市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

港湾都市ナホトカの過ぎゆく短い夏の日(その1)

2011-08-28 23:07:00 | 国内外からのトピックス
■日本では幾分朝晩の気温が下がり気味で、秋の気配をわずかに感じ始めますが、まだまだ残暑が厳しい今日この頃です。一方、シベリアのナホトカでは、8月初めでも最高気温が22℃で最低気温が16℃という気候です。今回、ナホトカを数日間訪問する機会がありましたので、ご紹介します。


ナホトカ市内の公園にある1950年5月18日にナホトカが市に昇格した記念碑。

 北緯43度東経133度にあるナホトカは、日本の札幌市とほぼ同緯度にあります。時差は今年3月から夏時間が廃止され一年中、日本時間より2時間先となりました。海沿いのため、冬の気候はシベリア奥地ほど厳しくありませんが、1月の平均気温は氷点下13℃で、積雪は少なく乾いた北風が大陸から海に向かって強く吹き抜けます。



豊かな森がはぐくむ北の海は、海草の宝庫。立派な昆布が波打ち際に沢山打ち上げられている。

 夏は逆に南東の風が卓越します。モンスーン型気候ですが、年間降水量は約740mmとあまり多くなく、そのうち60%は7月から9月の間の降雨です。今回、7月中旬から8月上旬のナホトカ滞在中は、ほとんど曇りか雨でした。8月の平均気温は17℃です。


バフンウニも海岸の浅瀬にウヨウヨ。

いくら涼しくても夏はロシア人らにとって海水浴場で日光浴ができる希有な機会。

とはいえ、気温20度前後、水温が15度前後では水の中に入るにも気合いを要するので人影はまばら。上の写真はナホトカの郊外の海岸風景。

■ナホトカは人口約16.8万人(2009年1月1日現在)で、ロシア東部の沿海地方にあり、人口約60万人のウラジオストクに次いで2番目に大きい都市です。ウラジオストクから約180キロ離れており、車で3時間余りかかります。

 ナホトカまで、東京からの直線距離は約1000キロですが、青森や函館からは約400キロしか離れていません。津軽海峡を西に進めば15ノット(時速28キロ)の船だと14時間程度で着きます。

■大きな半円形のナホトカ湾を囲んで、いくつかの港が配置されています。中心となるのは、湾の西側のナホトカ市街地のある、懐の深い天然の良港となっているナホトカ港で、ここには商業港、漁業港、軍港、沿岸警備隊基地等があります。

ナホトカ市のメインストリートとしてナホトカ湾に沿って延びるナホトキンスキー大通りにある展望台から、ナホトカ湾と対岸の海軍基地や沿岸警備隊基地を一望できる。

 ナホトカ湾の前にはリシー島(ロシア語で「キツネ」の意味)があり、外洋の荒波から防波堤の役割を果たしています。

リシー島。

 ナホトカ湾内は冬季には氷が張ることもありますが厚さはせいぜい数センチ程度です。ナホトカ湾の東側の奥のウランゲル湾にあるボストチヌイ港は冬でも氷が張りません。

ボストチヌイ港。

 ナホトカ湾内にはこのほか、石油積出専用のコジミノ港があります。またナホトカ港には船の修理などを行う造船所や漁業加工基地、大手船会社が保有するタグボートなどの作業船の基地もあります。

■かつてナホトカへは、ソ連時代の1961年に横浜~ナホトカ間に定期客船航路が開設され、横浜の大桟橋から毎週定期船が就航していました。ヨーロッパに安い費用で旅行する若者にとって、ナホトカからシベリア鉄道を利用するために利用されていました。筆者の学生時代の友人にも、1年間休学して、この船にのってヨーロッパに行き、アルプスの登山をした者がいます。

 現在は、閉鎖都市だったウラジオストクが開放されたため、人口ではウラジオストクにさらに水をあけられていますが、狭く密集して騒がしい印象のウラジオストクに比べると、ナホトカは大変ゆったりして時間の流れもゆっくりと感じます。

 ナホトカの街は、主にナホトカ湾の西奥の深く切れ込んだ入江の周辺に、細長く伸びていて、海岸沿いの道路から港の様子が見渡せます。

【ひらく会情報部海外取材班・この項続く】

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