市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【速報】大同有毒スラグを斬る!・・・群馬県が佐藤建設工業の許可を取り消し!

2016-08-05 12:31:00 | スラグ不法投棄問題
■お盆休みを控えた2016年8月5日に、スラグ報道がありましたので、速報でお届けします。なお、当会の誇る、そしてこの問題を粘り強く徹底追及している徘徊老人軍団「リットン調査団」のブログも併せてご覧ください↓↓ 青いURLをクリックしてください。
http://blog.livedoor.jp/lytton_cyousadan/archives/5289331.html


**********2016年8月5日上毛新聞 ※PDF ⇒ 2016n0805v.pdf
鉄鋼スラグ問題の業者
県が許可取り消し

 鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場(渋川市)からでた鉄鋼スラグが県内の公共工事で使われ、一部で環境基準値を超すフッ素や六価クロムが検出された問題で、県は4日、廃棄物処理法に違反したとして、佐藤建設工業(同市小野子)の産業廃棄物収集運搬業などの許可を取り消す行政処分をしたと発表した。処分は3日付。
 処分理由は、スラグを含む鉱さいを収集運搬する許可を得ていないのに、2009年7月から14年1月までスラグを運搬した。産業廃棄物の処理業はがれき類の破砕しか許可されていなかったが、12年6月スラグと天然砕石を混合して処分した。
 佐藤建設工業は「スラグは産業廃棄物とする県の見解を受け入れていない。異議申し立ても含めて対応を検討したい」とコメントした。
 県の調査によると、同工場から出た鉄鋼スラグは公共工事などに使われ、3月末時点で県内では373カ所で使用が確認されている。環境基準値を超えるフッ素などが検出された場所があるが、地下水への影響は確認されていない。国土交通省や県、渋川市などがスラグの撤去や、アスファルトで舗装するなどの対策を講じている。
 この問題をめぐっては、県が14年に関係先を立ち入り調査し、15年9月に大同特殊鋼などを刑事告発した。県警は4月26日、産業廃棄物処理法違反の疑いで、同社と子会社の大同エコメット(愛知県)、佐藤建設工業の3社と役員ら5人を前橋地検に書類送検した。

**********2016年8月5日毎日新聞群馬版 ※PDF ⇒ 2016n0805v.pdf

有害スラグ問題 
許可を取り消し 県が廃棄物で

 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場(渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準値を超える有害物質が含まれていた問題で、県は4日、廃棄物のスラグを許可なく運搬・処分していたとして、建設会社「佐藤建設工業」(渋川市)=廃棄物処理法違反容疑で書類送検=に対する廃棄物の収集運搬業許可などを全て取り消したと発表した。処分は3日付け。
 県廃棄物リサイクル課によると、佐藤建設工業は2009年7月~14年1月、大同の渋川工場からスラグを運搬していた。09年7月~12年6月には、道路整備に使う材料を作るため、スラグと天然砕石と混合していたという。廃棄物であるスラグの取り扱いが佐藤建設工業に対する許可の範囲を逸脱していたとしている。
**********

■このスラグ報道に先立ち、群馬県もホームページに行政処分について発表をしているようです。
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700091.html

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【8月4日】産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(廃棄物・リサイクル課)
産業廃棄物処理業者に対する行政処分について


廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)第14条の3の2及び第15条の3の規定に基づき、産業廃棄物処理業及び産業廃棄物処理施設設置の許可を下記のとおり取り消しました。
                  記
○事業者の氏名又は名称:
群馬県渋川市小野子1579番地 株式会社佐藤建設工業 代表取締役 佐藤本位田
○許可の番号:産業廃棄物収集運搬業許可 第01000-042372号 産業廃棄物処分業許可 第01020-042372号 産業廃棄物処理施設設置許可(がれき類の破砕施設) 群馬県第326-0号
○処分の年月日:平成28年8月3日
○処分の内容:産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業及び産業廃棄物処理施設設置の許可の取消し
○処分理由:
 株式会社佐藤建設工業は、平成21年7月から平成24年6月までの間、大同特殊鋼株式会社から委託を受け、産業廃棄物たるスラグ(種類:鉱さい)を運搬し、天然砕石と混合する行為を行った。
 また、平成24年7月から平成26年1月までの間についても産業廃棄物たるスラグの運搬を行った。
 株式会社佐藤建設工業が許可を受けている産業廃棄物収集運搬業の事業範囲に鉱さいは含まれていないほか、同社が許可を受けている産業廃棄物処分業は、がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。
 当該行為は、法第14条の3の2第1項第5号(平成22年改正法施行前においては、法第14条の3の2第1項第2号)及び第15条の3第1項第2号に該当する。
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■今回も報道のポイントを整理してみましょう

1.群馬県が廃棄物処理法違反で、佐藤建設工業の許可を取り消す行政処分を行ったこと
2.処分の理由は、許可外の廃棄物を運搬したこと、および許可外の処分業を行ったこと
3.佐藤建設工業は群馬県の見解に異を唱えていること


