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1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

妻の公選法違反で連座制適用の南波元県議・・・200万円余の選挙公営費の返還を求め住民監査請求!

2019-12-24 23:45:00 | 政治とカネ
■公営選挙費用を使って2019年4月7日投開票の県議選に当選した自民党の南波和憲県議は、その後突然5月24日に辞職しました。以後約7カ月が経過しようとする12月18日に、南波和憲に対する連座制適用に基づく群馬県議選への立候補を今後5年禁止する判決が、東京高裁で言い渡されました。このため、当会は、昨日、群馬県監査委員に対して、群馬県選挙委員会が南波和憲のために支出した選挙公営費を本人から返還させるよう求める住民監査請求を郵送で提出しました。本日、群馬県監査委員事務局に電話で確認したところ、「当該請求書面は、本日昼過ぎに届いた」ことがわかりました。

 この判決は、2019年4月7日投開票の群馬県議選を巡り、公選法違反の罪で、南波建設㈱代表取締役で妻の南波久美子の有罪が確定した元群馬県議の南波和憲に対し、東京地検が連座制の適用を求めた請求事件で、東京高裁(近藤昌昭裁判長)が2019年12月18日、請求通り、群馬県議選への立候補を5年間禁止するというものです。

 報道によれば、南波和憲は弁論に出廷せず、争う意思を示しませんでした。

 同判決によると、南波和憲の妻の南波久美子は2019年4月9~10日ごろ、南波和憲の運動員9人に報酬として、1箱6千円相当のようかんを配ったり、うち8人には計80万円の現金を渡したりするなどしました。

 妻は6月21日に公選法違反(事後買収)の疑いで群馬県警から前橋地検に書類送検され、7月22日に在宅で起訴されたあと、9月6日、公選法違反(買収)の罪で、懲役1年、執行猶予4年(求刑懲役1年)を言い渡した9月6日前橋地裁の判決が確定しました。

 判決理由で国井恒志(こうし)裁判長は「選挙運動の謝礼として渡した和菓子や渡そうとした現金は高額で、相手方も9人と少なくない」と指摘し、「県議の妻としての経験と知識を踏まえれば誠に軽率で、民主主義の根幹である選挙の公正さを害する犯行」と非難しました。一方、南波氏が既に県議を辞職しているなどとして、刑の執行猶予が妥当と判断しました。

 南波和憲は2019年4月の群馬県議選で当選しましたが、その後5月23日に群馬県議会の狩野議長宛てに辞職願を提出し、自由民主党群馬県支部連合会(県連)の星野建市幹事長に辞職理由を記した書面を手渡しました。

 この書面で南波和憲は、「4月の県議選を巡って関係者が県警の取り調べを受けているため、「知事選や参院選を前に、県連に多大な迷惑を掛ける懸念がある」と説明していました。

 この事件に関する当会のブログ記事は次のとおりですので、ご参照ください。
○2019年7月24日:妻が公選法違反で起訴!・・・4.7県議選で南波前県議が血税で使った選挙公営費用158万円の落とし前
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2989.html
○2019年8月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・4.7県議選後5月に辞任の南波前県議の妻に求刑1年
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3008.html
○2019年9月23日:公選法違反で妻が起訴!・・・妻が執行猶予付き有罪判決を受けた南波元県議が一時県議会臨時議長に!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3034.html

