市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【速報】群馬県スラグ行政を象徴!…当会の告発から1年かかってようやく公表の背後に東邦亜鉛の影か

2018-07-27 23:19:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■当会の会員から、本日午後6時40分から放送されたNHKほっとぐんま640で、県道高渋バイパスの中央分離帯から鉛とヒ素が基準値を超えて検出された、というニュースが報じられていると、緊急連絡がありました。さっそく、ネットでNHK News Webを検索すると、既に記事として掲載されていたので、次のとおりご報告します。
**********群馬 NEWS WEB 前橋放送局「ほっとぐんま0640」2018年07月27日18時41分
バイパスの資材から鉛など検出

高崎市と榛東村を通る県道高崎渋川線バイパスの一部の区間の中央分離帯の建設資材から、法定基準を超える鉛などが検出されたことがわかり、県はこの区間の中央分離帯への立ち入りを禁止するとともに、建設資材を撤去することにしています。




鉛などが検出されたのは、県道高崎渋川線バイパスの中央分離帯で、平成24年6月に完成した高崎市の仲原交差点と榛東村の新蟹沢大橋付近の間のおよそ900メートルの区間です。


県によりますと、この区間の中央分離帯の建設資材からは、土壌汚染対策法が定めた基準値を超える鉛とヒ素が検出されたということです。


ことし2月、外部から「法定基準を超える鉛などを含む建設資材が使われている」という情報が寄せられ、県が現場で試料を採取して調べた結果、こうした事実がわかったということです。


県によりますと、鉛やヒ素は人が摂取するとおう吐や下痢などの症状を引き起こすということですが、


これまでのところ、周辺の住民などから健康被害の情報は入っていないということです。


県は、工事を受注した業者が搬入した土砂に基準値を超える鉛などが含まれていたとみて、原因や周辺の環境への影響を調べるとともに、


この区間の中央分離帯への立ち入りを禁止して、建設資材を撤去することにしています。
**********

■平成30年4月27日全線が開通した高崎渋川バイパスですが、平成26年までは、株式会社佐藤建設工業によって、大同特殊鋼由来の有害スラグが不法投棄されました。株式会社佐藤建設工業は、その販売した建設資材の全てに有害スラグを少しずつ混合し、高崎渋川バイパスを廃棄物の埋立処分場と化したのです。

 なぜか群馬県県土整備部は株式会社佐藤建設工業の材料試験表が提出された現場を、環境分析調査していません。高崎渋川バイパスは文字通り「打てばホコリがでる」道路なのです。(株)佐藤建設工業が納めた建設資材の環境分析調査は実施されなければなりません。

 そしてこの度、この「打てばホコリがでる」高崎渋川バイパスで、今度は鉛と砒素を含んだ建設資材が発見されたというのです。

■NHKのニュースの中でも「ことし2月、外部から『法定基準を超える鉛などを含む建設資材が使われている』という情報が寄せられ、県が現場で試料を採取して調べた結果、こうした事実がわかったということです」と報じられていますが、今年2月の外部情報というのは、何を隠そう、当会のことです。

 当会では東邦亜鉛のスラグ問題については、昨年3月末に偶然ネットで岡田工務店のホームページに「K砕」という東邦亜鉛の非鉄スラグの呼称と同じ言葉を見つけ、詳しくアクセスしたところ、東邦亜鉛のスラグが大量に横流しされていることを知りました。

 その直後の2017年4月7日に開催された東邦亜鉛安中製錬所の工場視察会で、この問題について質問したところ、1年ほど前までに少なくとも数年間、毎年1万トン前後の非鉄スラグを岡田工務店・岡田興業に引き取らせていたことが判明しました。

 その後、当会の調査により、榛東村の民家で、雑草除けに都合がいいという触れ込みで、造園業者の勧めで、庭にまかれた土木資材が、実は東邦亜鉛由来の非鉄スラグだったことが分かり、不安になった住民の方が成分を調べるとものすごい量の鉛やヒ素が検出されたという情報を把握しました。

 このため、さらにその付近を調べてみたところ、高渋バイパスにも東邦亜鉛のスラグが不法投棄されていることを知ったのです。当時からこれまでの経緯は次のブログを御覧下さい。
○2018年3月12日:安中カドミウム公害企業の面目躍如…県道に投棄された鉛含有スラグと東邦亜鉛の環境軽視の姿勢(その1)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2587.html
○2018年3月13日:安中カドミウム公害企業の面目躍如…県道に投棄された鉛含有スラグと東邦亜鉛の環境軽視の姿勢(その2)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2588.html
○2018年5月13日:2018年度安中緑の大地を守る会総会が開かれる
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2638.html

■さて「今年2月の外部情報」の顛末について次に記してみます。

 当会では、今年2018年2月6日に次のメッセージを群馬県の県土整備部を含む関連部署にメールで伝えました。

*****送信メッセージ*****
From: masaru ogawa
日付: 2018年2月6日 13:09
件名: Re: (ご回答)東邦亜鉛安中製錬所由来の非鉄スラグの件につきまして
To: "gijutu-kikaku@pref.gunma.lg.jp"
Cc: haikirisaka@pref.gunma.lg.jp, 田所 一美01 , 梅澤 知良43 , 武井 幸雄07 , kura-m@pref.gunma.lg.jp

