市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

みどり市大間々町13区不正会計事件の区長を学校評議員に委嘱したみどり市教育委員会からのモラル欠損回答

2016-07-16 23:30:00 | オンブズマン活動
■みどり市大間々町13区を巡る不正会計問題に関しては、これまで当会のブログで報告してきたとおり、不正会計を指摘された区長が、「名誉棄損による損害賠償請求訴訟」で住民を訴えた裁判で、住民側から提出された集会場建設資金や郵便簡易保険還付金、そして決算書操作による使途不明金などの証拠が裁判所に認められ、不正会計行為が明らかになりました。そして、今後は明るく正しい区の運営を図ることを前提に裁判所からの和解の提案に応じたにもかかわらず、その後も、「和解で罪は消えた」などと自分の都合のよいように解釈し、依然として区長の座にしがみつき、石原市長もそのような人物に区長の委嘱状を発行し続けています。ところが、最近になり、なんと当該区長が、今度は、地元の東小・中学校の学校評議員に就任したのが判明したため、当会のみどり市支部長が同市教育委員会の委員長あてに、公開質問状を提出していました。このほど、7月14日付で、みどり市教委から回答書が来たので報告します。

 当会みどり市支部会員あてに寄せられたみどり市教育委員長名義の公開質問状への回答書の内容は次の通りです。

**********PDF ⇒ 20160714s.pdf
                             平成28年7月14日
 市民オンぶズマン群馬
 みどり市支部 支部長 岡田 三郎 様
                       みどり市教育委員会
                       教育委長 金子祐次郎

             公開質問状について(回答)

 平成28年7月5日付けみどり市教育委員会教育委員長宛ての公開質問状に対しまして、下記のとおり回答します。
 なお、質問事項については抜粋とし、原文のまま記載しております。

                  記

質問1
 大間々町13区の川島孝氏が、東小、中学校の評議員に就任したとのことですが、事実でしょうか?
【回答】みどり市教育委員会は、平成28年度の大間々東小学校および大間々東中学校の評議員を川島孝氏に委嘱しています。みどり市立学校の評議員につきましては、みどり市立学校・幼稚園評議員設置要綱(平成18年3月27日教育委員会告示第6号)第2条の規定に基づき、校長・園長が推薦した者を教育委員会が委嘱しています。

質問2
 川島氏が評議員に就任したのであれば、彼にはその資格はないと思われます。なぜなら、彼は金銭問題(不正会計)で裁判になり、原告の立場として不正会計行為の事実について、裁判所が認定した経緯があるからです。
            〈中略〉
 この金銭問題に関しては、事件内容の一部として次の(1)~(3)の事項により、その事実を指摘したいと思います。
            〈中略〉
(1)集会所建設資金不明金(別紙①参照ください)
            〈中略〉
(2)郵便簡易保険収支報告書の(不明金)別紙②参照
       〈中略〉
(3)大間々町13区決算書の不明金(別紙③参照)
            〈中略〉                   ・
 これら一連の件は、一般社会では背任横領と言うことと思われますが、貴殿の見解はいかがでしょうか。
【回答】ご指摘の一連の件につきましては、司法に委ねられ和解になったとのことであり、また詳細について承知しておりませんので、特に意見はありません。

質問3
 川島孝区長と、彼を取り巻く7~8人の者達は、「もう時効だから問題ない」という始末です。しかも、区長の川島孝氏のみならず、大間々町13区会計、監査は30年以上、同一人物が就任していて辞めません。
              〈中略〉
 裁判の結果、裁判官が下した厳正な判決(この場は「和解」)を無視して従わないような人物が、学校の評議員となる資格はありません。
              〈中略〉
 このように神聖な教育の場において、不正会計を働いたことを裁判所も認めた人物が学校の運営に関して意見を述べる資格はありません。そうした人物が学校評議員に就任すること自体、子供達への教育に間違った影響を与えることになります。そして住民の皆さんは、心中では良くないことと知りながら、子供が村八分にされることを、恐れて何も言わないでおります。
【回答】学校運営には地域との連携が不可欠です。評議員に委嘱した方には、地域との連携に関して意見・助言をいただくとともに、連携の取組にもご協力をいただいております。また、区長の職にある方は、区民の承認・推薦を受け市長が委嘱した区の代表者、取りまとめ役であると認識しております。このような考え方・認識に基づき、校長・園長は区長の職にある方を評議員に推薦しており、教育委員会はその方々を委嘱しております。
**********

■上記のとおり、おどろくべきことに、教育の政治的中立性を保持し、学校教育や生涯学習等の振興を図るため設置された、市長からは独立した執行機関である教育委員会のトップが、このように石原市長と全く同じ趣旨の回答を寄せてきました。

