市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…また火災事故のトーセンと住民にウソをつく東電G関電工の二枚舌体質

2016-12-28 17:23:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■当会も参加して群馬県を相手取り補助金の多重取りの前橋バイオマス計画ですが、この事業をリードして進めている東電グループの関電工の体質について今回検証してみました。
 なお、緊急報告として、放射能汚染された県内各地から集積される間伐材や廃材を木質チップに加工する前橋バイオマス燃料㈱に関電工と一緒に出資している㈱トーセンが藤岡市にある関連施設で大火災を起こしました。次に示す報道記事をご覧ください。

**********2016年12月14日上毛新聞 PDF ⇒ brt20161214gzlivj.pdf
木材加工場と事務所が全焼 藤岡
 13日午前6時15分ごろ、藤岡市下日野の県産材加工協同組合(東泉清寿理事長)の第2工場から出火していると、近隣住民の男性(64)から110番通報があった。軽量鉄骨造2階建ての事務所約164平方メートルと、東側に隣接する木造平屋建ての作業棟約480平方メートルが全焼した。
 藤岡署によると、出火当時は無人でけが人はいなかった。同署が出火原因を調べている。
 現場は藤岡日野小から北西に約250メートル離れた場所にあり、同日午後0時45分ごろ鎮火した。
 近所の女性(78)は「黒い煙を炎が上がっていた。破裂するような音が聞こえた。山が近いので燃え移ったら大変」と不安そうだった。
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■実は㈱トーセンが大火災事故を起こしたのは今回が初めてではありません。3年前にも自社のバイオマス発電施設向けの燃料供給用の製材工場があった栃木県那珂川町でも大火災事故を起こし、旧馬頭東中学校の体育館だった製材工場は完全に焼け落ちて、バイオマス発電の開始が大幅に遅れたことがありました。当時の地元紙の報道記事を見てみましょう。

**********2013年9月30日下野新聞
製材工場、1100平方メートル全焼 バイオマス支援の那珂川町に衝撃
 28日午後10時5分ごろ、那珂川町大山田下郷の県北木材協同組合(東泉清寿理事長)から出火、製材工場の鉄骨平屋の約1100平方メートルを全焼した。那珂川署によると出火当時、工場は無人でけが人はなく、出火原因などを調べている。
 工場は旧馬頭東中の体育館を利用し、2012年に木材販売のトーセン(矢板市山田、東泉清寿社長)が整備した。町によると昼間は約20人の従業員が働いているという。
 同社は敷地内に廃材や間伐材を活用したバイオマス発電所の建設を計画。町はバイオマス活用推進計画に同発電所の整備支援を掲げ、新産業創出を期待していただけに、火災発生の衝撃は大きい。大金伊一町長は「町の活性化になる工場だけに大変残念」と話した。
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 トーセンによる那珂川バイオマス発電施設では、2012年4月、森林資源のフル活用と地域振興を目指し、3mABC材を一括で受け入れる新工場が那珂川町の旧馬頭東中学校体育館を利用して建設され稼働が始められました。この時、丸太の消費量は月間2,400m3で、当初は製材機のみの稼働でし、その後木質焚きボイラーと乾燥機(100m3×2基)を整備しました。この木質焚きボイラーは、バークや含水率の高い燃料でも燃やすことができるとされ、熱は乾燥機のほか、うなぎの養殖や熱帯フルーツの栽培への利用も検討しているなどとPRされていました。

 そして2013年度には、木質バイオマス発電施設整備が計画され、那珂川工場に導入予定の発電施設は、2,500kW(所内電力300kW)で耐用年数は20年とされ、発電施設は木質専焼で,燃料の3割を製材残渣、7割を林地残材で賄うとし,燃料使用量は含水率50%(WB)で約5~6万t/年を想定し、小規模所有者からの廃材の持ち込みにも応じる予定で、「木の駅プロジェクト」なるものも試行されていました。

 木質バイオマス発電ではチップの含水率によって発電効率が変化するため,燃料用チップの乾燥が課題ですが、トーセンのこの計画では、素材生産業者と連携して,山土場で材を含水率40%(WB)まで乾燥させて、納入してもらうことを検討していました。

 運転開始は2014年初頭を予定していましたが、2014年9月の製材工場の全焼の影響で同年10月まで発電施設の稼働が遅れたようです。製材工場の火災原因は杜撰な安全管理によるものとみられています。