県土整備部建設企画課 御中

毎々お世話になります。
昨年 9月20日午後1時30分に御庁の職員の方々立会いの下に所定場所(高渋バイパス)で採取した東邦亜鉛安中製錬所由来と思しきスラグ様物質について、その後、東邦亜鉛安中製錬所に持ち込み、分析試験を依頼しましたが、同社の井出事務部長は「当社が排出したという証拠がないものを分析する義務はない」として当方の依頼を拒否しました。

その後、御庁をはじめ、廃棄物リサイクル課や、東邦亜鉛安中製錬所周辺の畑地の重金属汚染対策に携わる農政部技術支援課にも、このスラグ様物質の分析試験(有害物質の含有試験と振とう試験)を要請しましたが、遺憾なことに、すべての部署で応じていただけませんでした。

そこでやむなく、自己資金で分析試験を計量資格証明を有する事業者に委託したところ、この度、試験結果の送達を受けました。

予算の制限があるため、今回は鉛とヒ素しか試験していませんが、ご覧の通り、振とう試験結果はともかく、含有成分試験結果は、鉛、ヒ素ともに基準値を大幅に上回る数値が示されました。

さらに詳しいサンプリング検査及び分析が必要かもしれませんが、関連部署である廃棄物・リサイクル課や東邦亜鉛公害問題対策に係る農政部技術支援課などとタイアップしつつ、原因者である東邦亜鉛に対して、なぜこのような物質が県道に放棄されていたのか事実関係を報告させたうえで、しかるべき行政処分を速やかに課して下さるようよろしくお願い申し上げます。

以上、取り急ぎ、ご連絡まで。

群馬県安中市野殿980番地
小川

※添付:
濃度計量証明書(県道25号線高崎渋川線中央分離帯残置スラグ状物質)PDF ⇒ 20180202zxvi25acuxoj.pdf
**********

 また、2月7日には実際に県庁に赴いて、濃度計量証明書のハードコピーを渡し、善処を申し入れました。ところが、その際には、いずれの部署も歯切れの悪い回答に留まりました。その後も、複数回、県庁を訪れる度に、関係部署を尋ねて、早急な善処を申し入れてきましたが、いずれも不発に終わっていました。

■そのため、もうこれが最後と考えて、7月25日の正午ごろ、群馬県庁に赴く途中で高渋バイパスに立ち寄り、現場で写真を撮りました。昨年10月に試料を採取した場所に久しぶりに行ってみたところ、夏草が繁茂していましたが、相変わらず赤黒い東邦亜鉛特有の非鉄スラグがゴロゴロあるのが分かります。次の写真をご覧ください。




国道17号高前バイパスから北上。




蔓草が生えている現場。


スラグ投棄現場の中央分離帯。












ご覧のとおりスラグが至る所にゴロゴロ。


中央分離帯(渋川方向)。


中央分離帯(高崎方向)。

 こうして、相変わらず鉛やヒ素を含んだ東邦亜鉛の非鉄スラグが放置されている状況を確認後、県庁の廃棄物リサイクル課を訪れて改めて善処を求めようとしました。

 しかし、生憎、次長以上の職員は誰もいなかったため、一番手前にいた若手職員に対して「これまで再三にわたり高渋バイパスの中央分離帯に不法投棄されている東邦亜鉛の非鉄スラグについて、早急に東邦亜鉛に撤去させるなどの措置をとってもらいたい。このままさらに放置することは許されないので、当方としても住民訴訟を視野に入れて住民監査請求に踏み切る構えなので、上司にその旨伝えてほしい」と申し入れました。同職員は「必ず上司にその旨伝えます」と約束してくれました。

 今回の突然の県土整備部の建設企画課の記者発表は、一昨日の廃棄物リサイクル課への申入れにより触発されたものかどうかは分かりませんが、記者クラブで記者発表があったようなので、かなり周到な準備を経てから公表に踏み切ったものと見られます。

■しかしニュースによれば、群馬県は原因者を特定せず、これから調査を継続して原因や周辺環境への影響を調べるとしています。県内で鉛やヒ素入りのスラグを作っているのは東邦亜鉛くらいです。ですから、これからさらに調査を続ける必要がそれほどあるとは思えません。

 また、県は「この区間の中央分離帯への立ち入りを禁止して、建設資材を撤去することにしています」と述べています。これは東邦亜鉛を想定して言っているのか、あるいは公金で撤去することを示唆しているのかは、今のところ定かではありません。

 気になるのは、これほど長いリードタイムを要したと言うことは、既に東邦亜鉛と行政の間で、なんらかの密談が交わされたのではないか、ということです。このことは、追ってその実態の様子が分かると思います。

【市民オンブズマン事務局からの報告】

※参考情報「群馬県道25号高崎渋川線 高崎渋川線バイパス(高崎市~渋川市)」
○当会が鉛・ヒ素入りスラグを県の立会で採取した場所は31:43の中央分離帯付近です。↓
https://www.youtube.com/watch?v=e-SynuxYYSc


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【速報】セクハラ問題で揺れる群馬県・・・みなかみ町長の不信任案が可決!

