市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

談合疑惑率100%の前橋市と全国ワースト2位の高崎市・・・ともに高い落札率

2018-09-05 23:15:00 | オンブズマン活動
■9月1日(土)・2日(日)に新潟市内で開催された第25回市民オンブズマン全国大会で、全国の47都道府県・20政令市・31県庁所在地・31中核市における落札率調査の結果が公表されました。注目されるのは、我らが地元群馬県を代表する前橋市と高崎市が、高い談合疑惑度と落札率でともに全国トップクラスのランクを獲得していることです。当会では、さっそく地元のマスコミにも情報提供し、ひろく県民に周知を図ってもらうことにしました。そのため当会会員が、次の内容の声明文を、県庁、前橋市役所、高崎市役所の記者クラブに投げ込みました。

 具体的には6頁を両面印刷にした3枚ものの資料を、刀水クラブに18部(報道各社16部・刀水クラブ控え1部・テレビ記者会控え1部)、前橋市記者クラブに12部、高崎市記者クラブも11部の合計41部を配布しました。

*****記者発表声明文*****PDF ⇒ lnu20180905.pdf
                          2018年9月5日
県庁記者クラブ(刀水クラブ、テレビ記者会)
前橋市役所記者クラブ
高崎市役所記者クラブ 加盟各位
                          市民オンブズマン群馬
                             代表 小川 賢
            記者発表声明文
件名:談合疑惑率100%の前橋市・高崎市は全国ワースト2位・共に高い落札率


拝啓 平素より住民の知る権利の担保のため、日夜ご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
 当会は行政による公金の違法不当な支出や、行政権限の不当な行使による住民の不利益の改善などに取り組む市民団体です。
 さて、当会が所属する全国市民オンブズマン連絡会議主催の第25回市民オンブズマン全国大会が本年は9月1日(土)及び2日(日)にかけて新潟市内で開催され、当会からも代表、事務局長、監事の3名が参加しました。

 この中で、同連絡会議により、全国の47都道府県・20政令市・31県庁所在地・31中核市における落札率調査を実施すべく、アンケートを電子メールで送信し、回答内容をまとめ、分析した結果をまとめたものを「いまどきの入札、いまどきの談合」と題して、発表がありました。
 これは、同連絡会議が毎年、都道府県・政令市は予定価格1億円以上、県庁所在地市は5000万円以上の工事について、予定価格と「一位不動」かどうかを調査し、平均落札率ならびに「談合疑惑度」(落札率90%以上の工事が占める割合)を調査しているものです。
 今年は総合評価方式かどうか、1者入札かどうか、不調随契かどうか、最低制限価格について、2015-17年度分の3年間の推移を調査することで、新たな形式の談合が行われていないかが調べられました。

 この結果で、皆さんにご注目いただきたいのは添付資料の【2017年度 県庁所在地市・中核市落札率一覧表ほか】です。
 ご覧のとおり、全国62市中、前橋市が58位(ワースト5位)、高崎市が61位(ワースト2位)の栄誉に輝いていることがお分かりになると思います。(図1-3-1参照)

 群馬県はというと、なんという事か全国第2位の低落札率でありました。(図1-1-1参照)。本当に信じ難い数字ですが、群馬県の場合、落札した案件であっても工事着手後、契約変更により増額になる案件が多数存在しており、このまま額面通りに受け取ることはできません。

 前橋市にあっては、【2017年度 県庁所在地市落札率分布表(疑惑度順)】によれば、那覇市・旭川市・岡崎市・佐世保市とともに全国に輝く第一位を獲得しました。その内容たるや、なんと「談合疑惑度100%」という、前橋市民にとっては、たいへん“慶ばしい”現実を示していることです。
 談合疑惑率については、高崎市も全国9位の95.5%で、相も変わらず談合問題から抜け出せていない体質をよく表しています(図2-3参照)。
 また、前橋市では、総合評価方式での落札が97.2%と異様に高くなっていて、適正に落札されたのかさえ疑わしい事実もあります(図1-3-1参照)。
 2016年度の前橋市の落札率は99.7%で県庁所在地市・中核市の中で全国ワースト1位でした。(図7-3参照)