■本日、群馬県監査委員事務局に簡易書留で届けられた住民監査請求書は次のとおりです。

*****住民監査請求書*****

            群馬県職員措置請求書

 群馬県選挙管理委員会に関する措置請求の要旨

1 請求の要旨
(1)請求の端緒となる事件
 2019年4月7日投開票の群馬県議選を巡り、公選法違反の罪で、南波建設㈱代表取締役で妻の南波久美子の有罪が確定した元群馬県議の南波和憲に対し、東京地裁が連座制の適用を求めた訴訟で、東京高裁(近藤昌昭裁判長)が2019年12月18日、請求通り、群馬県議選への立候補を5年間禁止する判決を言い渡しました。報道によれば、南波和憲は弁論に出廷せず、争う意思を示しませんでした。
同判決によると、南波和憲の妻の南波久美子は2019年4月9~10日ごろ、南波和憲の運動員9人に報酬として、1箱6千円相当のようかんを配ったり、うち8人には計80万円の現金を渡したりするなどしました。妻は6月21日に公選法違反(事後買収)の疑いで群馬県警から前橋地検に書類送検され、7月22日に在宅で起訴されたあと、9月6日、公選法違反(買収)の罪で、懲役1年、執行猶予4年(求刑懲役1年)を言い渡した9月6日前橋地裁の判決が確定しました。判決理由で国井恒志(こうし)裁判長は「選挙運動の謝礼として渡した和菓子や渡そうとした現金は高額で、相手方も9人と少なくない」と指摘し、「県議の妻としての経験と知識を踏まえれば誠に軽率で、民主主義の根幹である選挙の公正さを害する犯行」と非難しました。一方、南波氏が既に県議を辞職しているなどとして、刑の執行猶予が妥当と判断しました。
 南波和憲は2019年4月の群馬県議選で当選しましたが、その後5月23日に群馬県議会の狩野議長宛てに辞職願を提出し、自由民主党群馬県支部連合会(県連)の星野建市幹事長に辞職理由を記した書面を手渡しました。この書面で南波和憲は、「4月の県議選を巡って関係者が県警の取り調べを受けているため、「知事選や参院選を前に、県連に多大な迷惑を掛ける懸念がある」と説明していました。
(2)請求の対象となる執行機関又は職員
 群馬県選挙管理委員会。
(3)いつ、どのような財務会計上の行為をしたか(又はしなかったか)
 2019年4月7日執行の群馬県議会議員選挙において、南波和憲の親族の公選法違反(事後買収)が確定したにもかかわらず、南波和憲の選挙公営のために支出した公費の返還を南波和憲に求めようとしていません。
(4)違法又は不当である理由
 選挙違反で連座制の適用を受けた南波和憲の得票数は、当然にゼロとみなされることになります。よって、法定得票数に満たないため、選挙公営の適用外となります。ところが、群馬県選挙管理委員会は、返還請求の必要性を認めようとしておらず、法令順守の義務を放棄しています。
 そもそも、この公費負担制度は、供託物没収点以上の得票が得られた時にのみ受けることができるものですので、供託物没収点以上の得票を得られなかった場合は、選挙運動費用の全額が候補者の負担となります。
 今年4月の統一地方選の群馬県議選の選挙違反発覚により、もしかしたら、南波和憲本人から選挙公営費分の金額が群馬県選挙管理委員会に返還されているのかもしれないと思い、また、公選法違反で、親族が逮捕された場合、連座制適用で当然本人の選挙のために血税から支出された選挙公営費用は、群馬県として返還を求めるべきである、と考えて、請求者は2019年7月24日10時過ぎに群馬県選管の担当の清水氏に電話をしました。
 その結果、県選管は次の見解を請求者に示しました。
①公選法に、選挙違反の場合の選挙公営費の取り扱いについて、どこにも記載がない。
②法律に記載がないのだから、公営費を本人から返してもらう必要性が見当たらない。
ということで、カネのかからない選挙を実現するために血税から候補者に支出された選挙公営費を南波和憲から取り戻そうという考えは微塵もないことが明らかになりました。
 本来であれば、選挙違反を犯した候補は、供託金も没収されるべきだと請求者は考えますが、群馬県選管はなぜか、選挙公営費も気前よく、選挙違反者にくれたままで、なんら道義的責任も感じていません。
 これでは、有権者・納税者としてなっとくできないため、県選管の清水氏には、住民監査請求で、この理不尽な事件をきちんと精査する必要がある旨、請求者から同氏に伝えておきました。
 今回の住民監査請求は、そうした経緯に基づく措置です。
(5)結果として群馬県が被っている損害
 このため、請求者は、2019年4月7日執行の群馬県議会議員選挙の公費負担の詳細について、群馬県に開示請求をしました。その結果、「選挙運動用通常はがきの交付」を除く、①選挙運動用自動車の使用(燃料代)、②選挙運動用ポスターの使用、③選挙運動用ビラの作成について、情報が開示されました。(事実証明書1)
 その結果、公選法違反に疑惑が発覚したあと辞職した南波和憲はしっかり選挙公営費を受け取っていることが判明しました。なお、自動車使用料と燃料代は南波和憲自身や同族が関わる会社に支払われていました。
     **********集計値**********
     【候補者名:南波和憲】
     区分    支払額(円)   支払先     代表者
     自動車    137,700    ㈱八洲     南波 和憲
     燃料代     56,781    吾妻総業㈱   南波 将彦
     運転手    112,500    個人のため非開示
     ポスター  1,153,152    宮下印刷所   宮下 良夫
     ビラ     120,160    宮下印刷所   宮下 良夫
     ハガキ    496,000    8,000枚の選挙ハガキを発送
      合計   2,076,293
***********************
 このうち、選挙ハガキ(発送代)は他のものと同様公費負担となりますが、日本郵便が県選管に合計額で請求するため、県選管では候補者それぞれの枚数・金額は把握していないそうです。
 そのため請求者が「供託金を没収された候補者にもハガキ代金(発送)は選管が負担するのか」と質問したところ、「その通りです」との回答がありました。
 県議選では候補者1人につき上限8,000枚までのハガキ代金を県選管が負担します。ハガキが1枚62円でしたので、1人496,000円まで負担されることになります。
 なお、2019年4月の県議選で日本郵便へ支払われたハガキ代金総額は26,765,834円、枚数は431,707枚だそうです。この数字は何人がハガキを利用したかは全くわからないそうで、選管にはあくまでも合計額しか請求されないそうですが、請求者としてはそんなことは無いだろう」と考えています。
 上記の通り、南波和憲の選挙公営に係る支出を巡り群馬県には計207万6293円の損害が発生しています。
(6)監査委員に求める措置
 よって、監査委員におかれては、群馬県選挙管理委員会に対して、公選法違反(事後買収)による連座制が適用された南波和憲への選挙公営費207万6293円を南波和憲本人から返還させるなど、群馬県の被った損害を補填するための必要な措置をとるよう求めてください。

