市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

道路側溝から最大0.40μSv/hを記録した恒例の春の道路清掃ボランティア作業と原発放射能の深刻さ

2012-04-01 23:13:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■安中市の岩野谷地区では、ずっと昔から「道普請」と呼ばれる道路清掃のボランティア作業を毎年春と秋に実施しています。本来、地区内の道路の管理者は安中市役所であり、道路法によって、管理者の許可なく、道路管理者以外の住民らが道路を清掃したり、手を加えたりしてはならないことになっています。

拾い集めたゴミを入れたごみ袋の線量は0.16μSv/h。

 実際に、安中市は、岩野谷の大谷の西谷津にサイボウ環境の廃棄物処分場計画に際して、サイボウが市道を拡張して廃棄物の搬入道路を作るというので、地元住民が生活道路を勝手にゴミ搬入路にしてはならないと、阻止をするために訴訟に持ち込んだ時、安中市は、道路法を盾に、地域住民には生活道路について利用したり手を加えたりする権利はないと主張し、裁判所は安中市を勝訴させたのでした。

 本来、道普請とは、地域住民による協働活動のことです。地域住民の協働活動により、生活環境を良好に保全していくため、道路の修理・草刈りを行う勤労奉仕の作業のことです。この場合、市役所では、申請により材料の支給、もしくは重機の借り上げの費用を支援する場合が多いようですが、安中市はタゴ51億円の尻拭いのため、そうした費用を負担することは殆ど有りません。

■昨年も春と秋の道路清掃が実施されましたが、春は3.11の直後だったのでまだ線量計を入手しておらず、放射能汚染がどの程度か分からずに作業をしていました。昨年秋の道普請では、仕事の都合で参加できず、放射能汚染の状況を計測する機会がありませんでした。

 今回、初めて、道路側溝や道路脇の土手などの放射線レベルを計測しながら空き缶等のゴミ拾いや側溝にたまった落ち葉や泥などの清掃作業を行いました。その結果を報告します。

■今年から、それぞれの分担場所を地図上で明記したものを掲示板に張り、それぞれの分担場所を担当する住民らの氏名を印刷した表も併せて掲示しました。こうすれば、誰がどの場所を担当するのか一目瞭然です。


 当会の担当はヒヤ坂です。集落の中央にある藤井坂との合流点の三叉路の脇の側溝にたまった落ち葉や泥を取り除いて、その表面における線量レベルを計測したところいきなり毎時0.23マイクロシーベルトを記録しました。以降、数字は全てμSV/hの単位で示します。


 その後、30m離れたカーブの脇の側溝の蓋の上にたまった落ち葉を取り除いてから測ったところ、これは側溝の蓋の上ということもあり、0.17でした。さらに茂木県議宅前から少し西にある土手で計測したところ、0.16でした。


 次に、野殿荘に入る交差点の脇にある水道ポンプ施設小屋の前の側溝の蓋の上にたまっている土の上を計測したところなんと0.40もありました。どうやら市道本線や野殿荘への道路やその周辺に降った雨が集められて、このポンプ小屋の前の側溝の蓋の上を通過する際に、置いてある石に水流が当たり、放射能を含んだ砂や泥が堆積したものと考えられます。しかも、飲用水を扱うポンプ施設のすぐわきにこのような高レベルの土砂があること自体、水道水への影響も心配されるところです。



 その後、ヒヤ坂を下りながら、道路脇にたまった土砂や落ち葉の取り除いた後を計測しましたが、0.23を超える箇所が幾つもありました。




 また、空間線量については、茂木県議宅前では0.10でしたが、ヒヤ坂の下に行くと少しずつ高くなりS字カーブのところでは0.12でした。

 中腹の山林に入った場所では、0.17を記録しました。


 さらに気になるのは、道普請をしている住民の脇を大型のサンパイ運搬用のダンプやトレーラーがけたたましい騒音を出して往来したことです。いずれも熊谷ナンバーの車でした。連日、こうしたサンパイ運搬車が右往左往しているのです。

熊谷ナンバーの引間運輸のトレーラー。

■ヒヤ坂の清掃が終わった後、今度は農免道路を東京ガスのバルブステーション脇から、市道のS字カーブ地点との合流場所から東京ガスのバルブステーション付近まで移動しながら計測を行いました。既に別の担当グループが清掃を終えた後でしたが、農免道路の最下部に当たる市道S字カーブとの合流地点では側溝に大量の落ち葉や土砂が堆積していたため、それをきれいに住民たちが除去していた様子がよくわかりました。


 さっそく計測したところ、落葉が腐葉土化していた個所は0.28、落ち葉の下に堆積していた土砂は0.39を記録しました。非常に高い値です。住民らはこんなに線量レベルが高いとは知らずに丁寧に作業をした様子がうかがえます。


 落葉や堆積土砂を取り除いたあとの道路側溝を計測してみると0.17でした。少しは除染効果があったことになります。


 今度は農免道路を上りながら計測しました。ここでも0.23以上を記録した箇所がかなりありました。





■最後に、東京ガスの安中バルブステーションの前に来ると、入口の脇に落ち葉がたくさん吹き寄せられて溜まっています。念の為、その表面の放射線レベルを計測しようとすると、1台の車がやってきました。


 中から東京ガスの制服を着た担当者が1名下りて来ました。入口扉の鍵をあけて、中に入り何やら計測チェックをしているようです。車の運転手に話を聞いたところ、毎日昼前に、こうやって、高崎の下小塙町のガバナーステーションから磯部の信越化学脇の磯部ガバナーステーションまで、高圧ガスパイプラインの敷設ルートに沿って車で走っているのだそうです。


 こちらから、東京ガスの導管事業部の対応について、極めて遺憾の意を表明すると共に、工事前と工事完成間近の東京ガスの住民への対応の豹変ぶりについて、改めて地元住民として抗議の意を示しました。

 点検に来た東京ガスの高須と名乗る担当者は、別の事業部だということで他人事のようでしたが、地元住民として東京ガスという会社の体質の問題点を縷々説明し、善処を諮るよう依頼しておきました。

 その間、入口わきに堆積した落葉の線量レベルを計測してみたところ0.19を記録しました。東京ガスには、この汚染落葉を放置するのではなく、きちんと容器に詰めるなどして、施設内に保管ないし埋設するように要請しました。


■こうして、道普請と呼ぶ地区内の道路清掃ボランティア作業を通じて、初めて地区内の市道脇の側溝や土手の放射線レベルを計測してみた結果、やはり広い面積に降った雨が1箇所に集まりやすい地点にある側溝には、線量レベルの高い落葉や土砂が堆積しており、これらを一般住民が道普請と称して軽装で除去作業を行うのは好ましくないことが判明しました。今後は、せいぜい空き缶拾い程度に留めて、若い女性や子どもの参加は取りやめるべきです。さっそく、このことを地区の区長らに報告しました。

地蔵さまの御前でも0.16を記録。罰当たりな原発事故をきっと嘆いていることだろう。


↑その一方で、相変わらず自宅裏の東邦亜鉛の所有地で焼却とゴミ放置を継続する違法行為を継続中の岡田市長↑

【ひらく会情報部】

コメント
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