■今年の5月連休に浮上したみなかみ町長によるセクハラ事件については、現在もなおゴタゴタが続いていますが、この中で注目されるのは6月5日に開催された同町議会6月定例会に、町議から町長不信任決議案が提出され、賛成12、反対6で否決された際に、共産党町議2人が反対に回ったため、可決に必要な14人の賛成が得られなかったという異常事態が話題を呼びました。このビックリ仰天の背景について考察してみました。
この直後、地元の共産党の利根沼田地区委員会と、群馬県委員会は直ちに次の見解を発表しました。
*****共産党利根沼田地区委員会の見解(ハンドマイク参考例)*****PDF ⇒ 20180606_minakami_chouchou_fusinnin_ketsugi_taiou.pdf
みなかみ町長の不信任決議案に対する
日本共産党議員団の対応について
2018年6月6日 日本共産党利根沼田地区委員会
5月2日の新聞報道でみなかみ町長のセクハラ問題が報道され、5月10日に開かれた臨時町議会で町長に対する辞職勧告決議案が提案され、日本共産党の2人の議員を含め全会一致で可決されましたが、町長は、引き続き町長の職にとどまり辞職の意志を見せませんでした。
日本共産党利根沼田地区委員会では、みなかみ町の2人の党議員も参加し、繰り返し町長のセクハラ問題について議論し、6月定例町議会で町長の辞職を求める一般質問をおこなうことを決め準備をすすめ、町長の辞職を求めることにしていました。
その後もいかなるケースにおいてもセクハラは、許されるものではなく、「町長はただちに辞任するべき」という見解を明らかにしてきました。
6月5日開会の6月定例町議会で、町長に対する不信任決議案が提出される動きがあることから、直前に開いた会議でも「不信任決議案には賛成する」ことをあらためて確認し、町長の辞任を求めることを決定しました。
ところが、議会開会冒頭に提案された「不信任決議案」に党議員2人は反対し、党の決定とちがう態度をとり、多くの町民のみなさんの信頼を損ねる結果となりました。
日本共産党利根沼田地区委員会は、町民のみなさんの期待を裏切ってしまったことに、心よりお詫び申し上げます。
日本共産党は、「いかなるケースにおいてもセクハラは許されない」という立場で、全国で同様の問題が起こった場合は、責任をきびしく追及しています。
今回の「態度変更」を独断で決めた議員団長の責任は、極めて重大です。よって議
員団長は、議員辞職することにしました。
日本共産党利根沼田地区委員会は、2人の議員に対する指導が不十分であったことを深く反省し、二度とこうしたことをおこさないよう議員に対する指導、決定の遵守をあらためて徹底します。
また、これからも町長のセクハラ行為は許さず、「ただちに辞職を」求める活動に努めて参ります
*****共産党の群馬県委員会の見解*****PDF ⇒ 20180606_minakami_chouchou_sexharra_keniinkai.pdf
みなかみ町長のセクハラ問題と議員団長の辞職について
2018年6月6日日本共産党群馬県委員会
5月2日に発覚したみなかみ町長のセクハラ問題に対し、5月10日、臨時町議会で町長への辞職勧告決議案が提案され、2人の日本共産党議員も賛成しました。ところが、6月定例議会の冒頭不信任決議案が提出されると、党の2人の議員は反対の立場をとり、団長は反対討論までしました。この結果、4分の3の賛成が必要な不信任決議案は賛成12、反対6で否決されることになりました。これは、セクハラ問題の解決を願う有権者の願いを裏切る行為であるとともに、セクハラ問題の根絶をめざしている党の立場にも反する行為です
党利根沼田地区委員会は、議員団長として活動してきた林議員については、その責任の重大性を考え、引責辞職することになり、6月6日、辞職届を提出しました。
党利根沼田地区委員会は、党議員への指導・援助を強めるとともに、これからも町長のセクハラ行為は許さず、「ただちに辞職を」求める活動に務めるとしています。
**********
■この中で、共産党は「信任決議案が提出される動きがあることから、直前に開いた会議でも『不信任決議案には賛成する』ことをあらためて確認し、町長の辞任を求めることを決定しました。ところが、議会開会冒頭に提案された『不信任決議案』に党議員2人は反対し、党の決定とちがう態度をとり、多くの町民のみなさんの信頼を損ねる結果となりました」と謝罪の言葉を挙げています。
上意下達を信条とする共産党の組織からすると、所属議員が2人とも造反したとはおよそ考えられない事態だと見る向きがあります。
そこで、町長と共産党の関係について調べてみました。
■現町長の前田善成氏は、2017年(平成29年)10月15日に執行されたみなかみ町長選挙(投票率65.48%)の結果、5,779票を得て、3期目を目指した岸良昌候補の5,147票を上回り、初当選を果たしました。
当選した前田善成氏のプロフィールをネットで調べると次のことが分かります。
生年月日:1967年8月21日
年齢:50歳
出身地:群馬県利根郡
学歴:群馬県立沼田高等学校、八戸工業大学工学部建築工学科、高崎経済大学地域政策学部
家族構成:妻、娘2人
趣味:スキー
経歴:八戸工業大学卒業後、設備会社の社長を経て、
2006年 みなかみ町議会議員に初当選
2010年 再選
2012年 第46回衆議院議員総選挙に維新の会公認として出馬するも落選
2014年 みなかみ町議会議員に返り咲き
2016年 高崎経済大学地域政策学部を卒業
2017年 みなかみ町町長選挙に初当選。10月より現職
■一方、今回造反したとされている共産党所属町議2名について、ネットで調べてみました。
みなかみ町議選は、今年2018年4月22日に投開票が行われました。選挙には定数18人に対し20人が立候補し、当選したのは現職11人、新人6人、元職1人で、党派別でみると、無所属15人、共産2人、公明1人でした。当日の有権者数は1万6691人(男8,050人、女8,641人)で、投票率は前回(74.39%)を大幅に下回り、66.77%でした。
