■現在、安中市の東南部の丘陵地帯約137ヘクタールの広大な山林を伐採し、造成して関東で最大クラスのメガソーラー開発事業計画の手続が、現在群馬県と安中市で行われています。その手続きの最終段階にあたる4回目の地元説明会が、水境の第6区公会堂において、地元岩野谷6区と7区の住民を対象として行われました。それ以外の岩野谷地区の住民には全く連絡が来ませんでしたが、地元に住む住民の方からの事前通報で7月25日(月)午後7時から開催されるという情報提供があり急遽参加しました。
↑中国資本の代理人ら。なぜか「顔を撮るな」と主張、よほど後ろめたいらしい。↑
↑受付の様子。ここで来場順に連続番号が振られる。↑
会場に着くと、受付の名簿には来訪者順に番号が付けられており、筆者の番号は「12」でした。受付では、参考資料として昨年11月と今年5月の説明会で使われた資料と同じものが配られました。
↑平成27年11月16日付の配布資料。前回、前々回の配布資料と同じ内容。いかにこの説明会がおざなりかが判る。↑
※PDF ⇒ 20160725zzpdf.pdf
■午後7時に説明会が開催され、事業者の代理人と称する㈱ザイマックス・アセット・コンサルティングの担当者の工藤氏が司会兼説明者として、また、㈱オオバの鈴木氏、松本氏、野口氏の3名が説明者として前に並びました。
そして、今回は、地元地区の班長らによる要望書で「市職員の立ち合いを求める」と明記されていたこともあって、安中市から4名(安中市市民部長・吉田氏、農林課課長・佐藤氏、環境政策課課長・堀米氏、同係長・須藤氏)が同席している、として、司会からの紹介がありました。また、地元岩野谷地区出身の市議会議員・高橋氏が出席していることも、司会から告げられました。
↑参加した安中市職員ら4名。↑
会場には、安中市職員や市議を含め、約30名が詰めかけましたが、大谷地区からも数名参加していました。また、下流の岩井地区からも何名か参加しており、その中に、前回市長選で茂木市長をバックアップした市民団体の代表の姿も見られました。
■説明会の冒頭に、地元の第6区区長の須藤氏から次のような挨拶がありました。
「皆さんこんばんは。お忙しいなかご苦労さんです。今日は4回目の、5区に対しては4回目の説明会ということで集まっていただいた、今日はあくまで6区の説明会ということでご承知おき願いたい。前回5月28日の説明会で説明したことに対してもう一度説明会を開いてほしいという要望が市の方にあり、市の方からも要望があり、今日の開催になっている。よろしくご審議願いたい」
続いて、司会から約20分にわたり、前回と同じ説明会での配布資料をベースに本事業の概要と、前回読み上げただけの協定書についての説明がありました。協定書の配布については、受付番号と同じ番号が記載されている協定書のコピーが、当該番号の参加者に対して配布されました。
そして司会から、蛇足のように「まだ案文の段階なので口頭で説明させて頂きたい。そして、きょう配布する資料はあくまでも案文なので、この会が終了したら、あらためて回収させていただきたい」とする発言があり、参加者から「あいかわらずの秘密体質だ」という批判の声があがりました。
そして司会が「本日あらためて出席している者もいるということで、再度前回の協定書案を説明する」として、20分の間、前回と同じ協定書について、説明を再度繰り返しました。
■続いて、今度は修正後の協定書が一時配布されました。修正前の協定書と同様に、受付番号順に参加者に、同じ番号が印刷された協定書のコピーが配布されました。
↑今回、一時配布した修正後の協定書案。↑
※PDF ⇒ 20160725zzpdf.pdf
修正箇所は、前回の説明会で指摘された除草剤の不使用や、事業終了時に第三者への譲渡はサンパイ事業者などにはしないこと、などが盛り込まれ、条項や文字の数も前回の協定書案に比べて1.5倍くらいになりました。しかも、司会曰く「協定書の案文作成には、安中市に協力をいただいた」というのです。
これを聞いた筆者は、「第4回説明会というのは何のことはない。林地開発許可申請でもっとも事業者にとってネックとなる地元との協定書の締結に向けて、すでに安中市と地ならしが済んでおり、今回の説明会が住民への説明という形式的なイベントをクリアするだけのセレモニーに過ぎないことが分かりました。
参考までに、修正後の協定書の全文を次に示しました。
**********PDF ⇒ 20160725zzpdf.pdf
協定書
群馬県安中市大谷・野殿地区における太陽光発電事業(以下「本事業」という。)について、安中市、岩野谷地区第6区及び第7区住民(以下「地区住民」という。なお、地区住民を代表して「岩野谷地区第6区及び第7区区長」が押印するものとする。)及び安中ソーラー合同会社(以下「事業者」という。)は、次の条項において合意したので、この協定書(以下「本協定書」という。)を締結し、誠実にこれを履行するものとする。
(本事業の概要)
第1条 事業者は、次の施設(以下「本発電施設」という。)の建設工事、通常管理を行う。
(1)施設名 安中市太陽光発電所
(2)事業地 群馬県安中市大谷・野殿地区において事業者が所有権又は利用権を有する土地(以下「本事業地」という。)
安中市大谷字二ノ谷1331-2及び野殿字境ノ入3328-2ほか
(3)施設面積 約137ha
(法令遵守)
第2条 事業者は、本事業の推進並びに本発電施設の工事施工及び運営管理について、法令を遵守し、必要な群馬県及び安中市の許認可を取得するものとする。
2 事業者は、本発電施設の設置及び管理にあたり、太陽光パネルの反射光による光害、本発電施設の設置による日影、電波障害の未然防止に努め、周辺地域に配慮するとともに関係法令を遵守しなければならない。
3 本事業に関して、事業者と地区住民又は周辺地権者との間でトラブルが発生した場合は事業者が誠意をもって対応するものとする。
(地域貢献)
第3条 事業者は、本発電施設の工事請負及び管理について、市内の業者への発注等、地域振興に寄与するよう努めるものとする。
2 事業者は、本事業により、地域との交流及び地域の活性化又は災害時の緊急援助に努めるものとする。 【注:以上の文章は安中市の指導を得たのだという】
(ため池及び調整池)
