市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【続報】大同有毒スラグを斬る!…環境基本法の法体系に異議?地検様の「最高裁判決?そんなの関係ねぇ~」

2016-12-30 23:33:00 | スラグ不法投棄問題
■2016年12月22日から23日にかけて、各報道機関よりスラグ報道が配信されました。特に有害スラグ問題を世間に知らしめた毎日新聞では2日間に亘り熱心に「不起訴」の様子を伝えています。事件の経緯や背景、何が問題解決を歪めているのかを垣間見える報道内容となっている気がしてなりません。皆さまと共に記事を熟読してみましょう。

**********2016年12月23日毎日新聞群馬版
大同特殊鋼
鉄鋼スラグ「廃棄物の証拠不十分」 大同など不起訴 地検「故意性」認めず /群馬

 「再生資材」か「産業廃棄物」か--。大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場から出たスラグ問題で、前橋地検は22日、書類送検された大同などを容疑不十分で不起訴とした。「廃棄物」と認定した県や県警に対し、大同側は「製品としての再生資材」と主張。地検の判断が注目されたが、不起訴の理由を「廃棄物だと立証するには証拠不十分だった」と説明する一方、「廃棄物では絶対ないという言い方はしない」と歯切れの悪いものとなった。【尾崎修二】
 不起訴になった法人は、大同のほか、佐藤建設工業(渋川市)と大同特殊鋼の子会社、大同エコメット(愛知県東海市)。
 廃棄物処理法で扱う「不要物」の定義をめぐっては、過去の最高裁の判例で、その物の性状▽排出の状況▽通常の取り扱い形態▽取引価値の有無▽事業者の意思--などを総合的に勘案して決めるのが相当と示された。
 県は、廃棄物処理法を所管する環境省と1年以上協議を重ねた上で、大同側が、スラグを環境基準を超える有害物質「フッ素」が含まれていると知りながら出荷▽販売額以上の金額を「販売管理費」名目で支払う「逆有償取引」だった--などの観点から「廃棄物」と認定。昨年9月に大同など3社を刑事告発した。
 県警も、これら2要素のほか、「製品」にもかかわらず流通経路が送検された3社間のみで完結していた点などから「廃棄物」と認定し、4月に書類送検した。
 県や県警は有害性や取引形態に着目したのに対し、地検の築雅子次席検事は、「関係者の故意性(廃棄物との自覚)の認定は、証拠上困難」とした。さらに、副産物の有効利用などを促す資源有効利用促進法に言及し、「有用な副産物は材料として利用できる、という視点もある。それらの法の趣旨に鑑みて、総合的に判断した」と述べた。
 県内では400カ所以上の工事現場でスラグ使用が発覚し、130カ所以上で環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出されている。大同は「不良製品への対応」との名目で、調査や被覆工事の費用を負担している。大同の本社広報室は「皆さまのご懸念、心配に対し、引き続き誠実に対応したい」とのコメントを発表した。
★関係者、驚きと落胆の声
 地検の不起訴処分に、関係者の間では驚きと落胆の声がもれた。
 県警に告発していた県の大沢正明知事は「不起訴処分は意外だ。不起訴の理由をよく確認して今後の対応を決めたい。県としては、引き続き鉄鋼スラグの使用箇所や環境への影響について調査を進め、県民の安全・安心をしっかりと確保していきたい」とコメントした。
 スラグを廃棄物と認定し、書類送検した県警生活環境課の幹部は「検察の判断について何も話すことはない」と言葉少な。ある捜査関係者は「地検が疑義があるとしたのは、大同など当事者が故意性を否定していることが大きかったのではないか。残念だが、仕方がない」と無念さをにじませた。
 スラグ問題を追及してきた「市民オンブズマン群馬」の鈴木庸事務局長は「健康被害を与えるかもしれないスラグの問題で、不起訴というのは無責任だ」と不満を述べ、検察審査会に申し立てる意向を示した。【鈴木敦子、杉直樹】

