市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【続報】セクハラ告白の女性町議を除名し今度は町長不信任案提出の男性町議を懲罰にかけた御用議会

2019-12-09 23:13:00 | 国内外からのトピックス
■高温で高酸性の硫黄泉で内外に知られる草津町が、実は女性蔑視とヨソ者排除の習慣を引きずる前時代的なコミュニティであることを、町長のセクハラ行為の告白を町議会で公表した女性町議が問答無用で12月2日に除名されたことで、はからずも明るみに晒されました。町長は11月29日に、町長室でセクハラ行為をしたなどと事実に反する内容を11月12日から配信が始まった電子書籍で掲載され、名誉が傷ついたとして、長野原署に告訴状を提出していましたが、12月3日に同署が正式に受理し、さらに、身を挺して町議会で勇気ある発言をした女性町議を、ただひとり支持して黒岩町長の不信任案を提出した男性町議が、12月6日に同じく懲罰に掛けられ強制的に謝罪文を読まされたという、およそ想像を超える展開を見せています。まさに草津温泉が実際には「漆黒の闇」状態であることが分かります。
 この事件については次のブログもご覧ください。
 ●2019年12月3日:日本の名湯で知られる草津町でセクハラ告白した女性町議への異常バッシングが示す群馬県の政治風土
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3084.html

■まずは、12月3日に黒岩町長の告訴状が長野原署に受理されたという報道記事を見てみましょう。

**********朝日新聞2019年12月4日
草津町長の告訴 長野原署が受理
前町議らを名誉棄損で

 草津町の黒岩信忠町議(72)が、11月から販売されている電子書籍について「虚偽の内容で名誉を侵害された」として、記事を執筆・掲載した著者の男性(53)と、取材に応じて黒岩町長からセクハラを受けたと告発した前町議の新井祥子氏(50)を名誉毀損(きそん)で告訴した問題で、長野原署は3日、正式に告訴状を受理した。
 告訴状によると、黒岩町長は電子書籍の記述について、「(新井氏が)告白した事実は虚偽。性交渉に及んだという破廉恥な行為を示すもので、名誉侵害が甚だしく、広範囲に頒布され被害回復が困難」などとしている。
 新井氏は2日、町議会で議会の品位を傷つける発言をしたとして除名を求める懲罰動議が可決され、失職している。

**********読売新聞2019年12月4日
草津町長提出の告訴状を受理
 草津町の前町議・新井祥子氏(50)が「町長室で2015年に町長と性交渉をした」との告白を電子書籍にした問題で、長野原署は3日、黒岩信忠町長(72)が新井氏と書籍著者の男性(53)を名誉毀損(きそん)容疑で捜査するよう求めて提出した告訴状を受理した。
 この問題を巡っては、町議会が2日、言動を問題視して新井氏を除名処分とした。新井氏は「告発は事実だ」と主張している。

**********産経新聞2019年12月4日
草津町長の告訴受理 告白した女性町議失職
 長野原署は3日、草津町の新井祥子元町議(50)が町長室で黒岩信忠町長(72)と性交渉をしたと告白した電子書籍を巡り、町長が内容は事実に反するとして、名誉毀損(きそん)の疑いで出した告訴を受理したと明らかにした。
 新井氏は2日午前の町議会で議案になっていないのに書籍の内容に言及。「議会の品位をつけた」として、午後に除名を求める懲罰動議が提出されて可決、失職した。
 町議会では、「町長として欠格である」として黒岩町長の不信任決議案も提出されたが、否決された。
 新井氏は。産経新聞の取材に「事実を隠すための除名処分。知事への不服申し立てをする」と話した。黒岩町長は書籍の内容について「全て嘘で、私は潔白だ」と主張している。
 新井氏は平成23年の町議選で初当選し、27年に落選。今年春の町議選で返り咲いた。24年12月に、自らの広報紙の内容をめぐって懲罰動議で戒告処分を受けている。
**********

■続いて、12月6日に、女性町議のセクハラ告白を支持して黒岩町長に対する不信任決議案を出した85歳の男性町議が、同じく懲罰動議に掛けられ、その結果、「公開の議場における戒告」「公開の議場における陳謝」「一定期間の出席停止」「除名」のうち、3番目に重い陳謝に追い込まれました。