第4条 事業者は、本事業にあたり、群馬県及び安中市の指導の下、ため池兼用調整池(以下「調整池」という。)を本事業地内に設置し管理する。
2 事業者は、調整池の管理の懈怠に起因した損害を地区住民に与えた場合は、地区住民に対して誠意を持って対応し、その損害を補償するものとする。
(農業用水の利用等)
第5条 調整池の水は、地区住民が農業用水として自由に使えるものとする。
2 地区住民は、調整池が防災機能を有する設備であることを十分に理解し、別途事業者が安中市及び地区住民と協議の上定める使用細則に則り、適切に調整池の利用及び日常管理をするものとする。【注:使用細則というのは事業者によれば、これから長年使われていくので管理方法に関する情報共有を図るために、これから定めるのだという】
3 安中市、地区住民及び事業者は、本事業地周辺の川や水路の清掃、整備及び補修等(以下「水路整備等」という。)について、別途協議を行うものとする。【注:これから協議をするのか、既に区長ら一部の関係者と協議済みなのか、住民からの質問に事業者は曖昧にしか答えなかった】
4 事業者は、前項に定める協議に基づき安中市及び地区住民と水路整備等の内容について合意した場合には、当該合意内容に従って、水路整備等を実施するものとする。
5 事業者は、本発電施設完成後における本事業費において、除草剤は使用してはならない。
(環境保全対策)
第6条 事業者は本発電施設の工事施工及び稼働に起因して発生する公害又は災害を防止し、地域の環境を保全するため、次に掲げる事項を遵守するものとする。
(1)騒音及び振動等について各種適用法令を遵守して、本発電施設の工事施工及び運営管理を行うこと。
(2)本事業地からの排水により地区住民の住生活・農作業に悪影響を与えないよう、適用法令を遵守すること。
(3)本発電施設の工事施工及び稼働に起因して災害等が発生した場合は、安中市と協議し直ちに復旧にあたること。
(4)工事施工時間は、事務所内作業及び騒音の生じない軽作業並びに太陽光がある環境で行うことのできない夜間作業等を除き、原則月曜日から土曜日の午前8時から午後5時までとすること。また、大幅な作業時間の変更や長期的に日曜日に作業を実施する場合は、あらかじめ地区住民及び安中市に連絡すること。【注:「大幅な」とか「長期的に」など、抽象的な条件設定なので、なし崩しになることは必至】
(5)本発電施設の工事を委託する企業(下請負業者を含む。以下「建設会社」という。)に対して、工事車両の通行に関する十分な安全対策を講じ、道路等に廃棄物や土砂等が飛散し、又は流出しないように適正な管理又は指示等を行うこと。
(6)建設工事の通勤車両及び工事車両が通学路になっている道路を通行するときは、できる限り通学時間を避けるなど交通安全に配慮させ、本発電施設の工事施工期間中は、県道吉井安中線(県道171号線)から市道岩608号線(天白農道)へ入る箇所、県道前橋安中富岡線(県道10号線)から白石自動車鈑金塗装工場前を通る道に入る箇所は、朝夕の関係車両が多い時間帯において交通誘導員を配置すること。セブンイレブン安中岩井店付近の県道前橋安中富岡線(県道10号線)の横断歩道、大谷入口信号付近の交差点においては、朝の学童通学時間帯において交通指導員を配置すること。また、県道吉井安中線(県道171号線)の大谷入口の交差点から市道岩608号線(天白農道)と県道吉井安中線(県道171号線)との交差点までの区間は、時間帯に限らず、本発電施設の工事施工期間中、工事車両を一切通行させないこと。【注:地元の人たちが最も心配していた富岡市の桑原地区から安中市の大谷地区に入るルートも工事車両等が使えるという表現であり、地元の意向である富岡市から高崎市奥平地区経由で大谷地区に入るルートは使ってほしくない、という条件がなし崩し的にされてしまっている】
(7)建設会社が道路を破損した場合は、建設会社の費用及び責任において必要な補修をさせること。
(8)本発電施設から排出される放流水の水質を安全に管理するとともに本発電施設の建設又は稼働を原因としてため池の水質の安全が損なわれないよう管理し、災害等により本発電施設に損害が発生し水質汚染の懸念が生じたときは水質検査を実施すること。【注:定期的に水質検査をするはずが、「災害等により施設に損害が発生し、水質汚染の懸念が生じた時」に限り水質検査をすることにすり替えられてしまっている】
(立入調査)
第7条 安中市は、必要があると認めるときは、事業者へ事前に通知し安全を確認した上で、設備管理者の立ち合いのもと、本事業地及び施設内に立ち入り、状況を調査し、又は事業者から報告を求めることができる。
2 地区住民は、本事業地内及び本発電施設の工事施工状況又は管理状況について、不安又は疑問が生じたときは、安中市に調査の依頼を求めることができる。この場合において、安中市は、前項の規定により状況を調査し、又は事業者から報告を求め、地区住民に回答するものとする。【注:地区住民から直接事業者にコンタクトする道を、事業者が自ら封じている。まして一般住民が事業者に物申すことは困難となっている。行政を通すことは一見、公平そうに見えるが、実は事業者にとって都合がよいからである】
(苦情処理等)
第8条 事業者は、本発電施設の工事施工及び稼働にあたって地区住民から苦情があった場合は、誠実に対応するものとする。
2 事業者は、前項の苦情処理対応について、その状況を速やかに安中市に報告するものとする。
(違反時の措置)
第9条 安中市は、事業者が本協定書に定める事項を遵守していないとき(以下「違反状態」という。)は、事業者に対して必要な措置を指示することができるものとし、事業者はこれに誠実に従い、違反状態を解消するものとする。【注:ここでも地区住民の声は反映されないようにしてある】
2 安中市は事業者が次に掲げる事由に該当した場合、事業者に対して書面により当該事由に該当した旨を通知し、当該事由又は状況が改善されるまでの間、本発電施設の操業停止を求めることができる。
(1)前項に規定する事業者の違反状態が重大であり、かつ前項に規定する安中市の指示にも関わらず事業者が違反状態を解消しないとき。【注:ここでも、前提条件付けとして「重大」とか「市の指示」などと、線引きの曖昧な表現が使われている】
