市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【続報】セクハラ告発町議の除名停止で復帰した途端再び辞職勧告・出席停止懲罰を科した草津町パワハラ議会

2020-04-30 23:11:00 | 国内外からのトピックス
■高温で高酸性の硫黄泉で内外に知られる草津町が、実は女性蔑視とヨソ者排除の習慣を引きずる前時代的なコミュニティであることを、町長のセクハラ行為の告白を町議会で公表した女性町議が問答無用で12月2日に除名されたことで、はからずも明るみに晒されました。草津町の女性町議が黒岩町長から町長室で性的関係を求められるなどしたうえに、町長から政治的な妨害を受けたとして電子書籍で公表したところ、2019年12月3日に町議会で除名処分を受けた事件は、その後、黒岩町長が町議ら3人に対し慰謝料など約5000万円を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が2020年2月19日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)で開廷されました。第2回弁論は4月27日(月)15時から弁論準備のかたちで開催予定でしたが、新型コロナ禍による裁判所の業務縮小方針により、延期された可能性があります。

草津町役場庁舎。地上4階RC造、延べ床面積4,500㎡、竣工1991年。出典:㈱桂設計HP

 一方、女性町議は2019年12月10日に行政不服審査法による除名処分の執行停止申し立てを行っていましたが、群馬県は2020年2月7日付で、町議会議長と女性町議宛に処分の執行を一時停止する通知を出しました。除名処分の妥当性を審議する自治紛争処理委員の審決が今月5月に出る見通しのようですが、新型コロナの影響でさらに遅れるかもしれません。
 女性町議はさっそく草津町議会3月定例会に出席しようと思いましたが、黒岩町長の御用議会は、3月18日に女性町議に対して今度は「辞職勧告決議」そして「10日間の出席停止」の懲罰を可決しました。依然として、議会の閉鎖性とパワハラ体質は全く変わっていないことが判ります。

 この事件については次のブログもご覧ください。
○2019年12月3日:日本の名湯で知られる草津町でセクハラ告白した女性町議への異常バッシングが示す群馬県の政治風土
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3084.html
○2019年12月9日:【続報】セクハラ告白の女性町議を除名し今度は町長不信任案提出の男性町議を懲罰にかけた御用議会
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3088.html

■では、今年に入ってからのこの事件の動きを当事者によるSNS発信情報や、報道記事などから見てみましょう。

**********新井祥子ブログ2020年01月01日(水)
「こんなパワハラ議会にセクハラの相談ができますか?」


 12月25日、クリスマスの日に草津町議会が新聞折込に入れたチラシです。私の懲罰について書いてあります。
 草津町には「ハーモニー」という議会の広報誌があり、回覧板と一緒に各家庭に配布されます。
 私の懲罰については、この広報誌にも掲載されます。
 それなのに、わざわざご丁寧に、別途新聞折込で全戸配布の折り込みチラシまで入れて、私を懲罰し、除名にしたことを宣伝して回っています。この予算は、どこから出たのでしょうか。
 このチラシを発行した議員で折半したんでしょうか。
 黒岩町長も新聞折込に、私を誹謗中傷する折込を2回入れています。
 前の議会中継、先輩議員が私の告発を非難して「何故、電子書籍に告発したのか」「そうする前に他の方法はなかったのか」「第2委員会室では人権委員の人が相談する日を設けていて」「月末になると、町の顧問弁護士も来るし」「議長だって、相談に乗ってくれるかもしれない」と言われました。
 その先輩に、私は「私が議会に上がった時、先輩からのセクハラやパワハラがあった」「だから言えなかった」そう言ったら、その先輩は黙ってしまいました。
 理由は、先輩議員だったら誰でもが、議会で私に対してや女性職員に対してのセクハラやパワハラがあったことを知っているからでしょう。
 それに、こんなチラシを捲く議会でセクハラの相談ができるなんて思うでしょうか。
 私に暴露されることが困るので、早く懲罰にかけ、警察に捕まってほしいと思っているの
でしょう。
 それを証拠に、私が除名になり、失職したとたん、町長の刑事告訴が受理されたという報道がありました。
 酷いなと思うのは、私以外の被害者の証拠を出せ、出せ、ということです。
 新潮の記事(草津に静養に来られる美智子様のこと)でも感じましたが、こちらが、相手の事を慮って表に出したくないと思った事をついてくる。
 けれど、先輩議員のセクハラ・パワハラについては、もう、遠慮なく告発できると感じているので、証拠をもって、明らかにしていきたいと思います。
 それは、議員に戻れようが、戻れなかろうが行っていきます。