■また、トーセンが安中市松井田町五料地内に計画していた碓氷木質バイオマス発電も出力が2,500kwでした。こちらは進入道路沿いの地権者が道路の拡幅に反対したため、敢えなく頓挫しましたが、群馬県は県議会に補助金の交付について上程し、議会の議決を得ていました。

 後掲の記事にもあるように、初めにバイオマス発電ありきの計画で、発電用の蒸気発生ボイラーの燃料確保が最大のネックとなっていますが、なぜか、あちこちでバイオマス発電計画が浮上してくるのが不思議です。当然、県外の放射能汚染木材の導入も視野に入っているものと思われます。

■さて、2016年12月13日早朝に発生したトーセンの藤岡市下日野の木材加工場と事務所の全焼火災の第一発見者は近隣住民でした。なぜなら事業所には職員が不在だったからです。これをみても、同社の管理体制に問題があることがわかります。

 12月20日は消防署による立会検査が実施されたようで、トーセンは12月20日に予定されていた前橋バイオマス発電のチップ工場にかかる説明会を突然キャンセルしました。また、関電工にトーセンから火災発生の情報連絡があったのは、火災発生から4日後の12月18日(日)でした。

■関電工のバイオマス発電事業の共同出資者のトーセンがこうしたズサンな施設管理で問題を起こしていますが、主体の関電工は、さらにウソを嘘で固める体質を有しています。

 とりわけ問題となっているのは、次の2件です。

(1) アクセス道路の浸透式の変更の件

 353線からアクセスする市道及び敷地内の道路について、関電工は「浸透式にする」と周辺住民の皆さんに約束していました。11月の地元住民との話し合いの中で、関電工は「前橋市からの規制でこうなった」とする説明をしましたが、住民らが前橋市に確認したところ、「そもそも関電工からは浸透式の提案などなく、市は側溝式で許可した」ということが判明しました。

 このため、住民らが12月20日の地元説明会で、関電工の本件責任者である福本氏を問い詰めたら、ごまかしを認めました。ところが、呆れたことに「すみませんでした」の一言で済まそうとしていました。福本氏は、「設計がそうなったので了解した」と説明していますが、最初から、同氏の絵空事であったことが判明しました。

(2)発電所への電柱工事用道路から雨水が赤城ビュータウン・市道へ流入する件

 工事道路からの雨水対策として雨水浸透管20cm×8mが埋設したと11月27日に住民に説明がありました。然しながら埋設されているように見られないため、12月20日再確認を要求しました。12月23日に関電工・遠藤副部長から電話があり、現地で立ち会って確認し、工事写真も確認したところ雨水浸透管など埋設されていないことが確認されたのでした。

 11月27日に関電工の福本氏が「住民からの要求にこたえて、雨水対策を実施しました」とする説明をしたので、住民の皆さんのなかは「関電工も、結構良心的では・・・」などと思い込んだ向きもあったかもしれません。しかし、関電工の責任者の言葉は全く嘘っぱちだったのでした。

 住民の皆さんの感想です。
 「説明会で、あんなに淡々と嘘をつけるなんて・・・」
 「酷いものですね。親会社の東京電力はじめ、ずっとそうやってきたのでしょう」
 「約束なんて信じられなくなりますから、やはりチェック機構・体制が重要になりますね」

 12月26日に赤城山の自然と環境を守る会の横川会長をはじめ有志が東京田町の関電工本社を訪ねてきました。

 その際、有志の皆さんが「なぜ、説明と工事が違うのか?」と関電工に質問したところ、「業者から雨水浸透管を埋設してあるとの報告を受けていた」といつもの通りの答弁でした。あきらかに責任逃れです。

 住民の皆さんの抱いた感想は「なんでもかんでも他人の責任にするという体質は、相変わらずです」「酷いものです」「不安がさらに増幅しました」などなど。

 そこで赤城山の自然と環境を守る会では、「説明通り、20㎝ × 8mの浸透管を入れるように」と要求したところ、関電工は渋々「やり直す」との回答をつぶやいたそうです。