 ■大同特殊鋼のスラグを巡る問題の経緯■
2002年4月   大同特殊鋼が大同原料サービス(現大同エコメット)と鉄鋼スラグの委託加工、売買契約を締結
  09年7月   大同特殊鋼、大同エコメット、佐藤建設工業の3社で鉄鋼スラグを混ぜた路盤材の製造・販売契約
  13年10月  渋川市が市スラグ砕石対策調査委員会を設置
  14年1~2月 県が3社の立ち入り検査を開始
     8月   大同特殊鋼が内部調査の結果などを公表
          国交省が調査に着手
  15年1月   鉄鋼スラグ協会が再発防止ガイドラインを改正
     9月   県が3社を県警に刑事告発
          県警が3社の本社や工場を家宅捜索
  16年4月   県警が書類送検
**********

■ポイントを整理する前に、声を荒げて一言言わせていただきます。

前橋地検様は「群馬県民などは、人にあらず、有害スラグの毒で苦しんでも、分相応なので我慢しろ」とでも思っているのか!

 怒りを抑えて、今回もポイントを整理していきましょう。

●ポイント①「再生資源」か「産業廃棄物」かの 醜い“せめぎあい”であること

●ポイント②廃棄物処理法で扱う「不要物」の定義を無視したこと

●ポイント③各方面の反応と事件の経緯

 例によってそれぞれのポイントについて検証してみましょう。

●ポイント①
「再生資源」か「産業廃棄物」かの 醜い“せめぎあい”であること、について

 毎日新聞が、前橋地検が大同などを不起訴にしたことについて、特集を組んだ今回の報道の書き出しは、次の見出しで始まっています。

「『再生資材』か『産業廃棄物』か--。」

 「産業廃棄物」という言葉は廃棄物処理法に定義の規定があるようです、一方「再生資材」という言葉は資源有効利用促進法という法律に定義の規定があるようです。これらの法律の体系はどうなっているのでしょうか?

 環境省のホームページに、法体系が掲載されていました。↓↓
http://www.env.go.jp/recycle/circul/keikaku/gaiyo_3.pdf

PDF ⇒ zn.pdf

■環境基本法・循環型社会形成推進基本法・廃棄物処理法は環境省所管の法律ということのようです。

 一方、資源有効利用促進法は経済産業省産業技術環境局が所管する法律です。

 経済産業省のホームページに“資源有効利用促進法”は、経済産業省の関係法令との記載があります。↓↓
http://www.meti.go.jp/intro/law/index_sangyo.html



 このように循環型社会を形成するための法体系には、環境省を主体とするも経済産業省が割って入ってきている様子が確認できます。国民の生活環境を守る環境省と経済利益優先の経済産業省がその関係団体の陳情をうけてせめぎあっている事が想像されます。

 廃棄物処理法第2条第4項および廃棄物処理法施行令第2条で「鉱さい」という分類が示されています。スラグは鉱さいという名の廃棄物です。法律で鉱さいという分類が示されている以上どこまで行っても廃棄物です。その処分は毒がある場合には遮断型最終処分場に最終処分する、毒がない場合には安定型または管理型最終処分場に処分するのが法が決めたルールです。毒がなければ許可を受けてリサイクルすることは可能です。

 重要なのはあくまで、廃棄物として許可を得なければ本来ならないはずです。しかし現実は鉄鋼業界が強いため、この本筋ルールが歪められ、許可なく副産物だとして道路用鉄鋼スラグや海の埋め立てに利用されています。

 鉄鋼業界は無理を押し通すのではなく、鉱さいという分類をやめてもらうよう働きかけるか、廃棄物処理のルールを守るかどちらかにして欲しいものです。今回のように裁判沙汰になりそうになったら、不起訴にしてもらうよう働きかけて解決する?という政治力を使った強引な「対症療法」はやめて欲しいのです。

■特集記事の中盤には、前橋地検がうっかり口を滑らせたという印象が残る言葉が紹介されています。

「県や県警は有害性や取引形態に着目したのに対し、地検の築雅子次席検事は、『関係者の故意性(廃棄物との自覚)の認定は、証拠上困難』とした。さらに、副産物の有効利用などを促す資源有効利用促進法に言及し、『有用な副産物は材料として利用できる、という視点もある。それらの法の趣旨に鑑みて、総合的に判断した』と述べた。」

「総合的に判断した」などとほのめかしていますが、循環型社会を形成するための法体系のうち経済産業省所管の“資源有効利用促進法”のみを強く意識した?と読めてなりません。強く意識したのは、経済産業省とつながりのある団体からの要請・圧力があったのではないか?と新聞の行間から垣間見られる?と言えるでしょう。日本の基幹産業と自負している思い上がった鉄鋼業界からの強い圧力があったものと読者の皆様は想像できてしまうのではないでしょうか?