**********読売新聞2019年12月7日
草津町議会 男性町議を陳謝処分
「告白」問題 町長不信任案提出者

 草津町議会は6日、前町議の女性による告白を巡り、黒岩信忠町長(72)に対する不信任決議案の審議で公平性を欠く言動をしたなどとして、提出者の中沢康治町議(85)を陳謝処分とした。4段階ある懲罰のうち、3番目の処分。中沢氏は「裏付けのない発言を行ったことを認める」との陳謝文を本会議で読み上げた。
 中沢氏は、2日の本会議に町長不信任案を提出し、前町議の新井祥子氏(50)(2日に町議除名処分)が「町長室で2015年に町長と性交渉をした」と電子書籍にした告白を引用。「実際にあったことでないと絶対に書けない」と指摘し、審議で新井氏を支持すると発言していた。
 不信任案は同日否決されたが、6日の本会議では、中沢氏の言動が「裏付けのない妄信で議会の品位を傷つけた」として、議員7人から懲罰動議が出され、議長を除く出席議員9人(中沢氏を除く)全員が処分に賛成した。

**********朝日新聞2019年12月6日20時33分
「町長からセクハラ」告発、同調の85歳町議も懲罰動議

本会議で中沢康治町議(手前)の一般質問に答える黒岩信忠町長=2019年12月6日午後2時30分、群馬県草津町議会
 町長のセクハラを告発していた女性町議を2日に懲罰動議で除名処分とした群馬県の草津町議会は6日、女性町議に同調して町長の不信任決議案を提出した男性町議に対する懲罰動議を可決し、男性町議に謝罪させた。出席した8人の全会一致だった。5日間で2人に懲罰動議が出る異例の事態となった。
★「町長からセクハラ」告発の女性町議、懲罰動議で失職★
 この日の懲罰対象となった中沢康治町議(85)が2日に出した不信任決議案で、失職した新井祥子前町議(50)が「町長室で町長と性行為を持った」と告発した電子書籍の内容に触れ、「実際にあったことでないと絶対に書けないと確信し、その他の状況から全面的に(新井氏を)支持します」などと提案理由を説明したことが問題視された。不信任決議案は中沢氏と新井氏の賛成にとどまり、否決。その後に新井氏が除名処分を受けていた。
 6日の懲罰動議では、「無礼の言葉を使用し、または他人の私生活にわたる言論をしてはならない」と定めた地方自治法132条に反し、「議会の秩序と品位を傷つけ、議会の信用を失墜させた責任は重大」とした。
 中沢氏は弁明で、「事実調査もなく新井氏を弾劾(だんがい)し除名したのは数の暴力。新井氏の告発は公的な問題で、新井氏や私への懲罰動議は地方自治法132条の誤用だ」などと反論した。
 懲罰特別委員会での約30分間の審議を経て、再開した本会議で、欠席した1人と議長、中沢氏を除いた8人で採決し、懲罰では3番目に重い「公開の議場における陳謝」を全会一致で可決。中沢氏は懲罰を受け入れ、「事実の裏付けのない発言を行ったことを認めます。『議員は議会の品位を重んじなければならない』との町議会会議規則101条を著しく損ねました」などと用意された陳謝文を読み上げた。
 懲罰動議の採決の際、黒岩信忠町長が特別に意見を述べ、不信任決議案について「私を犯人扱いにしており、憲法21条の表現の自由を拡大解釈している」と怒りをぶちまけた。(泉野尚彦)

**********上毛新聞2019年12月07日
町長不信任決議案 提出した町議を懲罰 草津町議会 議員が陳謝
 事実と異なる内容を電子書籍に掲載され名誉を傷つけられたとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長が新井祥子元町議らを告訴している問題に絡み、草津町議会は6日、2日の本会議で新井元町議とともに黒岩町長への不信任決議案を提出した中沢康治町議(85)に陳謝を求める懲罰を可決した。中沢町議は議場で陳謝文を読み上げた。
 中沢町議は、審議の際に「(新井元町議の告白は)実際にあったことではないと絶対に書けない」「町長は町長室以外でも関係を持ったのか」などと発言。懲罰特別委員会では、これらの発言は「他人の私生活に関する議論を禁じた地方自治法132条に違反する」などとして、陳謝に相当すると判断した。
**********