(3)苗ケ島自治会長からの要望への対応の件

 トーセンが世界初と自慢する油圧プレスによる木質チップの脱水機械から出るおびただしい絞り汁の処理問題について、関電工の福本氏は、苗ケ島自治会長に説明した際に、自治会から、「河川放流を検討して欲しい」旨を提案されたのを受けて、「難しいが3年以上はかかるだろう」などとコメントを出し、同自治会長に期待を持たせました。

 地元の住民の皆さんにより構成される赤城山の自然と環境を守る会が、同自治会長に確認したところ、「まさしく、3年以内に河川放流が実現するから承認した」とのことでした。そのため、同会では、関電工の本件責任者の福本氏に対して、「再度、事実を自治会長に説明するように」と要請しました。ちなみに、現行法では河川放流は難しいはずです。

 なぜ、関電工にはこのようなウソを嘘で固める体質が身に染みついてしまったのでしょうか。それは親会社の東電の体質が染みついているからだと考えられます。

■このように地域住民に対して平気でウソをつく法人企業がまともな計画を履行するはずがありません。その計画が大量の放射能汚染木材を20年間も我らが愛すべき県土の中央部で燃やし続けるというのですから、県民の不安や懸念はいやがおうにも高まります。

 こうした不徳の企業には、事業からの即座の撤回を求めていきましょう。

【市民オンブズマン群馬・関電工バイオマス発電放射能二次汚染問題特別対策班】

※参考情報:トーセンの幻の松井田バイオマス計画
**********2014年2月22日群馬建設新聞(日本工業経済新聞)
http://www.nikoukei.co.jp/kijidetail/00250108
安中市に木質バイオマス発電施設建設
 安中市松井田町五料地内で(仮称)碓氷木質バイオマス発電事業が計画されている。未利用木材の利用促進や再生可能エネルギー導入促進のため、木質バイオマス加工流通施設やバイオマス発電施設を建設する。木材製材などを行うトーセン(栃木県矢板市)が主体で現地法人となる株式会社を設立し、その株式会社が事業を行う。県では2月補正予算案に関連事業費4億円を計上し、加工流通施設整備や木質燃料の安定確保を支援する。
 建設地は、一級河川碓氷川を挟んだ碓氷製糸工場の対岸1.1ha。4億円を投入して木質バイオマス加工流通施設を整備するほか、12億円かけて発電施設を建設する。県では、林野庁の「森林整備加速化・林業再生基金事業」を活用して、2月補正予算案で加工流通施設整備費の50%にあたる2億円を補助する。これ以外に、発電施設の稼働初年度から安定的な燃料の供給を実現するため、燃料用チップの事前生産経費などに対して1億9500万円、燃料用チップ原料木材の安定供給などについて検討する協議会の運営経費などに対して500万円をそれぞれ補助する。発電施設はFIT(固定価格買い取り制度)により採算がとれるという考えから、整備費の補助は認められていない。
 (仮称)碓氷木質バイオマス発電事業計画をめぐっては、昨年10月に建設予定地の選定、11月には地権者説明会、ことし1月には用地測量のほか水質や地盤、排水、送電、雪、騒音、交通などの各種調査を実施している。今月に工場用地を取得するとともに現地法人の設立、設備などの協議・設計に着手する。その後、3月に受変電設備の決定や経済産業省へ工事計画書を提出する。4月に経産省からFIT設備認定を受け、東京電力と接続契約を結ぶ。6月から加工流通施設および発電施設に工事着手することとなりそうだ。加工流通施設は2015年3月、発電施設は16年2月の完成を見込み、同年4月の稼働開始を目指す。
発電規模は一般家庭約4000軒分にあたる2500kW。このうち2000kWは売電する。年間売上高は約5億1000万円を見込み、12人程度を工場で雇用する計画だ。
 年間に必要とする燃料用木質チップは5万tと膨大で、林地残材4万5000t、製材工場残材5000tをあてる。県林業振興課は「5万tもの木質燃料を集めるのは大変。建築資材の不適格材だけではまかないきれない」と話しており、安定調達コスト支援費として1億9500万円を補助、各種手続きや加工流通施設整備と並行して燃料を確保していく。どのように安定して燃料を確保するかを話し合う協議会も設立し運営費500万円を補助する。協議会は森林組合や素材生産業者を中心に構成し、県や周辺市町村がオブザーバーとして参加する見通しだ。毎年5万tの材料調達に向けて協議会で検討を重ねていく。
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コメント (4)
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