 また、大同特殊鋼由来のスラグには、フッ素毒が含まれていることがすっかり忘れられています。まるで有毒性について捜査をしていなかった?かのようです。

 特集記事では次の通り紹介されています。

「県内では400カ所以上の工事現場でスラグ使用が発覚し、130カ所以上で環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出されている。」

 国土交通省や渋川市などの調査の結果では、スラグに含まれる毒により土壌まで汚染されている様子が報告されているのに、それらのことなど、お構い無しのようです。

 毒が含まれている大同スラグは断じて「有用な副産物」などではありません。その証拠に現在の大同スラグは遮断型最終処分場に埋設処分されています。毒性がない廃棄物が処分される安定型・管理型最終処分場には処分されていません。

■検察から「関係者の故意性(廃棄物との自覚)の認定は、証拠上困難」と言われてしまえば、一般市民はそうなんだろうな、と思うしかありません。

 しかし「有用な副産物は材料として利用できる、という視点もある。それらの法の趣旨に鑑みて、総合的に判断した」などは、群馬県内の廃棄物の監督官庁である群馬県環境部局が決めることです。

 また最終的にこの決定が正しいかは、裁判所において、後日、判断されるべき事柄なのではないでしょうか?

 裁判所ではない検察がこのような事にまで言及するのは、“口が滑った?”としか思えません。検察が裁判所を超える存在になることを一般市民は期待していません、不起訴といった裁判手前の言わば敵前逃亡の理由づけに、裁判所を超えた神様にまで上り詰めるのは、どうかご勘弁をいただきたいのです。

●ポイント②
廃棄物処理法で扱う「不要物」の定義を無視したこと

 群馬県内の廃棄物の監督官庁は、群馬県環境部局です。「廃棄物かどうかの個別具体的な判断は群馬県によりなされる」との国会答弁もあります。そこには“検察の判断を仰ぐ”とは出てきません。日本国が群馬県に県内の廃棄物に関する権限を与えているのです、裁判になったときに裁判所により廃棄物性が否定されることがあるのかも知れませんが、その時には権限を有する群馬県の決定を、検察は裁判所にそのまま上程すべきなのではないでしょうか?

 この点について毎日新聞の特集記事は、群馬県の対応を以下のように紹介しています。

「廃棄物処理法で扱う『不要物』の定義をめぐっては、過去の最高裁の判例で、その物の性状▽排出の状況▽通常の取り扱い形態▽取引価値の有無▽事業者の意思--などを総合的に勘案して決めるのが相当と示された。
 県は、廃棄物処理法を所管する環境省と1年以上協議を重ねた上で、大同側が、スラグを環境基準を超える有害物質「フッ素」が含まれていると知りながら出荷▽販売額以上の金額を『販売管理費』名目で支払う『逆有償取引』だった--などの観点から「廃棄物」と認定。昨年9月に大同など3社を刑事告発した。
 県警も、これら2要素のほか、『製品』にもかかわらず流通経路が送検された3社間のみで完結していた点などから『廃棄物』と認定し、4月に書類送検した。」


 群馬県が環境省と1年以上協議を重ねた様子が紹介されています。しかもその協議の内容は、過去の最高裁判所の判例などを総合的に勘案して「廃棄物」と認定したと報道されているのです。廃棄物の管理を行う際の、その入り口である廃棄物認定について、群馬県のマネジメントは“良くやっている”との評価に値します。ある有名なロック歌手が口にする“最高”と言えるでしょう。

 その群馬県の廃棄物マネジメントを前橋地検は、裁判官でもないのに次の通り切って捨ててしまいました。

「不起訴の理由を『廃棄物だと立証するには証拠不十分だった』と説明する一方、『廃棄物では絶対ないという言い方はしない』と歯切れの悪いものとなった。」

 「廃棄物では絶対ないという言い方はしない」とは何なのでしょうか?