(2)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)及び安中市暴力団排除条例(平成24年安中市条例第26号)の条項に違反したとき。
(3)その他重大な背信行為又は法令違反、若しくは公序良俗違反があると認められるとき。【注:ここでも、前提条件付けとして「重大」とか「公序良俗」などと、線引きの曖昧な表現が遣われている】
(事故時の措置等)
第10条 事業者は、本発電施設の工事施工及び稼働に起因する公害若しくは災害が発生したとき、又はこれらが発生するおそれがある事故が生じたときは、直ちに応急の措置を講ずるとともに、その状況を安中市に報告するものとする。【注:事業者の自主申告・判断に委ねているため、この条項は意味をなさない】
2 事業者は、前項の公害、災害又は事故により地区住民に被害を与えたときは、補償その他の法的義務を履行するとともに、その状況を速やかに安中市に報告するものとする。【注:同上】
(希少動植物の保護)
第11条 事業者は、本事業地内に生息する希少動植物の保護のため、本事業地において、群馬県及び安中市の指導に基づく合理的な対策を講ずるものとする。【注:「合理的な」という言葉で、対策義務を曖昧にして緩和しようとしている】
(有害獣の対応)
第12条 事業者は、本発電施設の工事着手前後の適切な時期に、本事業地内に生息する有害獣が他の地域へ被害を及ぼすことのないように、地区住民と協議し適切に対応する。【注:具体的な対策を示しておらず、この条項も意味がない。この件では地元住民らから痛烈な質問が出されたが、事業者は曖昧な回答に終始した】
(事業終了時)
第13条 事業者は、本事業の終了後に本発電施設を適用法令に基づき適切に撤去するために年次計画を立て撤去費を積み立てるものとする。また、事業者が本事業地を第三者へ譲渡する場合であっても、本項に基づく事業者の義務は、次条に従い譲受人に承継されるものとする。【注:撤去費や積立計画など具体的な内容は示されていないので、この条項は意味をなさない】
2 事業者は、本事業の終了後に本事業地を第三者へ譲渡する場合には、事前に安中市及び地区住民と協議を行うものとする。この場合、産業廃棄物処分場等の本事業地及び周辺地域において重大な環境破壊のおそれのある事業を営む予定の者に本事業地を譲渡してはならない。
(権利及び義務の承継)
第14条 事業者は、本事業を第三者に譲渡する場合は、本協定書に定める内容を譲受人に対して、承継させ遵守させるものとし、安中市及び地区住民はかかる承継に同意し協力するものとする。
(連絡先)
第15条 本協定書の当事者に対する通知その他の連絡先は、本協定書締結日時点では以下のとおりであり、本協定書に関する連絡は以下記載の連絡先を通して行うものとする。安中市、地区住民又は事業者の連絡先が変更になった場合、当該変更のあった当事者は、本協定書の他の事業者に対して速やかに書面にて通知するものとする。
安 中 市:
地区住民:
事 業 者:
(連絡先について安中市・地区住民に別途通知)
(協議事項)
第16条 本協定書に定める事項において疑義が生じた場合及び本協定書に記載のない事項において意見の相違が発生した場合は、安中市、地区住民及び事業者がそれぞれ誠意をもって協議の上、解決に当たるものとする。
本協定書に基づく協定の成立を証するため、本協定書を4通作成し、当事者が記名押印の上、各1通を保有するものとする。
平成 年 月 日
安 中 市:
地域住民:
事 業 者:
**********
■そして、修正後の協定書の説明も20分ほどで終了すると、司会は「説明は以上。これからちょっと質疑応答となる」と言って、参加者からの質問に答える時間となりました。
司会が「発言するときは挙手の上、名前と住んでいる地元の地区番号を言うこと」というので、さっそく筆者が大きく手を挙げましたが、なぜか司会は全く筆者を指名しようとせずに、7区の大谷地区から出席した住民を指名しました。結局、一番最後の段階になるまで、筆者を指名することはありませんでした。
最初の質問は、有害鳥獣について、主にイノシシだが、工事の始まる前に動物から全て工事地域から出てしまう。工事着手でどんどん出始める。それから捕獲するというのは誤りだ。始まる前にしっかり捕獲して、それで捕りきれない場合は工事着手後に捕るということにしないと、ほとんど周辺に出てきてしまう。この点についてどう考えているのか」というものでした。
今や、メガソーラー設置予定地の山林には、村の人口よりも多い約2,000頭のイノシシが存在しており、いきなり工事に着手したら、これらのイノシシたちが山から里に出てきてしまい、大変な事態になることが容易に想像できます。
ところが事業者の代理人らは、予定地の山林に一体何頭のイノシシが生息しているのか、分からないというのです。これでは話になりません。環境アセスメントをきちんと実施しないと、大規模な造成工事による生物環境や、生活環境、それに気象環境や水環境など自然環境への影響について語る資格さえないからです。
しかし、事業者の代理人らは、狩猟法の順守に努めるなどと意味不明の釈明を繰り返すだけで、仕舞いには「地元区長に相談している」「既に成果が上がっており、18頭のイノシシを捕った」などと言って、勝手に結論付けてしまう始末です。この18頭の根拠について、参加者から疑問が提示されたところ、日刊スポーツの地元駐在人から「間違いないのではないか」などという曖昧な回答しかありませんでした。
さらに事業者代理人のザイマックス担当者は「地元対応。狩猟法により基幹的に制限があり、私どもの意見や都合だけでやっていいのかどうか。可能な限り減らしてもらいたいという要望があったということを記載しただけのこと」と言う始末。地元の意見としては、「有害獣が外に出ないように工事予定地の周辺を電柵で囲ってほしい」というものでしたが、結局、この件で事業者代理人からは何の具体策も示されずに、次の話題に移ってしまいました。
■その後、今度は別の参加住民から、第5条の3項について「安中市、地区住民及び事業者は、本事業地周辺の川や水路の清掃、整備及び補修等について、別途協議を行うものとする、とあるが、この別途協議というのは、協定書の締結の前にするのか、それとも後か?」と質問がありました。事業者代理人からは「本来的に許認可の指導を得た箇所なので、そのことは適切に対応させて頂きたい」などと、意味不明の回答がありました。