2018-07-27 20:14:00 | みなかみ町政の暗闇
■当会が手掛けているハラスメント問題のうち、セクハラについては現在前橋市役所における元管理職による嘱託職員へのセクハラ(強制わいせつ)行為がありますが、みなかみ町では町長が団体職員に対してセクハラ(強制わいせつ)行為を行ったとして問題になっています。みなかみ町の場合、6月5日の定例会で町長不信任案が提出されましたが、全部で18議員による採決の結果、賛成12人、反対6人となり、賛成票が可決に必要な14人を下回ったため、否決されました。この際、2人の共産党町議が反対に回り、党の方針に反したとして、党町議団長だった1人が辞職しました。そのため、再度7月27日の町議会臨時会に、町長不信任決議案の再提出の動きが取りざたされていましたが、本日の臨時町議会で、久保秀雄議員から前田町長に対する不信任決議案が提出され、可決されました。

 町議17人が全員出席し、13人の賛成、4人(鈴木章二、桑原一郎、田村かつ子、戸田宣男)が反対。出席議員の4分の3以上が賛成し、可決しました。
 前回6月5日の定例会における町長不信任案の模様は次のブログを参照ください。
○2018年7月17日:みなかみ町長セクハラ事件で露呈した“造反”共産町議らの事後処理から見えてくる表と裏の使い分け
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2699.html

■それでは7月27日時点でのマスコミ各社の記事を見てみましょう。

**********毎日新聞2018年7月27日 地方版
前田・みなかみ町長セクハラ問題 不信任案きょう再提出 可否は不透明 臨時議会 /
 みなかみ町の前田善成町長(50)が町内の女性にセクハラ行為をしたとして被害届を出された問題で、27日に開かれるみなかみ町の臨時議会で、町長の不信任決議案が提出される見通しになった。提出は6月定例会に次いで2回目。前回は、可決に必要な「4分の3」に届かず否決されたが、今回は可決の公算が大きい。ただ、可決された場合、町長が議会を解散できるため、4月に続き町議選となることに慎重な議員もおり、情勢は不透明だ。【鈴木敦子】
 「町長と議会との関係はもはや修復不可能」。前回不信任案に賛成した議員は今回も賛成する意向を強調する。別の議員も「自ら引き起こした問題の重大性を認識していない。町長としての資質に欠ける」と厳しい目を向ける。
 一方、前回反対した議員は「警察の捜査の結果を待つべきだ。議会として先に判断するのは適切ではない」と話し、今回も反対する予定だという。別の議員は「結局のところ、まだ何も分かっていない」として不信任案自体に疑問を呈する。
 前回、反対した6人のうち2人が共産党議員だった。このうち1人は、セクハラなどの人権侵害を追及してきた「党の方針に背いた」責任を取り、採決の3日後の6月7日に議員辞職した(←当会注:ただし、共産党の利根沼田委員会は、同議員の党籍は保留中らしい)。もう1人は「認識が甘かった」と反省を口にしており、今回は賛成する見込み。
 可決された場合、町長は議会を解散することができる。町議選は4月にあったばかりのため、再び選挙となることに慎重な議員もいる。
★地元学校組合も苦言
 26日に開かれた利根商業高校(みなかみ町)を運営する「利根沼田学校組合」の理事会で、理事長の前田善成・みなかみ町長(50)を巡るセクハラ疑惑に対し、他の理事が「生徒への影響を考え、自ら身を引くべきではないか」と苦言を呈する一幕があった。
 組合の理事は、沼田市長▽片品村長▽川場村長▽昭和村長▽みなかみ町長の5人で構成され、代々、理事長は高校が設置されているみなかみ町長が務めてきた。
 理事会は非公開だが、出席者によると、理事の一人が「来春の入学者が減ったらどうするのか。高校存続のためにも(前田町長は)いったん理事長を辞めた方がいいのでは」と提案した。それに対し、前田町長は「理事長を全うしたい。来春の入学者が減ったらその時点で考える」と答えたという。前田町長は理事会後、毎日新聞の取材に「事務局に聞いてほしい」と述べるにとどめた。
 理事らによると、利根商の生徒や保護者からも批判的な意見が出ているという。【鈴木敦子】
★13人賛成で可決 全員出席なら
 町長に対する不信任決議案は、議員の3分の2以上が出席した状態で4分の3以上が賛成すると可決される。みなかみ町の場合、現在の議員は17人。11人以上の出席が必要。17人全員が出席した場合は13人以上の賛成で可決される。
 可決した場合、町長は10日以内に失職するか、議会を解散できる。解散すると40日以内に町議選が行われる。選挙後初招集の議会で再び不信任案が可決されれば、町長は失職する。この時の議決は4分の3以上の賛成ではなく、過半数で成立する。
 解散せずに失職した場合は50日以内に町長選が行われる。前町長は再出馬できる。

**********産経ニュース2018年7月27日10:42
【みなかみ町長セクハラ問題】前田町長への不信任決議案、可決される

群馬県みなかみ町の前田善成町長
 群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が女性にセクハラ行為をしたとされる問題をめぐり、27日に開かれた臨時町議会で前田町長に対する不信任決議案が提出され、可決された。
 町議17人が全員出席し、13人の賛成、4人が反対。出席議員の4分の3以上が賛成し、可決に必要な票が集まった。

