■さて、目出度く実家にわがままを置いてきた新婦と、目出度く新婦を娶った新郎の新婚カップルには、いよいよ「喜宴」(シーエン)とよばれる披露宴が控えています。
日中、強い日差しの照りつけていた高雄市内も、夜の帳が下りてくると、少しばかり凌ぎ易くなります。午後6時に高雄市内の宴会場に着きました。既に席の半分以上は埋まっています。
中に入ると、入口正面に両家の名前の書かれた喜宴の案内板が目に入ります。その脇にには、座席の配置図があり、ここで自分のテーブルの位置を確認します。配置図の下に有る白い箱には、新郎新婦の記念写真があったようですが、既に配布切れとなっていました。
↑全部で35卓。1卓平均10名とすると合計350名の大宴会です。↑
取材班は、当会の事務局長の親戚が花嫁なので「女方親友」のテーブルに案内されました。
テーブルに着席すると、開始まで、同じテーブルの人とおしゃべりします。日本の場合、形式張って私語もあまり飛び交いませんが、台湾ではリラックスした雰囲気なので、自由におしゃべりができます。早くも、テーブルの酒を飲み始めているグループも見受けられます。
会場には、いろいろな飾り付けが施されていて、正面には左右に大きな画面のスクリーンが備えられていて、会場のあちこちの天井に設けられたリモコンのカメラで撮影した映像が流されたり、新郎新婦の幼いころからの写真や、出会ってからゴールインする前のスナップ写真や記念写真がスライドで投影されます。これは日本の結婚式の影響もあるようです。
↑宴会のあいだ中、正面スクリーンに大写しされる台湾名物の新婚カップル変身写真。結婚式をする場合、この写真集は絶対はずせないアイテムとなっています。高雄市内には専門業者が軒を連ねている通りがあります。↑
午後6時くらいについてから、しばらく楽器演奏やスライド画像放映などがあり、おしゃべりしているうちに、開会の雰囲気が高まってきました。日本と異なり、時間通りにきっかりと始まるというわけではなく、参加者も気長に開始を待っています。
午後6時40分になり、はじめて開式の兆候が現れました。宴会場側の演出で、昔の農夫の格好をしたスタッフが、縁起物のひょうたんと豚足を棒にぶら下げて担ぎながら、縁起のよい言葉を発しながら会場を練り歩きはじめました。そのあと、長いひげを蓄えた孔子のような格好をした司会者の登場があり、両家の紹介をした後、いよいよ本日の主役、新郎新婦の登場です。
新郎新婦のお出ましで、会場は一段と盛り上がります。新郎新婦、その両親と親族代表が会場の一番の主卓に坐ります。この主卓は、その他の普通卓よりも、飾りも料理内容も豪華です。面白いのは、この宴席で一番えらいのが、花嫁の母の兄弟なのです。母方のおじ達がそろわなければ、喜宴は開始できません。花嫁の母の実家に敬意を払う意味だそうです。
午後6時50分になりました。演壇に新郎新婦とその親族らが並んで、司会者の「乾杯」の発声でいよいよ喜宴の始まりとなります。
そして、レーザー光線とスモークのショーとともに、本日の前菜の紹介があり、前菜の舟盛をもったスタッフが、中央の通路に等間隔に並び、本日のメインシェフが、恭しく主卓用の前菜を持って登場し、午後7時、ついに食事がスタートします。
前菜をとる間、花婿と花嫁そして花婿の上司らが入れかわり立ちかわり演壇で行いますが、関係者の挨拶はそれくらいで、あとは司会者が適宜進行役を努めます。その間、新郎新婦は新婦のお色直しの時間を除いて、主に主卓に着席して、双方の親族と共に食事をします。なお、台湾では、新郎新婦にお酌をするものは誰もいません。
食事が提供されると、今度は食べながらの歓談になります。食事は、中華やフレンチのコースだったり、中華の大皿料理を各自取り分けるスタイル、バイキング式、立食のパーティー形式もあるようですが、今回は、大皿料理が次々に出てきました。メニューに載っている11の料理名はいかにもおめでたい名前がついています。どれがどれに相当するのか、写真で判断してください。
↑今日のメニューは、前菜のほか、8品の海鮮、肉、野菜料理、スープと2種類のデザートで、約2時間のコースです。喜宴の料理は極めて豪華です。とても食べ切れません。だから宴会場も、「打包」(ダーパオ)と呼ばれるビニール袋を用意しており、希望者はそれに入れて持ち帰ります。もちろんスープやあんかけなどは難しいのですが、その他の固形物は同じテーブルのメンバーで分け合います。↑