参加住民からは、「だから、事前に県との話の結果、河川の整備の結果について、まだ聞いていないが、別途協議というのは締結前にするのかどうか?」と重ねて質問が出ました。すると、事業者代理人からは「協議必要だと(住民が)心配している箇所では住民代表の立場として区長と現場を歩いて話しをしている」と、これまた訳のわからない回答がありました。
そのため、参加住民は「どこを歩いたのかはともかく、歩いた地域で日刊がこれまで放置して不具合になったままの個所の整備をしたのか?」とさらに確認を求めると、事業者代理人からは「治水の話なのか工事の話なのか、どっちなのか?」と逆に住民に詰め寄り、話をはぐらかそうとしました。
このように、事業者代理人からは、二言目には「既に区長に相談しているから・・」「区長の力を借りて・・」などと、区長との癒着を強調する発言が目につきました。区長の態度も、随分と中国資本の事業者代理人の側に立った発言や対応が目立ちました。
■最後になって、事業者代理人であるザイマックスの担当が、「これで質問も終わったようだから、時間ですので」と言い始めたので、当会から「最初に手を挙げたのに指名してくれないので、最後にいくつか質問させてほしい」と挙手をして氏名を名乗り、次の意見と質問を行いました。
意見としては、次のような内容を指摘しました。
「中国資本に日本国の首都圏にある広大な水源地帯の森林を売却するのは国家安全保障上、極めて重大な疑念があるので、現在の土地所有者の日刊スポーツは、この土地を保有し続けること」
「賃貸借でもよい」
「どうしても売却するというのであれば、せめてIHIエアロスペース側500m以内は売却せずに保有し続けること」
「事業者の代理人であるザイマックスは、二言目には法令遵守というが、既に国土法違反行為を犯しているではないか。そのような法人が、いくら法令遵守を強調しても、全く信用ならない」
「そもそも、中国資本を仲介する香港在住のリュー・シャオ・フィという御仁は、アジア・パシフィック・ランド・リミテッドというタックスヘイブンの英領バージン諸島に登記されている会社であり、パナマ文書にも出てくるような会社が裏で手をひく今回の事業は極めて信用ならないものであり、日本の国家、国土、国民のために行政はきちんと正しい判断を行わなければならない」
「当会として個人的な立場で言えば、周囲をソーラーパネルで囲まれる山林を保有する地権者がなぜ隣接地権者として見なされないのか、その理由はなにか」
「しかも、周囲をソーラーパネルで囲まれるというのに、光害がないと言い切れる根拠をいまだに示さないが、いつ示してくれるか」
■こうした質問をしましたが、事業者代理人は何一つ答えようとしません。また、第4回説明会に参加した安中市幹部職員ら4名からは、何一つ発言がありませんでした。
そのため、当会は次の質問状を安中ソーラー合同会社あてに提出しました。しかし、安中ソーラー合同会社の代表社員や職務執行者は誰も出席していなかったため、事業者代理人のザイマックス・アセット・コンサルティングの担当者に渡さざるを得ませんでした。
**********
2016年7月25日
安中ソーラー合同会社殿
安中市野殿980
小 川 賢
質問状
1.質問者が保有している山林は、周囲を事業計画地で囲まれていますが、貴社が隣接地権者として質問者を見なしていない理由を、わかりやすく具体的にご教示願います。
2.前回の地元説明会で、ため池兼用調整池の水質チェックについて、農繁期に測定してほしいという要望があったが、どのように考えているのでしょうか。
3.前回の地元説明会で、除草対策について、環境に悪影響を及ぼす除草剤は使用しないとして、除草剤の仕様に含みを持たせていましたが、どのような対策を講じるのでしょうか?
4.前回の地元説明会で、事業完了後の用地転売の場合を否定していませんが、産業廃棄物の中間・最終処分業者への転売も時と場合によってはやむを得ないというふうな含みを持たせていましたが、どのような方針に決定したのでしょうか?
5.安中ソーラー合同会社について、次の質問があります。
貴合同会社は、別の合同会社によって設立されているため、非常に存在感が希薄となっています。ついては次の項目について明らかにしてください。
5-1
安中ソーラー合同会社の本店は東京都港区赤坂二丁目10番5号税理士法人赤坂国際会計事務所内にあり、代表者として、代表社員であるグレート・ディスカバリー・ホールディングス・エルエルシー(GDH)という同号会社で、その職務執行者の山崎亮雄という理解でよいか?それとも、おなじくGDHの職務執行者のリュー・シャオ・フィなのか?なぜ複数名の職務執行者が登記されているのか?
5-2
安中ソーラー合同会社の社員構成はどうなっているのか?安中ソーラー合同会社としての社員構成として、業務執行社員であるGDHの職務執行者の山崎亮雄が「社員1」、同じく業務執行社員であるGDHの職務執行者のリュー・シャオ・フィが「社員2」という認識でよいのか?この場合、代表社員が2名存在することになり、どちらに権限があるのか?それぞれの役割分担、責任分担は何か?
5-3
この安中ソーラー合同会社の持分会社の業務執行社員はGDHとなっている。この場合、GDHは法人であることから会社法598条第1項により、当該法人は職務執行者を選任しなければならない。ところが代表社員のGDHは職務執行者として東京都目黒区東山一丁目20番19号の山崎亮雄と、中国香港特別行政区九龍大角咀ホイファイロード18ワン・シルバー・シーBlock7Floor21RoomBのリュー・シャオ・フィの2名を選任している。この決定をしたGDHの代表者=代表社員と職務執行者はいったい誰か?
5-4
安中ソーラー合同会社の持ち分会社であるGDHが行う行為については、当該持ち分会社であるGDHの業務執行にかかるものとしては、全て職務執行者が行うことになると考えられる。その認識で間違いないか?
5-5
この場合、GDHでは職務執行者が複数名存在することから、安中ソーラー合同会社の業務に係る決定は業務執行社員であるGDHの職務執行者全員が決定しなければならないと考える。その認識で間違いないか?
