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「渋川市議がまたまた売名行為?」その後(その5)上毛新聞がまた偏向報道?

2019-12-15 22:30:00 | 渋川市の行政問題
■地元群馬県で唯一の県域地方新聞(県紙)として、大手紙を上回る公称30万部の発行部数を誇る上毛新聞は、なぜか頻繁に渋川市議会の様子を報道しています。しかも正式な手続きなしに進められた歴史的価値のある巨石「硯石」の周辺整備にまつわる問題を面白おかしく報道するというものでした。
 先日またまた上毛新聞に「硯石」の文字が踊りましたので見ていきましょう。今回の記事はなんと渋川市議会の予算委員会の一幕です。市議会の本決議ならいざ知らず、予算委員会の報道など過去にあったでしょうか?


**********令和元年(2019)12月10日上毛新聞 ZIP ⇒ 20191210v.zip
補正予算案を否決 渋川市議会予算常任委 市側の説明を問題視
 渋川市議会は9日、予算常任委員会を開き、本年度一般会計補正予算案を反対多数で否決した。市の「行政事務執行の適正化に関する調査委員会」に関し、10月に委嘱した外部委員の報償費が新たな事業費として予算案に盛り込まれず、市側が「当初予算の一般経費を用いる」と説明したことなどを問題視した。 
 予算常任委は議長を除く17人で構成。委員長を除いた起立による採決で賛成6、反対10だった。
 同予算案は12月定例会最終日(11日)の本会議での採決で可否が決まる。否決されると、予算案に盛り込まれている伊香保温泉での東京五輪の聖火リレー出発式の準備や生活道路の緊急整備、人事院勧告に基づく職員給与の改定などが執行できなくなる。
予算常任委は、一般会計補正予算案以外の各特別会計補正予算案6議案は全会一致で可決した。
 市の調査委員会は、同市北橘町の市有地にある巨石「硯石」が市の正式な手続きを経ずに市議によって掘り起こされた問題を受け、9月に設置された。問題点を明らかにして今後の行政事務の改善点を示すため、10月に弁護士と元県総務部長、元県警刑事部長の3人を外部委員に委嘱した。
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■上毛新聞では、渋川市議会の予算委員会の否決報道のみを取り上げ、その後、本議会でどうなったか、興味がないのか報道されませんでしたが、毎日新聞では予算委員会から本議会まで丁寧に報道がありました。

**********令和元年(2019年)12月10日 毎日新聞地方版
硯石整備で疑義 補正予算案否決 渋川市議会 /群馬
 渋川市議会の予算委員会は9日、総額約1億1300万円の一般会計補正予算案を否決した。同市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」が正式な手続きを経ずに整備された問題をめぐり、市の調査委員会に選任された弁護士ら3人の外部委員への報償金などについて市議から疑義が上がった。
 市議会事務局によると、市議からは本来予算化すべき報奨金を流用という形で支払うのはおかしいという意見が出た。このほか、部長級の人事案に対しても疑義が示されたという。【庄司哲也】

**********令和元年(2019年)12月12日 毎日新聞地方版
補正予算案を本会議で否決 渋川市議会閉会 /群馬
 渋川市議会は11日の本会議で、2019年度一般会計補正予算案を反対多数で否決し、閉会した。同市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」が市の正式な手続きを経ずに整備された問題で設置した市の調査委員会の外部委員3人の報償費を行財政改革推進費から流用したことなどが問題視された。採決は賛成7、反対10だった。
 否決により伊香保温泉で実施予定の2020東京五輪・パラリンピックの聖火リレーの出発式の準備や人事院勧告に基づく市職員給与の改定が遅れる可能性がある。
 高木勉市長は「緊急の予算が通過できなかったことは残念。市議会の指摘を受け止め、年内に早急に臨時会を招集したい」と話した。臨時会は19日に開催される。【庄司哲也】
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 今回も報道のポイントを整理してみましょう。

ポイント①今回も「硯石」の文字が上毛新聞に踊ったこと。
ポイント②渋川市議会の中の予算委員会で補正予算案が否決された報道であること。
ポイント③「硯石」整備の問題の議員たちが議決に加わっていないだろうか?
ポイント④上毛新聞報道は、予算を否決した側の偏向報道?であること。

