<群馬県信用組合支店長による現金ネコババ事件「被害者の会」>
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■先月10月22日、群馬県安中市原市に事務本部を置く群馬県信用組合(県信)が公表した元支店長が顧客の口座から2080万円を横領した事件について、もういちどマスコミ各社の報道内容をチェックしました。
■10月22日夜7時半のNHK群馬ニュース
安中市に本店がある「群馬県信用組合」で47歳の元支店長の男が、顧客の口座から、あわせて2000万円あまりを不正に引き出して着服していたことが分かりました。
群馬県信用組合によりますと着服をしていたのは、群馬県信用組合の47歳の元支店長の男です。
組合によりますと、この元職員は下仁田町内の支店の支店長などを務めていた去年1月からことし4月にかけて顧客が口座から預金を引き出す際、実際の金額よりも多く引き出すなどの手口で、3つの口座からあわせて2080万円を着服したということです。
元職員は組合に対し、「パチンコをはじめ遊ぶ金などのために借金があり返済に困ってやった」などと話し、着服した金は全額返済したということです。
組合は告訴はしない方針ですが、元職員はことし5月に依願退職して退職金を受け取っているため、退職金の相当額を損害賠償として求める訴えを前橋地方裁判所高崎支部に起こしたということです。
またこの元職員は、3年ほど前から就業規則に違反して、取引先や知人から金を借りたり、正式な手続きを経ないで顧客に融資をしていたことも分かり、組合は理事長ら常勤役員7人の役員報酬を最大で10%、1か月間の減給処分としました。
群馬県信用組合の松井誠理事長は「多大なご心配とご迷惑をかけ、心より深くお詫びします。
今後は再発防止に務め、信頼回復に全力をあげる所存です」というコメントを出しました。
■10月23日朝日新聞朝刊群馬版
信組職員2000万円着服 県信組 発覚前に依願退職
県信用組合(安中市原市)は、10月22日、同組合の元職員の男性(47)が顧客の預金から約2千万年を着服したほか、就業規則に違反し取引先から約6千万円を借り入れしていたと発表した。男性は不正行為の大半が発覚する前の5月31日付で依願退職しており、組合は9月下旬、前橋地裁高崎支部に退職金相当額1300万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。
組合によると、男性は2007年8月~今年4月、富岡市と下仁田町の3支店に勤務。この間、顧客3人の預金払い戻し請求書を増額して改ざんし、水増し分計2080万円を着服したほか、就業規則に違反して取引先15人から計5930万円を借りたうえ、取引先3人に自己資金から740万円を貸し出したという。男性は顧客からの着服金と借入金を返還済みという。
今年3月、男性が富岡市内の支店の支店長代理から別の職場に異動後、取引先から300万円を借りていた就業規則違反が発覚。組合は出勤停止7日間の処分をしたうえで内部調査を続けたが、男性は不正が明らかになる前の5月、「組合にいづらい」として依願退職した。その後の調査に対し、一連の不正を認め「パチンコが好きで多重債務があった」と話したという。
■10月23日読売新聞朝刊群馬版
県信組元支店長2080万円着服 顧客から借金も 依願退職、全額弁済
県信用組合(安中市原市、松井誠理事長)は11月22日、元支店長の男性職員(47)が顧客からの預かり金等計6670万円を貸し借りし、職業規則に違反していたと発表した。男性は依願退職し、既に全額を本人や家族が弁済しており、県信組は刑事告訴は見送った。
県信組によると、男性は富岡市内の2店舗の支店長代理と下仁田庁内の店舗の支店長を務めていた2007年8月から今年4月までの間、依頼された普通預金の引き出し額を改ざんして差額を引き出すなどして顧客3人から着服したほか、顧客15人から個人的に借金したり、依頼を受けた融資を放置し、穴埋めに自身で用立てるなどして3人に貸し付けた。顧客からの借金は、別の顧客からの借金で埋め合わせるなどしていた。
今年3月に顧客の苦情をきっかけに客から300万円を借りていたことが発覚。5月末に依願退職したが、その後の調査で着服など一連の不正が判明した。男性は「趣味のパチンコ代がかさみ、クレジットやローンの支払いが苦しくなったため、埋め合わせのために着服や借金をした」などと説明しているという。
県信組は、松井誠理事長ら常勤役員7人の6月分の報酬を3~10%減額した。
県信組は「お客様を裏切ることになった。内部管理体制を見直し、再発防止に努めたい」としている。
■10月23日毎日新聞朝刊群馬版
県信組元支店長が預金2080万円着服
県信用組合(安中市原市、松井誠理事長)は10月22日、元支店長の男性(47)が顧客の預金計2080万円を不正に引き出し、着服したと発表した。元支店長は「カネはパチンコに使った。多重債務状態だった」などと話しているという。被害額は家族や親族が弁済したため刑事告訴は見送った。既に退職済みだが、退職金約1300万円は訴訟で返還を求めているという。
同信組によると、元支店長は富岡市や甘楽郡内の支店に勤務していた09年1月から今年4月、顧客3人の預金を不正に引き出した。
今年3月、取引先からの申告で調査を始めたが、元支店長は結果が出る前に依願退職した。同信組は「本来なら懲戒解雇にすべきだったが、調査が間に合わず、退職金を支払ってしまった。今後の裁判で取り戻したい」と話している。【奥山はるな】