共産党の2名は林誠行(はやし・のぶゆき)候補と星野宗央(ほしの・かずひさ)候補でした。投開票の結果、星野氏が431票で14位、林氏が385票で17位当選を果たしました。
林候補は活動地域が新治・水上地区で、チラシに書かれた略歴には「1949年、新治村相俣に生まれ、利根商卒業後、利根中央病院に44年間勤務。この間、利根保健生協労組委員長、熊の子保育園監事、相俣区長、町づくり協議会委員などを歴任。現在、庁議2期目。家族は、妻と母」と書かれていました。
※林候補の選挙用チラシ↓
一方、星野候補は、活動地域が月夜野地区で、チラシの略歴には「後閑生まれで在住、月夜野第一中・沼田高校・理容専修学校卒業。沼田民主商工会事務局をへて佐々木石油勤務。この間、消防分団長などを歴任。家族は看護師の妻」とあります。
※星野候補の選挙用チラシ↓
両候補とも、チラシの内容は共産党候補として共通となっており、その中の目玉として前田町長との関係について「前田町長との政策合意。先の町長選挙では、7項目の政策合意をかわして原町長の前田候補を支援。前田町長を支援した議員が少数という中で、日本共産党議員は『いつも町民の立場から、良いことには賛成、悪いことには反対』の是々非々で対応しています」と記しています。
こうしたことから、町議会では共産党は市長にとって保守的な立場であったことが伺えます。
■となると、やはり前述のとおり、本当に共産党は事前に2名の造反町議の行動を予見し得なかったのかどうか、という疑念が生じてきます。
地元関係筋からの情報によれば、今回の前田町長のセクハラ(というより強制わいせつ)問題で、議会対応に混迷した共産党の大東宣之(おおひがし・のぶゆき)・利根沼田地区委員長(群馬県沼田市日本共産党市議会議員)は造反した元議員の林誠行氏を未だに処分できずにいるとのことです。また、造反に随伴した現職の星野宗央議員についても、その経緯の釈明の公表に至っていないのも事実です。
前年10月の町長選で前田町長と7項目の政策合意をしていた共産党としては、「町長の人柄(共産党にとって好感の持てる)と少なからずの支持町民存在(選挙を僅差で制した要因)のため、町長不信任案に対して反対投票をした」というのが本音のようです。
しかし、今回の前田町長によるセクハラ、というよりも、強制わいせつ事件では、いかに町長と政策合意を結んでいたとしても、不信任決議が不成立となったことで世間の常識的な反応との乖離が大き過ぎたため、渋々、地元の共産党委員会としても「処分せざるを得なくなった」という事態に追い込まれたものと思われます。
■今回の騒動の顛末を見れば分かるように、この事件はそもそも町長自身の放埓な人格、身勝手な行動、社会性の欠如、感覚の鈍麻等が背景に見受けられ、これら一連の要素が公職者にとってふさわしいのか、として問責されています。
町長自身の事後の態度も不遜ですが、セクハラよりも党利党略を優先した共産党(関係者ら)の態度も問題です。本来なら、共産党としてのイメージを破壊したことにより、関係者は放逐されてもしかるべきでしょう。しかし、身内の不都合には寛大な組織なので、おそらくこのまま林氏の議員辞職のみで、幕引きが図られるものと思われます。
■23年前、安中市土地開発公社を舞台に、史上最高額の51億円詐欺横領事件が発覚した際、最後まで100条委員会の開催を渋っていた市議らの中に、土地開発公社の理事を務めていた共産党市議がおりました。
共産党は反権力を標榜していますが、実際には55年体制の自民党と表裏一体で、いわゆるガス抜きの役割を果たしていると言われています。旧態依然の体質は、とりわけ地方に根強く、同じ議員が何十年も議員を務めている事例には枚挙の暇がありません。
今回のみなかみ町議会における共産議員2名の行動について、共産党の地区委員会としても予見し、了解していたと考えるのが妥当であり、決して「造反」などではなかったはずです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報1「5月25日:不祥事の続く前橋市で今度は管理職の市職員によるセクハラ事件が急浮上!」
――参考記事「みなかみ町長のセクハラ報道」↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2646.html#readmore
※参考情報2「共産党町議“造反”関連の報道記事」
*********朝日新聞デジタル2018年5月2日22時52分
群馬・みなかみ町長、酔って女性にキス「同意あったと」
群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が、町内の団体職員の女性に酔ってキスをしたことが分かった。2日夜、朝日新聞の取材に前田町長は行為を認めたうえで「相手の同意があったと思った」と説明。その上で、「私の勘違いで女性が不快に思ったことに気づかず反省している。謝罪したい」などと話した。
女性側の関係者によると、町内の飲食店で4月18日に開かれた団体の送別会で、居合わせた前田町長が無理やり女性を抱き寄せ、キスをしたという。女性側は刑事告訴も視野に対応を検討している。
前田町長は元町議。2017年の町長選で3選を狙った現職を破って初当選した。(泉野尚彦)
**********NEWSポストセブン2018年05月19日 07時00分
みなかみ町長セクハラ事件 被害者所属団体と町長との関係
↑奇妙な「セクハラ騒動」の真相は?↑
最近とくに目白押しのセクハラやわいせつ行為のニュース。絶対に許すわけにはいかない。一方で、被害者の弱い立場に配慮が必要だからといって、「彼女たちの言い分がすべて」というわけではない。某省庁トップには「胸さわらせて」という録音テープがあった。某アイドルグループメンバーは3度も事情聴取され、現場検証も実施された。要は、証拠や客観的事実こそ重要であることは、言うまでもない。
さて続いての舞台は、群馬県北部の名峰谷川岳の麓にあるみなかみ町。人口は1万9000人ほど。水上温泉郷の名湯には観光客が絶えない。
「昨年10月に初当選した前田善成町長(50才)が4月中旬、町の関連団体Bの女性職員Aさんにキス。Aさんが警察に相談して騒動になった。町議会は5月10日、辞職勧告を全会一致で決めました」