が挙げられます。

ポイント①群馬県が廃棄物処理法違反で、佐藤建設工業の許可を取り消す行政処分を行ったこと

 群馬県は2015年9月に大同特殊鋼と共に佐藤建設工業を刑事告発している事が報道されています。刑事告発から10カ月経って、やっと行政処分が下されました。あまりにも遅い行政処分と言わざるを得ません。また今回の事件は天然砕石の販売を促進するための詐欺まがいな不法投棄事件でもあるので、天然砕石製造の許可にまで行政処分が及ぶべきですが、不十分な内容であると言えるでしょう。

ポイント② 処分の理由は、許可外の廃棄物を運搬したこと、および許可外の処分業を行ったこと

 佐藤建設工業は、「鉱さい」に分類される有害スラグを運搬する許可およびこれを処分する許可を得ていません。大同・佐藤ブラック連合は、有害スラグ=特別管理産業廃棄物を不法投棄することを目的として、有害スラグを細かく砕き、天然石と混合しているので、許可など取れるはずはありません。

■この点について群馬県は、行政処分の理由で次の通り述べています。

 「株式会社佐藤建設工業は、平成21年7月から平成24年6月までの間、大同特殊鋼株式会社から委託を受け、産業廃棄物たるスラグ(種類:鉱さい)を運搬し、天然砕石と混合する行為を行った。
 また、平成24年7月から平成26年1月までの間についても産業廃棄物たるスラグの運搬を行った。
 株式会社佐藤建設工業が許可を受けている産業廃棄物収集運搬業の事業範囲に鉱さいは含まれていないほか、同社が許可を受けている産業廃棄物処分業は、がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。」

 有害スラグは特別管理産業廃棄物ですので遮断型最終処分場に最終処分するのが、産業廃棄物処理法が定めたルールです。このルールを破り、みだりに天然砕石と混ぜ、道路や公園などに投棄したのですから、産業廃棄物処理法第16条の不法投棄違反しているので、佐藤建設工業の許可の取り消しは当然の処分です。

 しかし、佐藤建設工業は不法投棄を目的として、上層路盤材・下層路盤材・盛り土材という販売する全ての建設資材に有害スラグを混合して販売してしまっているので、何か釈然としません。行政処分が下されても、今日もスラグ運搬車が我が物顔で走り回っています。天然石販売の許可に対する行政処分は下されないのでしょうか?

 この理由のなかで、着目すべきは「天然砕石と混合する行為」が「同社が許可を受けている産業廃棄物処分業」について、「がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。」と述べている点です。どうやら「天然砕石と混合する行為」が産業廃棄物の処分にあたるようです。有害スラグは遮断型最終処分場に処分しなければならないので、天然砕石と混合して道路等に埋設する行為は、やはりみだりに廃棄物を不法投棄する行為であると群馬県は認めているとしか思えません。

ポイント③ 佐藤建設工業は群馬県の見解に異を唱えていること

 上毛新聞では『佐藤建設工業は「スラグは産業廃棄物とする県の見解を受け入れていない。異議申し立ても含めて対応を検討したい」とコメントした。』と報道しています。

 なんと謝罪を口にするどころか、異議を申し立てるという自分勝手なコメントであることでしょう。

 異議申し立ての理由も、驚くべきことに「スラグは産業廃棄物とする県の見解を受け入れていない」と一方的に宣言をする始末です。自分に都合の悪いことは、たとえ法律違反でも“受け入れない”極悪人ぶりを発揮していますが、この発言は、悪質な行為の決め手となり、情状酌量の余地はないことに繋がることでしょう。

■2015年9月11日群馬県廃棄物リサイクル課が「大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について」を公表しています。
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html

 その中で、大同特殊鋼由来の有害スラグを廃棄物と認定しています。

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(7)ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。
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 群馬県内の産業廃棄物の監督官庁は群馬県環境部局ですので、この廃棄物認定は最終決定というべきものです。この監督官庁の廃棄物判断を佐藤建設工業は、上毛新聞の取材で「県の見解を受け入れていない」と一歩的に宣言しているのです。

 この廃棄物認定は「ふっ素による土壌汚染の可能性があり」と遮断型最終処分場に処分すべき特別管理産業廃棄物であると認定しているのですから、佐藤建設工業の見解受け入れ拒否宣言は、特定有害物質の被害に苦しむ地域住民に対する宣戦布告宣言でもあるのです。

■群馬県の廃棄物リサイクル課の有害スラグ対応は、特別管理産業廃棄物の不法投棄に対する指摘が不十分と言わざるを得ません。ですから佐藤建設工業ごときに侮られ、「県の見解を受け入れていない」などと一方的に宣言されてしまうのです。

 この行政処分を契機に、廃棄物処理法第16条・特別管理産業廃棄物の「不法投棄の罪」や「詐欺罪」での刑事告発の機運が高まったと言うべきでしょう。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

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