■10月23日産経新聞朝刊群馬版
信組職員が顧客の2080万円着服
県信用組合(事務本部・安中市)の支店長だった男性職員(47)が顧客の口座から計2千万円以上を着服していたことが10月22日、分かった。県信組が同日、発表した。
さらに職員は別の顧客から個人的に借金もしていた。職員は県信組の調査に対し、「パチンコなどの遊興費や借金の返済に充てた」と話しているという。
県信組によると、職員は富岡市や下仁田町の信組で支店長などを務めていた平成21年1月~22年4月、顧客の3口座から計2080嗎年を不正に引き出すなどして着服。19年以降、顧客から個人的に計5930万円を借り入れていたほか、独断で取引先に計740万円の貸し付けを行っていた。
今年3月、顧客が県信組に相談したため着服が発覚。県信組で調査を進めていた5月に男性は依願退職し、退職金約1300万円が支払われた。
男性は退職金などで被害金額を弁済したが、県信組では近く男性を相手取り、損害賠償を求めて提訴する方針。
■10月23日上毛新聞朝刊群馬版
県信用組合 支店長 2080万円着服 別件で依願退職 すでに弁済、告訴せず
群馬県信用組合(安中市原市、松井誠理事長)の支店長だった元男性職員(47)が、顧客の口座に入れるために預かるなどした現金計2080万円を着服していたことが、10月22日明らかになった。男性は着服の問題が発覚する前に別の就業規則違反で依願退職し、退職金を受け取っている。同信組は退職金相当額の返還を求める民事訴訟を近く起こすが、顧客への被害が弁済されていることから男性の刑事告訴はしない方針。
同信組によると、男性は2007年9月から今年4月まで、富岡市と下仁田町の3支店に支店長や支店長代理として勤めた間、営業で訪問した企業と個人合わせて3者から預かるなどして現金を着服した。
このうち2者からは、苦情を受けた後に「手続きを間違えた」などと説明して返還した。もう1者に対して、預金の払戻伝票の金額を書き換える手口で差額1010万円を着服しており、信組側の内部調査で発覚するまで顧客は被害に気付いていなかった。発覚後に男性や親族が弁済した。
調査に対して、男性は「パチンコなどの遊興費や消費者ローンの返済に使った」と答えている。
着服以外にも、男性は業務で知り合った企業や個人から私的な借金を繰り返しており、今年3月時点で2者から計590万円を借りていた。それまでに返済した分も合わせると、15者から計5930万円を借りた。
取引先からの融資の申し込みを放置し、期日が迫ったため自らの金を貸し付けたことも3者に対して計740万円あった。個人での借り入れと貸し付けはともに就業規則違反に当たる。
顧客からの指摘を受けて調査した結果、今年3月に就業規則違反である金の貸借が判明し、男性を本部人事部付に異動。男性が5月末に依願退職をした後、着服の問題が新たに分かった。
今年6月の1カ月分、理事長の報酬を10%、ほかの常勤理事6人を3~7%減額した。
同信組は「管理監督が不十分だった。原因をよく把握し、対策を立て、信頼される体制作りにまい進したい」と話している。
■10月23日東京新聞朝刊群馬版
県信用組合元職員 預金2080万円を着服 引き出し額を水増し記入
県信用組合(本店・安中市)は10月22日、元職員の男性(47)が顧客の口座から不正に預金を引き出す手口で、三人から計2080万円を着服していたと発表した。
男性は5月末で依願退職したが、組合の内部調査で着服が発覚。就業規則で禁じられている個人的な借り入れや貸し付けも行っていたことが分かった。
組合の調査によると、男性は昨年1月~今年4月、富岡市内の支店で支店長代理などを務めていた立場を利用し着服を繰り返した。現金自動預払機(ATM)を使用しない顧客が口座から現金を引き出す際、実際の引き出し額よりも多い額を手続き書類に記入する手口で不正に現金を払い戻していた。取引先から計5930万円を個人的に借り入れ、740万円の貸し付けも行っていた。
男性は動機について「パチンコなどで借金がかさみ、多重債務に陥っていた」と話しているという。同組合は「被害金は全額弁済された。男性は懲戒解雇に相当する事案を起こしており、退職金の返還などを求めている。」とした。【中根政人】
■これらの情報を整理してみました。
①元職員は、47歳の元支店長の男で、顧客3人の3つの口座から不正に合計2080万円の預金を引き出して着服していた。(朝日新聞の報道;預金払い戻し請求書を増額して改ざんし水増し分計2080万円を着服した)
②元職員が着服していたのは、下仁田町内にある支店長などを務めていた2009年1月~2010年4月の間だった。(※朝日新聞の報道:2007年8月~2010年4月、富岡市と下仁田町の3支店に勤務、2010年3月に富岡市内の支店の支店長代理から別の職場に異動。読売新聞:男性は2007年8月~2010年4月までの間、富岡市内の2店舗の支店長代理と下仁田庁内の店舗の支店長を務めていた)
③手口は、顧客が口座から預金を引き出す際に、払戻し請求書を水増しして実際の金額よりも多く引き出すなどの方法をとっていた。(※上毛新聞:2007年9月~2010年4月まで、富岡市と下仁田町の3支店に支店長や支店長代理として勤めた間、営業で訪問した企業と個人合わせて3者から預かるなどして現金を着服した。このうち2者からは、苦情を受けた後に「手続きを間違えた」などと説明して返還した。もう1者に対して、預金の払戻伝票の金額を書き換える手口で差額1010万円を着服しており、信組側の内部調査で発覚するまで顧客は被害に気付いていなかった。発覚後に男性や親族が弁済した。東京新聞:現金自動預払機(ATM)を使用しない顧客が口座から現金を引き出す際、実際の引き出し額よりも多い額を手続き書類に記入する手口で不正に現金を払い戻していた)
