かりそめの旅

うるわしき 春をとどめるすべもなし 思えばかりそめの 旅と知るらむ――雲は流れ、季節は変わる。旅は過ぎゆく人生の一こま。

やはり千鳥ヶ淵の桜

2009-04-08 03:15:44 | * 東京とその周辺の散策
 平年より7日も早い3月21日に開花宣言が出された東京の桜は、4月2日に満開だと言われたが、本当の満開は先週末の4月4、5日が見頃だったようだ。
 開花宣言から満開までこんなに遅れたのも珍しい。
 ここ3年の桜開花状況は、開花が3月20~22日で、満開は、3月27~29日である。地球温暖化の影響か、開花も満開も早くなってきていたのだが、今年は、開花からずっと桜も花見を期待する人も忍耐の時期が続いた。
 寒い日が続き、近所の多摩の桜も咲きそうでなかなか咲かなかった。家でも、4月に入ってもまだ暖房をつけるという状況だった。
 多摩も、先週末の土、日あたりからやっと桜は満開になった。多摩センターあたりの乞田川の周辺も、桜が川に向かってしなだれて咲いた。
  川に向かって花を湛えた枝がなびくさまが、規模は問題にならないが、千鳥ヶ淵の桜を連想させた。
 
 毎年見に行っていた千鳥ヶ淵の桜であるが、やらなければならないことを怠けてやっていないので、精神的な余裕がなくなり、今年は見ることはないかなあと思っていた。そう思っていた矢先の先日6日、急に学生時代の先輩から電話があって7日会うことになった。
 電話している最中に、もしかしたら桜に間に合うかもしれないという考えが頭をよぎった。
 それならばと、待ち合わせを夕方、靖国神社の大鳥居下にして、千鳥ヶ淵の桜を見ようということにした。
 靖国神社も、千鳥ヶ淵の桜も、満の満開だった。

 九段下から千鳥ヶ淵の沿道を歩いて、番町の交差点あたりに来た頃、陽が沈み、遠くのビルを赤く染めた。空には月が出ている。
 夕日と月と花が揃った。

 この日(7日)は風がなかったが、それでも少しの風で、花弁がハラハラと舞った。帰り道、花弁で茶色の沿道は見る見るうちに白く染まった。
 夜の桜のライトアップも、今日が最終日であった。
 ようやく千鳥ヶ淵の桜に間にあった。
 その代わり、やるべきことがまた先延ばしになってしまった。
コメント
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