 歯切れが悪いを通り越して消化不良を起こしています。じゃ~大同有害スラグは一体何なの?と言いたくなってきます。「絶対ないという言い方はしない」なら、検察様の気分によりたまに廃棄物なのでしょうか?大同スラグは有毒なのです、ふざけてもらっては群馬県に住む県民はたまったものではありません。

 環境省は「行政処分の指針について」という通達を出し、地方自治法第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言を行っていますが、その中で「その物が有価物と認められるか否か判断し、有価物と認められない限りは廃棄物として扱うこと。」と助言を行っています。前橋地検様はこの法律に基づく技術的な助言を「廃棄物では絶対ないという言い方はしない」と冷やかし、裁判所でもないのにバッサリ否定?してしまったと言えるのではないでしょうか?

 これからの廃棄物行政は何を拠り所に行えば良いのか、環境省もさぞ困っているのではないでしょうか?前橋地検様の不用意な発言は日本の廃棄物行政を混乱させてしまったと言えるでしょう。

●ポイント③
各方面の反応と事件の経緯について

 県警に告発していた県の大沢正明知事は「不起訴処分は意外だ。」とコメントしています。群馬県はこのまま何もしない場合どうなるのでしょうか?「県としては、引き続き鉄鋼スラグの使用箇所や環境への影響について調査を進め、県民の安全・安心をしっかりと確保していきたい」としていますが、今後環境への影響が出てきた場合、誰が責任を取るのでしょうか?大同に代わって群馬県知事が責任を取っていただけるのでしょうか?廃棄物認定について群馬県に権限があることを確認する意味でも検察審査会に申し立てをしなければ、今後の廃棄物行政はうまく立ちいかないことになるでしょう。

 スラグ問題を追及してきた「市民オンブズマン群馬」の鈴木庸事務局長は「健康被害を与えるかもしれないスラグの問題で、不起訴というのは無責任だ」と不満を述べ、検察審査会に申し立てる意向を示した。と報道されました。

 この場合、当会の事務局長は「不満」ではなく「批判」をしたのですが、なぜか「不満」と紹介されてしまいました。これまで3年間にわたりこの問題に取り組んで、現在でも法廷で係争中なのですから、その決意をもっと毎日新聞の記者のかたがたにも理解していただきたかったと思います。

 それはともかく、不起訴とすることにより、群馬県中にばら撒かれたスラグのフッ素毒が消えてなくなるのでしょうか?健康被害が発生した場合に被害者の苦しみを思うとき裁判で責任の所在をはっきりさせなければならないのではないでしょうか?

■新聞報道の最後にこの事件の経緯が紹介されています。

「2009年7月大同特殊鋼、大同エコメット、佐藤建設工業の3社で鉄鋼スラグを混ぜた路盤材の製造・販売契約」

と既にこの偽装再生砕石問題の発端から7年余りの時が流れていることが報道されています。そして、2016年も年の瀬を迎えました。

 来年こそ大同有害スラグが撤去され、“きれいな群馬ちゃん”が取り戻せることを願っています。その手始めとして、2017年1月20日(金)午前11時から前橋地裁2階の21号法廷で開廷される第8回口頭弁論期日にご注目ください。

【市民オンブズマン群馬・大同祐独スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料1:大同特殊鋼はスラグにフッ素毒が基準値を超えて含まれていることを承知しています。
**********
循環型社会の裏側(杉本修作著)一部抜粋
※循環型社会の裏側(1)PDF ⇒ zp.pdf
※循環型社会の裏側(2)PDF ⇒ zq.pdf
薄めてもゴミはゴミ
 2013年11月8日、大同渋川工場の会議室で、責任者である環境室長ら四人とはじめて相対した。冒頭、環境室長から飛び出した発言に驚かされた。
 「環境基準を超えるフッ素が含まれているのはやむを得ないんですよ。だから天然砕石と混ぜてフッ素の低減化をしている」