④元職員は、3年ほど前(2007年から)から就業規則に違反して、取引先や知人など15人から計5930万円のカネを借りたり、顧客である取引先3人に自己資金から740万円を正式な手続きを経ないで独断で融資をしていた。(※読売新聞の報道:顧客からの預かり金等6670万円を貸し借りしていた。顧客15人から個人的に借金したり、依頼を受けた融資を放置し、穴埋めに自身で用立てるなどして3人に貸し付けた。顧客からの借金は、別の顧客からの借金で埋め合わせるなどしていた。上毛新聞:元職員は業務で知り合った企業や個人から私的な借金を繰り返しており、今年3月時点で2者から計590万円を借りていた。それまでに返済した分も合わせると、15者から計5930万円を借りた。取引先からの融資の申し込みを放置し、期日が迫ったため自らの金を貸し付けたことも3者に対して計740万円あった。個人での借り入れと貸し付けはともに就業規則違反に当たる)
⑤2010年3月の異動で、元職員が取引先から300万円を借りていたことが、顧客の相談から発覚したので、県信は出勤停止7日間の処分をしたうえで、県信は内部調査を続けた。(※読売新聞の報道:今年3月に顧客の苦情をきっかけに客から300万円を借りていたことが発覚)
⑥元職員は、県信の調査に対し、「パチンコをはじめ遊ぶ金のため借金の返済に困ってやった。多重債務があった」と一連の不正を認めた。(※読売新聞の報道:「趣味のパチンコ代がかさみ、クレジットやローンの支払いが苦しくなったため、埋め合わせのために着服や借金をした」などと説明しているという)
⑦元職員は、2010年3月に就業規則違反であるカネの貸借が判明後、本部人事部付だったが、調査の結果が出る前、つまり不正が明らかになる前の5月31日付で「組合にいづらい」として、着服の問題が発覚する前に別の就業規則違反で依願退職した際に、県信は元職員に退職金相当額1300万円を支払った。
⑧男性の依願退職後、既に全額を本人や家族が弁済しており、県信は、「着服した金は全額返済したので、刑事告訴はしない」という方針を決めた。(※産経新聞の報道:男性は退職金などで被害金額を弁済した)
⑨事件の責任をとり、県信は松井誠理事長ら常勤役人7人の6月分の役員報酬を最大10%、1ヶ月間の減給処分をした。
⑩松井誠理事長は記者発表時に、「多大な心配と迷惑をかけ、心より深くお詫びする。今後は再発防止に努め、信頼回復に全力を挙げる」とコメントした。(※読売新聞の報道:「お客様を裏切ることになった。内部管理体制を見直し、再発防止に努めたい」としている。毎日新聞:「本来なら懲戒解雇にすべきだったが、調査が間に合わず、退職金を支払ってしまった。今後の裁判で取り戻したい」と話している。上毛新聞:「管理監督が不十分だった。原因をよく把握し、対策を立て、信頼される体制作りにまい進したい」と話している)
⑪県信は、9月下旬、前橋地裁高崎支部に退職金相当額約1300万円(実際には後述の通り約1130万円が訴額となっている)の損害賠償請求訴訟を起こした。(※東京新聞:「被害金は全額弁済された。男性は懲戒解雇に相当する事案を起こしており、退職金の返還などを求めている」とした)
■各社の報道内容を突き合わせれば突き合わせるほど、次の疑問点が浮かんできます。
【疑問その1】なぜ、元支店長は顧客の預金払戻し請求書を自由に改ざんできたのか?
おそらく元職員は支店長或いは支店長代理という立場を利用して、顧客を信用させ、いちいち信組の支店のATMに足を運ばなくても済むように、印鑑と通帳を顧客から預かっていたと思われます。だから、預金払戻し請求書を自由に水増しして着服していたものと思われます。この手口は、安中市土地開発公社51億円巨額横領事件で、タゴ邦夫が、群銀安中支店に対して使った手口ですが、当時、群銀安中支店にいた松井誠支店長は、タゴを支店長室に入れて、手続きを全部やってやった経緯があります。この場合は、印鑑と通帳はタゴが保有していましたが、借入残高などはすべて群銀側で作成していました。
おそらく、2010年3月に異動することになって、印鑑と通帳を顧客に戻した際に、預けたり受け取ってたりしていたカネの流れと残高との食い違いを指摘された元支店長が、いろいろ釈明したが、不審感を抱いた顧客らが県信本部にクレームして発覚したものと思われます。
このうちの1者の顧客は、預金払戻伝票の金額を書き換える手口で差額1010万円をネコババされても、信組側の内部調査で発覚するまで被害に気付いていなかったというのですから、非常に問題です。
となると、県信を信頼して印鑑や通帳を預けっぱなしの顧客の中には、同じような被害に遭っている人が他にもかなり存在するはずです。
また、元支店長が改ざんし偽変造した預金払戻し請求書を、そのまま正として処理した県信の組織自体にも疑問があります。果たして県信は、組織ぐるみの犯罪と言われても、きちんと反論できるでしょうか。
安中のタゴ事件でも、群馬銀行は支店長や支店長代理が安中市元職員のタゴをちやほやして、入出金処理は全て幹部が窓口の行員に指示して、あれこれ世話を焼いていました。松井誠元安中支店長が、群銀のこの悪しきしきたりを、理事長として県信に乗り込む時に持ち込んだのではないかと心配です。
【疑問その2】なぜ、元支店長は、勝手に顧客とカネの貸し借りをしていたのか?