と話すのは町役場関係者。まるでデジャヴのように列島各地で同じ話か―と思いきや、ちょっと様相が違うという。まずは、報道をチェックしよう。
《町や団体の関係者によると、前田氏は(中略)トイレから出たところで居合わせた女性に無理やり抱き付き、キスをしたとされる》(5月3日付毎日新聞)
続いては、前田町長のブログ(10日)を読んでみる。
《私がトイレに立ったところ、相手の女性が追いかけるように席を立った。トイレに向かう廊下で追いつかれ、女性が腕を絡ませ、手を握ってきた。肩にしなだれかかるような形になり、目と目が合った。お互い、顔を近づけ、唇が触れ合った。その後、手をつないだままトイレに向かった》
見比べると、その夜の“犯行現場”の説明が、まったく食い違っている。たしかにキスはした。でも、トイレの前か後かで違うし、新聞の《抱き付き》とブログの《手をつないだまま》では、全然ニュアンスが違う。そして町長はこうも述べるのだ。
《報道にあるように、抱きついたり、私から無理やり何かをしたということは断じてありません。》
つまり、どちらかが嘘をついている。さらに町長のブログによれば、その翌日、2人はフェイスブック上でメッセージをやり取りしている。
町長《昨日は、ありがとうございました》
Aさん《こちらこそありがとうございました》《前田町長、昨晩のこと覚えていますか??》
町長《申し訳ない》
Aさん《どうして謝るんですか…?》
その後もやり取りは続き、そのメッセージは町役場関係者も確認しているという。その夜のことが、“強制わいせつ罪”につながるような疑惑なのか判断は難しい。
「Aさんが所属する団体Bは、前田町長によって財源を握られています。町長は、“団体が実績を出さなければ予算の減額もある”と強く主張し、両者の溝が深くなっていました。そもそも団体Bはライバル候補の政策に共感していて、昨年の町長選では“前田町政になると町がダメになる”“ライバル候補を支持する”と表明していました」(前出・町役場関係者)
前田町長に話を聞くと、「お話しすることは何もありません」とのことだった。また団体Bは「捜査中のため答えられません」と話す。
あくまで大切なことは「事実関係」でしかない。警察によって慎重に捜査が行われ、真相が明らかにされるべきだ。
※女性セブン2018年5月31日号
**********上毛新聞2018年6月4日
前田町長の不信任案提出へ セクハラ問題でみなかみ町議会
群馬県みなかみ町の団体職員の女性が前田善成町長(50)からセクハラ行為を受けたとされる問題で、5日開会の町議会6月定例会に町長不信任決議案を提出する動きがあることが3日、分かった。可決には出席議員の4分の3以上の賛成が必要で、可決される可能性もある。
◎可決されれば10日以内の議会解散か失職に
定例会冒頭は町長があいさつするのが慣例だが、議会側はこれを拒否する姿勢も固めた模様だ。上毛新聞の取材に対し、小野章一議長は「全会一致の辞職勧告を受け入れずここまで来た。議会としての対応」と説明した。
前田町長は5月10日の町議会臨時会で、辞職勧告決議案が全会一致で可決されたが、「仕事で返す」として続投の姿勢を崩さなかった。議会側は同日から複数回にわたり町長室を訪れ、辞職を求めて説得を続けたが、前田町長が応じないため、不信任決議案の提出を決めた。
町長不信任決議案が可決された場合、町長は10日以内に町議会を解散しなければ、自らが失職し、50日以内に町長選が行われる。町議会を解散した場合は40日以内に町議選が行われる。
*********東京新聞2018年6月7日
【群馬】みなかみ町長セクハラ問題 共産議員が辞職願 党決定従わず「反対」
みなかみ町の前田善成町長(50)が女性にセクハラしたとされる問題で、町長の不信任決議案に反対した共産党の町議一人が六日、議長に議員の辞職願を提出した。「一身上の都合」としているが、地元の共産党利根沼田地区委員会は「不信任決議案に賛成するという党の決定と異なる態度で、町民の信頼を損ねた」とする声明を出し、引責辞職を求めたことを明らかにした。党の決定に反して決議案に反対した理由は不明確で、セクハラ問題は議会を巻き込んで混迷を深めている。 (石井宏昌)
辞職願を出したのは同議会の共産党議員団長だった林誠行町議(68)=三期目。町議会事務局によると、議会が閉会中のため、辞職願は小野章一議長が預かり、対応を検討中という。
セクハラ問題では、五日の町議会(定数一八)で町議から町長に対する不信任決議案が提出され、賛成十二、反対六で否決された。林町議ら共産党町議二人は反対に回った。可決には十四人の賛成が必要だった。
党利根沼田地区委員会によると、町議会を前にセクハラ問題への対応を協議し、不信任決議案に賛成し、町長の辞任を求めることを決定。林町議からも異論はなかったという。ところが町議会で林町議は反対討論もしていた。地区委員会で林町議らから事情を聴いたが、反対に転じた明確な理由は分からなかった。地区委員会の常任委員は「『当時は混乱していた』『反省している』などの心境は語ったが、これといった理由は聞けなかった」と話した。
もう一人の町議は今春初当選したばかりで「議員団長に引っ張られた部分が大きい」として党内処分にとどめた。
党利根沼田地区委員会と党県委員会は声明で町民らにおわびした上で「町長の辞職を求める活動に努める」とした。
*********産経新聞2018.6.6 17:33
【みなかみ町長セクハラ問題】
不信任案に反対の共産町議 議員辞職へ
↑みなかみ町の前田善成町長(橋爪一彦撮影)↑
群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が女性にセクハラ行為をしたとされる問題で、町長に対する不信任決議案に反対した共産党の林誠行町議(68)=3期=が6日、小野章一議長に議員辞職願を提出した。町議会は5日、不信任決議案が否決された影響で閉会しており、議会側は対応を協議している。
共産党利根沼田地区委員会によると、6月の町議会で前田町長の辞職を求める一般質問を行うため準備を進め、不信任決議案に賛成することを決定していたという。しかし、党に所属する林、星野宗央両町議は反対票を投じた。