5-6
この観点から、協定書への安中ソーラー合同会社の押印者がなぜ職務執行者1名だけでよいのか?その根拠を示してほしい。
6 国土法違反の経緯と理由を詳しく説明して下さい。
以上
**********
■この写しは、安中市農林課の佐藤課長にも手渡しました。しかし、安中ソーラー合同会社からは、現時点で何も回答がありません。
情報によると、長年、ゴルフ場計画当時から日刊スポーツに雇用されていた地元の元・全日本ウェルター級王者だったかたも7月末で日刊スポーツを解雇されて、8月1日付で安中ソーラー合同会社に再雇用されたそうです。
第4回説明会の時に安中市の担当者に「既に意見書は群馬県に上げたのか?」と訊ねたところ、「今のところまだだ」との回答でした。どうやら、第4回目の地元説明会の開催をもって、地元への説明は尽くされたとみなし、安中市は意見書を群馬県に上げる可能性が高くなったとみる向きがあります。
第4回説明会には、安中市長のバックアップをしている市民団体の代表者の姿も見られました。イノシシ対策についての質問も出ましたが、説明会後、しきりに「これが最後の説明会になる。完全に形式的なセレモニーで、業者は誠意をもって説明する態度にかけており、薄ら笑いさえ浮かべていた」と感想を漏らしていました。これが本当だとすると、茂木英子・安中市長は中国資本によって、安中市の面積(276.3平方キロ)の0.5%が中国資本に占領されることを容認していることになります。
このように中国資本による首都圏の水源地の買収計画は、着々と進んでいるようです。今のところ、国や県、市ではこれを阻止する動きは見られません。当会では引き続き、この売国土事業に対して、反対のアピールを継続してゆく所存です。
↑説明会後地元区長と何やら密談をする事業者代理人のザイマックスと事業者から労いの言葉をかけられる安中市職員。↑
【ひらく会情報部】
↑中国資本の代理人ら。なぜか「顔を撮るな」と主張、よほど後ろめたいらしい。↑
↑受付の様子。ここで来場順に連続番号が振られる。↑
会場に着くと、受付の名簿には来訪者順に番号が付けられており、筆者の番号は「12」でした。受付では、参考資料として昨年11月と今年5月の説明会で使われた資料と同じものが配られました。
↑平成27年11月16日付の配布資料。前回、前々回の配布資料と同じ内容。いかにこの説明会がおざなりかが判る。↑
※PDF ⇒ 20160725zzpdf.pdf
■午後7時に説明会が開催され、事業者の代理人と称する㈱ザイマックス・アセット・コンサルティングの担当者の工藤氏が司会兼説明者として、また、㈱オオバの鈴木氏、松本氏、野口氏の3名が説明者として前に並びました。
そして、今回は、地元地区の班長らによる要望書で「市職員の立ち合いを求める」と明記されていたこともあって、安中市から4名(安中市市民部長・吉田氏、農林課課長・佐藤氏、環境政策課課長・堀米氏、同係長・須藤氏)が同席している、として、司会からの紹介がありました。また、地元岩野谷地区出身の市議会議員・高橋氏が出席していることも、司会から告げられました。
↑参加した安中市職員ら4名。↑
会場には、安中市職員や市議を含め、約30名が詰めかけましたが、大谷地区からも数名参加していました。また、下流の岩井地区からも何名か参加しており、その中に、前回市長選で茂木市長をバックアップした市民団体の代表の姿も見られました。
■説明会の冒頭に、地元の第6区区長の須藤氏から次のような挨拶がありました。
「皆さんこんばんは。お忙しいなかご苦労さんです。今日は4回目の、5区に対しては4回目の説明会ということで集まっていただいた、今日はあくまで6区の説明会ということでご承知おき願いたい。前回5月28日の説明会で説明したことに対してもう一度説明会を開いてほしいという要望が市の方にあり、市の方からも要望があり、今日の開催になっている。よろしくご審議願いたい」
続いて、司会から約20分にわたり、前回と同じ説明会での配布資料をベースに本事業の概要と、前回読み上げただけの協定書についての説明がありました。協定書の配布については、受付番号と同じ番号が記載されている協定書のコピーが、当該番号の参加者に対して配布されました。
そして司会から、蛇足のように「まだ案文の段階なので口頭で説明させて頂きたい。そして、きょう配布する資料はあくまでも案文なので、この会が終了したら、あらためて回収させていただきたい」とする発言があり、参加者から「あいかわらずの秘密体質だ」という批判の声があがりました。
そして司会が「本日あらためて出席している者もいるということで、再度前回の協定書案を説明する」として、20分の間、前回と同じ協定書について、説明を再度繰り返しました。
■続いて、今度は修正後の協定書が一時配布されました。修正前の協定書と同様に、受付番号順に参加者に、同じ番号が印刷された協定書のコピーが配布されました。
↑今回、一時配布した修正後の協定書案。↑
※PDF ⇒ 20160725zzpdf.pdf
修正箇所は、前回の説明会で指摘された除草剤の不使用や、事業終了時に第三者への譲渡はサンパイ事業者などにはしないこと、などが盛り込まれ、条項や文字の数も前回の協定書案に比べて1.5倍くらいになりました。しかも、司会曰く「協定書の案文作成には、安中市に協力をいただいた」というのです。
これを聞いた筆者は、「第4回説明会というのは何のことはない。林地開発許可申請でもっとも事業者にとってネックとなる地元との協定書の締結に向けて、すでに安中市と地ならしが済んでおり、今回の説明会が住民への説明という形式的なイベントをクリアするだけのセレモニーに過ぎないことが分かりました。
参考までに、修正後の協定書の全文を次に示しました。
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協定書
群馬県安中市大谷・野殿地区における太陽光発電事業(以下「本事業」という。)について、安中市、岩野谷地区第6区及び第7区住民(以下「地区住民」という。なお、地区住民を代表して「岩野谷地区第6区及び第7区区長」が押印するものとする。)及び安中ソーラー合同会社(以下「事業者」という。)は、次の条項において合意したので、この協定書(以下「本協定書」という。)を締結し、誠実にこれを履行するものとする。
(本事業の概要)
第1条 事業者は、次の施設(以下「本発電施設」という。)の建設工事、通常管理を行う。
(1)施設名 安中市太陽光発電所
(2)事業地 群馬県安中市大谷・野殿地区において事業者が所有権又は利用権を有する土地(以下「本事業地」という。)
安中市大谷字二ノ谷1331-2及び野殿字境ノ入3328-2ほか
(3)施設面積 約137ha
(法令遵守)
第2条 事業者は、本事業の推進並びに本発電施設の工事施工及び運営管理について、法令を遵守し、必要な群馬県及び安中市の許認可を取得するものとする。
2 事業者は、本発電施設の設置及び管理にあたり、太陽光パネルの反射光による光害、本発電施設の設置による日影、電波障害の未然防止に努め、周辺地域に配慮するとともに関係法令を遵守しなければならない。
3 本事業に関して、事業者と地区住民又は周辺地権者との間でトラブルが発生した場合は事業者が誠意をもって対応するものとする。