**********毎日新聞2018年7月27日 11時02分(最終更新 7月27日 16時55分)
みなかみ町 セクハラ行為町長 不信任、異例2回目で可決

前田善成町長=群馬県みなかみ町役場議場で2018年6月5日、畑広志撮影
 群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が町内の団体の女性職員にキスなどのセクハラ行為をしたとして強制わいせつ容疑で被害届を出された問題を巡り、みなかみ町議会は27日の臨時議会で町長の不信任決議案を可決した。賛成は議員17人のうち、可決に必要な4分の3(13人)以上の13人で、前田町長は10日以内に議会を解散しなければ失職する。
 不信任案は6月定例会でも提出されたが小差で否決。2回目で可決という異例の事態となった。
 不信任決議案は、セクハラ問題で町の観光地としてのイメージが失墜し、町長と町職員との信頼関係も失われているなどとして「町政の一日も早い正常化、町政に対する信頼を取り戻すことが急務」としている。
 前田町長を巡っては、4月18日夜、町内の飲食店で開かれた団体の送別会の2次会に飛び入りで参加し、女性職員に抱き付き、キスをしたとされる。女性は5月2日に県警に被害届を出した。町長は自身のブログなどでキス自体は認めたが「女性から好意があったと思い込んだ」「セクハラ的、犯罪的なものではない」と主張してきた。
 議会は5月に辞職勧告決議案を全会一致で可決したが、6月の不信任決議案は18人中6人が反対に回り否決された。その後、反対した共産党議員2人のうちの1人が「セクハラ問題の根絶を目指す党の立場に反する行為だった」として議員を辞職した。【鈴木敦子】

**********NHK News Web 2018年07月27日12時29分
みなかみ町長の不信任決議案可決
 群馬県みなかみ町の前田町長が町内の団体の女性職員にセクハラ行為をしたと指摘されている問題で、町議会は27日、町長に対する不信任決議案を可決しました。
 この問題は、ことし4月群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が、町内の団体の送別会の二次会で、団体の女性職員に無理やり抱きついてキスをしたと指摘されているものです。
 町議会は先月、町長に対する不信任決議案を否決していましたが、議員の1人が27日開かれた臨時議会に改めて不信任決議案を提出し、「多くの町民から町長の退陣を望む意見が寄せられ、町政も停滞している」と述べました。
 これに対し議案に反対する議員たちは、「真相はわかっていない」などと述べました。
 このあと、議長を含む17人で採決が行われ、賛成13、反対4で、賛成が可決に必要な出席議員の4分の3を上回り、前田町長に対する不信任決議案は可決されました。
 これにより町長はみずから辞職するか、地方自治法に基づいて10日以内に町議会を解散するか、解散せずに失職するか、選択を迫られることになります。
 町議会を傍聴した男性は、「不信任決議案が可決されたのだから、町長はみずから辞職して、混乱を収めるべきだ」と話していました。
 群馬県みなかみ町の前田町長は27日記者会見し、今後の対応について後援会と相談して決める考えを示しました。
 この中で前田町長は、「職責を全うすることで責任を果たしたいという気持ちに変わりはない」と述べる一方で、みずからが辞職するか、町議会を解散するかは、後援会と相談して判断する考えを示しました。
 また、27日の不信任決議で町政や観光に影響が出ているという指摘については、「多少の影響は出たと思うが、それほど大きな影響が出ていることを示す数字はない」と述べました。
 一方、みなかみ町議会の小野章一議長は記者団に対し、「町長を続けたい気持ちがあるにしても、不信任決議を受けた以上は、改めて信を問うため早期の辞職をお願いしたい」と述べました。

**********朝日新聞デジタル2018年7月27日12時58分
町長のセクハラ問題、不信任案を可決 群馬・みなかみ
 群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が4月、町内の団体職員の女性に酔ってキスをした問題で、町議会は27日に臨時会を開き、町長の不信任決議案を可決した。前田町長は議長から通知を受けた日から10日以内に町議会の解散か、失職かを迫られることになった。
 セクハラ問題発覚後の5月の臨時会では辞職勧告決議案が可決されたが、前田町長は「町のために一生懸命仕事をさせてほしい」などと辞職を否定。6月の定例会で提出された不信任決議案は否決されていた。再提出された不信任決議案は、「役場職員との信頼関係が失われ、入札の延期など行政が滞っている。観光地としてのイメージも失墜し、夏の観光、秋の紅葉シーズンを控えて観光に携わる人たちから不安の声が聞かれる」「町政の一日も早い正常化と、町政への信頼を取り戻すことが急務である」などと理由を挙げた。
 この問題では、セクハラ被害を受けた女性側からの被害届を受け、県警が強制わいせつ容疑で捜査を続けている。(泉野尚彦)
**********

■セクハラ(セクシャルハラスメント)は、パワハラ(パワーハラスメント)、モラハラ(モラルハラスメント)、アカハラ(アカデミックハラスメント)などと比べると、かなり以前から問題提起されており、最近の男女雇用機会均等法の施行に伴い、その法的な定義が指針として明示されており、かなり確立されていると言えます。

 とりわけ男女が共に業務に従事する職場では、異性が嫌がる言動を避けるのはエチケットというより、もはや行動規範の基本として認識すべきです。
か? 働く人の気持ちに反する「性的な言動」がなくても、仕事ができるのは明らかです。ですから、人が嫌がる言動は避ける、というのが基本です。

 にもかかわらず、群馬県内の自治体という職場で、未だにこうしたセクハラ事件が発生するのは、まだまだセクハラの認識面において後進性が根強く残っている証拠です。

 男女雇用機会均等法に基づく厚労省のセクハラ防止のための指針では次の措置を義務付けています。

①事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
②相談体制の整備
③事後(問題が起きてから)の迅速かつ適切な対応
④相談者・行為者等のプライバシーを保護、相談者の不利益取り扱いの禁止の周知・啓発


■そして、セクハラの中でも、抱き付き、キス、スカートめくりなどの身体的接触は、違法性が認定されるケースが圧倒的多数です。これはセクハラの次元を超えて「強制わいせつ罪」という犯罪行為になります。