同委員会は議員団長として活動してきた林町議の責任は重く、辞職願の提出に至ったとしている。同委員会は「『態度変更』を独断で決めた議員団長の責任は極めて重大」などと指摘。「党の決定とちがう態度をとり、多くの町民のみなさんの期待を裏切ってしまった」とし、文書を通じて謝罪している。
町議18人が全員出席した5日の町議会では、一部の町議が前田町長に対する不信任決議案を提出したが、賛成12人、反対6人と、可決に必要な出席議員4分の3以上の賛成を得られず、否決されていた。
**********上毛新聞 2018年6月7日
みなかみ町長セクハラ問題 共産町議が辞職願 町長の不信任反対で引責 党方針反し不信任反対
みなかみ町の前田善成町長(50)のセクハラ問題を巡り、町議会で町長に対する不信任決議案が否決されたことを受け、共産党の町議、林誠行氏(68)=3期=は6日、党方針に反して決議案に反対した責任を取るとして、小野章一議長に辞職願を提出した。小野議長が今後、扱いを決める。
町議会は5日、一部議員が提出した決議案を採決したが、出席した18人のうち賛成は12人で、可決に必要な14人に2人足りず否決された。共産党は林氏と星野宗央氏(41)=1期=の2人とも反対に回った。
共産党県委員会などによると、党は決議案への賛成を決めていたが、林氏が主導し、党決定に反した。星野氏については議員団長である林氏に従って行動した事情などを考慮し、議員辞職は求めなかったという。
林氏は上毛新聞の取材に、「セクハラへの認識が甘く、対応を誤った。全国の党員の足を引っ張ってしまった」と声を沈ませた。
党の県委員会と利根沼田地区委員会は6日、林氏の議員辞職などに対するコメントをそれぞれ発表した。
2人が反対し決議案が否決されたことについて、県委員会は「セクハラ問題の解決を願う有権者の願いを裏切る行為」と非難。同地区委員会は「町民の皆さんの期待を裏切ってしまったことに心よりおわびする」と陳謝した。
**********上毛新聞208年6月28日
みなかみ町政 停滞 8月予定の花火大会を延期 町長セクハラ問題
群馬県みなかみ町の団体職員の女性が前田善成町長(50)からセクハラを受けたとされる問題で、町政の停滞が深刻化している。町は27日、8月に開催予定の花火大会をセクハラ問題への対応で準備が遅れたことなどを理由に延期すると明らかにした。イベント主催者から町長の出席を断られるケースも出ているほか、町職員からは「町長との信頼関係は崩れている」との声が漏れる。
◎イベント出席拒否 職員「今後読めず」
同日の町議会全員協議会で、町は花火大会を主催する団体が決まらず、延期する日程も未定だと説明した。前田町長が町商工会に主催するよう求めているが、難色を示されているという。前田町長は「時期をずらしてでもやりたい。できる限りの方法を模索している」と述べた。
混乱は議会だけでなく役場内にも広がる。ある幹部職員は「町長の今後が読めないので、政策的な話を進められない」と顔をしかめる。町長が行事や式典を欠席して笠木淳司副町長が代理出席するケースが増えており、職員からは副町長への負担の集中を懸念する声も聞かれる。
5月のラフティングイベントではあいさつするのを拒否され、今月23日に開かれた「月夜野ホタル観賞の夕べ」でも参加を見合わせるよう要請されるなど、前田町長が地域の顔としての役割を果たせない場面も出始めている。
前田町長は上毛新聞の取材に「以前と同じとは言わないが、(町政が)停滞しているとは考えていない」とコメントした。
町民も影響に気をもんでいる。温泉施設の関係者は「町のイメージが低下している。早く解決してほしい」と訴え、男子高校生(17)は「町の政治への信頼感が薄らいでいる。どうなるか心配」と口にした。ホテルで働く男性(79)は「不信任案が否決された以上、前田町長に頑張ってもらうしかないのでは」と話した。
一方、県警は強制わいせつの疑いで前田町長を立件する方針を固めたとみられる。町議会本会議で否決された町長の不信任決議案の再提出を模索する動きがあり、小野章一議長は「警察の対応を見ながら、検討することになると思う」と述べた。
**********上毛新聞2018年7月3日
み町長が検査入院 先月30日から 目まいや食欲不振訴える
群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が目まいや食欲不振を理由に、6月30日から検査のため入院していることが2日、分かった。町総務課は、職務復帰は早くても8日以降としている。職務代理者は置かず、検査の結果を待ち対応を決める。
町幹部によると、前田町長は29日まで通常に公務を行っていた。30日午前に「起きたら目まいがする」「食欲もない」などと連絡があった。前田町長は自身のセクハラ問題を巡って6月定例会で不信任決議案が否決されて以降、「首が痛い」と話していたが、体調を崩している様子はなかったという
**********上毛新聞2018年7月7日
みなかみ町長 9日公務復帰 体調不良で検査入院
目まいや食欲不振を訴えて検査入院していた群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が、9日に公務に復帰することが分かった。町が6日、明らかにした。
町総務課によると、同日午前に町長と連絡を取り、病状を尋ねたところ「診断書を持って行く」と答えたという。
*********上毛新聞2018年7月14日
町長不信任案 再提出へ セクハラ問題でみなかみ町議会 27日臨時会
みなかみ町の団体職員の女性が前田善成町長(50)からセクハラを受けたとされる問題で、27日に開かれる町議会臨時会で、町長に対する不信任決議案が再提出される見通しであることが、13日分かった。出席議員の4分の3以上が賛成し、可決される可能性がある。
臨時会は除雪機購入契約の議案などを審議するために開かれるが、複数の町議によると、不信任決議案を提出する動きがある。
**********
※参考情報3「前田よしなりのブログ」
●2018.05.10「大切なみなさんへ2」
●2018.05.07「大切なみなさんへ」