※参考資料2:群馬県内の廃棄物行政の監督官庁は群馬県です。群馬県の決定に影響を与えられるのは裁判所のみでなければなりません。
■環境省の説明をご覧ください。第187回国会 経済産業委員会 第8号(平成26年11月12日)において塩川委員の質問に答えた(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)鎌形 浩史政府参考人の話です。
**********
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009818720141112008.htm
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の鉄鋼スラグが廃棄物に該当するか否かという点でございますけれども、個別具体的な判断につきましては、産業廃棄物の適正処理に関する指導監督権限を有する、この場合ですと群馬県において適切に判断するということになりますが、その判断の考え方について申し上げますれば、物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思を総合的に勘案して判断するということになります。
 御指摘の土壌環境基準については、そのうち、物の性状の判断の要素ということになるということでございます。

※参考資料3:関係法令
■環境基本法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO091.html

■循環型社会形成推進基本法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO110.html
第一条  この法律は、環境基本法 (平成五年法律第九十一号)の基本理念にのっとり、循環型社会の形成について、基本原則を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、循環型社会形成推進基本計画の策定その他循環型社会の形成に関する施策の基本となる事項を定めることにより、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

■廃棄物処理法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO137.html

 廃棄物処理法施行令http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S46/S46SE300.html
(産業廃棄物)
第二条  法第二条第四項第一号 の政令で定める廃棄物は、次のとおりとする。
一  紙くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)、出版業(印刷出版を行うものに限る。)、製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され、又は染み込んだものに限る。)
二  木くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの、貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
三  繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
四  食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
四の二  と畜場法 (昭和二十八年法律第百十四号)第三条第二項 に規定すると畜場においてとさつし、又は解体した同条第一項 に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律 (平成二年法律第七十号)第二条第六号 に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第一号 に規定する食鳥に係る固形状の不要物
五  ゴムくず
六  金属くず
七  ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものを除く。)及び陶磁器くず
八  鉱さい
九  工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物
十  動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る。)
十一  動物の死体(畜産農業に係るものに限る。)
十二  大気汚染防止法 (昭和四十三年法律第九十七号)第二条第二項 に規定するばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法第二条第二項 に規定する特定施設(ダイオキシン類(同条第一項 に規定するダイオキシン類をいう。以下同じ。)を発生し、及び大気中に排出するものに限る。)又は次に掲げる廃棄物の焼却施設において発生するばいじんであつて、集じん施設によつて集められたもの
イ 燃え殻(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第七号及び第十号、第三条第三号ヲ並びに別表第一を除き、以下同じ。)
ロ 汚泥(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第五号ロ(1)、第八号及び第十一号、第三条第二号ホ及び第三号ヘ並びに別表第一を除き、以下同じ。)
ハ 廃油(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハ及び別表第五を除き、以下同じ。)
ニ 廃酸(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハを除き、以下同じ。)
ホ 廃アルカリ(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二十四条第二号ハを除き、以下同じ。)
ヘ 廃プラスチック類(事業活動に伴つて生じたものに限る。第二条の四第五号ロ(5)を除き、以下同じ。)
ト 前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで及び第五号から第九号までに掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)
十三  燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、前各号に掲げる廃棄物(第一号から第三号まで、第五号から第九号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)又は法第二条第四項第二号 に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないもの

■資源の有効な利用の促進に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H03/H03HO048.html

※参考資料4:環廃産発第1303299号 環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長
行政処分の指針について(通知)(抜粋)