■今回、黒岩町長は、女性町議と電子書籍の著者を被疑者として名誉毀損容疑で長野原署に告訴状を提出し、12月3日に受理されました。

 こうした異常な状況を世間はどのように見ているのでしょうか。ネットで検索してみると、やはり圧倒的に町長側を擁護する論調であふれています。その中で、上位にランクされている関連情報として、町長側が攻勢をかけている町長側を擁護する内容を掲載した、ジャーナリストのブログをヒットしました(本記事末尾の参考情報参照)。アクセス急増でPV(ページビュー)数が3万を超えたとしてよろこぶ様子が記されています。

 このジャーナリストは、名誉毀損罪である刑法230条1項の条文を示し、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」が当然に適用されるはずだとしています。

 その上で、女性町議側が、刑法230条の2の「公共の利害に関する場合の特例」を持ち出して無罪を主張するはずだとしつつも、女性町議は黒岩町長に好意を寄せ、町長室で気持ちが通じたときは本当に嬉しかったという趣旨の告白をしているから、それを強制性交と誤信したと主張するのは無理があるうえに、電子書籍の著者自身が「片取材であることは否めない」と断言しているから、執筆時点で女性町議の告白の真実性について一定の疑いを持っていたのは明らかだとして、名誉毀損は濃厚であり、「裁判で敗訴してお灸を据えられれば、社会にとって有益では?」との見解まで示しています。

■しかし、果たしてそうなのでしょうか。

 名誉毀損は、「真実であること」など、いくつかの条件が満たされる場合には、成立しません。とくに今回の場合、黒岩町長と女性町議が公務員の立場であることから、公共の利害に関する場合の特例に該当する可能性もあるからです。

 そのことは刑法230条と同230条の2の条項を見ればわかります。

**********
(名誉毀(き)損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀(き)損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
(公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

**********

■こうした事情から、12月9日、女性町議は除名処分の不服申し立てを群馬県に申し立てました。

*********日刊スポーツ2019年12月9日20時27分
「町長と性行為」除名処分で失職町議が不服申し立て
 群馬県草津町議会で除名処分を受けて失職した新井祥子元町議(50)は9日、処分を不服として県に申し立てた。県が任命した自治紛争処理委員が審査する。
 新井氏は先月、「町長室で町長と性行為をした」とする電子書籍を配信。12月2日の議会で書籍の内容に言及し、「他人の私生活に関する言論を禁じた地方自治法に反した」として処分された。
 新井氏は申し立て後に会見し、「町長は公人で、町長室は公共施設だ」と述べ、違法性はないとの認識を示した。
 黒岩信忠町長は書籍の内容を虚偽だとして県警に告訴している。(共同)

*********朝日新聞2019年12月9日22時46分
「町長からセクハラ」告発し失職 前町議が不服申し立て


記者会見をする前草津町議の新井祥子氏(左)と中沢康治草津町議=2019年12月9日午後5時30分、前橋市大手町1丁目の群馬県庁
 群馬県草津町の黒岩信忠町長からセクハラの被害に遭ったと告発し、町議会の懲罰動議で除名処分を受けて失職した前町議の新井祥子氏(50)が9日、処分取り消しを求める審決を県に申し立てた。新井氏に同調して町長の不信任決議案を提出し、町議会の懲罰処分で陳謝した中沢康治町議(85)も県に処分の取り消しを求めた。新井氏は黒岩町長を相手取り、「肉体関係を強要された」として近く強制性交容疑で県警に被害届を出すという。
 申請を受理した県は、弁護士ら3人の自治紛争処理委員を選任。処分が適正だったか双方の意見を聞き、早ければ3カ月ほどで意見書をまとめ、知事が決定する見込みだ。
 新井氏は2日の町議会で「他人の私生活にわたる言論で内容は極めて破廉恥」で、地方自治法132条の「言論の品位」に触れるとして除名された。県への申請後に会見した新井氏は「町長は公人で町長室は公共施設。私生活に関する発言ではなく、懲罰に当たらない」などと処分取り消しを求める理由を説明した。
 黒岩町長は「私を犯人扱いにし、受忍限度を超えている」と新井氏を批判。新井氏と電子書籍の著者を名誉毀損(きそん)容疑で長野原署に告訴している。
 新井氏は、11月に発売された電子書籍「草津温泉漆黒の闇」などで2015年1月8日に町長室で性交渉を強いられたと実名で告発。2日の町議会本会議でも「告白はすべて事実」などと発言したため、問題視した町議会は懲罰特別委員会で10分余り懲罰動議を審議し、その日のうちに賛成10、反対1で可決した。
**********