https://plaza.rakuten.co.jp/yoshinari821/diary/201805070000/
※参考情報4「前田 善成 Facebook」
https://www.facebook.com/yosinari
この直後、地元の共産党の利根沼田地区委員会と、群馬県委員会は直ちに次の見解を発表しました。
*****共産党利根沼田地区委員会の見解(ハンドマイク参考例)*****PDF ⇒ 20180606_minakami_chouchou_fusinnin_ketsugi_taiou.pdf
みなかみ町長の不信任決議案に対する
日本共産党議員団の対応について
2018年6月6日 日本共産党利根沼田地区委員会
5月2日の新聞報道でみなかみ町長のセクハラ問題が報道され、5月10日に開かれた臨時町議会で町長に対する辞職勧告決議案が提案され、日本共産党の2人の議員を含め全会一致で可決されましたが、町長は、引き続き町長の職にとどまり辞職の意志を見せませんでした。
日本共産党利根沼田地区委員会では、みなかみ町の2人の党議員も参加し、繰り返し町長のセクハラ問題について議論し、6月定例町議会で町長の辞職を求める一般質問をおこなうことを決め準備をすすめ、町長の辞職を求めることにしていました。
その後もいかなるケースにおいてもセクハラは、許されるものではなく、「町長はただちに辞任するべき」という見解を明らかにしてきました。
6月5日開会の6月定例町議会で、町長に対する不信任決議案が提出される動きがあることから、直前に開いた会議でも「不信任決議案には賛成する」ことをあらためて確認し、町長の辞任を求めることを決定しました。
ところが、議会開会冒頭に提案された「不信任決議案」に党議員2人は反対し、党の決定とちがう態度をとり、多くの町民のみなさんの信頼を損ねる結果となりました。
日本共産党利根沼田地区委員会は、町民のみなさんの期待を裏切ってしまったことに、心よりお詫び申し上げます。
日本共産党は、「いかなるケースにおいてもセクハラは許されない」という立場で、全国で同様の問題が起こった場合は、責任をきびしく追及しています。
今回の「態度変更」を独断で決めた議員団長の責任は、極めて重大です。よって議
員団長は、議員辞職することにしました。
日本共産党利根沼田地区委員会は、2人の議員に対する指導が不十分であったことを深く反省し、二度とこうしたことをおこさないよう議員に対する指導、決定の遵守をあらためて徹底します。
また、これからも町長のセクハラ行為は許さず、「ただちに辞職を」求める活動に努めて参ります
*****共産党の群馬県委員会の見解*****PDF ⇒ 20180606_minakami_chouchou_sexharra_keniinkai.pdf
みなかみ町長のセクハラ問題と議員団長の辞職について
2018年6月6日日本共産党群馬県委員会
5月2日に発覚したみなかみ町長のセクハラ問題に対し、5月10日、臨時町議会で町長への辞職勧告決議案が提案され、2人の日本共産党議員も賛成しました。ところが、6月定例議会の冒頭不信任決議案が提出されると、党の2人の議員は反対の立場をとり、団長は反対討論までしました。この結果、4分の3の賛成が必要な不信任決議案は賛成12、反対6で否決されることになりました。これは、セクハラ問題の解決を願う有権者の願いを裏切る行為であるとともに、セクハラ問題の根絶をめざしている党の立場にも反する行為です
党利根沼田地区委員会は、議員団長として活動してきた林議員については、その責任の重大性を考え、引責辞職することになり、6月6日、辞職届を提出しました。
党利根沼田地区委員会は、党議員への指導・援助を強めるとともに、これからも町長のセクハラ行為は許さず、「ただちに辞職を」求める活動に務めるとしています。
**********
■この中で、共産党は「信任決議案が提出される動きがあることから、直前に開いた会議でも『不信任決議案には賛成する』ことをあらためて確認し、町長の辞任を求めることを決定しました。ところが、議会開会冒頭に提案された『不信任決議案』に党議員2人は反対し、党の決定とちがう態度をとり、多くの町民のみなさんの信頼を損ねる結果となりました」と謝罪の言葉を挙げています。
上意下達を信条とする共産党の組織からすると、所属議員が2人とも造反したとはおよそ考えられない事態だと見る向きがあります。
そこで、町長と共産党の関係について調べてみました。
■現町長の前田善成氏は、2017年(平成29年)10月15日に執行されたみなかみ町長選挙(投票率65.48%)の結果、5,779票を得て、3期目を目指した岸良昌候補の5,147票を上回り、初当選を果たしました。
当選した前田善成氏のプロフィールをネットで調べると次のことが分かります。
生年月日:1967年8月21日
年齢:50歳
出身地:群馬県利根郡
学歴:群馬県立沼田高等学校、八戸工業大学工学部建築工学科、高崎経済大学地域政策学部
家族構成:妻、娘2人
趣味:スキー
経歴:八戸工業大学卒業後、設備会社の社長を経て、
2006年 みなかみ町議会議員に初当選
2010年 再選
2012年 第46回衆議院議員総選挙に維新の会公認として出馬するも落選
2014年 みなかみ町議会議員に返り咲き
2016年 高崎経済大学地域政策学部を卒業
2017年 みなかみ町町長選挙に初当選。10月より現職
■一方、今回造反したとされている共産党所属町議2名について、ネットで調べてみました。
みなかみ町議選は、今年2018年4月22日に投開票が行われました。選挙には定数18人に対し20人が立候補し、当選したのは現職11人、新人6人、元職1人で、党派別でみると、無所属15人、共産2人、公明1人でした。当日の有権者数は1万6691人(男8,050人、女8,641人)で、投票率は前回(74.39%)を大幅に下回り、66.77%でした。
共産党の2名は林誠行(はやし・のぶゆき)候補と星野宗央(ほしの・かずひさ)候補でした。投開票の結果、星野氏が431票で14位、林氏が385票で17位当選を果たしました。
