事件で3人懲戒免職」
**********京都新聞2019年4月23日(火)20:36配信
白票水増し、前総務部長ら3人懲戒免職 「行政への信頼損なう」

甲賀市役所
 滋賀県甲賀市選挙管理委員会の幹部職員らが2017年10月の衆院選滋賀4区の開票作業で白票を水増しした問題で、市は23日、当時の選管事務局長だった前総務部長(58)ら幹部職員3人を懲戒免職処分とした。
 懲戒免職は他に、選管書記の前総務部次長(57)と前総務課長(56)。また別の前総務部次長(60)と前総務課長補佐(51)を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とした。
 大津地検が3月に公選法違反(投票増減)の罪で3人を起訴したことを受け、市は17日に懲戒審査委員会を開いていた。市は処分理由として、市民の行政への信頼を損なったことや、社会へ与えた影響の大きさを挙げている。
 市などによると、前部長と前部次長は投票総数と開票数が食い違ったつじつまを合わせるため、未使用の投票用紙約400票を白票として処理した。翌23日に未集計の使用済み投票用紙が見つかった際、報告を受けた別の前部次長は対応を前課長補佐に任せた。前課長が前部長らと協議した上で用紙を自宅に持ち帰り焼却した。
 市は昨年3月、減給処分の前部次長を除く4人を刑事告発。滋賀県警が同月書類送検し、大津地検が今年3月29日付で、前部長と前部次長を在宅起訴、前課長を略式起訴し、前課長補佐を不起訴処分(起訴猶予)としていた。
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