■東電グループ会社の関電工がトーセンを抱き込んで赤城山の南麓で、遮二無二進めようとしている赤城バイオマス発電計画では、東電福島原発事故による放射能で汚された群馬県北部森林地帯の間伐材等が、今後20年間にわたり、毎年8万トン、合計160万トンも燃やし続けられてしまいます。首都圏の水がめと言われる群馬県ですが、その貴重な森林が放射能汚染されたうえに、今度はそこから間伐材や廃材などを一カ所に集めて水分を絞って燃やし、放射営物質を含んだ排水、排ガスが撒き散らされ、高濃度に濃縮され高レベルの放射能を放つ焼却灰が大量に生み出されるという計画により、重大な岐路に立たされています。
しかも、その計画場所を群馬県のシンボルマークの赤城山の南麓に選定したというのですから、関電工という企業のジョーシキがいかに狂っているかが分かります。この忌まわしい施設の建設予定場所の目と鼻の先に住んでいた住民の方にとっては、住環境が根底から否定されてしまう重大な事件です。しかしこの事件は、その周囲の住民や農業者・観光業者、さらに県都前橋市民や群馬県民にとっても、重大で深刻な問題として受け止めなくてはならないのです。
関電工のこの事業計画を昨年5月に初めて知った地元住民の皆さんは、直ちに計画の内容を調査しようとしましたが、関電工の対応は極めて不親切でした。そのため、事業計画に不信感を抱いた住民のかたがたは、反対運動を展開することを決め、以来、関電工、トーセンなど事業関係者はもとより、事業計画の許認可を司る前橋市や群馬県の行政関係者にも積極的にコンタクトし、問題点を洗い出して、計画の中止を申し入れてきました。しかし、まともに対応してもらえた機会はほとんど無く、事業者と行政との間で手続きがどんどん進んでしまい現在に至っています。
■こうした事態を打開すべく、地元住民で構成される赤城山の自然と環境を守る会と赤城南麓の環境と子供たちを守る会は、8月3日に前橋市の山本龍市長に面談し、前橋市の環境行政の指針と合い入れない関電工のこの忌まわしい事業計画の白紙撤回を求める要請をおこないました。
その様子は上毛新聞、朝日新聞、日本経済新聞の記者らにより取材を受けましたが、翌日、新聞報道したのは上毛新聞だけでした。
**********上毛新聞2016年6月4日 PDF ⇒20160603l.pdf
前橋市長に反対署名提出 発電所計画で市民団体
関電工(東京都)が前橋市苗ケ島町に建設を計画している木質バイオマス発電所について、地元住民でつくる市民団体の代表が3日、建設の白紙撤回を同社などに求めるよう山本龍市長に要請した。建設に反対する約6千人の追加署名も提出した。
市民団体は県に対し、建設事業に補助金を交付しないよう住民監査請求している。市長との面談後の記者会見で、請求が棄却された場合は住民訴訟を起こす考えも示した。
**********
■6月3日の前橋市長との面談では、当初、市長の都合で市長不在のまま始まりましたが、30分ほどして山本市長らが姿を現わし、副市長や環境担当の関部長や神山課長らの同席のもと、45分近く続けられました。
山本市長は、市民団体の意見に耳を傾け、住民の抱える問題点について認識し、理解を示す対応を示しました。「もしかしたら、営団を下していただけるのではないか」という期待をいただかせるものでしたが、これからの前橋市の対応を注視していく必要があります。
■両団体の代表者連名で前橋市長に提出した要請書は次の内容です。
**********PDF ⇒rs201606033.pdf
山本前橋市長殿
H28年6月3日
赤城山の自然と環境を守る会 横川
赤城南麓の環境と子供たちを守る会 井上
1.関電工殿は丁寧な説明を一切実施していない。
3月27日の第3回住民説明会に前橋市行政を出席させて頂き有難うございました。
関電工殿に何度か宿題事項の問合わせを行いましたが留守番電話のみで私達の問い合わせも無視が続いておりました。都合悪い電話には出ないのです。
【これまでの主な質問の経緯】
①オンブズマン群馬と相談してH27/6月に公開質問状を提出(7月3日回答指定)
⇒今日現在でも、回答なし。
②H27/10月3日第1回説明会にて質問
10月17日質問に対する回答あるも、回答内容は「12月まで回答できない」
12月20日第2回説明会・・・回答なし
③H28/3月27日第3回説明会事前打ち合わせ及び今までの質問のまとめ
回答を3月12日に求めたが、最終的には、3月21日の電話で「文書で回答できないので口頭で説明します」とこのこと。
回答日は3月26日10:00~12:00宮城公民館。
④H28/3月26日質問事項について打合せ、文書での回答は一切なく丁寧な説明となっていない。
⑤H28/3月27日第3回住民説明会議事録の作成も全くありません。
平成28年9月29日付「前橋市宅地開発指導要綱に基づく事前協議に関する覚書」で取り決めた履行の義務を前橋バイオマス発電、前橋バイオマス(燃料)とも全く果たしていません。ゆえに、新規条例にバイオマス発電を遡及範囲として頂きたい。