林候補は活動地域が新治・水上地区で、チラシに書かれた略歴には「1949年、新治村相俣に生まれ、利根商卒業後、利根中央病院に44年間勤務。この間、利根保健生協労組委員長、熊の子保育園監事、相俣区長、町づくり協議会委員などを歴任。現在、庁議2期目。家族は、妻と母」と書かれていました。
※林候補の選挙用チラシ↓
一方、星野候補は、活動地域が月夜野地区で、チラシの略歴には「後閑生まれで在住、月夜野第一中・沼田高校・理容専修学校卒業。沼田民主商工会事務局をへて佐々木石油勤務。この間、消防分団長などを歴任。家族は看護師の妻」とあります。
※星野候補の選挙用チラシ↓
両候補とも、チラシの内容は共産党候補として共通となっており、その中の目玉として前田町長との関係について「前田町長との政策合意。先の町長選挙では、7項目の政策合意をかわして原町長の前田候補を支援。前田町長を支援した議員が少数という中で、日本共産党議員は『いつも町民の立場から、良いことには賛成、悪いことには反対』の是々非々で対応しています」と記しています。
こうしたことから、町議会では共産党は市長にとって保守的な立場であったことが伺えます。
■となると、やはり前述のとおり、本当に共産党は事前に2名の造反町議の行動を予見し得なかったのかどうか、という疑念が生じてきます。
地元関係筋からの情報によれば、今回の前田町長のセクハラ(というより強制わいせつ)問題で、議会対応に混迷した共産党の大東宣之(おおひがし・のぶゆき)・利根沼田地区委員長(群馬県沼田市日本共産党市議会議員)は造反した元議員の林誠行氏を未だに処分できずにいるとのことです。また、造反に随伴した現職の星野宗央議員についても、その経緯の釈明の公表に至っていないのも事実です。
前年10月の町長選で前田町長と7項目の政策合意をしていた共産党としては、「町長の人柄(共産党にとって好感の持てる)と少なからずの支持町民存在(選挙を僅差で制した要因)のため、町長不信任案に対して反対投票をした」というのが本音のようです。
しかし、今回の前田町長によるセクハラ、というよりも、強制わいせつ事件では、いかに町長と政策合意を結んでいたとしても、不信任決議が不成立となったことで世間の常識的な反応との乖離が大き過ぎたため、渋々、地元の共産党委員会としても「処分せざるを得なくなった」という事態に追い込まれたものと思われます。
■今回の騒動の顛末を見れば分かるように、この事件はそもそも町長自身の放埓な人格、身勝手な行動、社会性の欠如、感覚の鈍麻等が背景に見受けられ、これら一連の要素が公職者にとってふさわしいのか、として問責されています。
町長自身の事後の態度も不遜ですが、セクハラよりも党利党略を優先した共産党(関係者ら)の態度も問題です。本来なら、共産党としてのイメージを破壊したことにより、関係者は放逐されてもしかるべきでしょう。しかし、身内の不都合には寛大な組織なので、おそらくこのまま林氏の議員辞職のみで、幕引きが図られるものと思われます。
■23年前、安中市土地開発公社を舞台に、史上最高額の51億円詐欺横領事件が発覚した際、最後まで100条委員会の開催を渋っていた市議らの中に、土地開発公社の理事を務めていた共産党市議がおりました。
共産党は反権力を標榜していますが、実際には55年体制の自民党と表裏一体で、いわゆるガス抜きの役割を果たしていると言われています。旧態依然の体質は、とりわけ地方に根強く、同じ議員が何十年も議員を務めている事例には枚挙の暇がありません。
今回のみなかみ町議会における共産議員2名の行動について、共産党の地区委員会としても予見し、了解していたと考えるのが妥当であり、決して「造反」などではなかったはずです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報1「5月25日:不祥事の続く前橋市で今度は管理職の市職員によるセクハラ事件が急浮上!」
――参考記事「みなかみ町長のセクハラ報道」↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2646.html#readmore
※参考情報2「共産党町議“造反”関連の報道記事」
*********朝日新聞デジタル2018年5月2日22時52分
群馬・みなかみ町長、酔って女性にキス「同意あったと」
群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が、町内の団体職員の女性に酔ってキスをしたことが分かった。2日夜、朝日新聞の取材に前田町長は行為を認めたうえで「相手の同意があったと思った」と説明。その上で、「私の勘違いで女性が不快に思ったことに気づかず反省している。謝罪したい」などと話した。
女性側の関係者によると、町内の飲食店で4月18日に開かれた団体の送別会で、居合わせた前田町長が無理やり女性を抱き寄せ、キスをしたという。女性側は刑事告訴も視野に対応を検討している。
前田町長は元町議。2017年の町長選で3選を狙った現職を破って初当選した。(泉野尚彦)
**********NEWSポストセブン2018年05月19日 07時00分
みなかみ町長セクハラ事件 被害者所属団体と町長との関係
↑奇妙な「セクハラ騒動」の真相は?↑
最近とくに目白押しのセクハラやわいせつ行為のニュース。絶対に許すわけにはいかない。一方で、被害者の弱い立場に配慮が必要だからといって、「彼女たちの言い分がすべて」というわけではない。某省庁トップには「胸さわらせて」という録音テープがあった。某アイドルグループメンバーは3度も事情聴取され、現場検証も実施された。要は、証拠や客観的事実こそ重要であることは、言うまでもない。
さて続いての舞台は、群馬県北部の名峰谷川岳の麓にあるみなかみ町。人口は1万9000人ほど。水上温泉郷の名湯には観光客が絶えない。
「昨年10月に初当選した前田善成町長(50才)が4月中旬、町の関連団体Bの女性職員Aさんにキス。Aさんが警察に相談して騒動になった。町議会は5月10日、辞職勧告を全会一致で決めました」
と話すのは町役場関係者。まるでデジャヴのように列島各地で同じ話か―と思いきや、ちょっと様相が違うという。まずは、報道をチェックしよう。
