かりそめの旅

うるわしき 春をとどめるすべもなし 思えばかりそめの 旅と知るらむ――雲は流れ、季節は変わる。旅は過ぎゆく人生の一こま。

待望の、鳥栖駅の焼麦弁当

2013-02-03 03:12:04 | ゆきずりの*旅
 ふと机に向かって一息つくたびに、時間がたつのは速いと思う。
 年末から正月、1月下旬まで佐賀にいた。佐賀から東京へ戻ってきたのだが、何もしないうちに1週間が過ぎてしまった。こうやって人生が過ぎていくのか。

 佐賀から東京へ行くときは、在来線で博多まで出て、そこから新幹線に乗る。
 上り佐世保線の在来線鳥栖行きに乗ると、鳥栖駅の1駅手前(佐賀駅寄り)に、新しく新鳥栖駅ができていて、ここにも停まる。この駅は、九州新幹線が開通したときにできた駅で、新幹線駅とつながっている。
 新鳥栖駅に着いたとき、ふと博多からでなくとも、ここから九州新幹線に乗って大坂方面に向かえばいいかもしれないと思いついた。しかし、どのような接続となっているか調べていなかったので、とりあえず新鳥栖駅では降りず、博多で新幹線の時刻表をもらい調べてみようと思った。
 新幹線の列車内容、ダイヤが大きく変わっていたということは、去年の暮れ、東京から佐賀に帰るときに知った。今まで何気なく乗っていた博多直通の「のぞみ」から、「ひかり」と「さくら」に乗り換えて、初めてその変容を知ったのだった。
 いつしか「ひかり」には、すでに東京、博多間の直通運転はなくなっていた。「こだま」に関しては、さらに短距離間での各駅停車であった。 
 このことは、12月28日のブログ「新幹線の変容と太平洋側に現れた富士山」で書いた。

 鳥栖駅で博多行きに乗り換えるために降りた。
 鳥栖駅は、鹿児島本線と長崎・佐世保線の接点で、交通の要衝として古い歴史を持っている。
 ここで、駅弁を買った。鳥栖の駅弁を食べてみたかったのだ。
 鳥栖駅のホームにあるキオスクである販売店、中央軒は、新聞や雑誌の販売の傍ら、うどんをその場であげて売ってもいる。何種類かあるが、なかでも「かしわうどん」が美味くて人気だ。
 鳥栖の駅弁といえば「かしわ鶏めし」だが、幕の内弁当のように具がバラエティに富んだ弁当が好きな僕は、「焼麦(しゃおまい)弁当」を買った。これは、かしわ鶏めしをベースに、シュウマイを含めて、鶏肉、焼鮭、野菜の煮物など、具が豊富なので、前からこれを食べようと思っていたのだ。(写真)

 博多から鹿児島中央発、新大阪行きの「さくら」に乗った。
 車内で、駅弁の「焼麦弁当」を食べながら、新鳥栖駅の発着関係を調べておこうと、新幹線の時刻表を見た。
 わかったことは、新鳥栖駅に停まるのは、大半が鹿児島中央か熊本発の各駅停車の「つばめ」で、博多止まりであった。いや、新大阪行きの「さくら」も停まるのがあるのだが、本数は少ない。
 これでは、新幹線を利用するには博多から乗った方がいいということになってしまう。ましてや、新鳥栖駅は在来線の長崎・佐世保線の特急は停まらないのだから、長崎・佐世保方面から来た人は新鳥栖駅はスルーして、博多まで行ってしまうだろう。
 新大阪行きの「さくら」の停車本数を増やさないことには、新鳥栖駅の存在価値は薄いだろう。
 それにしてもだ。やはり、新幹線の駅は在来線の鳥栖駅と隣接すべきだった。サッカーJ1サガン鳥栖のメインスタジアムだって、鳥栖駅のすぐ近くだ。
 新幹線の久留米駅は在来線の駅と隣接しているのだが、新大牟田駅は大牟田の中心から離れたところの吉野にある。新大牟田駅もなぜそこに開設したか疑問である。

 鳥栖駅の「焼麦弁当」は、かしわ鶏めしとシュウマイ弁当と幕の内弁当の三つを食べたようで、得した思いであった。
 博多から特急「さくら」で新大阪へ行き、「ひかり」に乗り換えて、東京へ着いた。
 新鳥栖駅で思うのだが、九州は在来線の特急はどこも充実しているので、九州新幹線の魅力は乏しいように感じるのだが。
 九州を旅するなら、在来線の特徴ある特急および、時間に余裕があり景色と空気を楽しむなら、各駅列車との組み合わせがいい。

 「さくら」は、かつて長崎(のちに長崎・佐世保)と東京を結ぶ特急寝台夜行列車だった。
 しかし、いつの間にか九州から「急行」列車が消えてしまった。
 佐賀から東京へ向かう列車としては、かつては、長崎および佐世保から東京へ行く急行の寝台夜行列車「雲仙」「西海」が走っていた。この二つの列車は、肥前山口駅で併結して東京へ向かった。
 1日以上かかっていた記憶がある。
コメント
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