横領犯はとかく横領したあぶく銭を使ってカネ儲けの方法を考えようとします。安中のタゴ51億円事件の元職員は、パチンコはやりませんでしたが、競馬や賭けマーシャンや賭けゴルフに精を出していて、趣味が高じて役所内で競馬のノミ行為をする始末でした。タゴの競馬や麻雀に付き合っていた市職員らの名前が捜査資料にも明記してあります。
おそらく県信の元支店長も、何かの名目でカネを集めていた可能性があります。新聞では、「顧客15人から個人的に借金したり」などと書いてありますが、これは県信側の記者発表を鵜呑みにして記事にしただけなので、それ以上詳しい背景や理由は県信に質していないと思われるためです。
顧客から金を「個人的」に借りていた目的が、ギャンブルだったのか、それとも、高利回りの金融商品などと銘打って、県信の支店長の立場を利用した一種のノミ行為をやっていたのか、定かではありませんが、たとえ県信の調査で真相が明らかになっていても、県信がそれをそのまま記者発表するはずはないでしょう。
いずれにしても、県信の管理監督責任は免れません。
【疑問その3】なぜ、県信は内部調査にそんなに長い時間をかけたのか?
今年3月の異動で、顧客らからのクレームを受けて初めて県信は内部調査を始めたと言っています。異動はおそらく3月末でしょうから、県信が、元支店長の私的ノミ行為か何かに参加していた顧客らからのクレームを受けて、調査を開始たのは、4月になってからであり、調べを進めるうちに、元支店長が県信に無断で顧客から300万円を借りて(あるいは預かって)いたことが分かり、就業規則違反で出勤停止7日間の処分を下したのは、4月も半ば過ぎだったかもしれません。県信は、この時点で、元支店長を安中市原市にある事務本部にある人事部付として、富岡や下仁田町の顧客らから遠ざけ、時間を稼いで、ほとぼりを冷まそうとしたに違いありません。しかし、元支店長は、毎日、安中市原市の事務本部の人事部付として隔離されている状態に我慢が出来ず、「こんなところは早くやめるに限る」という気持ちが募っていたことでしょう。
しかし、県信が、いろいろ調査をしたところ、沢山の顧客らからクレームが相次いでいたことから、この事件の真相を調べれば調べるほど、組織ぐるみではないか、という疑問を世間に知られることを心配して、あれこれ対応策を練っていた可能性があります。
だから、元支店長から辞表が出されたので、5月31日付で退職させるかどうか躊躇したかもしれません。通常であれば、直ぐに懲戒解雇にすべきところでしょうが、このネコババ事件をはじめ、県信の組織自体の欠点や不祥事の事例についても熟知している元支店長から辞表を出された県信は、5月31日付で依願退職にしたのでした。
【疑問その4】なぜ、県信は元支店長に退職金を支払ったのか?
この点について、産経新聞は、元支店長は「退職金などで被害金額を弁済した」と報じています。つまり、警察に被害届を出して、刑事事件として捜査されるよりは、一旦、元支店長に依願退職という形で辞めてもらい、退職金を支払うことで、顧客への損害を弁償させたうえで、民事でそれを取り戻そうとしたのだと思われます。そうすれば、横領や背任などの容疑で、たとえ県信が組織ぐるみの違法不当な体質であっても、刑事事件として警察の捜査を受けたり、立件されたりせずに済むため、都合の悪い証拠を提出する義務はなく、真相をもみ消しすることができるからです。
民事では、元支店長を相手に裁判することになりますが、民事事件としてなら、密室で顧問弁護士と裁判所とで、関係者の間でナアナアに事を処理することができます。
【疑問その5】なぜ、県信は、元支店長の行為を横領だと認めて、警察に被害届や告訴状をだそうとしないのか?
これは、1995年5月18日に安中市土地開発公社を舞台に発覚した51億円巨額詐欺横領事件、通称タゴ51億円事件のように、警察の家宅捜査を受けて、証拠書類を押収されると、今回の不祥事件のみならず、他にも隠れた都合の悪い事件に関連する資料を警察の目に触れさせる恐れがあるため、群馬銀行の元支店長として針のむしろを味わった松井誠理事長にとっては、悪夢の再来となるため、絶対に回避しなければなりません。
タゴ51億円事件では、幸い、超大物政治家の威光により、タゴ一人だけの仕業として、処理してもらったため、安堵できましたが、松井理事長としては、2度とあのような目に遭うのはコリゴリのはずです。
しかし、それではコンプライアンスやガバナンスの観点から、顧客の信頼は到底得られません。早急に、刑事事件として告訴するよう、当会としても県信やそれを統括する全国組織、そして金融庁に対して働きかけを行うつもりです。
■ちなみにこの不祥事件では、その後、11月17日付の上毛新聞が次のように報じています。
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2000万着服支店長に退職金返還求める 県信組損賠請求で地裁高崎支部弁論
群馬県信用組合(安中市原市)の支店長だったもと男性職員(47)が顧客から預かった現金約2千万円を着服していた問題で、虚偽の申告をして退職金を受け取ったとして、組合が男性らに対して退職金相当額約1130万円の損害賠償を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が11月16日までに、前橋地裁高崎支部(間部泰裁判官)であった。被告の男性側は請求棄却を求める答弁書を提出し、全面的に争う構えを示した。
訴状によると、男性は今年5月、顧客から借金したとして就業規則違反で依願退職した。「ほかの個人的貸し付けや借り入れ、預金の横領は一切ない」とする年初を提出して退職金を受け取ったが、その後の内部調査で別の顧客から預かった現金を着服していたことが分かった。