《町や団体の関係者によると、前田氏は(中略)トイレから出たところで居合わせた女性に無理やり抱き付き、キスをしたとされる》(5月3日付毎日新聞)
続いては、前田町長のブログ(10日)を読んでみる。
《私がトイレに立ったところ、相手の女性が追いかけるように席を立った。トイレに向かう廊下で追いつかれ、女性が腕を絡ませ、手を握ってきた。肩にしなだれかかるような形になり、目と目が合った。お互い、顔を近づけ、唇が触れ合った。その後、手をつないだままトイレに向かった》
見比べると、その夜の“犯行現場”の説明が、まったく食い違っている。たしかにキスはした。でも、トイレの前か後かで違うし、新聞の《抱き付き》とブログの《手をつないだまま》では、全然ニュアンスが違う。そして町長はこうも述べるのだ。
《報道にあるように、抱きついたり、私から無理やり何かをしたということは断じてありません。》
つまり、どちらかが嘘をついている。さらに町長のブログによれば、その翌日、2人はフェイスブック上でメッセージをやり取りしている。
町長《昨日は、ありがとうございました》
Aさん《こちらこそありがとうございました》《前田町長、昨晩のこと覚えていますか??》
町長《申し訳ない》
Aさん《どうして謝るんですか…?》
その後もやり取りは続き、そのメッセージは町役場関係者も確認しているという。その夜のことが、“強制わいせつ罪”につながるような疑惑なのか判断は難しい。
「Aさんが所属する団体Bは、前田町長によって財源を握られています。町長は、“団体が実績を出さなければ予算の減額もある”と強く主張し、両者の溝が深くなっていました。そもそも団体Bはライバル候補の政策に共感していて、昨年の町長選では“前田町政になると町がダメになる”“ライバル候補を支持する”と表明していました」(前出・町役場関係者)
前田町長に話を聞くと、「お話しすることは何もありません」とのことだった。また団体Bは「捜査中のため答えられません」と話す。
あくまで大切なことは「事実関係」でしかない。警察によって慎重に捜査が行われ、真相が明らかにされるべきだ。
※女性セブン2018年5月31日号
**********上毛新聞2018年6月4日
前田町長の不信任案提出へ セクハラ問題でみなかみ町議会
群馬県みなかみ町の団体職員の女性が前田善成町長(50)からセクハラ行為を受けたとされる問題で、5日開会の町議会6月定例会に町長不信任決議案を提出する動きがあることが3日、分かった。可決には出席議員の4分の3以上の賛成が必要で、可決される可能性もある。
◎可決されれば10日以内の議会解散か失職に
定例会冒頭は町長があいさつするのが慣例だが、議会側はこれを拒否する姿勢も固めた模様だ。上毛新聞の取材に対し、小野章一議長は「全会一致の辞職勧告を受け入れずここまで来た。議会としての対応」と説明した。
前田町長は5月10日の町議会臨時会で、辞職勧告決議案が全会一致で可決されたが、「仕事で返す」として続投の姿勢を崩さなかった。議会側は同日から複数回にわたり町長室を訪れ、辞職を求めて説得を続けたが、前田町長が応じないため、不信任決議案の提出を決めた。
町長不信任決議案が可決された場合、町長は10日以内に町議会を解散しなければ、自らが失職し、50日以内に町長選が行われる。町議会を解散した場合は40日以内に町議選が行われる。
*********東京新聞2018年6月7日
【群馬】みなかみ町長セクハラ問題 共産議員が辞職願 党決定従わず「反対」
みなかみ町の前田善成町長(50)が女性にセクハラしたとされる問題で、町長の不信任決議案に反対した共産党の町議一人が六日、議長に議員の辞職願を提出した。「一身上の都合」としているが、地元の共産党利根沼田地区委員会は「不信任決議案に賛成するという党の決定と異なる態度で、町民の信頼を損ねた」とする声明を出し、引責辞職を求めたことを明らかにした。党の決定に反して決議案に反対した理由は不明確で、セクハラ問題は議会を巻き込んで混迷を深めている。 (石井宏昌)
辞職願を出したのは同議会の共産党議員団長だった林誠行町議(68)=三期目。町議会事務局によると、議会が閉会中のため、辞職願は小野章一議長が預かり、対応を検討中という。
セクハラ問題では、五日の町議会(定数一八)で町議から町長に対する不信任決議案が提出され、賛成十二、反対六で否決された。林町議ら共産党町議二人は反対に回った。可決には十四人の賛成が必要だった。
党利根沼田地区委員会によると、町議会を前にセクハラ問題への対応を協議し、不信任決議案に賛成し、町長の辞任を求めることを決定。林町議からも異論はなかったという。ところが町議会で林町議は反対討論もしていた。地区委員会で林町議らから事情を聴いたが、反対に転じた明確な理由は分からなかった。地区委員会の常任委員は「『当時は混乱していた』『反省している』などの心境は語ったが、これといった理由は聞けなかった」と話した。
もう一人の町議は今春初当選したばかりで「議員団長に引っ張られた部分が大きい」として党内処分にとどめた。
党利根沼田地区委員会と党県委員会は声明で町民らにおわびした上で「町長の辞職を求める活動に努める」とした。
*********産経新聞2018.6.6 17:33
【みなかみ町長セクハラ問題】
不信任案に反対の共産町議 議員辞職へ
↑みなかみ町の前田善成町長(橋爪一彦撮影)↑
群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が女性にセクハラ行為をしたとされる問題で、町長に対する不信任決議案に反対した共産党の林誠行町議(68)=3期=が6日、小野章一議長に議員辞職願を提出した。町議会は5日、不信任決議案が否決された影響で閉会しており、議会側は対応を協議している。
共産党利根沼田地区委員会によると、6月の町議会で前田町長の辞職を求める一般質問を行うため準備を進め、不信任決議案に賛成することを決定していたという。しかし、党に所属する林、星野宗央両町議は反対票を投じた。
同委員会は議員団長として活動してきた林町議の責任は重く、辞職願の提出に至ったとしている。同委員会は「『態度変更』を独断で決めた議員団長の責任は極めて重大」などと指摘。「党の決定とちがう態度をとり、多くの町民のみなさんの期待を裏切ってしまった」とし、文書を通じて謝罪している。