**********飯塚玲児ブログ2020年01年03日17:11
新井祥子元議員のブログ
 立場こそ違えど、一緒に告訴された(らしい)新井祥子元議員が、自身のブログで心境をつぶさに綴っている。
 そこには、長く告白したくてもできなかった事情や、草津町議会の歪み、黒岩町長の法律を持ち出しての脅しなどがこれでもか、と書かれている。
 ぜひとも一度読んでみてほしい。
https://ameblo.jp/chocora2535/entry-12563718478.html?frm_src=thumb_module

**********飯塚玲児ブログ2020年01月04日18:54
中沢康治議員のFacebook
 表題の件であるけれども、読んでいて気分が悪くなった。以下のようなものである。
(以下引用)
 昨年暮れ「訴訟を起こされた人と食事をしたくないと言う人がいるのであなたは別のところで昼食を食べてくれ」と申し渡しがあった。勿論、異議は申し立てた。違う考えの人と同席も出来ない日本人、呉越同舟は困ると言う、未だこんな世界がある!!この発言も無礼で品を下げ懲罰に値する。と言うだろう。
(引用ここまで)
 聞くところによると、議会議員と昼食弁当を食べる機会があった際、ある議員から上記のような発言があったという。ここまでくると人権侵害も甚だしいと思う。あんまり頭にきたのでこのブログに書いた次第。
 さらに康治議員は同じくフェイスブックで以下のような書き込みをしている。
(以下引用)
 ある人から電話があった。あなたのサイトに「いいね」をすると監視をしている人がいてマークされると言う。まるで戦時中の特高警察だ。反対意見は正解を探すために必要なのがわからない人が最近出てきたのか?嫌な世の中に逆戻りしないで欲しい。
(引用ここまで)
 ありえないほど酷い話である。無論僕は「いいね」し続ける。もう監視されているわけだし、このブログの記事も町長派の「ネット部隊」にチェックされ、町長に報告されているはずだ。
 僕は草津に約4年も住んで、地元の方々のほとんどは優しく素敵な方だと知っている。
 ところが、町の政治を司る議員たちがこのような始末では、いずれなんらかの破綻が生じるような気もしている。
 新井元議員が除名となり、現在の草津町議会は康治議員を除く全員が町長寄りである。
 それは無論いいことだとは思えない。少なくとも少数派の意見も聞いた上で議論するのが議会ではないだろうか?
 独裁政治は必ず滅びる。歴史がそれを証明している。そう思う。
※中沢康治町議のFacebook https://www.facebook.com/yasuji.nakazawa

**********上毛新聞2020年02月13日05:53
除名処分を一時停止 新井草津町議が復帰 県が7日付で決定

草津町役場
 議会での言動を理由に草津町議会で除名処分を受けて昨年12月に町議を失職した新井祥子氏(50)の不服申し立てを受け、群馬県は12日、除名処分を一時停止する決定をしたと明らかにした。決定は7日付。新井氏は町議に復帰した。申し立てにより議員の除名処分が一時停止となるのは県内初。
◎新井氏「公正に判断」/議長「粛々と議会運営」
 新井氏を巡っては、昨年12月の町議会定例会で「2015年1月に町長室で黒岩信忠町長と肉体関係を持った」などの発言を町議会側が問題視。「他人の私生活に関する言論を禁じた地方自治法に反した」として、除名を求める懲罰動議が提出され可決、失職した。
 県の決定に対し、新井氏は「公正に判断していただきありがたい。町民のため、女性の権利のために活動していきたい」と話した。3月定例会を控え、黒岩卓議長は「粛々と正常な議会運営を行うだけ」とした。
 新井氏は除名取り消しを求める「審決」も申請しており、弁護士など有識者3人の県自治紛争処理委員が審理を続けている。処分の一時停止は審決が出るまでの期間が対象となる。

**********朝日新聞デジタル2020年2月13日 7時25分
「セクハラ」訴えの前草津町議、県が除名処分を一時停止

議場内に町長室の写真パネルを持ち込んで新井祥子氏に説明を求める黒岩信忠町長(右)=2019年12月2日、群馬県草津町
 群馬県草津町の黒岩信忠町長からセクハラ被害を受けたと訴えていた新井祥子氏(50)が、議会の品位を傷つける発言をしたとして懲罰動議を受けて失職した問題で、群馬県は除名処分の執行を一時停止する通知を出した。通知は7日付で町議会議長と新井氏宛て。新井氏が行政不服審査法に基づいて12月10日、除名処分の執行停止を申し立てたのを受けた措置で、新井氏は当面、町議会の議席を回復することになった。
 新井氏が12月9日に申し立てた処分取り消しについては、処分の妥当性を審議する自治紛争処理委員の審決が5月にも出る見通し。執行を一時停止しないままでは、新井氏に投票した有権者の町政参加の権利が侵害されると県市町村課が判断した。
 新井氏は「除名処分の停止の申し立てが認められ、ほっとした。町民や女性の権利を守るための活動を続けていく」と話した。一方、除名処分を決めた町議会の黒岩卓議長は「法律に沿った手続きなので、粛々と受け止めたい。1議員として通常通りに対応していく」と語った。
 新井氏は昨年11月に電子書籍などで町長からセクハラ被害をうけたと告発。町議会12月定例会での町長の不信任決議案を巡る質疑などでの新井氏の発言が「破廉恥で、議会の品位を傷つけた」として懲罰動議が提出され、賛成多数で可決。新井氏は最も重い除名処分を受け、失職していた。(泉野尚彦)