■また、12月9日には、前述のとおり、セクハラ被害告発で除名された女性町議と、告発を支持した男性町議が、草津町議会から受けた処分を不服として取消を求める審決(地方自治法255条の3)を群馬県知事に求め、さらに、女性町議は黒岩町長を相手取り、近く強制性交容疑で県警に被害届を出すことも表明しています。

 電子書籍の著者は「草津温泉 漆黒の闇」を配信する前に、山本一太群馬県知事にメールを送り、書籍の配信を取り下げるのと引き換えに、黒岩町長に時間湯の復活について、提言をしてほしいと要請したそうです。さらに、本書籍のプロデュース担当者も二度ほど山本知事にメールを送っていますが、いずれも山本知事からのメール返信は確認できていない状況とのことです。

 草津町に住む電子書籍の著者は、本書籍の配信により、命の危険も覚悟しています。それほど、草津町をとりまく漆黒の闇は深いということです。

 果たして、警察の捜査は? その結果、送検後の検察の対応は? そして、群馬県知事による不当処分の取消の審決の結果は? 独裁的な黒岩町長と戦う女性町議のバトルの行方が非常に注目されます。

■さらに、この騒動の背景には、草津町政にからむ諸問題として、今回の時間湯見直しに伴う湯長制度廃止という草津温泉の伝統問題のほかにも、産業廃棄物最終処分施設の建設問題なども関係しているとみる向きもあります。

 ぜひ、今話題の電子書籍「草津温泉 漆黒の闇」を一読して、改めて草津温泉を巡る闇の深さを考えてみることをお勧めします。そして、昨年4月にみなかみ町観光協会に出向していた地域おこし協力隊の女性隊員がみなかみ町長から強制的にキスをされたとして、町長が失職した事件と見比べながら、今回のおなじく温泉町で起きたセクハラ・パワハラ事件の今後の展開を占ってみましょう。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「Journalist松田隆のブログ」
**********投稿日 : 2019年12月3日 最終更新日時 : 2019年12月4日
茶番劇? 新井祥子元議員「町長室で気持ちが通じた時には本当に嬉しかった」
 群馬県の草津町の町長から「強要され肉体関係を持った」と告発していた同町の新井祥子議員(50)が12月2日、失職した。除名処分を求める懲罰動議が可決されたことによるもの。同氏の告発は、電子書籍「草津温泉 漆黒の闇 5」(飯塚玲児著)に掲載されている。それによると同氏は町長に好意を寄せており、さらに町長室での出来事について「本当に嬉しかった」と告白しているのである。彼女は勇気ある告発者なのか、それとも三文芝居の演者なのか。
■”町長派の”旅館経営者と肉体関係

町長とのツーショット写真付きの告白文(草津温泉 漆黒の闇 5より)
 当該電子書籍では新井祥子元議員作成の文書①~③と、同元議員へのインタビューが掲載されている。その内容を選挙結果等と合わせて簡単に時系列にまとめた。
2006年:群馬県桐生市の新井祥子氏が湯治客として初めて草津温泉を訪れる
2007年:B旅館のS氏とB旅館で性的関係を持つ
2010年:草津町議会の補欠選挙に出馬し、落選(園田祥子名、立候補5人中5位)
2011年:現職のG議員の応援を受け町議会議員選挙で当選(新井祥子名、立候補13人中12位)。G議員から黒岩町長の悪口を自分が発行する新聞(しょこたん通信のことか)に書くこと、会話を録音するよう言われ、実際に行なう。町長に近づいていくうちに、黒岩町長に好意を抱く
2014年:黒岩町長の2期目の選挙で応援を行う
2015年:1月8日 町長室内で性的関係を持ったと主張
    4月21日 草津町議会議員選挙で落選(立候補14人中14位)
    6月17日 A旅館のN氏と高崎市内のホテルで関係を持つ
2019年:草津町議会議員選挙で当選(立候補13人中12位)
 なお、新井祥子元議員が関係を持ったA旅館のN氏、B旅館のS氏は、彼女の告白によると、町長派の人物であるという。
■これでセクハラ?「気持ちが通じたときは本当に嬉しかった」