↑喜宴で前菜の前に出されるのが、「百子満千孫」という紅白餅ですが、最近はこのようなマシュマロとイチゴ大福のような菓子が出されます。日本語で書いてありますが、れっきとした台湾製です。↑
金玉満堂彩(前菜)
濃湯海鮮翅
鮮参石斑魚
元籠蛋蟹糕
雀巣龍蝦盃
石頭蜜碼蝦
避風塘元寶
彩椒爆雙雄
蟲草燉鳳凰
庭芳水仙果(デザート)
珠聯璧合縁(スイーツ)
途中で新婦のお色直しがあります。新婦がお色直しを終えて新郎と一緒に再登場したら、拍手で出迎えるところは日本と同じです。
宴もたけなわになってくると、「請酒」(チンジョウ)が始まります。これは、新郎新婦と両親が全部のテーブルに出向いて乾杯をすることです。
このとき、各テーブルからは、「おめでとう」という意味の「恭喜」(コンシー)という言葉が新郎新婦らに投げかけられます。勿論、目を合わせて笑顔で軽くお辞儀をしても喜ばれます。また、この「乾杯」は、全部飲み干さなくても、「恭喜、乾杯」と発声してちょっと口をつけるだけでもOKです。
↑ステージでは、古筝とよばれる琴のような台湾の民族楽器の生演奏が宴会の合間に行われます。背景に見える「喜」の文字が2つ並んでいるのは「雙喜」といって、非常におめでたいという意味。↑
デザートが出るころ、参加者らは、頃合を見計らって、次々と帰ります。
そしてまもなく披露宴は終了となります。食事で残っているものがあれば、持ち帰り(=打包)は自由です。また、各テーブルや会場の飾りに使われた花も持ち帰れます。会場の係の人が花を入れるための袋を用意してくます。
出口で、新郎新婦が「キャンディ」をお客さんに勧めて、両親とともに礼を言って見送ります。
日本と異なり、形式ばったところがなく、みんなでわいわい食事と会話を楽しむ台湾の結婚披露宴は楽しい雰囲気で過ごせるので、また参加したくなります。
↑喜宴を終えて宴会場の外に出ると午後9時でした。↑
【ひらく会情報部海外取材班・この項つづく】
日中、強い日差しの照りつけていた高雄市内も、夜の帳が下りてくると、少しばかり凌ぎ易くなります。午後6時に高雄市内の宴会場に着きました。既に席の半分以上は埋まっています。
中に入ると、入口正面に両家の名前の書かれた喜宴の案内板が目に入ります。その脇にには、座席の配置図があり、ここで自分のテーブルの位置を確認します。配置図の下に有る白い箱には、新郎新婦の記念写真があったようですが、既に配布切れとなっていました。
↑全部で35卓。1卓平均10名とすると合計350名の大宴会です。↑
取材班は、当会の事務局長の親戚が花嫁なので「女方親友」のテーブルに案内されました。
テーブルに着席すると、開始まで、同じテーブルの人とおしゃべりします。日本の場合、形式張って私語もあまり飛び交いませんが、台湾ではリラックスした雰囲気なので、自由におしゃべりができます。早くも、テーブルの酒を飲み始めているグループも見受けられます。
会場には、いろいろな飾り付けが施されていて、正面には左右に大きな画面のスクリーンが備えられていて、会場のあちこちの天井に設けられたリモコンのカメラで撮影した映像が流されたり、新郎新婦の幼いころからの写真や、出会ってからゴールインする前のスナップ写真や記念写真がスライドで投影されます。これは日本の結婚式の影響もあるようです。
↑宴会のあいだ中、正面スクリーンに大写しされる台湾名物の新婚カップル変身写真。結婚式をする場合、この写真集は絶対はずせないアイテムとなっています。高雄市内には専門業者が軒を連ねている通りがあります。↑
午後6時くらいについてから、しばらく楽器演奏やスライド画像放映などがあり、おしゃべりしているうちに、開会の雰囲気が高まってきました。日本と異なり、時間通りにきっかりと始まるというわけではなく、参加者も気長に開始を待っています。
午後6時40分になり、はじめて開式の兆候が現れました。宴会場側の演出で、昔の農夫の格好をしたスタッフが、縁起物のひょうたんと豚足を棒にぶら下げて担ぎながら、縁起のよい言葉を発しながら会場を練り歩きはじめました。そのあと、長いひげを蓄えた孔子のような格好をした司会者の登場があり、両家の紹介をした後、いよいよ本日の主役、新郎新婦の登場です。