**********読売新聞オンライン2020年02月13日10:40
「町長室で性交渉」告白の女性、町議除名処分停止に
 群馬県の山本知事は、草津町議会で除名の懲罰処分を受けた新井祥子氏(50)の申し立てについて、今月7日付で処分の執行停止を通知した。これにより、新井氏の町議失職は保留された。
 新井氏は「町長室で2015年に町長と性交渉をした」との告白を巡って昨年12月に処分を受けたが、その後、処分の執行停止と取り消しを求める審査を申し立てていた。知事は審決に向けた手続きを進めている。

**********飯塚玲児ブログ2020年02月13日16:48
新井さんの除名処分が執行停止!
 僕とともに裁判を戦っている新井祥子元議員が除名処分を受けたことについて、群馬県知事は除名処分を執行停止としたとのニュースがYOMIURI ONLINEに掲載された。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200213-OYT1T50074/
 まあ、町長の疑義がまったく晴れてもいないのにいきなり除名処分というのは、通常の常識でも考えられない。
 最終的な審決が出るのはまだ先のことらしいが、ひとまず新井さんは「新井祥子議員」として議会に戻ってくるわけだ。
 何はともあれ、新井祥子先生、良かったですね。
 除名処分は中沢康治議員以外の全員が賛成した決議なわけで、それを群馬県知事は支持しなかったということになる。
 草津町の議員の方々は、いったいどのような態度で新井議員を迎え入れるのだろうか。
 そのような間違った決議を全員で決めた議員たちを、草津町の町民のみなさんはどのように捉えているのだろうか。
 入込客数過去最多にあぐらをかくことなく、色々と考えるべき時期が来ているように思う。

**********上毛新聞2020年02月20日11:00
草津町議ら争う姿勢 町長名誉毀損訴訟 前橋地裁で口頭弁論
 事実と異なる内容を電子書籍に記載され名誉を傷つけられたとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長(72)が新井祥子町議(51)ら3人に対し、慰謝料など約5000万円を求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が19日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であった。被告側は請求棄却などを求める答弁書をそれぞれ提出、いずれも争う姿勢を示した。
 被告は新井町議のほか、電子書籍を出版した飯塚玲児ライター(53)、町議会で虚偽事実とされる記載がある不信任決議案の理由書を読み上げた中沢康治町議(85)。

**********毎日新聞2020年2月20日
名誉毀損訴訟 新井草津町議ら町長と争う姿勢 /群馬
 虚偽の内容が書かれた電子書籍を出版されて名誉を傷つけられたとして、草津町の黒岩信忠町長が同町の新井祥子町議や男性ライターら3人に4400万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が19日、前橋地裁(渡辺和義裁判長)であった。新井町議らは「名誉毀損(きそん)に当たらない」と述べ、争う姿勢を示した。
 訴状などによると、新井町議は、黒岩町長と町役場の町長室で性的関係を持ったなどとの内容を証言。男性ライターは、これら証言を電子書籍として出版した。黒岩町長は、証言は全くの虚偽で、回復困難な人格権侵害の被害を受けたと主張している。【妹尾直道】

**********新井祥子ブログ2020年03月18日(水)
今度は出席停止の懲罰です
 せっかく、除名処分の停止の申し立てが通ったのに、それが「不服」ということで、今度は「辞職勧告決議」そして「10日間の出席停止」の懲罰が可決されました。
 そのため、大切な予算議会を欠席することになりました。
 今回も「12月2日の発言がけしからん」っていう理由です。理不尽で不当な二重懲罰です。
 新型コロナウィルスが日本中で猛威をふるう中で行われた議会初日、議会が開始した午前10時〜午後3時過ぎまで、議会は私の懲罰につぐ懲罰の議論で終始しました。
 とても残念です。
 ただ、議員の権利が剥奪された訳ではないので、議員活動は変わらずに行っていきます。


**********

■新型コロナによる緊急事態宣言で、全国の裁判所で業務縮小が続いていますが、5月6日の時点でなんらかの方針が出れば、裁判業務の再開の可能性も見えてきます。民事裁判の進捗と、群馬県による除名処分の妥当性を審議する自治紛争処理委員の審決の行方を引き続き注視したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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