新井祥子元議員の告白文(草津温泉 漆黒の闇 5から作成)
 「グッとラック」(TBS系)などのテレビでも大きく報じられたこの案件であるが、書籍を読むとテレビで伝えられるのとはかなり印象が異なってくる。
 当該書籍によると、新井祥子元議員は反町長派のG議員の応援を得て初当選した。そのため、G議員から町長の悪口を書くこと、会話を録音するように言われ、その通りにしていたという。しかし、近づくうちに町長に好意を持ってしまったらしい。そのあたりは2019年6月に彼女が書いた文書①で好意を持っていることが明かされている。また、8月に書いた文書②がそのまま当該書籍に掲載されているので、以下に引用する。
「私は、政治を目指した頃から、黒岩信忠町長に憧れていました。…女性に対しては、紳士的で、優しい振る舞いはスマートで、洗練された雰囲気があり、好感を持っていました」
「黒岩町長に近づいていく中で、B旅館のSさんが積極的に親身になって励ましてくれる中で、関係を持ってしまいました。けれども、私が本当に好意を抱いていたのは黒岩町長でした。G議員に言われ、黒岩町長に近づくうちに、黒岩町長を本当に好きになってしまいました。町長室で二人きりになった時に、私の気持ちが通じた時には本当に嬉しかったです」
 この告白文には黒岩町長と新井元議員のツーショット写真も掲載されている。新井元議員は町長の腕を抱え込み、親密そうな様子で写っている。
■10月になると微妙な変化「受け止めることしかできなかった」
 町長との関係について記した文書②について取材を受けた後、新井元議員は著者の飯塚氏に対して文書③を送付。そこで町長室での関係について、こう書いている。
「私は、求められて、嬉しい反面、不安や複雑な気持ちを感じながら聞いていました。拒んだら、町長の気持ちが離れてしまう、私を応援してくれる人、選挙のこと、トラブルのことなど、色々なことが頭を駆け巡り、受け止めることしかできませんでした」
 その後、町長室で悩んでいた問題について話をして、満足な結果が得られたことから、このように書いている。
「私は町長を想う気持ちや不安に思う気持ちを受け止めてもらえたと思い、とても幸せな気持ちで町長室を後にしました」
 町長との行為について微妙に思いを後退させているものの、部屋を出るときは「とても幸せな気持ち」であったとしているのである。それが自分の政治問題を解決してくれる話を受けた後とはいえ、強制性交された後に「とても幸せな気持ち」などと書けるものなのだろうか。
 なお、3つの文書の主な内容は表にまとめたので参考にしていただきたい。
■三文芝居?真実は裁きの場で
 このように憧れの黒岩町長との関係を喜んでいた新井元議員が町長と決別したのは、黒岩町長の態度の変化にあるという。新井元議員が2期目の選挙(2015年)で落選。再起をかけた2019年の選挙で当選を果たしたが、黒岩町長は以前とは全く異なる態度で町長室にも入れてくれないようになったという。
 そうした経緯から「私の町長に対する気持ちは愛情から、不信感に変わっていきました」(文書③)と記している。
 以上を読む限り、準強制性交や準強制わいせつの事実があったとは、とても信じられない。肉体的な接触はあったかもしれないが、刑事責任を問われるような性質のものではないだろう。少なくとも文書を見る限り、新井元議員による茶番、三文芝居ではないかと思われる。町長は名誉毀損で告訴したようであるから、後は司法が判断してくれるであろう。

**********投稿日 : 2019年12月4日 最終更新日時 : 2019年12月4日
新井祥子元議員とともに告訴されたライター飯塚玲児氏 名誉毀損罪成立濃厚か
 群馬県草津町の新井祥子元議員が同町の黒岩信忠町長から「強要され肉体関係を持った」と告発した件で、同議員と電子書籍の著者である飯塚玲児氏(53)が名誉毀損で告訴された。告発した元議員だけでなく、その告発をベースに書籍に掲載した書き手に対しても刑事責任を問うというものである。伝えられる限りの情報で言えば、一方の取材しかしていないことを公言している飯塚氏はかなり厳しい状況に追い込まれているように思う。
■信じ難い発言「片取材であることは否めない」