2.監視委員会の設置を新規条例に盛り込んで頂きたい。
以上のような状況は関電工の企業理念を信用できるものでは到底ありません。法令を遵守することなど信用できません。以下の文書は放射能問題の専門家からコメント頂いたものです。
発電所で燃やした後の排ガスをどのように処理し、安全を確かめるために、どのような検査を、どれくらいの頻度でするのか、バグフィルターを使用するのなら製造元の基本性能データはきちんと公表されているのかなど、事業者と行政担当者に説明させることでしょう。おそらく基本性能データは3ミクロン粒子しかないと思います。一番とりにくい0.1~0.3ミクロン粒子の基礎データは製造元に存在しないでしょう。
発電所で使われる実際の設備の安全根拠となるデータを提示させることが不安の払拭には必須です。環境省がこう言っているからには、納得しないことが大切で、環境省にデータを示してもらうことです。プラント毎に様々な性能は異なるので、個別のデータが必要です。一般市民も委員に入った形の監視委員会を作り、その監視委員会に稼働中止権限を持たせるという条件を事業者に認めさせること、監視委員会の命令に従った項目の検査を必要な回数行うこと、欧米なみの排出基準を守らせることなどが必要でしょう。日本の排ガス規制は所謂先進国のなかで一番遅れていると思われます。
**********
このほかにも、次の資料等を提示して、関電工の事業計画の白紙撤回について、山本市長の英断を強く要請しました。
<資料1>
平成27年11月4日放射線量等分布マップ比較↓
PDF ⇒27n114zbvr.pdf
<資料2>
山本前橋市長の「後援会だより」(抜粋)↓
PDF ⇒ rosuuvw2016n63.pdf
<資料3>
前橋市環境都市宣言↓
<資料4>
山本市長 いまこそ平成の田中正造に↓
PDF ⇒ 201606021rsc.pdf
201606022rsc.pdf
<資料5>
小児科医師の会員から前橋市長への要望書↓
PDF ⇒ ioski2016n6r.pdf
■今後、山本市長にもとで前橋市がこの事業計画に対して、市民団体の要請を受けてどのような対応措置を打ち出せるかが注目されます。
また、群馬県監査委員に提出中の住民監査請求も、今月末までにはなんらかの決定通知がだされるものと見られます。その結果次第では住民訴訟も視野にした対応が考えられます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
しかも、その計画場所を群馬県のシンボルマークの赤城山の南麓に選定したというのですから、関電工という企業のジョーシキがいかに狂っているかが分かります。この忌まわしい施設の建設予定場所の目と鼻の先に住んでいた住民の方にとっては、住環境が根底から否定されてしまう重大な事件です。しかしこの事件は、その周囲の住民や農業者・観光業者、さらに県都前橋市民や群馬県民にとっても、重大で深刻な問題として受け止めなくてはならないのです。
関電工のこの事業計画を昨年5月に初めて知った地元住民の皆さんは、直ちに計画の内容を調査しようとしましたが、関電工の対応は極めて不親切でした。そのため、事業計画に不信感を抱いた住民のかたがたは、反対運動を展開することを決め、以来、関電工、トーセンなど事業関係者はもとより、事業計画の許認可を司る前橋市や群馬県の行政関係者にも積極的にコンタクトし、問題点を洗い出して、計画の中止を申し入れてきました。しかし、まともに対応してもらえた機会はほとんど無く、事業者と行政との間で手続きがどんどん進んでしまい現在に至っています。
■こうした事態を打開すべく、地元住民で構成される赤城山の自然と環境を守る会と赤城南麓の環境と子供たちを守る会は、8月3日に前橋市の山本龍市長に面談し、前橋市の環境行政の指針と合い入れない関電工のこの忌まわしい事業計画の白紙撤回を求める要請をおこないました。
その様子は上毛新聞、朝日新聞、日本経済新聞の記者らにより取材を受けましたが、翌日、新聞報道したのは上毛新聞だけでした。
**********上毛新聞2016年6月4日 PDF ⇒20160603l.pdf
前橋市長に反対署名提出 発電所計画で市民団体
関電工(東京都)が前橋市苗ケ島町に建設を計画している木質バイオマス発電所について、地元住民でつくる市民団体の代表が3日、建設の白紙撤回を同社などに求めるよう山本龍市長に要請した。建設に反対する約6千人の追加署名も提出した。
市民団体は県に対し、建設事業に補助金を交付しないよう住民監査請求している。市長との面談後の記者会見で、請求が棄却された場合は住民訴訟を起こす考えも示した。