新郎新婦のお出ましで、会場は一段と盛り上がります。新郎新婦、その両親と親族代表が会場の一番の主卓に坐ります。この主卓は、その他の普通卓よりも、飾りも料理内容も豪華です。面白いのは、この宴席で一番えらいのが、花嫁の母の兄弟なのです。母方のおじ達がそろわなければ、喜宴は開始できません。花嫁の母の実家に敬意を払う意味だそうです。
午後6時50分になりました。演壇に新郎新婦とその親族らが並んで、司会者の「乾杯」の発声でいよいよ喜宴の始まりとなります。
そして、レーザー光線とスモークのショーとともに、本日の前菜の紹介があり、前菜の舟盛をもったスタッフが、中央の通路に等間隔に並び、本日のメインシェフが、恭しく主卓用の前菜を持って登場し、午後7時、ついに食事がスタートします。
前菜をとる間、花婿と花嫁そして花婿の上司らが入れかわり立ちかわり演壇で行いますが、関係者の挨拶はそれくらいで、あとは司会者が適宜進行役を努めます。その間、新郎新婦は新婦のお色直しの時間を除いて、主に主卓に着席して、双方の親族と共に食事をします。なお、台湾では、新郎新婦にお酌をするものは誰もいません。
食事が提供されると、今度は食べながらの歓談になります。食事は、中華やフレンチのコースだったり、中華の大皿料理を各自取り分けるスタイル、バイキング式、立食のパーティー形式もあるようですが、今回は、大皿料理が次々に出てきました。メニューに載っている11の料理名はいかにもおめでたい名前がついています。どれがどれに相当するのか、写真で判断してください。
↑今日のメニューは、前菜のほか、8品の海鮮、肉、野菜料理、スープと2種類のデザートで、約2時間のコースです。喜宴の料理は極めて豪華です。とても食べ切れません。だから宴会場も、「打包」(ダーパオ)と呼ばれるビニール袋を用意しており、希望者はそれに入れて持ち帰ります。もちろんスープやあんかけなどは難しいのですが、その他の固形物は同じテーブルのメンバーで分け合います。↑
↑喜宴で前菜の前に出されるのが、「百子満千孫」という紅白餅ですが、最近はこのようなマシュマロとイチゴ大福のような菓子が出されます。日本語で書いてありますが、れっきとした台湾製です。↑
金玉満堂彩(前菜)
濃湯海鮮翅
鮮参石斑魚
元籠蛋蟹糕
雀巣龍蝦盃
石頭蜜碼蝦
避風塘元寶
彩椒爆雙雄
蟲草燉鳳凰
庭芳水仙果(デザート)
珠聯璧合縁(スイーツ)
途中で新婦のお色直しがあります。新婦がお色直しを終えて新郎と一緒に再登場したら、拍手で出迎えるところは日本と同じです。
宴もたけなわになってくると、「請酒」(チンジョウ)が始まります。これは、新郎新婦と両親が全部のテーブルに出向いて乾杯をすることです。
このとき、各テーブルからは、「おめでとう」という意味の「恭喜」(コンシー)という言葉が新郎新婦らに投げかけられます。勿論、目を合わせて笑顔で軽くお辞儀をしても喜ばれます。また、この「乾杯」は、全部飲み干さなくても、「恭喜、乾杯」と発声してちょっと口をつけるだけでもOKです。
↑ステージでは、古筝とよばれる琴のような台湾の民族楽器の生演奏が宴会の合間に行われます。背景に見える「喜」の文字が2つ並んでいるのは「雙喜」といって、非常におめでたいという意味。↑
デザートが出るころ、参加者らは、頃合を見計らって、次々と帰ります。
そしてまもなく披露宴は終了となります。食事で残っているものがあれば、持ち帰り(=打包)は自由です。また、各テーブルや会場の飾りに使われた花も持ち帰れます。会場の係の人が花を入れるための袋を用意してくます。
出口で、新郎新婦が「キャンディ」をお客さんに勧めて、両親とともに礼を言って見送ります。
日本と異なり、形式ばったところがなく、みんなでわいわい食事と会話を楽しむ台湾の結婚披露宴は楽しい雰囲気で過ごせるので、また参加したくなります。
↑喜宴を終えて宴会場の外に出ると午後9時でした。↑
【ひらく会情報部海外取材班・この項つづく】
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