組合側は、男性の一連の行為は懲戒解雇事由に該当し、払う必要のない退職金を虚偽の申告によって支給させたとして、男性の不法行為を主張している。
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この裁判が茶番なのか、それともガチンコなのかは、そのうちハッキリするでしょう。なお、上記の疑問について、いずれ監督の立場にある組織や官庁に確認することも検討中です、
【群馬県信用組合元支店長現金ネコババ事件被害者の会】
事務局:市政をひらく安中市民の会
情報提供・連絡先
↓
郵送先:〒379-0114安中市野殿980番地
FAX:027-381-0364
Eメール:ogawakenpg@aol.com
※秘密は厳守します。
■先月10月22日、群馬県安中市原市に事務本部を置く群馬県信用組合(県信)が公表した元支店長が顧客の口座から2080万円を横領した事件について、もういちどマスコミ各社の報道内容をチェックしました。
■10月22日夜7時半のNHK群馬ニュース
安中市に本店がある「群馬県信用組合」で47歳の元支店長の男が、顧客の口座から、あわせて2000万円あまりを不正に引き出して着服していたことが分かりました。
群馬県信用組合によりますと着服をしていたのは、群馬県信用組合の47歳の元支店長の男です。
組合によりますと、この元職員は下仁田町内の支店の支店長などを務めていた去年1月からことし4月にかけて顧客が口座から預金を引き出す際、実際の金額よりも多く引き出すなどの手口で、3つの口座からあわせて2080万円を着服したということです。
元職員は組合に対し、「パチンコをはじめ遊ぶ金などのために借金があり返済に困ってやった」などと話し、着服した金は全額返済したということです。
組合は告訴はしない方針ですが、元職員はことし5月に依願退職して退職金を受け取っているため、退職金の相当額を損害賠償として求める訴えを前橋地方裁判所高崎支部に起こしたということです。
またこの元職員は、3年ほど前から就業規則に違反して、取引先や知人から金を借りたり、正式な手続きを経ないで顧客に融資をしていたことも分かり、組合は理事長ら常勤役員7人の役員報酬を最大で10%、1か月間の減給処分としました。
群馬県信用組合の松井誠理事長は「多大なご心配とご迷惑をかけ、心より深くお詫びします。
今後は再発防止に務め、信頼回復に全力をあげる所存です」というコメントを出しました。
■10月23日朝日新聞朝刊群馬版
信組職員2000万円着服 県信組 発覚前に依願退職
県信用組合(安中市原市)は、10月22日、同組合の元職員の男性(47)が顧客の預金から約2千万年を着服したほか、就業規則に違反し取引先から約6千万円を借り入れしていたと発表した。男性は不正行為の大半が発覚する前の5月31日付で依願退職しており、組合は9月下旬、前橋地裁高崎支部に退職金相当額1300万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。
組合によると、男性は2007年8月~今年4月、富岡市と下仁田町の3支店に勤務。この間、顧客3人の預金払い戻し請求書を増額して改ざんし、水増し分計2080万円を着服したほか、就業規則に違反して取引先15人から計5930万円を借りたうえ、取引先3人に自己資金から740万円を貸し出したという。男性は顧客からの着服金と借入金を返還済みという。
今年3月、男性が富岡市内の支店の支店長代理から別の職場に異動後、取引先から300万円を借りていた就業規則違反が発覚。組合は出勤停止7日間の処分をしたうえで内部調査を続けたが、男性は不正が明らかになる前の5月、「組合にいづらい」として依願退職した。その後の調査に対し、一連の不正を認め「パチンコが好きで多重債務があった」と話したという。
■10月23日読売新聞朝刊群馬版
県信組元支店長2080万円着服 顧客から借金も 依願退職、全額弁済
県信用組合(安中市原市、松井誠理事長)は11月22日、元支店長の男性職員(47)が顧客からの預かり金等計6670万円を貸し借りし、職業規則に違反していたと発表した。男性は依願退職し、既に全額を本人や家族が弁済しており、県信組は刑事告訴は見送った。
県信組によると、男性は富岡市内の2店舗の支店長代理と下仁田庁内の店舗の支店長を務めていた2007年8月から今年4月までの間、依頼された普通預金の引き出し額を改ざんして差額を引き出すなどして顧客3人から着服したほか、顧客15人から個人的に借金したり、依頼を受けた融資を放置し、穴埋めに自身で用立てるなどして3人に貸し付けた。顧客からの借金は、別の顧客からの借金で埋め合わせるなどしていた。
今年3月に顧客の苦情をきっかけに客から300万円を借りていたことが発覚。5月末に依願退職したが、その後の調査で着服など一連の不正が判明した。男性は「趣味のパチンコ代がかさみ、クレジットやローンの支払いが苦しくなったため、埋め合わせのために着服や借金をした」などと説明しているという。
県信組は、松井誠理事長ら常勤役員7人の6月分の報酬を3~10%減額した。
県信組は「お客様を裏切ることになった。内部管理体制を見直し、再発防止に努めたい」としている。
■10月23日毎日新聞朝刊群馬版
県信組元支店長が預金2080万円着服
県信用組合(安中市原市、松井誠理事長)は10月22日、元支店長の男性(47)が顧客の預金計2080万円を不正に引き出し、着服したと発表した。元支店長は「カネはパチンコに使った。多重債務状態だった」などと話しているという。被害額は家族や親族が弁済したため刑事告訴は見送った。既に退職済みだが、退職金約1300万円は訴訟で返還を求めているという。