 一方、2015年度の高崎市の落札率は99.7%で同じく全国ワースト1位でした。今回、3年連続ワースト1位という最悪の事態は、辛うじて免れたものの依然として最悪な結果となっています(図8-3参照)。

 このように、私たちの郷土を代表する前橋市と高崎市ですが、普段はあまり仲良くありないものの、談合疑惑にあっては大変仲の良い両市であることがよくわかりました。
 因みに、都道府県別調査で全国1位の長野県と同様な落札率88.6%で落札した場合、2017年度の前橋市は「2億290万円の節約」ができた計算になり、高崎市では同じく「3億8587万円の節約」ができたことになります(図1-3-2参照)。
 同じく落札率で全国最低から第2位の群馬県の落札率88.9%と同じ落札率にしただけで、前橋市は1億9557万円の節約、高崎市では3億7278万円の節約ができたということができます。
 県庁所在地・中核市の2017年度落札率で全国1位の柏市や2位の奈良市と同様な落札率の場合、前橋市では「3億9千万円」、高崎市ではなんと「7億2千万円」以上ものムダ使いがあったものと考えることができます。

 以上が、今年の第25回市民オンブズマン全国大会で報告された情報です。マスコミに携わる皆様におかれましては、群馬県での血税の無駄遣いの実態を一人でも多くの県民にお知らせいただきたく、ここに情報のご提供をさせていただく次第であります。

                               以上
添付:別冊資料2【2017年度 県庁所在地市・中核市落札率一覧表ほか】(抜粋)
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■さっそくその日の午後2時過ぎに、マスコミ関係者からの電話インタビューの打診があり、午後5時ごろ、当会代表がコメントを発しました。

 群馬県では、県はもとより、各自治体で官製談合問題がひろく取りざたされており、当会にも匿名ですが頻繁に情報が寄せられており、役所や業界の談合体質の改善が急務であることを痛感させられます。遺憾ながら対応する時間と人手が足りず、なかなか迅速でキメの細かい対応ができず、当会としても忸怩たる思いです。

 しかし官製談合問題を放置しておくことをよしとしているわけではありません。この問題に対して、当会はじっくりと取り組んでまいる所存であることに変わりありません。

【9月6日追記】
 さっそく上毛新聞が本日の朝刊社会面で報じました。本日9月6日にこの件で掲載があったは、確認した限りでは、朝日・読売・毎日・上毛・日経のうち上毛新聞だけでした。他のマスコミは、関心がないようです。
 上毛新聞の取材に対して、前橋市と高崎市は「ただちに談合と言う事はない」とか「適正に実施している」とのコメントをしたということですが、官製談合をしきる立場としては、上毛新聞記者から感想を聞かれても、このような答えしか発しないのは当然と思います。
 ここでもう一度おさらいをしておきましょう。


 ●高崎市は2015年度 全国第一位の高落札率

 ●高崎市は2017年度 全国第二位の高落札率

 ●前橋市は2016年度 全国第一の高落札率・落札疑惑度100%


 全国市民オンブズマン連額会議の調査結果をみると、群馬県ではとりわけ、行政と業者の蜜月な関係が良く分かります。

**********上毛新聞2018年9月6日

落札率90%以上 前橋市で100%
全国市民オンブズマン連絡会議調査

 2017年度に発注された予定価格5千万円以上の大型公共工事で、前橋市は落札率が90%以上の工事の閉まる割合が100%だったことが、5日までの全国市民オンブズマン連絡会議の調査で分かった。全国62の県庁所在地・中核市で最も高かった。高崎市も95.5%で9位だった。
 前橋の大型工事のうち、落札率95%以上が24件、90%以上95%未満が3件。高崎は95%以上が20件で、90%以上95%未満と85%以上90%未満が各1件だった。
 平均落札率の比較でも、前橋(96.9%)は全国5番目、高崎(97.4%)は2番目の高落札率だった。一方、都道府県の大型工事(1億円以上)では、本県の落札率は88.9%となり2番目に低かった。
 同会議は落札率が90%以上95%未満は「談合の疑いがある」。95%以上は「談合の疑いが極めて高い」としている。前橋市は最低価格を88~90%に設定するケースが多く「ただちに談合ということはない」、高崎市は「市としては適正に実施している」とコメントした。