(地域貢献)
第3条 事業者は、本発電施設の工事請負及び管理について、市内の業者への発注等、地域振興に寄与するよう努めるものとする。
2 事業者は、本事業により、地域との交流及び地域の活性化又は災害時の緊急援助に努めるものとする。 【注:以上の文章は安中市の指導を得たのだという】
(ため池及び調整池)
第4条 事業者は、本事業にあたり、群馬県及び安中市の指導の下、ため池兼用調整池(以下「調整池」という。)を本事業地内に設置し管理する。
2 事業者は、調整池の管理の懈怠に起因した損害を地区住民に与えた場合は、地区住民に対して誠意を持って対応し、その損害を補償するものとする。
(農業用水の利用等)
第5条 調整池の水は、地区住民が農業用水として自由に使えるものとする。
2 地区住民は、調整池が防災機能を有する設備であることを十分に理解し、別途事業者が安中市及び地区住民と協議の上定める使用細則に則り、適切に調整池の利用及び日常管理をするものとする。【注:使用細則というのは事業者によれば、これから長年使われていくので管理方法に関する情報共有を図るために、これから定めるのだという】
3 安中市、地区住民及び事業者は、本事業地周辺の川や水路の清掃、整備及び補修等(以下「水路整備等」という。)について、別途協議を行うものとする。【注:これから協議をするのか、既に区長ら一部の関係者と協議済みなのか、住民からの質問に事業者は曖昧にしか答えなかった】
4 事業者は、前項に定める協議に基づき安中市及び地区住民と水路整備等の内容について合意した場合には、当該合意内容に従って、水路整備等を実施するものとする。
5 事業者は、本発電施設完成後における本事業費において、除草剤は使用してはならない。
(環境保全対策)
第6条 事業者は本発電施設の工事施工及び稼働に起因して発生する公害又は災害を防止し、地域の環境を保全するため、次に掲げる事項を遵守するものとする。
(1)騒音及び振動等について各種適用法令を遵守して、本発電施設の工事施工及び運営管理を行うこと。
(2)本事業地からの排水により地区住民の住生活・農作業に悪影響を与えないよう、適用法令を遵守すること。
(3)本発電施設の工事施工及び稼働に起因して災害等が発生した場合は、安中市と協議し直ちに復旧にあたること。
(4)工事施工時間は、事務所内作業及び騒音の生じない軽作業並びに太陽光がある環境で行うことのできない夜間作業等を除き、原則月曜日から土曜日の午前8時から午後5時までとすること。また、大幅な作業時間の変更や長期的に日曜日に作業を実施する場合は、あらかじめ地区住民及び安中市に連絡すること。【注:「大幅な」とか「長期的に」など、抽象的な条件設定なので、なし崩しになることは必至】
(5)本発電施設の工事を委託する企業(下請負業者を含む。以下「建設会社」という。)に対して、工事車両の通行に関する十分な安全対策を講じ、道路等に廃棄物や土砂等が飛散し、又は流出しないように適正な管理又は指示等を行うこと。
(6)建設工事の通勤車両及び工事車両が通学路になっている道路を通行するときは、できる限り通学時間を避けるなど交通安全に配慮させ、本発電施設の工事施工期間中は、県道吉井安中線(県道171号線)から市道岩608号線(天白農道)へ入る箇所、県道前橋安中富岡線(県道10号線)から白石自動車鈑金塗装工場前を通る道に入る箇所は、朝夕の関係車両が多い時間帯において交通誘導員を配置すること。セブンイレブン安中岩井店付近の県道前橋安中富岡線(県道10号線)の横断歩道、大谷入口信号付近の交差点においては、朝の学童通学時間帯において交通指導員を配置すること。また、県道吉井安中線(県道171号線)の大谷入口の交差点から市道岩608号線(天白農道)と県道吉井安中線(県道171号線)との交差点までの区間は、時間帯に限らず、本発電施設の工事施工期間中、工事車両を一切通行させないこと。【注:地元の人たちが最も心配していた富岡市の桑原地区から安中市の大谷地区に入るルートも工事車両等が使えるという表現であり、地元の意向である富岡市から高崎市奥平地区経由で大谷地区に入るルートは使ってほしくない、という条件がなし崩し的にされてしまっている】
(7)建設会社が道路を破損した場合は、建設会社の費用及び責任において必要な補修をさせること。
(8)本発電施設から排出される放流水の水質を安全に管理するとともに本発電施設の建設又は稼働を原因としてため池の水質の安全が損なわれないよう管理し、災害等により本発電施設に損害が発生し水質汚染の懸念が生じたときは水質検査を実施すること。【注:定期的に水質検査をするはずが、「災害等により施設に損害が発生し、水質汚染の懸念が生じた時」に限り水質検査をすることにすり替えられてしまっている】
(立入調査)
第7条 安中市は、必要があると認めるときは、事業者へ事前に通知し安全を確認した上で、設備管理者の立ち合いのもと、本事業地及び施設内に立ち入り、状況を調査し、又は事業者から報告を求めることができる。
2 地区住民は、本事業地内及び本発電施設の工事施工状況又は管理状況について、不安又は疑問が生じたときは、安中市に調査の依頼を求めることができる。この場合において、安中市は、前項の規定により状況を調査し、又は事業者から報告を求め、地区住民に回答するものとする。【注:地区住民から直接事業者にコンタクトする道を、事業者が自ら封じている。まして一般住民が事業者に物申すことは困難となっている。行政を通すことは一見、公平そうに見えるが、実は事業者にとって都合がよいからである】
(苦情処理等)
第8条 事業者は、本発電施設の工事施工及び稼働にあたって地区住民から苦情があった場合は、誠実に対応するものとする。
2 事業者は、前項の苦情処理対応について、その状況を速やかに安中市に報告するものとする。
(違反時の措置)
第9条 安中市は、事業者が本協定書に定める事項を遵守していないとき(以下「違反状態」という。)は、事業者に対して必要な措置を指示することができるものとし、事業者はこれに誠実に従い、違反状態を解消するものとする。【注:ここでも地区住民の声は反映されないようにしてある】
2 安中市は事業者が次に掲げる事由に該当した場合、事業者に対して書面により当該事由に該当した旨を通知し、当該事由又は状況が改善されるまでの間、本発電施設の操業停止を求めることができる。
(1)前項に規定する事業者の違反状態が重大であり、かつ前項に規定する安中市の指示にも関わらず事業者が違反状態を解消しないとき。【注:ここでも、前提条件付けとして「重大」とか「市の指示」などと、線引きの曖昧な表現が使われている】
(2)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)及び安中市暴力団排除条例(平成24年安中市条例第26号)の条項に違反したとき。
(3)その他重大な背信行為又は法令違反、若しくは公序良俗違反があると認められるとき。【注:ここでも、前提条件付けとして「重大」とか「公序良俗」などと、線引きの曖昧な表現が遣われている】
(事故時の措置等)