同信組によると、元支店長は富岡市や甘楽郡内の支店に勤務していた09年1月から今年4月、顧客3人の預金を不正に引き出した。
今年3月、取引先からの申告で調査を始めたが、元支店長は結果が出る前に依願退職した。同信組は「本来なら懲戒解雇にすべきだったが、調査が間に合わず、退職金を支払ってしまった。今後の裁判で取り戻したい」と話している。【奥山はるな】
■10月23日産経新聞朝刊群馬版
信組職員が顧客の2080万円着服
県信用組合(事務本部・安中市)の支店長だった男性職員(47)が顧客の口座から計2千万円以上を着服していたことが10月22日、分かった。県信組が同日、発表した。
さらに職員は別の顧客から個人的に借金もしていた。職員は県信組の調査に対し、「パチンコなどの遊興費や借金の返済に充てた」と話しているという。
県信組によると、職員は富岡市や下仁田町の信組で支店長などを務めていた平成21年1月~22年4月、顧客の3口座から計2080嗎年を不正に引き出すなどして着服。19年以降、顧客から個人的に計5930万円を借り入れていたほか、独断で取引先に計740万円の貸し付けを行っていた。
今年3月、顧客が県信組に相談したため着服が発覚。県信組で調査を進めていた5月に男性は依願退職し、退職金約1300万円が支払われた。
男性は退職金などで被害金額を弁済したが、県信組では近く男性を相手取り、損害賠償を求めて提訴する方針。
■10月23日上毛新聞朝刊群馬版
県信用組合 支店長 2080万円着服 別件で依願退職 すでに弁済、告訴せず
群馬県信用組合(安中市原市、松井誠理事長)の支店長だった元男性職員(47)が、顧客の口座に入れるために預かるなどした現金計2080万円を着服していたことが、10月22日明らかになった。男性は着服の問題が発覚する前に別の就業規則違反で依願退職し、退職金を受け取っている。同信組は退職金相当額の返還を求める民事訴訟を近く起こすが、顧客への被害が弁済されていることから男性の刑事告訴はしない方針。
同信組によると、男性は2007年9月から今年4月まで、富岡市と下仁田町の3支店に支店長や支店長代理として勤めた間、営業で訪問した企業と個人合わせて3者から預かるなどして現金を着服した。
このうち2者からは、苦情を受けた後に「手続きを間違えた」などと説明して返還した。もう1者に対して、預金の払戻伝票の金額を書き換える手口で差額1010万円を着服しており、信組側の内部調査で発覚するまで顧客は被害に気付いていなかった。発覚後に男性や親族が弁済した。
調査に対して、男性は「パチンコなどの遊興費や消費者ローンの返済に使った」と答えている。
着服以外にも、男性は業務で知り合った企業や個人から私的な借金を繰り返しており、今年3月時点で2者から計590万円を借りていた。それまでに返済した分も合わせると、15者から計5930万円を借りた。
取引先からの融資の申し込みを放置し、期日が迫ったため自らの金を貸し付けたことも3者に対して計740万円あった。個人での借り入れと貸し付けはともに就業規則違反に当たる。
顧客からの指摘を受けて調査した結果、今年3月に就業規則違反である金の貸借が判明し、男性を本部人事部付に異動。男性が5月末に依願退職をした後、着服の問題が新たに分かった。
今年6月の1カ月分、理事長の報酬を10%、ほかの常勤理事6人を3~7%減額した。
同信組は「管理監督が不十分だった。原因をよく把握し、対策を立て、信頼される体制作りにまい進したい」と話している。
■10月23日東京新聞朝刊群馬版
県信用組合元職員 預金2080万円を着服 引き出し額を水増し記入
県信用組合(本店・安中市)は10月22日、元職員の男性(47)が顧客の口座から不正に預金を引き出す手口で、三人から計2080万円を着服していたと発表した。
男性は5月末で依願退職したが、組合の内部調査で着服が発覚。就業規則で禁じられている個人的な借り入れや貸し付けも行っていたことが分かった。
組合の調査によると、男性は昨年1月~今年4月、富岡市内の支店で支店長代理などを務めていた立場を利用し着服を繰り返した。現金自動預払機(ATM)を使用しない顧客が口座から現金を引き出す際、実際の引き出し額よりも多い額を手続き書類に記入する手口で不正に現金を払い戻していた。取引先から計5930万円を個人的に借り入れ、740万円の貸し付けも行っていた。
男性は動機について「パチンコなどで借金がかさみ、多重債務に陥っていた」と話しているという。同組合は「被害金は全額弁済された。男性は懲戒解雇に相当する事案を起こしており、退職金の返還などを求めている。」とした。【中根政人】
■これらの情報を整理してみました。
①元職員は、47歳の元支店長の男で、顧客3人の3つの口座から不正に合計2080万円の預金を引き出して着服していた。(朝日新聞の報道;預金払い戻し請求書を増額して改ざんし水増し分計2080万円を着服した)
②元職員が着服していたのは、下仁田町内にある支店長などを務めていた2009年1月~2010年4月の間だった。(※朝日新聞の報道:2007年8月~2010年4月、富岡市と下仁田町の3支店に勤務、2010年3月に富岡市内の支店の支店長代理から別の職場に異動。読売新聞:男性は2007年8月~2010年4月までの間、富岡市内の2店舗の支店長代理と下仁田庁内の店舗の支店長を務めていた)
