かりそめの旅

うるわしき 春をとどめるすべもなし 思えばかりそめの 旅と知るらむ――雲は流れ、季節は変わる。旅は過ぎゆく人生の一こま。

黒部・立山の旅④ 立山黒部アルペンルート

2010-11-08 00:42:11 | ゆきずりの*旅
 「立山黒部アルペンルート」の目玉は、いくつかの立山連峰越えにある。その山越えと山越えの間に黒部峡谷が走っていて、黒部ダムがある。
 「アルペン」とは、「アルプスの」という意味である。北アルプス(日本の)の山を越えるので、アルペンルートという名になったのだろう。
 立山駅からケーブルカーで美女平に、さらにバスで麓の標高2,450mの室堂まで出る。ここから3,000m級の連峰の山を越えることになる。
 10月27日、室堂から見る立山連峰は初冠雪で銀色に光っていた。
 ここで昼食をとった。大食堂である。次々と団体客がやってくる。みんな、ここで昼食をとるようだ。会話に韓国語が交じる。韓国からの団体客も多い。

 食事を終え、山越えの出発だ。
 室堂の平からバスは、正面の立山連峰の方に向かって走った。山を迂回して向こう側へ行くかと思ったら、正面突破だ。連峰の中央にトンネルを掘ったのだ。
 このアルペンルートは、室堂から立山連峰の雄山を越え、その先の黒部平からさらに山を越えて黒部湖へ、ここの黒部ダムから赤沢岳を越えるという、3つの山を越えるコースなのだ。山を越えると書いたが、それぞれ山を刳り抜いて、トンネルを造っている。

 目まぐるしく、様々な乗り物に乗り換えて進むということになるので、分かりやすく書くと以下のようになる。
 富山県・立山駅→(ケーブルカー)→美女平(977m)→(バス)→室堂(2450m)→(山越えトンネル・トロリーバス)→大観峰(2316m)→(谷越え・ロープウェイ)→黒部平(1828m)→(山越えトンネル・ケーブルカー)→黒部湖→(徒歩)→黒部ダム→(山越えトンネル・トロリーバス)→長野県・扇沢

 立山連峰の雄山(3003m)の直下をトンネルで抜けるバスは、現在日本で唯一ここを走っているトロリーバスである。トンネルの中を走るので、排気ガスを考慮して電力で走るトロリーバスにしたのである。
 室堂からトロリーバスで、約10分で山の向こう側の大観峰へ出る。ここからロープウェイで、谷越えで黒部平へ。
 黒部平からさらに山越えである。ここもトンネルを掘って、ケーブルカーで黒部湖へ出る。
 ここにアーチ型の黒部ダムがあり、そのダムの橋を通って黒部峡谷を渡ることになる。(写真)
 黒部ダムは、1956年着工し、64年に竣工した、当時大予算を費やし難工事の末完成したダムだ。
 石原裕次郎、三船敏郎主演の映画「黒部の太陽」(1968年)で話題になった。
 やはり、この山奥にダムを造るのに資材を運ぶのは大変だったと思う。だから、交通の便のためにトンネルを掘ったのだ。
 それが現在、観光の目玉となった。ダムは、綺麗で雄大だ。立山の山々が借景だ。山に雲が浮いている。このルートでないと来られないというのがミソだ。
 この黒部ダムから、さらに赤沢岳(2678m)を越えるために、トンネルが掘られてあり、トロリーバスで抜けて、やっと長野の扇沢に出る。
 「立山黒部アルペンルート」は、パノラマのようなコースだ。

 扇沢からバスで松本へ出た。
 松本の駅前で、そば屋を見つけてそばを食べる。僕はうどん派だから、信州に来たときぐらいしかそばを食べることはない。しかし、本場のそばは美味い。
 19時21分松本発特急「あずさ34号」で、東京へ。
 雨に打たれ、雪に遭い、喉風邪をひき疲れたが、変化に富んだ「黒部・立山の旅」だった。
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