町議18人が全員出席した5日の町議会では、一部の町議が前田町長に対する不信任決議案を提出したが、賛成12人、反対6人と、可決に必要な出席議員4分の3以上の賛成を得られず、否決されていた。
**********上毛新聞 2018年6月7日
みなかみ町長セクハラ問題 共産町議が辞職願 町長の不信任反対で引責 党方針反し不信任反対
みなかみ町の前田善成町長(50)のセクハラ問題を巡り、町議会で町長に対する不信任決議案が否決されたことを受け、共産党の町議、林誠行氏(68)=3期=は6日、党方針に反して決議案に反対した責任を取るとして、小野章一議長に辞職願を提出した。小野議長が今後、扱いを決める。
町議会は5日、一部議員が提出した決議案を採決したが、出席した18人のうち賛成は12人で、可決に必要な14人に2人足りず否決された。共産党は林氏と星野宗央氏(41)=1期=の2人とも反対に回った。
共産党県委員会などによると、党は決議案への賛成を決めていたが、林氏が主導し、党決定に反した。星野氏については議員団長である林氏に従って行動した事情などを考慮し、議員辞職は求めなかったという。
林氏は上毛新聞の取材に、「セクハラへの認識が甘く、対応を誤った。全国の党員の足を引っ張ってしまった」と声を沈ませた。
党の県委員会と利根沼田地区委員会は6日、林氏の議員辞職などに対するコメントをそれぞれ発表した。
2人が反対し決議案が否決されたことについて、県委員会は「セクハラ問題の解決を願う有権者の願いを裏切る行為」と非難。同地区委員会は「町民の皆さんの期待を裏切ってしまったことに心よりおわびする」と陳謝した。
**********上毛新聞208年6月28日
みなかみ町政 停滞 8月予定の花火大会を延期 町長セクハラ問題
群馬県みなかみ町の団体職員の女性が前田善成町長(50)からセクハラを受けたとされる問題で、町政の停滞が深刻化している。町は27日、8月に開催予定の花火大会をセクハラ問題への対応で準備が遅れたことなどを理由に延期すると明らかにした。イベント主催者から町長の出席を断られるケースも出ているほか、町職員からは「町長との信頼関係は崩れている」との声が漏れる。
◎イベント出席拒否 職員「今後読めず」
同日の町議会全員協議会で、町は花火大会を主催する団体が決まらず、延期する日程も未定だと説明した。前田町長が町商工会に主催するよう求めているが、難色を示されているという。前田町長は「時期をずらしてでもやりたい。できる限りの方法を模索している」と述べた。
混乱は議会だけでなく役場内にも広がる。ある幹部職員は「町長の今後が読めないので、政策的な話を進められない」と顔をしかめる。町長が行事や式典を欠席して笠木淳司副町長が代理出席するケースが増えており、職員からは副町長への負担の集中を懸念する声も聞かれる。
5月のラフティングイベントではあいさつするのを拒否され、今月23日に開かれた「月夜野ホタル観賞の夕べ」でも参加を見合わせるよう要請されるなど、前田町長が地域の顔としての役割を果たせない場面も出始めている。
前田町長は上毛新聞の取材に「以前と同じとは言わないが、(町政が)停滞しているとは考えていない」とコメントした。
町民も影響に気をもんでいる。温泉施設の関係者は「町のイメージが低下している。早く解決してほしい」と訴え、男子高校生(17)は「町の政治への信頼感が薄らいでいる。どうなるか心配」と口にした。ホテルで働く男性(79)は「不信任案が否決された以上、前田町長に頑張ってもらうしかないのでは」と話した。
一方、県警は強制わいせつの疑いで前田町長を立件する方針を固めたとみられる。町議会本会議で否決された町長の不信任決議案の再提出を模索する動きがあり、小野章一議長は「警察の対応を見ながら、検討することになると思う」と述べた。
**********上毛新聞2018年7月3日
み町長が検査入院 先月30日から 目まいや食欲不振訴える
群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が目まいや食欲不振を理由に、6月30日から検査のため入院していることが2日、分かった。町総務課は、職務復帰は早くても8日以降としている。職務代理者は置かず、検査の結果を待ち対応を決める。
町幹部によると、前田町長は29日まで通常に公務を行っていた。30日午前に「起きたら目まいがする」「食欲もない」などと連絡があった。前田町長は自身のセクハラ問題を巡って6月定例会で不信任決議案が否決されて以降、「首が痛い」と話していたが、体調を崩している様子はなかったという
**********上毛新聞2018年7月7日
みなかみ町長 9日公務復帰 体調不良で検査入院
目まいや食欲不振を訴えて検査入院していた群馬県みなかみ町の前田善成町長(50)が、9日に公務に復帰することが分かった。町が6日、明らかにした。
町総務課によると、同日午前に町長と連絡を取り、病状を尋ねたところ「診断書を持って行く」と答えたという。
*********上毛新聞2018年7月14日
町長不信任案 再提出へ セクハラ問題でみなかみ町議会 27日臨時会
みなかみ町の団体職員の女性が前田善成町長(50)からセクハラを受けたとされる問題で、27日に開かれる町議会臨時会で、町長に対する不信任決議案が再提出される見通しであることが、13日分かった。出席議員の4分の3以上が賛成し、可決される可能性がある。
臨時会は除雪機購入契約の議案などを審議するために開かれるが、複数の町議によると、不信任決議案を提出する動きがある。
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※参考情報3「前田よしなりのブログ」
●2018.05.10「大切なみなさんへ2」
●2018.05.07「大切なみなさんへ」
https://plaza.rakuten.co.jp/yoshinari821/diary/201805070000/
※参考情報4「前田 善成 Facebook」
https://www.facebook.com/yosinari