 今年5月にも、辞任した財務事務次官のセクハラ問題について「セクハラ罪という罪はない」「殺人とか強制わいせつとは違う」などと言い放ち、いまだに財務大臣の席に居座っている御仁がおりますが、セクハラ問題の本質が理解できないこうした常識外れの発言がまだまだ我が国には、それも国の行政組織内で罷り通っていることに改めて呆れてしまいます。

 みなかみ町長のセクハラ事件の場合では、「4月18日夜、町内の団体の飲み会(送別会の2次会)に飛び入りで参加した際、女性に抱き付いてキスをするなどの行為をした」と報じられており、本当に町長が、嫌がる被害女性に無理やりこうした一連の仕打ちをしたのが事実であれば、警察が「強制わいせつ」を視野に入れて捜査をするのは当然のなりゆきと言えます。

 当会が追及しているセクハラ問題では、前橋市役所の男性の管理職員が女性嘱託職員の胸を宴席でもんだことで、被害を受けた女性職員は警察に被害届を出しました。この場合は周囲いた他の職員らも目撃しており身体的接触は明らかですから「強制わいせつ」に該当することになります。

 学校や職場等におけるセクハラ問題の撲滅に向けて、当会は今後とも尽力していく所存です。

【7月28日追記】
みなかみ町議会が町長不信任案を可決したことを報じる7月28日の新聞各紙の群馬版記事です。






【市民オンブズマン事務局からの報告】

※参考資料「みなかみ町議会議員名簿」(平成30年6月8日~)
**********
<議員名簿>
議席 氏 名
01  星野 宗央
02  田村 かつ子
03  鈴木 章二
04  吉澤 幸男
05  本多 公保
06  桑原 一郎
07  �供ゝ徃�
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また文科省で汚職!…先日裏口入学を斡旋した仲介者に今度は国際派キャリア官僚が接待おねだり

2018-07-27 19:22:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専や長野高専をはじめ、全国の数多くの高等専門学校に出向の名目で官僚が校長として派遣され、およそ教育者らしからぬ振る舞いでアカハラやパワハラを振りまいている弊害については、当会のブログでも紹介してきました。これまで比較的スキャンダルには縁遠いと思われていた文部科学省は、近年、組織的な天下りあっせんなどが続き、不祥事を起こしてきていますが、やはり、官僚という「人種」に付き物の社会的規範の欠如が、とくに文科省に所属しているうちにさらに悪化するのではないかと思ってしまいます。
 東京医科大支援事業をめぐる汚職事件で前科学技術・学術政策局長が起訴されたばかりなので、今度は、その1年先輩の国際統括官が、東京地検特捜部の餌食となりました。信頼回復には、ユデガエル状態にある役所内部のしくみを全て見直す必要があり、それは外部の民間人に全権限を与えて大ナタを振るわない限り、再発防止にはならないと思います。
 この事件の昨日からの報道記事を見てみましょう。
*********産経ニュース2018年7月26日 10:59
【文科省汚職】収賄容疑、新たに文科省国際統括官を逮捕 JAXA出向時に140万円接待疑い 東京地検特捜部


川端和明・国際統括官
 文部科学省の私立大学支援事業をめぐる汚職事件で受託収賄幇助罪で起訴された会社役員、谷口浩司被告(47)から約140万円相当の飲食接待を受けたとして、東京地検特捜部は26日、収賄容疑で同省国際統括官の川端和明容疑者(57)を逮捕した。また贈賄容疑で谷口被告を再逮捕した。
 川端容疑者の逮捕容疑は宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事に出向していた平成27年8月~29年3月、谷口容疑者が役員を務める医療コンサル会社に便宜を図った見返りに、東京都内の飲食店などで複数回にわたり接待を受けたとしている。
 一連の事件をめぐって特捜部は、東京医科大が「私立大学研究ブランディング事業」に選定されるよう便宜を図る依頼を受け、見返りに息子を合格させてもらったとして、受託収賄罪で同省前科学技術・学術政策局長の佐野太(ふとし)被告(59)を24日に起訴。谷口容疑者は佐野被告の犯行を手助けしたとして、受託収賄幇助罪で起訴された。同大の臼井正彦前理事長(77)と鈴木衛(まもる)前学長(69)も贈賄罪で在宅起訴された。
 川端容疑者は昭和59年に旧科学技術庁に入庁。文科省官房総務課長や文化庁文化部長などを務めた。

**********毎日新聞2018年7月26日 11時39分(最終更新 7月26日 13時32分)
文科省汚職 収賄容疑で統括官逮捕 医科大事件被告に便宜

↑川端和明・文科省国際統括官
 コンサルタント会社の業務に関して有利な取り計らいをする見返りに飲食接待を受けたとして、東京地検特捜部は26日、文部科学省国際統括官(局長級)の川端和明容疑者(57)を収賄容疑、元コンサルタント会社役員の谷口浩司容疑者(47)を贈賄容疑で逮捕した。
<エース幹部・川端容疑者 「なぜ」省内に衝撃>
 文科省では、私立大学支援事業を巡って息子を不正に合格させてもらったとして、佐野太・同省前科学技術・学術政策局長(59)が受託収賄罪で24日に起訴され、谷口元役員が受託収賄ほう助罪でともに起訴された。谷口元役員が絡んで、局長級が相次いで逮捕される事態に発展した。
 逮捕容疑は、川端統括官が国立研究開発法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)の理事だった2015年8月~17年3月、コンサルタント会社の業務などで便宜を受けたいなどの趣旨であることを知りながら、谷口元役員から複数回にわたり、東京都内の飲食店などで計約140万円相当の接待を受けたとしている。特捜部は2人の認否を明らかにしていないが、関係者によると、谷口元役員は容疑を否認しているという。
 川端統括官は1984年に旧科学技術庁入庁。同省総務課長などを歴任し、15年4月から17年3月にJAXA出向。17年4月から現職。佐野前局長の前任の総務課長で、文科省幹部によると、総務課長時代には既に谷口元役員と懇意にしていたという。総務課長時代の人脈を佐野前局長に引き継いでいたとみられる。
 JAXAは文科省所管。航空機やロケットの開発、宇宙探査まで幅広い業務を担う。特別法により役員、職員は「みなし公務員」に規定されている。【巽賢司、遠山和宏、金寿英】