第10条 事業者は、本発電施設の工事施工及び稼働に起因する公害若しくは災害が発生したとき、又はこれらが発生するおそれがある事故が生じたときは、直ちに応急の措置を講ずるとともに、その状況を安中市に報告するものとする。【注:事業者の自主申告・判断に委ねているため、この条項は意味をなさない】
2 事業者は、前項の公害、災害又は事故により地区住民に被害を与えたときは、補償その他の法的義務を履行するとともに、その状況を速やかに安中市に報告するものとする。【注:同上】
(希少動植物の保護)
第11条 事業者は、本事業地内に生息する希少動植物の保護のため、本事業地において、群馬県及び安中市の指導に基づく合理的な対策を講ずるものとする。【注:「合理的な」という言葉で、対策義務を曖昧にして緩和しようとしている】
(有害獣の対応)
第12条 事業者は、本発電施設の工事着手前後の適切な時期に、本事業地内に生息する有害獣が他の地域へ被害を及ぼすことのないように、地区住民と協議し適切に対応する。【注:具体的な対策を示しておらず、この条項も意味がない。この件では地元住民らから痛烈な質問が出されたが、事業者は曖昧な回答に終始した】
(事業終了時)
第13条 事業者は、本事業の終了後に本発電施設を適用法令に基づき適切に撤去するために年次計画を立て撤去費を積み立てるものとする。また、事業者が本事業地を第三者へ譲渡する場合であっても、本項に基づく事業者の義務は、次条に従い譲受人に承継されるものとする。【注:撤去費や積立計画など具体的な内容は示されていないので、この条項は意味をなさない】
2 事業者は、本事業の終了後に本事業地を第三者へ譲渡する場合には、事前に安中市及び地区住民と協議を行うものとする。この場合、産業廃棄物処分場等の本事業地及び周辺地域において重大な環境破壊のおそれのある事業を営む予定の者に本事業地を譲渡してはならない。
(権利及び義務の承継)
第14条 事業者は、本事業を第三者に譲渡する場合は、本協定書に定める内容を譲受人に対して、承継させ遵守させるものとし、安中市及び地区住民はかかる承継に同意し協力するものとする。
(連絡先)
第15条 本協定書の当事者に対する通知その他の連絡先は、本協定書締結日時点では以下のとおりであり、本協定書に関する連絡は以下記載の連絡先を通して行うものとする。安中市、地区住民又は事業者の連絡先が変更になった場合、当該変更のあった当事者は、本協定書の他の事業者に対して速やかに書面にて通知するものとする。
安 中 市:
地区住民:
事 業 者:
(連絡先について安中市・地区住民に別途通知)
(協議事項)
第16条 本協定書に定める事項において疑義が生じた場合及び本協定書に記載のない事項において意見の相違が発生した場合は、安中市、地区住民及び事業者がそれぞれ誠意をもって協議の上、解決に当たるものとする。
本協定書に基づく協定の成立を証するため、本協定書を4通作成し、当事者が記名押印の上、各1通を保有するものとする。
平成 年 月 日
安 中 市:
地域住民:
事 業 者:
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■そして、修正後の協定書の説明も20分ほどで終了すると、司会は「説明は以上。これからちょっと質疑応答となる」と言って、参加者からの質問に答える時間となりました。
司会が「発言するときは挙手の上、名前と住んでいる地元の地区番号を言うこと」というので、さっそく筆者が大きく手を挙げましたが、なぜか司会は全く筆者を指名しようとせずに、7区の大谷地区から出席した住民を指名しました。結局、一番最後の段階になるまで、筆者を指名することはありませんでした。
最初の質問は、有害鳥獣について、主にイノシシだが、工事の始まる前に動物から全て工事地域から出てしまう。工事着手でどんどん出始める。それから捕獲するというのは誤りだ。始まる前にしっかり捕獲して、それで捕りきれない場合は工事着手後に捕るということにしないと、ほとんど周辺に出てきてしまう。この点についてどう考えているのか」というものでした。
今や、メガソーラー設置予定地の山林には、村の人口よりも多い約2,000頭のイノシシが存在しており、いきなり工事に着手したら、これらのイノシシたちが山から里に出てきてしまい、大変な事態になることが容易に想像できます。
ところが事業者の代理人らは、予定地の山林に一体何頭のイノシシが生息しているのか、分からないというのです。これでは話になりません。環境アセスメントをきちんと実施しないと、大規模な造成工事による生物環境や、生活環境、それに気象環境や水環境など自然環境への影響について語る資格さえないからです。
しかし、事業者の代理人らは、狩猟法の順守に努めるなどと意味不明の釈明を繰り返すだけで、仕舞いには「地元区長に相談している」「既に成果が上がっており、18頭のイノシシを捕った」などと言って、勝手に結論付けてしまう始末です。この18頭の根拠について、参加者から疑問が提示されたところ、日刊スポーツの地元駐在人から「間違いないのではないか」などという曖昧な回答しかありませんでした。
さらに事業者代理人のザイマックス担当者は「地元対応。狩猟法により基幹的に制限があり、私どもの意見や都合だけでやっていいのかどうか。可能な限り減らしてもらいたいという要望があったということを記載しただけのこと」と言う始末。地元の意見としては、「有害獣が外に出ないように工事予定地の周辺を電柵で囲ってほしい」というものでしたが、結局、この件で事業者代理人からは何の具体策も示されずに、次の話題に移ってしまいました。
■その後、今度は別の参加住民から、第5条の3項について「安中市、地区住民及び事業者は、本事業地周辺の川や水路の清掃、整備及び補修等について、別途協議を行うものとする、とあるが、この別途協議というのは、協定書の締結の前にするのか、それとも後か?」と質問がありました。事業者代理人からは「本来的に許認可の指導を得た箇所なので、そのことは適切に対応させて頂きたい」などと、意味不明の回答がありました。
参加住民からは、「だから、事前に県との話の結果、河川の整備の結果について、まだ聞いていないが、別途協議というのは締結前にするのかどうか?」と重ねて質問が出ました。すると、事業者代理人からは「協議必要だと(住民が)心配している箇所では住民代表の立場として区長と現場を歩いて話しをしている」と、これまた訳のわからない回答がありました。
そのため、参加住民は「どこを歩いたのかはともかく、歩いた地域で日刊がこれまで放置して不具合になったままの個所の整備をしたのか?」とさらに確認を求めると、事業者代理人からは「治水の話なのか工事の話なのか、どっちなのか?」と逆に住民に詰め寄り、話をはぐらかそうとしました。
このように、事業者代理人からは、二言目には「既に区長に相談しているから・・」「区長の力を借りて・・」などと、区長との癒着を強調する発言が目につきました。区長の態度も、随分と中国資本の事業者代理人の側に立った発言や対応が目立ちました。
■最後になって、事業者代理人であるザイマックスの担当が、「これで質問も終わったようだから、時間ですので」と言い始めたので、当会から「最初に手を挙げたのに指名してくれないので、最後にいくつか質問させてほしい」と挙手をして氏名を名乗り、次の意見と質問を行いました。