2 請求者
 ・住 所 〒379-0114安中市野殿980
 ・氏 名 小川賢 印 (自署押印)
 ・連絡先 090-5302-8312

 地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添えて、必要な措置を請求します。

令和元年12月23日 

 群馬県監査委員(あて)

=====別紙=====
            事実証明書

1 自動車の借入れ(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例第4条第2号イ)
ZIP ⇒ p2019041cicierj.zip
2 運転手の雇用(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例第4条第2号ハ)
ZIP ⇒ q2019042cicipj.zip
3 ポスター作成公営費(群馬県議会議員及び群馬県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例第7条)
ZIP ⇒ r2019043cicixerj.zip
**********

■筆者もかつて市長選に4回出馬したことがあります。残念ながら届きませんでしたが、最初の選挙で大勢の支援者が金品を持参するので驚きました。全部、会計責任者に任せきりでしたが、こんなに金品が飛び交わないと選挙はできないものなのだろうか、と自問自答しました。

 なにしろ、300万円を超える現金が集まり、費用としてそれらが右から左へ消えていくのです。また、清酒などは100セット(2本1セット)以上持ち込まれたため、選挙後支援者に持ち帰ってもらいましたが、それでも数十本の一升瓶入り清酒が残り、始末に困りました。あとできくと、一部の酒屋が有償で引き取ってくれることが分かりました。

 このため、2度目からは自分の思うような選挙をすることを心掛けました。そのため選挙事務所前に「陣中見舞いなどの金品は一切お断りします」と書いた張り紙を掲示しました。これを見て、「なんだ、せっかく持ってきてやったのに失礼だ。こんな候補者には絶対に(票を)入れてやらん!」と息巻いて帰る人もなかにはおりました。しかし、大多数のかたには理解されたと思います。

 そのため、2回目は選挙公営費用を除くと僅かに20万円で済みました。これにはボランティアで協力してくれたスタッフの人件費も入っており、実際の支出額はもっと少なく、選挙後、「これなら、毎月選挙ができる」と語り合ったものでした。

 そして、4回目で最後の市長選となった2006年の松井田町との合併市長選挙で、4人出馬の候補者中最下位の2666票で、法定得票数に400票あまり届かず、供託金100万円が没収され、選挙公営費がゼロとなり、ポスターや選挙カーの燃料代、運転手代などがすべて自己負担となりました。

■このように、公職選挙法を遵守しても、法定得票数に届かなければ、供託金も没収され、選挙公営も受けられません。ところが、群馬県選挙管理委員によれば、当選後、妻の事後買収が発覚した今回の南波和憲の場合は、公選法に違反を示す記載がないため、不問に付すというのです。

 これでは、まじめに選挙戦を戦った候補者が馬鹿をみるので、今回の住民監査請求にいたったわけです。

 群馬県監査委員には県議会選出委員が2名いるはずですから、選挙公営についてはよくご存じのはずです。また、群馬県選挙管理委員会も、当然選挙の仕組みを熟知しているわけですから、今回のようなケースでは、選挙公営費がどのように扱われるべきかをきちんと決めてもらい、今後の指針となるような監査結果通知が出されることを期待したいと思います。

【2020年1月8日追記】
 本日09:53、群馬県監査委員事務局の大橋職員から電話連絡がありました。それによると、「12月24日付住民監査請求を受理しました。ついては陳述の機会と追加の証拠の提出はどのようにしますか」と訊かれましたので、当会から「1月11日から25日まで日本を不在にする予定です」と伝えたところ、「1月10日午後2時もしくは、1月27日午後3時ではどうでしょうか」とのことでしたので、1月27日(月)15:00から県庁26階監査委員事務局の隣の会議室で、陳述を行うことに決まりました。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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