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【市民オンブズマン群馬・有毒鉄鋼及び非鉄スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考情報1「情報公開にかかる大会決議」
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            情報を市民の手に取り戻そう
 防衛省は、PKO派遣部隊の日報の公開を避けるために、財務省は、首相らの土地取引の交渉への関与が明るみになることを避けるために、情報公開の対象と
すべき文書が存在しない、との嘘の説明をした。加えて財務省は、保存している交渉文書の改ざんまでも行なっていた。
 この1年間に私たちが目の当たりにした事実は、全国市民オンブズマン連絡会議が1994年に発足し、情報公開を用いて不正支出や税金の無駄使いを調査し始めて以来、最も酷い情報公開制度の否定で、あった。そして、情報公聞が、情報の流通によって市民の政治参加を担保することを目的とするものであることから見れば、これらは民主主義の否定でもあった。
 市民の批判を受け、政府は公文書管理制度の改正に言及した。公文書が正しく作成、保存されることは情報公開制度の基本である。公文書管理制度の見直しが、市民の批判を逸らすだけのものとならないよう、注視しなければならない。
 そこで政府に対し、公文書管理法を改正し、その内容が
  ①Eメールを含む行政内部の文書の作成と保存の責任を明確にすること
  ②組織共用文書の要件の撤廃を含む公文書の定義規定の抜本的見直しを行うこと
  ③文書隠しを許さず、誰もが政府情報に容易にアクセスできる制度を実現すること
となることを求め、ここに決議する。
 2018年9月2日
                第25回全国市民オンブズマン新潟大会
                             参加者一同
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※参考資料2「大会宣言」
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            大 会 宣 言
 2018年9月1日から2日にかけて、私たちは「市民オンブズマンの逆襲!!―公共交通機関のあり方、今どきの入札・今どきの談合―」というテーマで、第25回全国市民オンブズマン新潟大会を開催しました。
 今回のテーマの1つである公共交通機関の導入の決定については、窓意的なデータを示し、市民の意見を反映させる努力もせず、自治体や関連企業の意思を優先する決定がなされていることが報告されました。もう1つのテーマである入札については、工事成績評価と落札率の関係を調査しないまま地方公共団体は品質確保の名の下に総合評価方式を導入し、さらにー者入札を容認し続けることで入札制度を骨抜きにしていることが明らかになりました。
 ところが、それらを本来チェックすべき議会がその機能を十分果たしていないばかりか、あいかわらず多くの議会が政務活動費の使途すら説明しようとせず、議員による政務活動費の不正支出もいまだに存在しています。そして、市民が行政をチェックするための情報公開制度が、文書の隠ぺい圃不当な破棄や改ざんによって瀕死の状態になっています。
 しかし、ここに集った私たちは、あきらめることなくこの厳しい状況に打ち克ち、行政の意思形成に市民の意思が真に反映される社会を目指し、以下の4点を決議します。
                記
1 公共交通機関のありかたについては、公正で十分な情報の公開と、住民の意思を直接問う機会を地方公共団体に設けさせること
2 一者入札を無効とし、総合評価方式を見直して、談合を防止する透明性のある入札制度を実現させること
3 政務活動費情報のネット公開を行わせ、その他の議員活動の透明性を実現させること
4 情報の不当な隠ぺい・不当な不開示を許さず、徹底的に争っていくこと

 2018年9月2日
              第25回全国市民オンブズマン新潟大会参加者一同
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1 コメント

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Unknown (名無し)
2018-09-07 02:29:54
全体の88.9%が落札率95%以上とは、前橋市の公共事業はすべて“談合”と言っても差し支えない。
「ただちに談合ということではない。」
いやいや、実行犯に聞いてもそう答えるだろうけど、談合してるのバレてるよ。
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