■それではそれぞれのポイントについて考えてみましょう。

ポイント①
今回も「硯石」の文字が上毛新聞に踊ったこと。

 記事の末尾に渋川市北橘町の市有地にある巨石「硯石」が市の正式な手続きを経ずに市議によって掘り起こされた問題を受け、9月に市の調査委員会が設置されたことが紹介されています。

 この問題について上毛新聞は、11月15日、同23日と2週にわたって、なぜか?正式な手続きを経ないで「硯石」周辺整備を行った市議の「市側から口頭で了解を得て、市長も知っていた」などとする身勝手な主張を愉快に報道しています。

 これに対し渋川市は、「弁護士と元県総務部長、元県警刑事部長」の外部者による調査委員会を設置し「公文書」による調査等を通じて問題を解決する方針を示していました。

 今回の報道では、市が設置した調査委員会の費用について、議会側が予算委員会のなかで予算を否決するという内容になっています。なんとしても正式な手続きを経ないで行われた「硯石」の周辺整備を「口頭による了解」で通してしまおうとするグループの意思をほのめかしているようです。

ポイント②
渋川市議会の中の予算委員会で補正予算案が否決された報道であること。

 渋川市議会は9日、予算常任委員会を開き、本年度一般会計補正予算案を反対多数で否決しました。上毛新聞では予算反対派の主張を長々と次のように紹介しています。
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市の「行政事務執行の適正化に関する調査委員会」に関し、10月に委嘱した外部委員の報償費が新たな事業費として予算案に盛り込まれず、市側が「当初予算の一般経費を用いる」と説明したことなどを問題視した。
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 ちょっと分かりにくい表現となっていますが、記事の末尾に紹介された「弁護士と元県総務部長、元県警刑事部長」の3人からなる外部委員会の費用について、“けしからん”と直接反対すると露骨すぎる?ので、「予算の盛り込み方がおかしい」と難癖をつけ、外部委員会の設置がなし崩しになるよう予算を否決してしまったという報道と読むことができるでしょう。

 10月に委嘱した外部委員の報償費が新たな事業費として予算案に盛り込まれていれば、予算は可決されたのでしょうか?そのようなことは到底考えられず、予算をなんとしても難癖をつけ否決し「外部委員会」を解散に追い込むと考えればこの報道に合点がいきます。

 この報道では、予算否決の正当化を図るべく、否決の影響が大袈裟に紹介されています。
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否決されると、予算案に盛り込まれている伊香保温泉での東京五輪の聖火リレー出発式の準備や生活道路の緊急整備、人事院勧告に基づく職員給与の改定などが執行できなくなる。
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 良い意味でも悪い意味でも新聞読者の関心の高い東京オリンピックの話題をわざわざ持ち出し「東京五輪の聖火リレー出発式の準備」ができなくなると不安をあおり、世論誘導をおこなっているのです。

 正式な手続きを経ないでおこなわれた公園等の周辺整備工事問題で、上毛新聞は一貫して「正式な手続きを経ていない」ことを報道しています。それを受けたのか市側(つまり市長側)が問題の解決を図ろうと外部委員会を設置しました。その委員会費用を、渋川市側は「当初予算の一般経費を用いる」と説明していることが紹介されていますが、問題解決のために当初予算の枠内であれば、何の問題があるのでしょうか?

ポイント③
「硯石」整備の問題の議員たちが議決に加わっていないだろうか?

 また渋川市議会予算常任委員会の議決や本会議に、問題の市議たちが加わっていないか?心配でなりせん。予算に利害関係があるものが否決の決議に加わる、こんな恐ろしいことがあってよいのでしょうか?外部委員の報償費の予算の盛り込まれ方が気に食わないと難癖をつける議決に、正式な手続きを経ずに周辺整備をおこなった議員らが加わったとしたらあまりにも不公正な議決であると言えるでしょう。

 また、元はと言えば、ある市議らが「正式な手続きを経ないで」公園等の周辺整備を行ったことが大問題なのです。正式な手続きを経ずに市行政を勝手に強引に進める議員が居ることが大問題ですが、その市議らを擁護し、調査のための外部委員会を事実上止めてしまおうとする勢力が多数いることに驚きを隠せません。

 大同有害スラグ事件で有名な渋川市では、アスファルトの下に大量の有害スラグが埋設され、そのフッ素毒にやられたのか市民を守るための議会には、“恫喝をも良し”とするブラックグループが大量暗躍?している模様です。