**********毎日新聞2018年7月26日 13時10分(最終更新 7月26日 13時20分)
文科省汚職 林文科相「誠に遺憾」 相次ぐ逮捕に省内動揺

収賄容疑での職員の逮捕を受けて報道陣の取材に応じる林芳正文科相(中央)=文部科学省で2018年7月26日午前11時57分、宮間俊樹撮影
 相次ぐ幹部の逮捕に、文部科学省内に衝撃が走った。同省国際統括官の川端和明容疑者(57)が東京地検特捜部に逮捕された26日、省内は対応に追われ、職員らも表情を曇らせた。
 林芳正文科相は正午ごろから報道陣の取材に応じ、「現職の職員が逮捕され、誠に遺憾。捜査当局の捜査に全面的に協力したい。信頼回復は難しい状況だが、地道に一つ一つ努力を進めたい」と語った。
 省内では川端統括官の執務室の前に大勢の報道陣が詰めかけた。部屋は閉め切られたままで、フロアを通る職員が心配そうな表情で見つめていた。
 国立研究開発法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)広報部の担当者は「驚いている。内容については承知しておらず、コメントは差し控えたい。今後の検察の捜査には全面的に協力する」と話している。【飯田憲、斎藤有香】

**********朝日新聞デジタル2018年7月26日13時15分
また幹部逮捕 文科省職員「気持ちが崩されていってる」

文部科学省=東京・霞が関
 文部科学省の局長クラスがまた、収賄容疑で東京地検に逮捕された。国際統括官の川端和明容疑者(57)は、私学支援事業をめぐって受託収賄罪で起訴された同省前局長の佐野太被告(59)と同じく、科学技術畑を歩んできた幹部だった。相次ぐ逮捕を受け、文科省内には衝撃が走った。
文科省統括官を収賄容疑で逮捕 JAXA時代の接待巡り
 川端容疑者は、1984年に旧科学技術庁に入庁。原子力や研究開発関連の部署でキャリアを積み、総務課長や文化庁文化部長を歴任した。2014年7月から宇宙航空研究開発機構(JAXA)に出向し、17年4月から文科省の局長級のポストにあたる国際統括官を務めている。
 文科省をめぐっては、官房長を務めていた佐野被告が受託収賄罪で起訴されたばかり。年次では川端容疑者は佐野被告の1年先輩にあたる。
 佐野被告に続いて逮捕者が出たことに、幹部の一人は「誰ですか」と驚いた様子。川端容疑者については「尊敬している上司の一人です。それしか言えない」と語った。
 川端容疑者が勤務する国際統括官室のドアは、かたく閉まったままだった。入省して約20年たつ文科省職員の一人は「残念でたまらない。痛恨の極みだ。職員としての自分の気持ちが崩されていっている」と語った。
 川端容疑者はJAXAでは理事として広報や人事、財務などを担当していたという。当時の部下だったJAXA幹部は「仕事ぶりもまじめで、明るく指導してもらった。まったく予想もできずびっくりしている」と語った。