 これでは、みどり市の教育環境は暗黒の状態と言えるでしょう。不正会計行為を裁判所も認めた御仁を、学校の評議員に就任させるのですから、いったいこの教育委員長はどのような教育モラルをお持ちなのでしょうか。

 ところで、2015年(平成27年)4月から、改正地方教育行政組織運営法が施行されました。新制度では、教育委員の互選で選ばれていた教育委員長と教育長を廃止し、首長が直接任命する新「教育長」に一本化されました。このことで教育行政に対する市区町村長の影響力が強まる体制に変わったのは事実ですが、みどり市は、廃止されたはずの教育委員長がまだのさばっているようです。

 この背景として、旧教育長の教育委員としての任期が残っているうちは、経過措置として、旧制度が適用されることになっていることが挙げられます。しかし、みどり市の場合、現在の金子祐次郎教育委員長は、平成28年6月27日、午前9時30分から開催された、平成28年度第1回臨時教育委員会議において、委員長選挙(指名推薦)と委員長職務代理者の指定が行われ、教育委員長に再選されたばかりです。任期は平成28年6月27日から平成29年6月26日までの1年間となっています。

■本来、教育委員長は、各都道府県、及び市町村(特別区を含む)に設置される教育委員会の代表でしたが、2015年施行の地方教育行政組織運営法改正により廃止されました。廃止前は、教育委員長は教育委員の互選によって選ばれ、委員会を主宰する教育行政のトップでした。執行機関である事務方のトップである教育長と間違われ易いのですが、教育長は教育委員会の委員の1人であり、組織上は教育委員長の方が上で、通常は教育委員長とともに職務代理者も置かれ、教育長との兼務はできないことになっていました。

 というわけで、みどり市は以前とじて法令改正前の状態を維持し続けているようです。このほうが石原市長にとっても都合がよいのかもしれません。気心の知れた人物を教育委員長に据えておけば、教育長よりも教育行政を思い通りにしやすいからだとみられます。しかし、みどり市民にとっては迷惑な話です。

 教育委員会は、通常は、教育長及び5人の委員による合議制の機関となっていて、①政治的中立性・安定性の確保、②地域住民の多様な意見を反映、③生涯学習などの教育行政の一体的な推進等を目的として設置されていますが、不正会計行為の実践者を小中学校の評議員に委嘱したことは、教育モラルの面で重大な問題です。

 また、不正会計行為者が学校評議員になったことで、地域社会に開かれた学校づくりを一層推進していくため、保護者や地域住民などの相互の意思疎通や協力関係を高めるために設けられたみどり市の学校評議員制度は、有名無実となったことになります。

■当会のみどり市支部長によれば、支部長以下、今回の教育委員長からの回答内容について、大変遺憾だとして、引き続き大間々町13区を巡る不正会計問題の解消にむけて活動を続ける方針だとのことです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「みどり市教育委員名簿」(席番順)
**********
http://www.city.midori.gunma.jp/www/contents/1000000002168/index.html
<教育委員長>
氏名 金子 祐次郎
住所 東町座間
就任年月日 H25.6.27
任期 H25.6.27~H29.6.26
期数 1期
<教育委員長職務代理者>
氏名 松崎 靖
住所 大間々町大間々
就任年月日 H22.6.27
任期 H28.6.27~H32.6.26
期数 3期
<教育委員>
氏名 丹羽 千津子
住所 笠懸町阿左美
就任年月日 H18.6.27
任期 H27.6.27~H31.6.26
期数 4期
<教育委員(保護者委員)>

氏名 山同 善子
住所 大間々町大間々
就任年月日 H22.6.27
任期 H26.6.27~H30.6.26
期数 2期
<教育長>
氏名 石井 逸雄
住所 桐生市新里町
就任年月日 H26.6.27
任期 H26.6.27~H30.6.26
期数 1期


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2 コメント

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Unknown (maverick)
2016-07-18 06:40:30
 みどり市の教育委員会は、そもそも児童・生徒の健やかな育成の為に働く機関である筈なのに、この様な不適格者、つまり「裁判沙汰の不正会計行為者」を採用するからには、善良な市民に対して、納得出来る合理的説明や根拠を示す必要があると思います。
 何らの根拠無く、この道徳心が全くない、本人及び教育委員長であるとすれば、二人とも即座に辞職、免職対象となると思います。リコールなどの住民運動は出来ないのでしょうか。
 学童育成に多大なる悪影響を及ぼしますね。みどり市の学童は、将来この様な道徳心の無い大人になってはいけませんね。教育者として矜持を示す責任が必要ですね。私は只の読者ですが、「この様な恥知らずは自ら辞職すべき」と普通に感じますね。多くの国民から賛同は得られるでしょう。
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Unknown (maverick)
2016-07-18 12:23:43
 「本人及び教育委員長の辞職する事について、多くの国民から賛同を得ると言う意味です」。言葉足らずですみませんでした。
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