ポイント④
上毛新聞報道は、予算を否決した側の偏向報道?であること。

 今回も群馬県が誇るクォリティーペーパーであるはずの上毛新聞の報道では、来年に開催が迫ったオリンピックを持ち出し、多大な影響があるぞ、と不安をあおる形で、「硯石」周辺整備にまつわるお話を愉快に報道しています。しかし、「硯石」周辺整備を強引に進めたグループの宣伝にしか興味がないのか、不安だけを煽っておいて今後どうなるのか、全く報道しません。

 毎日新聞では、地元紙よりも限られた紙面の中で丁寧に、本議会でもやはり本年度一般会計補正予算案が否決されたことと、次の展開を以下のように報道しています。
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高木勉市長は「緊急の予算が通過できなかったことは残念。市議会の指摘を受け止め、年内に早急に臨時会を招集したい」と話した。臨時会は19日に開催される。
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 渋川市は、予算案の再議などは行わず、2019年度一般会計補正予算案を反対多数で否決したまま本会議を閉会した模様で、あらためて臨時会を開催し、市議会の指摘を受け止めた修正を行った予算案を議論するようです。

 19日以降、正式な手続きを経ないで公園等の周辺整備を進める議員たちと市側との
“ブラック議員グループ”VS“市長側”の戦い
がまたしても勃発するのでしょうか?またそこに上毛新聞がどのように愉快な偏向報道を行ってくるのか目が離せません。皆様はどのようにお感じになったでしょうか?

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考資料1:総務省の一般行政経費の説明
■総務省では予算中の一般経費についてどのように説明しているのでしょうか?
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<一般行政経費>
地方財政計画上の経費の一区分。教育文化施策、社会福祉施策、国土及び環境保全施策等の諸施策の推進に要する経費を始め、地方公共団体の設置する各種公用・公共用施設の管理運営に要する経費等、地方公共団体が地域社会の振興を図るとともに、その秩序を維持し、住民の安全・健康、福祉の維持向上を図るために行う一切の行政事務に要する経費から、給与関係経費、公債費、維持補修費、投資的経費及び公営企業繰出金として別途計上している経費を除いたものであり、広範な内容にわたっている。出典:地方財政白書(総務省)
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 地方公共団体の秩序を維持するために行政事務に要する経費ですから、正式な手続きを経ずに進められた「硯石」周辺整備の外部調査委員の費用は当然一般経費に含まれると考えられます。

※参考資料2:地方自治法第220条
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(予算の執行及び事故繰越し)
第二百二十条 普通地方公共団体の長は、政令で定める基準に従つて予算の執行に関する手続を定め、これに従って予算を執行しなければならない。
2 歳出予算の経費の金額は、各款の間又は各項の間において相互にこれを流用することができない。ただし、歳出予算の各項の経費の金額は、予算の執行上必要がある場合に限り、予算の定めるところにより、これを流用することができる。

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 予算には1.2.3.や甲.乙.丙.ではなく、款.項.節.目というように分類されています。
 地方自治法第220条は「各款の間又は各項の間において相互にこれを流用することができない」と定めていますが、逆に「節.目」分類の中では流用できると考えているのが一般的のようです。一番いけないことは予算をオーバーしてしまうことでしょう。
 渋川市の予算についてはこちらをご覧ください↓↓
http://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/zaisei/yosan/p006570.html

※参考資料3:「硯石」整備にまつわる”恫喝“報道の様子
**********毎日新聞2019年12月3日 地方版
硯石問題 「公式なものでない」 渋川市長、整備了解を否定 /群馬
 渋川市北橘町の市有地にある岩「硯石(すずりいし)」が市の正式な手続きなしに市議の男性らによって整備された問題で、高木勉市長は11月29日の市議会特別委員会に出席し、当事者の市議が整備に関して「市側から口頭で了解を得て、市長も知っていた」などと主張していることについて反論、否定した。
 特別委で、高木市長は「(硯石は)公有財産だ。変更があれば住民の要望などがあるはず。立ち話程度で公式なものとは受け止めていなかった」と説明した。
 さらに問題が起きた背景について高木市長は「市議が人事に口をはさんだり、恫喝(どうかつ)めいた発言を受けたりした市職員もいる。仕事を円滑に進めるため、言うことに従うという意識が生まれ、事態を招いたのではないか」と話した。【庄司哲也】
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 なお、過去の硯石報道についてはこちらの末尾参考資料をご覧ください。
○2019年12月7日:「渋川市議がまたまた売名行為?」その後(その4)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3087.html

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