③手口は、顧客が口座から預金を引き出す際に、払戻し請求書を水増しして実際の金額よりも多く引き出すなどの方法をとっていた。(※上毛新聞:2007年9月~2010年4月まで、富岡市と下仁田町の3支店に支店長や支店長代理として勤めた間、営業で訪問した企業と個人合わせて3者から預かるなどして現金を着服した。このうち2者からは、苦情を受けた後に「手続きを間違えた」などと説明して返還した。もう1者に対して、預金の払戻伝票の金額を書き換える手口で差額1010万円を着服しており、信組側の内部調査で発覚するまで顧客は被害に気付いていなかった。発覚後に男性や親族が弁済した。東京新聞:現金自動預払機(ATM)を使用しない顧客が口座から現金を引き出す際、実際の引き出し額よりも多い額を手続き書類に記入する手口で不正に現金を払い戻していた)
④元職員は、3年ほど前(2007年から)から就業規則に違反して、取引先や知人など15人から計5930万円のカネを借りたり、顧客である取引先3人に自己資金から740万円を正式な手続きを経ないで独断で融資をしていた。(※読売新聞の報道:顧客からの預かり金等6670万円を貸し借りしていた。顧客15人から個人的に借金したり、依頼を受けた融資を放置し、穴埋めに自身で用立てるなどして3人に貸し付けた。顧客からの借金は、別の顧客からの借金で埋め合わせるなどしていた。上毛新聞:元職員は業務で知り合った企業や個人から私的な借金を繰り返しており、今年3月時点で2者から計590万円を借りていた。それまでに返済した分も合わせると、15者から計5930万円を借りた。取引先からの融資の申し込みを放置し、期日が迫ったため自らの金を貸し付けたことも3者に対して計740万円あった。個人での借り入れと貸し付けはともに就業規則違反に当たる)
⑤2010年3月の異動で、元職員が取引先から300万円を借りていたことが、顧客の相談から発覚したので、県信は出勤停止7日間の処分をしたうえで、県信は内部調査を続けた。(※読売新聞の報道:今年3月に顧客の苦情をきっかけに客から300万円を借りていたことが発覚)
⑥元職員は、県信の調査に対し、「パチンコをはじめ遊ぶ金のため借金の返済に困ってやった。多重債務があった」と一連の不正を認めた。(※読売新聞の報道:「趣味のパチンコ代がかさみ、クレジットやローンの支払いが苦しくなったため、埋め合わせのために着服や借金をした」などと説明しているという)
⑦元職員は、2010年3月に就業規則違反であるカネの貸借が判明後、本部人事部付だったが、調査の結果が出る前、つまり不正が明らかになる前の5月31日付で「組合にいづらい」として、着服の問題が発覚する前に別の就業規則違反で依願退職した際に、県信は元職員に退職金相当額1300万円を支払った。
⑧男性の依願退職後、既に全額を本人や家族が弁済しており、県信は、「着服した金は全額返済したので、刑事告訴はしない」という方針を決めた。(※産経新聞の報道:男性は退職金などで被害金額を弁済した)
⑨事件の責任をとり、県信は松井誠理事長ら常勤役人7人の6月分の役員報酬を最大10%、1ヶ月間の減給処分をした。
⑩松井誠理事長は記者発表時に、「多大な心配と迷惑をかけ、心より深くお詫びする。今後は再発防止に努め、信頼回復に全力を挙げる」とコメントした。(※読売新聞の報道:「お客様を裏切ることになった。内部管理体制を見直し、再発防止に努めたい」としている。毎日新聞:「本来なら懲戒解雇にすべきだったが、調査が間に合わず、退職金を支払ってしまった。今後の裁判で取り戻したい」と話している。上毛新聞:「管理監督が不十分だった。原因をよく把握し、対策を立て、信頼される体制作りにまい進したい」と話している)
⑪県信は、9月下旬、前橋地裁高崎支部に退職金相当額約1300万円(実際には後述の通り約1130万円が訴額となっている)の損害賠償請求訴訟を起こした。(※東京新聞:「被害金は全額弁済された。男性は懲戒解雇に相当する事案を起こしており、退職金の返還などを求めている」とした)
■各社の報道内容を突き合わせれば突き合わせるほど、次の疑問点が浮かんできます。
【疑問その1】なぜ、元支店長は顧客の預金払戻し請求書を自由に改ざんできたのか?
おそらく元職員は支店長或いは支店長代理という立場を利用して、顧客を信用させ、いちいち信組の支店のATMに足を運ばなくても済むように、印鑑と通帳を顧客から預かっていたと思われます。だから、預金払戻し請求書を自由に水増しして着服していたものと思われます。この手口は、安中市土地開発公社51億円巨額横領事件で、タゴ邦夫が、群銀安中支店に対して使った手口ですが、当時、群銀安中支店にいた松井誠支店長は、タゴを支店長室に入れて、手続きを全部やってやった経緯があります。この場合は、印鑑と通帳はタゴが保有していましたが、借入残高などはすべて群銀側で作成していました。
おそらく、2010年3月に異動することになって、印鑑と通帳を顧客に戻した際に、預けたり受け取ってたりしていたカネの流れと残高との食い違いを指摘された元支店長が、いろいろ釈明したが、不審感を抱いた顧客らが県信本部にクレームして発覚したものと思われます。
このうちの1者の顧客は、預金払戻伝票の金額を書き換える手口で差額1010万円をネコババされても、信組側の内部調査で発覚するまで被害に気付いていなかったというのですから、非常に問題です。
となると、県信を信頼して印鑑や通帳を預けっぱなしの顧客の中には、同じような被害に遭っている人が他にもかなり存在するはずです。
また、元支店長が改ざんし偽変造した預金払戻し請求書を、そのまま正として処理した県信の組織自体にも疑問があります。果たして県信は、組織ぐるみの犯罪と言われても、きちんと反論できるでしょうか。
安中のタゴ事件でも、群馬銀行は支店長や支店長代理が安中市元職員のタゴをちやほやして、入出金処理は全て幹部が窓口の行員に指示して、あれこれ世話を焼いていました。松井誠元安中支店長が、群銀のこの悪しきしきたりを、理事長として県信に乗り込む時に持ち込んだのではないかと心配です。
【疑問その2】なぜ、元支店長は、勝手に顧客とカネの貸し借りをしていたのか?