http://www.env.go.jp/hourei/add/k040.pdf

4 事実認定について

(2) 廃棄物該当性の判断について

① 廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであること。
  廃棄物は、不要であるために占有者の自由な処理に任せるとぞんざいに扱われるおそれがあり、生活環境の保全上の支障を生じる可能性を常に有していることから、法による適切な管理下に置くことが必要であること。したがって、再生後に自ら利用又は有償譲渡が予定される物であっても、再生前においてそれ自体は 自ら利用又は有償譲渡がされない物であることから、当該物の再生は廃棄物の処理であり、法の適用があること。
 また、本来廃棄物たる物を有価物と称し、法の規制を免れようとする事案が後を絶たないが、このような事案に適切に対処するため、廃棄物の疑いのあるものについては以下のような各種判断要素の基準に基づいて慎重に検討し、それらを総合的に勘案してその物が有価物と認められるか否かを判断し、有価物と認められない限りは廃棄物として扱うこと。なお、以下は各種判断要素の一般的な基準を示したものであり、物の種類、事案の形態等によってこれらの基準が必ずしも そのまま適用できない場合は、適用可能な基準のみを抽出して用いたり、当該物の種類、事案の形態等に即した他の判断要素をも勘案するなどして、適切に判断されたいこと。その他、平成12年7月24日付け衛環第65号厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長通知「野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」及び平成17年7月25日付け環廃産発第050725002号本職通知「建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について」も併せて参考にされたいこと。
ア 物の性状
利用用途に要求される品質を満足し、かつ飛散、流出、悪臭の発生等の生活 環境の保全上の支障が発生するおそれのないものであること。実際の判断に当たっては、生活環境の保全に係る関連基準(例えば土壌の汚染に係る環境基準 等)を満足すること、その性状についてJIS規格等の一般に認められている 客観的な基準が存在する場合は、これに適合していること、十分な品質管理が なされていること等の確認が必要であること。
イ 排出の状況
排出が需要に沿った計画的なものであり、排出前や排出時に適切な保管や品質管理がなされていること。
ウ 通常の取扱い形態
  製品としての市場が形成されており、廃棄物として処理されている事例が通常は認められないこと。
エ 取引価値の有無
占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があること。実際の判断に当たっては、名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと、当該譲渡価格が競合する製品や 運送費等の諸経費を勘案しても双方にとって営利活動として合理的な額であること、当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡の実績があること等の 確認が必要であること。
オ 占有者の意思
客観的要素から社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思として、適切に利用し若しくは他人に有償譲渡する意思が認められること、又は放置若しくは処分の意思が認められないこと。したがって、単に占有者において自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができるものであると認識しているか否かは廃 棄物に該当するか否かを判断する際の決定的な要素となるものではなく、上記アからエまでの各種判断要素の基準に照らし、適切な利用を行おうとする意思があるとは判断されない場合、又は主として廃棄物の脱法的な処理を目的とし たものと判断される場合には、占有者の主張する意思の内容によらず、廃棄物に該当するものと判断されること。

なお、占有者と取引の相手方の間における有償譲渡の実績や有償譲渡契約の有無は、廃棄物に該当するか否かを判断する上での一つの簡便な基準に過ぎず、廃プラスチック類、がれき類、木くず、廃タイヤ、廃パチンコ台、堆肥(汚泥、動植物性残さ、家畜のふん尿等を中間処理(堆肥化)した物)、建設汚泥処理物(建設汚泥を中間処理した改良土等と称する物)等、場合によっては必ずしも市場の形成が明らかでない物については、法の規制を免れるため、恣意的に有償譲渡を 装う場合等も見られることから、当事者間の有償譲渡契約等の存在をもって直ち に有価物と判断することなく、上記アからオまでの各種判断要素の基準により総合的に判断されたいこと。さらに、排出事業者が自ら利用する場合における廃棄物該当性の判断に際しては、必ずしも他人への有償譲渡の実績等を求めるものではなく、通常の取扱い、個別の用途に対する利用価値並びに上記ウ及びエ以外の 各種判断要素の基準に照らし、社会通念上当該用途において一般に行われている利用であり、客観的な利用価値が認められなおかつ確実に当該再生利用の用途に 供されるか否かをもって廃棄物該当性を判断されたいこと。ただし、中間処理業 者が処分後に生じた中間処理産業廃棄物に対して更に処理を行う場合には産業廃棄物処理業の許可を要するところ、中間処理業者が中間処理後の物を自ら利用する場合においては、排出事業者が自ら利用する場合とは異なり、他人に有償譲渡できるものであるか否かを含めて、総合的に廃棄物該当性を判断されたいこと。

② 廃棄物該当性の判断については、法の規制の対象となる行為ごとにその着手時点における客観的状況から判断されたいこと。例えば、産業廃棄物処理業の許可 や産業廃棄物処理施設の設置許可の要否においては、当該処理(収集運搬、中間処理、最終処分ごと)に係る行為に着手した時点で廃棄物該当性を判断するもの であること。



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