市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…大枚はたいて弁護士を起用し僅か2頁だけの被告準備書面4が到来

2017-08-21 21:28:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専の電子情報工学科を舞台に発生した陰湿極まるアカデミックハラスメント(アカハラ)事件。この忌まわしい事件に関連する情報公開請求を2015年6月26日に提出してから既に2年以上経過しました。当会は現在、群馬高専の上級機関である国立高等専門学校機構を被告として、不開示処分取消請求のための行政訴訟を行っています。その第6回口頭弁論が2017年9月1日(金)15:00から東京地裁5階522号法廷で開催されるのを前に、被告の訴訟代理である弁護士事務所から準備書面(4回目に相当)が8月18日付けで郵送されてきました。8月20日に開封したところ、そのお粗末な内容に当会関係者もビックリです。

 第一に、今回の被告準備書面はたった2頁です。しかも実質的な文章は26行しかありません。7月7日の第5回口頭弁論から6週間(1ヵ月半)もかけて、たったこれだけです。これで、着手金30万円(一般相場の想定値)と交通費や日当がもらえるのですから、弁護士とはいい商売です。

 被告代理人の弁護士は、いつも開廷時間ギリギリにやってきて、弁論が終わるとそそくさと出ていきます。弁護士はいつも数十件の民事・家事事件を抱えていると言われており、相談件数も入れれば、100件ちかく関与していると思われます。だから次回弁論期日を裁判長が訊ねると、短くても1カ月半、長いと2カ月以上インターバルを取りたがります。
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2016/1-2-2_tokei_2016.pdf

■それにしても、今回の被告の準備書面は、この裁判の天王山ともなる大事な反論の機会と位置付けられていましたが、このあと全文掲載したものをご覧いただけば一目瞭然で、質・量ともに杜撰としか言いようがありません。

 1ヶ月半をかけて、被告が提出してきた準備書面には、信じ難いことに「訴訟情報をオンブズマン側が公開しているため、開示できない」という屁理屈がたった1つだけ記されているのみでした。大金を支払った事実上の依頼人である群馬高専の学科名すら間違えていることといい、証拠説明書の誤字といい、これが本当に国の委託を受けたプロの仕事なのかと心底疑うしかありません。こんなやっつけ仕事の文書をたかが数枚作るだけで国からガッポリ貰えるのですから、税金で訴訟費用が賄われる行政訴訟を委任された弁護士は、依頼人が国や地方自治体なので、費用も値切られることもなく、まったくいいご身分と言えるでしょう。

■それでは、被告が提出期限ギリギリに送ってきた準備書面(4回目)を見てみましょう。

*****被告準備書面4*****PDF ⇒ 201708181s.pdf
<P1>
平成28年(行ウ)第499号 法人文書不開示処分取消請求事件
原 告  市民オンブズマン群馬
被 告  独立行政法人国立高等専門学校機構

          準 備 書 面

                      平成29年8月18日

東京地方裁判所民事第3部B2係  御中

              被告訴訟代理人弁護士  木 村 美 隆
                   同      藍 澤 幸 弘

             記
1 開示請求1ないし3にかかる文書の表題について
 開示請求1にかかる文書の表題には,文書の配布対象となる者に関する属性が記載されているが,開示請求2及び3にかかる文書の表題には,属性の記載はない。

2 開示請求1にかかる文書のうち,属性部分の記載を黒塗りにしても権利侵害情報にあたることについて
(1)群馬高専には,電子工学科(ママ),機械工学科,電子情報工学科等の5つの学科があり,それぞれに所属する学生の人数はいずれも40名程度,所属教員も各学科

<P2>
10人程度と少ない。また,所属教員については、群馬高専のホームページで実名が公開されシラバス等で従業担当や研究分野の内容も公開されている。群馬高専のホームページには,そのほかにも学生の卒業年次ごとに卒研テーマと卒業生の実名を記載した学校だより等の資料を掲載していた。
 さらに本件では,原告の関連するホームページにおいて,甲第8,9,14号証等の書証も含めた訴訟記録が掲示され,第三者から見て本件に関連すると推測される可能性のある各種情報が公開されている。それのみならず,同ホームページには,掲載情報の対象学科を特定した表示もある(乙7)。
(2)他方,開示請求1にかかる文書には,申告者や申告の対象者の所属のほか,ハラスメントとされる行為が申告された事情や,学校がヒアリングを実施した時期とその結果の取り扱い等が記載されている。これらの情報と前記(1)により事実上開示されている情報等を照らし合わせれば,開示請求1ないし3にかかる文書の当事者(ハラスメントとされる行為の申告者及び申告の対象者)を特定することは容易に可能である。
 このため,開示請求1にかかる文書のうち,申告者や申告の対象者にかかる属性と黒塗りにしたとしても,同文書が個人のプライバシーにかかる文書として,権利侵害情報の記載された文書であることを,免れることはできない。
                                  以上

*****被告の証拠説明書*****PDF ⇒ 201708182.pdf
平成28年(行ウ)第499号 法人文書不開示処分取消請求事件
原 告  市民オンブズマン群馬
被 告  独立行政法人国立高等専門学校機構

          証 拠 説 明 書

                      平成29年8月18日

東京地方裁判所民事第3部B2係  御中

              被告訴訟代理人弁護士  木 村 美 隆
                   同      藍 澤 幸 弘

             記
●号証:乙7
○標目:姿勢(ママ)を開く安中市民の会ホームページ
○原本・写:写
○作成年月日:H29.7
○作成者:市政をひらく安中市民の会
○立証趣旨:市政をひらく安中市民の会(HPの内容からして原告代表と関連する団体と思われる)のHPにおいて,本件訴訟の甲第11,12および14号証等の資料が公開されていること。

*****乙第7号証*****PDF ⇒ 2017081837.pdf
市政をひらく安中市民の会の2017年4月22日付記事「アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・第3回口頭弁論で提出を約束した原告準備書面(2)」を提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2301.html#readmore
市政をひらく安中市民の会の2017年7月19日付記事「アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・7月7日に第5回口頭弁論を踏まえた仕訳表と原告準備書面(4)」
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2367.html#readmore
**********

■一般的に、行政訴訟の場合、行政と裁判所は水面下で調整をしていることが殆どですので、行政訴訟で住民が勝訴することは極めて稀です。そのせいか、被告の訴訟代理人は、自分が権力側であるゆえに適当に仕事をしてもどうせ勝てると踏んでいるのかもしれません。

 あるいはひょっとして、これほど杜撰な反論に終始した背景には、もしかしたら敗訴を覚悟して、まともに作業をしても無意味だと考えているのかもしれません。いずれにしても、判断するのは裁判官ですから、杜撰すぎる被告の反論であっても、きちんと原告として主張し、攻めておくことが肝心だと思っております。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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