横領犯はとかく横領したあぶく銭を使ってカネ儲けの方法を考えようとします。安中のタゴ51億円事件の元職員は、パチンコはやりませんでしたが、競馬や賭けマーシャンや賭けゴルフに精を出していて、趣味が高じて役所内で競馬のノミ行為をする始末でした。タゴの競馬や麻雀に付き合っていた市職員らの名前が捜査資料にも明記してあります。
おそらく県信の元支店長も、何かの名目でカネを集めていた可能性があります。新聞では、「顧客15人から個人的に借金したり」などと書いてありますが、これは県信側の記者発表を鵜呑みにして記事にしただけなので、それ以上詳しい背景や理由は県信に質していないと思われるためです。
顧客から金を「個人的」に借りていた目的が、ギャンブルだったのか、それとも、高利回りの金融商品などと銘打って、県信の支店長の立場を利用した一種のノミ行為をやっていたのか、定かではありませんが、たとえ県信の調査で真相が明らかになっていても、県信がそれをそのまま記者発表するはずはないでしょう。
いずれにしても、県信の管理監督責任は免れません。
【疑問その3】なぜ、県信は内部調査にそんなに長い時間をかけたのか?
今年3月の異動で、顧客らからのクレームを受けて初めて県信は内部調査を始めたと言っています。異動はおそらく3月末でしょうから、県信が、元支店長の私的ノミ行為か何かに参加していた顧客らからのクレームを受けて、調査を開始たのは、4月になってからであり、調べを進めるうちに、元支店長が県信に無断で顧客から300万円を借りて(あるいは預かって)いたことが分かり、就業規則違反で出勤停止7日間の処分を下したのは、4月も半ば過ぎだったかもしれません。県信は、この時点で、元支店長を安中市原市にある事務本部にある人事部付として、富岡や下仁田町の顧客らから遠ざけ、時間を稼いで、ほとぼりを冷まそうとしたに違いありません。しかし、元支店長は、毎日、安中市原市の事務本部の人事部付として隔離されている状態に我慢が出来ず、「こんなところは早くやめるに限る」という気持ちが募っていたことでしょう。
しかし、県信が、いろいろ調査をしたところ、沢山の顧客らからクレームが相次いでいたことから、この事件の真相を調べれば調べるほど、組織ぐるみではないか、という疑問を世間に知られることを心配して、あれこれ対応策を練っていた可能性があります。
だから、元支店長から辞表が出されたので、5月31日付で退職させるかどうか躊躇したかもしれません。通常であれば、直ぐに懲戒解雇にすべきところでしょうが、このネコババ事件をはじめ、県信の組織自体の欠点や不祥事の事例についても熟知している元支店長から辞表を出された県信は、5月31日付で依願退職にしたのでした。
【疑問その4】なぜ、県信は元支店長に退職金を支払ったのか?
この点について、産経新聞は、元支店長は「退職金などで被害金額を弁済した」と報じています。つまり、警察に被害届を出して、刑事事件として捜査されるよりは、一旦、元支店長に依願退職という形で辞めてもらい、退職金を支払うことで、顧客への損害を弁償させたうえで、民事でそれを取り戻そうとしたのだと思われます。そうすれば、横領や背任などの容疑で、たとえ県信が組織ぐるみの違法不当な体質であっても、刑事事件として警察の捜査を受けたり、立件されたりせずに済むため、都合の悪い証拠を提出する義務はなく、真相をもみ消しすることができるからです。
民事では、元支店長を相手に裁判することになりますが、民事事件としてなら、密室で顧問弁護士と裁判所とで、関係者の間でナアナアに事を処理することができます。
【疑問その5】なぜ、県信は、元支店長の行為を横領だと認めて、警察に被害届や告訴状をだそうとしないのか?
これは、1995年5月18日に安中市土地開発公社を舞台に発覚した51億円巨額詐欺横領事件、通称タゴ51億円事件のように、警察の家宅捜査を受けて、証拠書類を押収されると、今回の不祥事件のみならず、他にも隠れた都合の悪い事件に関連する資料を警察の目に触れさせる恐れがあるため、群馬銀行の元支店長として針のむしろを味わった松井誠理事長にとっては、悪夢の再来となるため、絶対に回避しなければなりません。
タゴ51億円事件では、幸い、超大物政治家の威光により、タゴ一人だけの仕業として、処理してもらったため、安堵できましたが、松井理事長としては、2度とあのような目に遭うのはコリゴリのはずです。
しかし、それではコンプライアンスやガバナンスの観点から、顧客の信頼は到底得られません。早急に、刑事事件として告訴するよう、当会としても県信やそれを統括する全国組織、そして金融庁に対して働きかけを行うつもりです。
■ちなみにこの不祥事件では、その後、11月17日付の上毛新聞が次のように報じています。
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2000万着服支店長に退職金返還求める 県信組損賠請求で地裁高崎支部弁論
群馬県信用組合(安中市原市)の支店長だったもと男性職員(47)が顧客から預かった現金約2千万円を着服していた問題で、虚偽の申告をして退職金を受け取ったとして、組合が男性らに対して退職金相当額約1130万円の損害賠償を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が11月16日までに、前橋地裁高崎支部(間部泰裁判官)であった。被告の男性側は請求棄却を求める答弁書を提出し、全面的に争う構えを示した。
訴状によると、男性は今年5月、顧客から借金したとして就業規則違反で依願退職した。「ほかの個人的貸し付けや借り入れ、預金の横領は一切ない」とする年初を提出して退職金を受け取ったが、その後の内部調査で別の顧客から預かった現金を着服していたことが分かった。
組合側は、男性の一連の行為は懲戒解雇事由に該当し、払う必要のない退職金を虚偽の申告によって支給させたとして、男性の不法行為を主張している。
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この裁判が茶番なのか、それともガチンコなのかは、そのうちハッキリするでしょう。なお、上記の疑問について、いずれ監督の立場にある組織や官庁に確認することも検討中です、
【群馬県信用組合元支店長現金ネコババ事件被害者の会】