**********NHK News Web 2018年7月26日 19時13分
宇宙飛行士の講演あっせんか 収賄容疑で逮捕の文科省幹部
 文部科学省の局長級の幹部がJAXA=宇宙航空研究開発機構に出向中、医療コンサルティング会社の元役員から飲食などの接待を繰り返し受けていたとして、収賄の疑いで逮捕されました。関係者によりますと、この幹部は元役員から依頼を受け、大学の講演会へのJAXAの宇宙飛行士の派遣をあっせんしていた疑いがあるということで、東京地検特捜部が癒着の実態解明を進めています。
 文部科学省の局長級ポスト、国際統括官の川端和明容疑者(57)は、JAXA=宇宙航空研究開発機構に理事として出向していた平成27年8月から去年3月にかけて、東京の医療コンサルティング会社の業務に便宜を図った見返りに、役員だった谷口浩司容疑者(47)から都内の飲食店などでおよそ140万円相当の飲食の接待などを受けていたとして、26日、収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
 谷口元役員は私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図ったなどとして、24日、文部科学省の前局長とともに収賄のほう助の罪で起訴されましたが、川端国際統括官は谷口元役員から依頼を受け、おととし11月に開かれた東京医科大学の創立100周年の講演会へのJAXAの宇宙飛行士の派遣をあっせんしていた疑いがあることが、関係者への取材でわかりました。
 川端国際統括官は昭和59年に当時の科学技術庁に入庁し、文部科学省の総務課長や文化庁の文化部長などを務めたあと、平成27年4月から2年間、JAXAの理事を務めていて、人事や契約などを統括する立場だったということです。そして、去年からは、局長級ポストで、省内の国際関係の政策を取りまとめる国際統括官に就いていました。
 特捜部は26日、文部科学省などを捜索し、局長クラスの幹部と谷口元役員の癒着の実態解明を進めています。
 特捜部は2人の認否を明らかにしていません。
●谷口元役員とは
 関係者によりますと、贈賄の疑いで再逮捕された谷口浩司容疑者(47)は、都内の大学を卒業し、柔道整復師の資格を取ってスポーツ選手のトレーナーなどとして働いていたということです。
 その後、東京の医療コンサルティング会社の役員に就任したほか、参議院議員の政策顧問の肩書で省庁などに出入りするようになり、周囲には「文部科学省や厚生労働省の幹部にパイプがある」などと話していたということです。
 また東京オリンピック・パラリンピックに向けて去年、発足した「スポーツ・コンプライアンス教育振興機構」の運営にも関わり、スポーツ界の著名人や国会議員などとともに一時は理事として名前を連ねていました。
 文部科学省をめぐっては、科学技術・学術政策局長だった佐野太被告(59)が私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに、この大学を受験した息子を不正に合格させたとして、24日、受託収賄の罪で起訴されていて、谷口元役員も収賄のほう助の罪で起訴されていました。
 関係者によりますと谷口元役員は佐野前局長に対してもたびたび飲食の接待をしたり、ゴルフバッグをプレゼントしたりしていたということで、文部科学省に頻繁に出入りする姿も目撃されていたということです。
●川端国際統括官と谷口元役員をよく知る人は
 文部科学省の関係者は、川端国際統括官は谷口元役員と家族ぐるみの付きあいがあり、頻繁に飲食などをともにしていたということです。
 2人の関係については、「川端容疑者は国際統括官に就任した去年4月以降、谷口元役員からは花やお菓子などの贈り物が大量に届いていた。2人は四六時中、連絡を取り合っていて、谷口元役員は多いときで月に4、5回ほど部屋を訪れ、アポなしで来ることもあった。川端国際統括官は打ち合わせの最中であっても谷口元役員であればそちらを優先して面会していた。国家公務員の身分なのに脇の甘い人だと思っていた。飲食の問題など倫理上よいのかと思うふるまいも多かった」と話していました。
 また、谷口元役員については、「とても羽振りのいい人という印象だった。文部科学省には、ある政治家の政策顧問という肩書で出入りしていた。川端国際統括官以外の幹部やほかの職員のところにもあいさつに行っていたようで、お菓子をみんなに配っているなどと言っていた」と証言しています。
●川端国際統括官、佐野前局長、谷口元役員の関係は
 逮捕された川端和明国際統括官(57)は、24日起訴された佐野前局長と同じ旧科学技術庁の出身です。
 主要ポストの総務課長を佐野前局長に引き継いだのは1期先輩の川端国際統括官でした。
 その人物像について、省内の関係者は「飲み会が好きで、調子がいいタイプだった。局長級まで上り詰め、着実に出世した印象だ」と話しています。
 また、谷口元役員とは数年来の付きあいがあり、飲み会などでほかの幹部を紹介することもあったということです。
●JAXA理事長「大変驚いている」
 JAXAの山川宏理事長が取材に応じ、「逮捕は報道で知り大変驚いている。容疑の事実など内容については承知をしていないので、コメントは差し控えたいが、捜査については全面的に協力していきたい」と述べました。
 そして、川端前理事との関わりや、業務内容などについては、「個人的には関わりは無かった。総務や人事を担当していたと聞いている。それ以上のことは捜査に関わるのでここでは控えたい」と話し、詳しい事実関係については、触れませんでした。
 そのうえでJAXAとして組織内の調査を行うか、という質問に対しては、「まずは捜査への協力を最優先にしていく」と述べ、明言をさけました。

**********日経2018年7月26日 22:05
文科省汚職 宇宙飛行士の講師派遣に関与か
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)に理事として出向中に医療コンサルタント会社側から接待を受けたとして東京地検特捜部は26日、JAXA元理事で文部科学省国際統括官、川端和明容疑者(57)を収賄容疑で逮捕した。関係者によると、医療コンサル側の意向を受けて、宇宙飛行士の講師派遣に関与した疑いがあるという。

川端和明容疑者(文科省提供)
 東京医科大が2016年11月に開いた「創立100周年記念講演会」でJAXA所属の宇宙飛行士が講演。特捜部は、この講師派遣を巡り、元コンサル会社役員、谷口浩司容疑者(47)=贈賄容疑で再逮捕=が川端容疑者に何らかの働きかけをしたとみて、捜査を進める。
 JAXAによると、川端容疑者は総務担当理事として広報や宇宙教育、人事、契約を統括する立場にあった。
 講演会への職員派遣は広報部門が管轄。宇宙飛行士の講演は人気が高く、JAXAはホームページに「宇宙飛行士の講演依頼は大変難しい」と記載している。約半年前には講演依頼の受け付けを締め切り、審査した上で派遣の可否を決める。
 特捜部は講演を実現するために、川端容疑者が有利な扱いをした可能性があるとみている。
 川端容疑者はみなし公務員にあたるJAXA理事を務めていた2015年8月から17年3月、コンサル会社の業務に関して便宜を図ったことへの謝礼と知りながら、谷口容疑者から複数回、東京都内の飲食店で約140万円相当の接待を受けたとされる。
 特捜部は24日、私大支援事業で便宜を図る見返りに東京医科大に息子を不正合格させたとして同省の前科学技術・学術政策局長、佐野太被告(59)を受託収賄罪で起訴。同ほう助罪で起訴した谷口容疑者の関係先を調べる中で、川端容疑者が浮上した。
 川端容疑者は佐野被告より1年早い1984年に旧科学技術庁に入庁。川端容疑者の後任として、佐野被告が文科省総務課長に就くなど、先輩後輩の間柄だった。同省は26日付で川端容疑者を大臣官房付とした。