問題の電子書籍「草津温泉 漆黒の闇 5」
 問題の書籍「草津温泉 漆黒の闇 5」は、2019年11月に発売された。既に「茶番劇? 新井祥子元議員『町長室で気持ちが通じた時には本当に嬉しかった』」で紹介したように、元議員の告発をベースに書かれており、肉体関係を強要したとする町長側の取材はない。
 この点、飯塚玲児氏はブログ「飯塚玲児のNew Lazy Days」の「『草津温泉 漆黒の闇 5』発売されました!」(11月12日付け)の回で、「証拠となるものはある程度揃えたつもりだけれど、片取材であることは否めない。」と書いている。本人も(一方だけの言い分だけで書きました)と認めているに等しい。
 準強制性交と思われる事案を扱っているのに、加害者とされた人物の話を聞かずに一方的に決めつける内容の記事を書くこと自体、客観性が求められるライターとしては疑問。それだけでなく他者の名誉、基本的人権について何の想像力も働かないことを示していると言って差し支えなく、書き手以前に社会人としてどうなのか問われる。
 飯塚氏が書いた内容には、以下のようなものがある。
「今回は、性器を用いた挿入による性行為を行なっている。つまり、強制わいせつ罪ではなく、刑法177条の強制性交等罪として裁かれる可能性があるのだ。」
「要求を断ることで様々な協力が得られなくなると誤信させ、事もあろうに、職場である町長室内で現職女性議員と肉体関係に及ぶような人物が、草津町長にふさわしいのだろうか?」
 ここで、参考のために名誉毀損罪の条文を示しておこう。
刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
■公共の利害に関する場合の特例で無罪主張か
 この先の展開を見通すのは難しいが、最終的には司法の場で決着ということになろう。町長室内での出来事が新井祥子元議員の証言と異なることが明らかになった場合などは、飯塚氏の弁護側は、公共の利害に関する場合の特例(刑法230条の2)を持ち出して無罪を主張するはず。
 これは、電子書籍に書かれたような内容はなかったということになった場合でも「事実を真実であると誤信し、その誤信したことについて確実な資料・根拠に照らし相当な理由があるときは、犯罪の故意がなく、名誉毀損の罪は成立しない」(最高裁大法廷判決昭和44年6月25日)という主張である。
 しかし、これは厳しいと思う。「茶番劇? 新井祥子元議員『町長室で気持ちが通じた時には本当に嬉しかった』」でも書いたが、新井議員は黒岩町長に好意を寄せ、町長室で気持ちが通じたときは本当に嬉しかったという趣旨の告白をしているのであるから、それを強制性交と誤信したと主張するのは無理がある。何より、飯塚氏自身が「片取材であることは否めない」と断言しているのだから、書いた時点で新井議員の告白の真実性について一定の疑いを持っていたのは明らかである。
■お灸を据えられれば、社会にとって有益では?
 飯塚氏がなぜ、名誉毀損の疑いが濃厚な記事を書いたのかは分からない。しかし、ライティングの世界には、その程度の認識で仕事をしている者が存在しているのは確かである。
 今回の件で飯塚氏が裁判所からお灸を据えられるようなことがあれば、それはそれで社会的には有益なことであるのかもしれない。

**********投稿日 : 2019年12月4日 最終更新日時 : 2019年12月4日
「新井祥子」Google検索トップに当HPの記事…PVが止まらない
 草津町議会の新井祥子議員に対する懲罰動議が可決され除名処分となったことを12月3日昼にアップした。同日夜、「新井祥子」でGoogle検索をかけると、その記事が検索結果のトップに置かれた。そのせいかPVの勢いが止まらない。ありがとう、Googleさん。
■止まらないPVカウンター