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■6月3日の前橋市長との面談では、当初、市長の都合で市長不在のまま始まりましたが、30分ほどして山本市長らが姿を現わし、副市長や環境担当の関部長や神山課長らの同席のもと、45分近く続けられました。
山本市長は、市民団体の意見に耳を傾け、住民の抱える問題点について認識し、理解を示す対応を示しました。「もしかしたら、営団を下していただけるのではないか」という期待をいただかせるものでしたが、これからの前橋市の対応を注視していく必要があります。
■両団体の代表者連名で前橋市長に提出した要請書は次の内容です。
**********PDF ⇒rs201606033.pdf
山本前橋市長殿
H28年6月3日
赤城山の自然と環境を守る会 横川
赤城南麓の環境と子供たちを守る会 井上
1.関電工殿は丁寧な説明を一切実施していない。
3月27日の第3回住民説明会に前橋市行政を出席させて頂き有難うございました。
関電工殿に何度か宿題事項の問合わせを行いましたが留守番電話のみで私達の問い合わせも無視が続いておりました。都合悪い電話には出ないのです。
【これまでの主な質問の経緯】
①オンブズマン群馬と相談してH27/6月に公開質問状を提出(7月3日回答指定)
⇒今日現在でも、回答なし。
②H27/10月3日第1回説明会にて質問
10月17日質問に対する回答あるも、回答内容は「12月まで回答できない」
12月20日第2回説明会・・・回答なし
③H28/3月27日第3回説明会事前打ち合わせ及び今までの質問のまとめ
回答を3月12日に求めたが、最終的には、3月21日の電話で「文書で回答できないので口頭で説明します」とこのこと。
回答日は3月26日10:00~12:00宮城公民館。
④H28/3月26日質問事項について打合せ、文書での回答は一切なく丁寧な説明となっていない。
⑤H28/3月27日第3回住民説明会議事録の作成も全くありません。
平成28年9月29日付「前橋市宅地開発指導要綱に基づく事前協議に関する覚書」で取り決めた履行の義務を前橋バイオマス発電、前橋バイオマス(燃料)とも全く果たしていません。ゆえに、新規条例にバイオマス発電を遡及範囲として頂きたい。
2.監視委員会の設置を新規条例に盛り込んで頂きたい。
以上のような状況は関電工の企業理念を信用できるものでは到底ありません。法令を遵守することなど信用できません。以下の文書は放射能問題の専門家からコメント頂いたものです。
発電所で燃やした後の排ガスをどのように処理し、安全を確かめるために、どのような検査を、どれくらいの頻度でするのか、バグフィルターを使用するのなら製造元の基本性能データはきちんと公表されているのかなど、事業者と行政担当者に説明させることでしょう。おそらく基本性能データは3ミクロン粒子しかないと思います。一番とりにくい0.1~0.3ミクロン粒子の基礎データは製造元に存在しないでしょう。
発電所で使われる実際の設備の安全根拠となるデータを提示させることが不安の払拭には必須です。環境省がこう言っているからには、納得しないことが大切で、環境省にデータを示してもらうことです。プラント毎に様々な性能は異なるので、個別のデータが必要です。一般市民も委員に入った形の監視委員会を作り、その監視委員会に稼働中止権限を持たせるという条件を事業者に認めさせること、監視委員会の命令に従った項目の検査を必要な回数行うこと、欧米なみの排出基準を守らせることなどが必要でしょう。日本の排ガス規制は所謂先進国のなかで一番遅れていると思われます。
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このほかにも、次の資料等を提示して、関電工の事業計画の白紙撤回について、山本市長の英断を強く要請しました。
<資料1>
平成27年11月4日放射線量等分布マップ比較↓
PDF ⇒27n114zbvr.pdf
<資料2>
山本前橋市長の「後援会だより」(抜粋)↓
PDF ⇒ rosuuvw2016n63.pdf
<資料3>
前橋市環境都市宣言↓
<資料4>
山本市長 いまこそ平成の田中正造に↓
PDF ⇒ 201606021rsc.pdf
201606022rsc.pdf
<資料5>
小児科医師の会員から前橋市長への要望書↓
PDF ⇒ ioski2016n6r.pdf
■今後、山本市長にもとで前橋市がこの事業計画に対して、市民団体の要請を受けてどのような対応措置を打ち出せるかが注目されます。
また、群馬県監査委員に提出中の住民監査請求も、今月末までにはなんらかの決定通知がだされるものと見られます。その結果次第では住民訴訟も視野にした対応が考えられます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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