**********産経ニュース2018年7月26日 22:52
【文科省汚職】エース幹部で「ユネスコの顔」 川端容疑者「発言軽く脇甘い」との声も

川端和明容疑者
 収賄容疑で逮捕された川端和明容疑者は、旧科学技術庁(現文部科学省)採用のキャリア官僚。少数派の文系出身だが「明るく面倒見が良い」との評判もあり、そつのない仕事ぶりで順調に出世。逮捕時は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国内関連事業に助言などを行う国際統括官(局長級)だった。一方、エース級でありながら「発言が軽く脇が甘い」との声も聞かれた。
 川端容疑者は早稲田大学政治経済学部を卒業後、昭和59年に旧科技庁に入庁。米国留学などを経て平成12年にはウィーンの国際原子力機関へ出向した。文科省では総務課長や文化庁文化部長も務めるなど多彩な分野を渡り歩き、宇宙航空研究開発機構理事への出向を経て、29年4月に国際統括官に就任した。
 文科省幹部は、川端容疑者について「事務能力が高い」と評価、出世コースである総務課長も経験し「話題が豊富で政治家の相手もこなれている」と話す。音楽好きで、文化庁では仕事も楽しんでいたという。
 国際統括官としては、ユネスコの国内関連事業の式典などに出席してあいさつすることも。幹部の一人は「文科省は古くからユネスコ事業に力を入れており、国際統括官はまさに“ユネスコの顔”。逮捕により業務に支障が出なければいいが…」と危惧(きぐ)した。
 一方、川端容疑者を知る文科省職員は「会議ではリップサービスのつもりなのか、周囲が心配するような発言をすることもあり、やや慎重さに欠ける印象がある」と漏らした。
 関係者によると、私大支援事業をめぐる汚職事件の摘発直後から、東京地検特捜部が川端容疑者から任意で事情聴取。そうした中でも変わらず勤務し、林芳正文科相が職員に実施した法令順守の徹底の訓示にも参加していたという。

**********読売新聞2018年07月27日 06時00分
文科省汚職拡大 規範意識の欠如が嘆かわしい
 文部科学省幹部が、またしても汚職で摘発された。ゆゆしき事態だ。
 東京地検特捜部が収賄容疑で逮捕したのは、文科省国際統括官の川端和明容疑者だ。逮捕後、大臣官房付となった。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事だった昨年3月までの約1年8か月間、贈賄容疑で再逮捕された医療コンサルティング会社元役員の谷口浩司被告から、飲食店などで計約140万円相当の度重なる接待を受けたという。
 東京医科大の講演会に宇宙飛行士を派遣する件で、便宜を図った見返りだったとされる。
 事実とすれば、公務員としての規範意識を欠いた行為だ。
 川端容疑者は旧科学技術庁に採用され、文科省総務課長や文化庁文化部長を歴任した。JAXA出向中は契約や経理、人事を統括した。国際統括官は局長級で、国際協力事業などに携わっていた。
 谷口被告は、文科省の私大支援事業を巡る汚職事件にも関わっている。受託収賄罪で起訴された佐野太・前局長と、在宅起訴された臼井正彦・東京医科大前理事長らを引き合わせたとされる。受託収賄ほう助罪で起訴されている。
 佐野被告も、谷口被告から接待を受けていた。特捜部には、癒着の全容解明を求めたい。文科省も、科学技術行政などに影響がなかったか、調査を尽くすべきだ。
 佐野被告は官房長だった昨年5月、私立大支援事業の選定で東京医科大に便宜を図るよう臼井被告に依頼された。その見返りに、今春の入試で息子を不正に合格させてもらったとされる。佐野被告は起訴事実を否定している。
 臼井被告と前学長の鈴木衛被告は、不正に合格させた事実を認めている。大学の最高幹部が入試不正を主導した責任は重大だ。
 1次試験で佐野被告の息子の得点に10点を加えて、確実に合格するようにしたという。入試への信頼を揺るがす悪質な行為だ。
 他の複数の受験生に対して、不正な加点が確認されたことも看過できない。特捜部は過去の裏口入学リストも入手している。不正が常態化していたのではないか。
 入試方法は各大学の裁量に委ねられているとはいえ、文科省の大学入試要項は、公正な実施を求めている。恣意しい的な介入があった東京医科大の入試は、これとは程遠いと言わざるを得ない。
 一部の幹部による独善的な運営は目に余る。理事会の構成を見直すなど、ガバナンス(統治能力)の確立が急務である。
**********

■ところで当会では先月6月27日(水)午後1時半に、文科省の情報開示窓口で1件の行政文書開示申請書を提出して受理されたのですが、本日でちょうど1か月が経過します。にもかかわらず、今のところまだ開示通知が届いていません。
 
これまで文科省の場合、こうした開示請求に対して、基本的に30日をフルに使って来たことはこれまで1度もありません。非常に珍しい現象ということができます。それだけに、今回立て続けに発生した文科省汚職事件が影響していないかどうか、心配なところです。

【市民オンブズマン事務局からの報告】

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