まさかのGoogle検索トップ…
 朝日新聞やJ-CASTなど大手メディアの記事が並ぶ中、僕が書いた記事がトップに来ているのを見つけた時は、さすがに驚かされた。これだけホットな話題で検索トップに来たら、それはPV(当会注:ページビュー。即ちアクセス数)は伸びるだろう。
 3日の夕方あたりから数字の伸びが速くなり、午後9時を過ぎたあたりから、PVのカウンターがある管理画面にリロードをかけるたびに数字が増える状況となった。その影響で関連記事のPVもアップ。「どう見ても、今の時期にこの話題を検索する人はいないでしょ」という記事にまでアクセスが来る状況となった。
■電子書籍の中身とテレビで語った内容との乖離
 今回の新井祥子元議員(愛称:しょこたん)の案件は黒岩信忠町長から「強要され肉体関係を持った」という告発が原因。テレビ報道を見た限りでは(どっちもどっちかな)というイメージだったので真相が知りたくなり、電子書籍「草津温泉 漆黒の闇 5」(飯塚玲児著)を取り寄せて読んでみた。
 すると、新井祥子議員は以前の告白で黒岩町長のことを好きだと言い、それだけでなく「町長室で気持ちが通じた時には本当に嬉しかった」とまで語っているのである。テレビカメラを前に語った「強要され肉体関係を持った」という告発は一体何だったのか。
 そのあたりの疑問を記事にまとめて「茶番劇」という見出しで、すぐに公開したというのが大まかな経緯である。こういうのはタイミングが大事だということが良く分かった。
■有罪なら3年以下の懲役も
 新井祥子元議員がこの先、どうなるか分からないが、名誉毀損(刑法230条1項)で告訴されたようであるから、有罪なら3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処せられることになる。
 著者の飯塚玲児さんも同様に告訴されており、こちらも同じように刑事責任を問われかねない。同じライターとして申せば「これを書けば名誉毀損で告訴される」という危険性は察知しないといけないし、何より、町長のコメントを取らずに一方的に書くのはライターの仕事としては感心できない。勝手な想像だが、彼も司法から熱いお灸を据えられる可能性はあると思う。

**********投稿日 : 2019年12月5日 最終更新日時 : 2019年12月5日
新井祥子元議員の記事が2万PV突破 通算PVのトップ3を発表
 12月3日に公開した「茶番劇? 新井祥子元議員『町長室で気持ちが通じた時には本当に嬉しかった』」が今日5日に通算2万PVを突破した。個人のHPで2日間でこの数字は立派だと思う。訪問してくださった皆さん、本当にありがとうございます。
■1位はスウェーデンの”環境少女”

ご訪問いただいた皆様、ありがとうございます
 2017年11月に開設したこのHPで単独の記事で2万を超えたのは、今回で3回目である。これまでの2万超えの記事を、12月5日19時の時点で並べてみよう。
1. グレタ・トゥンベリ16歳 環境団体のパペットに振り回される国際社会とメディア(9月25日公開) 21,767
2. 多摩川が氾濫危険水域、三鷹市・調布市を流れる野川の様子(10月12日公開) 21,516
3. 茶番劇? 新井祥子元議員「町長室で気持ちが通じた時には本当に嬉しかった」(12月3日公開) 21,070
 過去最多はスウェーデンの”環境少女”グレタ・トゥンベリさんの背景について論じたもの。欧米のサイトを巡って彼女の背景を探った。主にツイッター経由で拡散されたものである。
 第2位は台風19号で三鷹市・調布市を流れる野川の様子をレポートしたもの。野川のような小さな川はテレビやネットも報じないため、情報が入りにくい。そうした地域に根付き、かつ、独自の情報が良かったのであろう。こちらもツイッター経由で拡散されていった。
■5ちゃんねるでもスレッドが
 今回の草津町の新井祥子元議員の話題(黒岩信忠町長から強要され肉体関係を持ったと告発した問題)は過去の2記事と異なり、検索サイトから多くの人が訪問してくれた。話題になった時に、いち早く電子書籍を取り寄せて彼女の告発の背景を探ったのが良かったのだと思う。今の勢いだと、歴代トップになるのは時間の問題であろう。5ちゃんねるでもスレッドが立てられていたのは驚きであり、光栄でもある。
 個人のHPでこれだけPVが集まるのは、なかなかないことだと思う。無名のライターでも地道にやっていれば、それなりに多くの人に記事を読んでいただけるということが分かったのは小さくない。
 これからもタイムリーな話題をお届けしたいと思っている。ご訪問いただいた皆さん、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
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