意見としては、次のような内容を指摘しました。
「中国資本に日本国の首都圏にある広大な水源地帯の森林を売却するのは国家安全保障上、極めて重大な疑念があるので、現在の土地所有者の日刊スポーツは、この土地を保有し続けること」
「賃貸借でもよい」
「どうしても売却するというのであれば、せめてIHIエアロスペース側500m以内は売却せずに保有し続けること」
「事業者の代理人であるザイマックスは、二言目には法令遵守というが、既に国土法違反行為を犯しているではないか。そのような法人が、いくら法令遵守を強調しても、全く信用ならない」
「そもそも、中国資本を仲介する香港在住のリュー・シャオ・フィという御仁は、アジア・パシフィック・ランド・リミテッドというタックスヘイブンの英領バージン諸島に登記されている会社であり、パナマ文書にも出てくるような会社が裏で手をひく今回の事業は極めて信用ならないものであり、日本の国家、国土、国民のために行政はきちんと正しい判断を行わなければならない」
「当会として個人的な立場で言えば、周囲をソーラーパネルで囲まれる山林を保有する地権者がなぜ隣接地権者として見なされないのか、その理由はなにか」
「しかも、周囲をソーラーパネルで囲まれるというのに、光害がないと言い切れる根拠をいまだに示さないが、いつ示してくれるか」
■こうした質問をしましたが、事業者代理人は何一つ答えようとしません。また、第4回説明会に参加した安中市幹部職員ら4名からは、何一つ発言がありませんでした。
そのため、当会は次の質問状を安中ソーラー合同会社あてに提出しました。しかし、安中ソーラー合同会社の代表社員や職務執行者は誰も出席していなかったため、事業者代理人のザイマックス・アセット・コンサルティングの担当者に渡さざるを得ませんでした。
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2016年7月25日
安中ソーラー合同会社殿
安中市野殿980
小 川 賢
質問状
1.質問者が保有している山林は、周囲を事業計画地で囲まれていますが、貴社が隣接地権者として質問者を見なしていない理由を、わかりやすく具体的にご教示願います。
2.前回の地元説明会で、ため池兼用調整池の水質チェックについて、農繁期に測定してほしいという要望があったが、どのように考えているのでしょうか。
3.前回の地元説明会で、除草対策について、環境に悪影響を及ぼす除草剤は使用しないとして、除草剤の仕様に含みを持たせていましたが、どのような対策を講じるのでしょうか?
4.前回の地元説明会で、事業完了後の用地転売の場合を否定していませんが、産業廃棄物の中間・最終処分業者への転売も時と場合によってはやむを得ないというふうな含みを持たせていましたが、どのような方針に決定したのでしょうか?
5.安中ソーラー合同会社について、次の質問があります。
貴合同会社は、別の合同会社によって設立されているため、非常に存在感が希薄となっています。ついては次の項目について明らかにしてください。
5-1
安中ソーラー合同会社の本店は東京都港区赤坂二丁目10番5号税理士法人赤坂国際会計事務所内にあり、代表者として、代表社員であるグレート・ディスカバリー・ホールディングス・エルエルシー(GDH)という同号会社で、その職務執行者の山崎亮雄という理解でよいか?それとも、おなじくGDHの職務執行者のリュー・シャオ・フィなのか?なぜ複数名の職務執行者が登記されているのか?
5-2
安中ソーラー合同会社の社員構成はどうなっているのか?安中ソーラー合同会社としての社員構成として、業務執行社員であるGDHの職務執行者の山崎亮雄が「社員1」、同じく業務執行社員であるGDHの職務執行者のリュー・シャオ・フィが「社員2」という認識でよいのか?この場合、代表社員が2名存在することになり、どちらに権限があるのか?それぞれの役割分担、責任分担は何か?
5-3
この安中ソーラー合同会社の持分会社の業務執行社員はGDHとなっている。この場合、GDHは法人であることから会社法598条第1項により、当該法人は職務執行者を選任しなければならない。ところが代表社員のGDHは職務執行者として東京都目黒区東山一丁目20番19号の山崎亮雄と、中国香港特別行政区九龍大角咀ホイファイロード18ワン・シルバー・シーBlock7Floor21RoomBのリュー・シャオ・フィの2名を選任している。この決定をしたGDHの代表者=代表社員と職務執行者はいったい誰か?
5-4
安中ソーラー合同会社の持ち分会社であるGDHが行う行為については、当該持ち分会社であるGDHの業務執行にかかるものとしては、全て職務執行者が行うことになると考えられる。その認識で間違いないか?
5-5
この場合、GDHでは職務執行者が複数名存在することから、安中ソーラー合同会社の業務に係る決定は業務執行社員であるGDHの職務執行者全員が決定しなければならないと考える。その認識で間違いないか?
5-6
この観点から、協定書への安中ソーラー合同会社の押印者がなぜ職務執行者1名だけでよいのか?その根拠を示してほしい。
6 国土法違反の経緯と理由を詳しく説明して下さい。
以上
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■この写しは、安中市農林課の佐藤課長にも手渡しました。しかし、安中ソーラー合同会社からは、現時点で何も回答がありません。
情報によると、長年、ゴルフ場計画当時から日刊スポーツに雇用されていた地元の元・全日本ウェルター級王者だったかたも7月末で日刊スポーツを解雇されて、8月1日付で安中ソーラー合同会社に再雇用されたそうです。
第4回説明会の時に安中市の担当者に「既に意見書は群馬県に上げたのか?」と訊ねたところ、「今のところまだだ」との回答でした。どうやら、第4回目の地元説明会の開催をもって、地元への説明は尽くされたとみなし、安中市は意見書を群馬県に上げる可能性が高くなったとみる向きがあります。
第4回説明会には、安中市長のバックアップをしている市民団体の代表者の姿も見られました。イノシシ対策についての質問も出ましたが、説明会後、しきりに「これが最後の説明会になる。完全に形式的なセレモニーで、業者は誠意をもって説明する態度にかけており、薄ら笑いさえ浮かべていた」と感想を漏らしていました。これが本当だとすると、茂木英子・安中市長は中国資本によって、安中市の面積(276.3平方キロ)の0.5%が中国資本に占領されることを容認していることになります。
このように中国資本による首都圏の水源地の買収計画は、着々と進んでいるようです。今のところ、国や県、市ではこれを阻止する動きは見られません。当会では引き続き、この売国土事業に対して、反対のアピールを継続してゆく所存です。
↑説明会後地元区長と何やら密談をする事業者代理人のザイマックスと事業者から労いの言葉をかけられる安中市職員。↑
【ひらく会情報部】
海外での体験がないから直ぐに信用するのでしょう。
「能無し公務員の首を切れない事が問題ですね」。
そういう人間の屑が何故か有能扱いになるのが今の安中市役所なんだろうね
だからヤクザや外国人が役所に乗り込むと、どんな申請でも絶対に通っちゃう