小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

インプラントが壊れる時

2008-10-15 09:54:00 | インプラント

先日、射撃を趣味とする患者さんからこういう話を聞きました。

            

「射撃をすると顎に衝撃が加わるので、インプラント治療をしてもインプラントが

壊れてしまう。」

                

仲間うちでこういう認識があるそうです。

               

私は初耳だったのですが、射撃は相当顎に振動が伝わるらしいです。

                  

この話を聞いたときに、「インプラントが壊れるくらいの衝撃なら、自分の歯も

壊れてしまうだろうな。」と感じました。

                       

                

実際に射撃でインプラントが壊れたという話を聞いたことはないのですが、インプ

ラントがどういう時に壊れるのか考えてみました。

               

まず、「インプラント本体」「インプラントに装着する義歯」に分けて考えます。

                    

                     

インプラント本体

        

インプラント本体が壊れる(具体的には折れる)ことは考えられなくなりました。

        

初期のインプラントではインプラント本体が折れてしまったケースを散見しました

が、この10年間ではそのようなことは見受けられません。

                     

インプラントは歯周病になる可能性がありますので、歯周病が進行すれば

インプラントが顎から抜け落ちてしまうという可能性はあります。

                   

ただし、インプラントに直接大きな衝撃が加わらなければインプラントが抜け落ち

てしまうことはありません。

               

               

                       

インプラントに装着した義歯

                 

インプラントに装着する義歯とは、通常歯科であつかう材料と同じです。

              

金属やセラミック系の「かぶせ物」のことです。

                      

この義歯に衝撃が加われば壊れる可能性があります。

                

金属は「ひしゃげる」だけですが、セラミック系の材料は「割れる」可能性があり

ます。

                        

特にインプラントには「歯根膜」がないので、衝撃を緩衝することができません。

                    

これが、「インプラントが壊れる」という表現につながったのかもしれません。

                       

また歯ぎしりや食いしばりが強くある方では、毎日の歯ぎしり、食いしばりの影響

によって義歯が壊れてしまうことがあります。

                   

                           

結論として、インプラント本体が壊れることは滅多にありませんが、

インプラントに装着した義歯が壊れることはあり得ます。

                   

ただし義歯はいくらでもやりかえることができますので、インプラント本体が壊れ

ない限りインプラントは使用することができます。


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インプラントの術前検査(身体の状態)

2008-10-14 09:55:00 | インプラント

インプラントをするにあたって必要なのは顎の検査だけではありません。

                 

体の状態を把握することも必要です。

              

ただし、歯科医院で全身の検査をすることはできませんので、問診することが

中心になります。

                     

持病の有無(心臓、肝臓、腎臓に病気はないか)

血圧は安定しているか

血糖値は高くないか

血液が固まりにくくなる薬を飲んでいないか

骨粗しょう症の薬を飲んでいないか

                

              

これらの状態は手術に関わる内容です。

                

インプラントを埋入することは手術に相当しますので、体が手術に耐えられるかを

事前に把握しなければなりません。

                   

場合によっては主治医の先生に現在の状態を照会することもあります。

                  

手術といってもインプラントの手術は「抜歯」と同程度と考えてください。

                       

抜歯に耐えられる体であれば、インプラント治療を行うことができます。

             

                

小幡歯科医院

http://www.obatadc.sakura.ne.jp/


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インプラントの術前検査(顎の状態)

2008-10-13 09:43:00 | インプラント

インプラントを埋入する場合は顎の骨の検査が重要です。

             

顎の検査とは、咬み合わせの検査、顎のずれの検査、レントゲン検査などです。

            

                

咬み合わせの検査とは、どの位置にインプラントを入れると適切な歯を

入れることができるか、を調べます。

       

適切とは見た目が自然で、しっかり噛むことができるということです。

                

これは主に歯型をとって判断します。

             

           

顎のずれの検査とは、歯を失っって顎(下の顎、上はずれません)が

本来の位置よりもずれていないか調べることです。

                  

これは実際に顎の動きを診て判断します。

             

                 

レントゲン検査は顎の内部構造を調べます。

         

顎の内部の状態はレントゲンを撮らなければわかりません。 

                               

なお、一般の歯科のレントゲンではわかりずらい場合はCTを撮って詳しく内部

構造を調べることもあります。

             

                       

以上のように顎の精査(よく調べること)をして

            

インプラントが必要かどうか

インプラントが可能かどうか

インプラントが何本必要か

        

を判断します。


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インプラントで仕事の能率が上がる

2008-10-12 09:45:00 | インプラント

インプラント治療の成果は、「噛めるようになる」ことや、「見た目が良くなる」ことで

実感できます。 

                

それ以外にも日常生活でインプラント治療のメリットを実感できることがあります。

                       

仕事において集中力や馬力が復活します。

           

これは、人は能力を発揮する時に「歯を食いしばる」からです。

              

                

歯が回復して元通り食いしばれるようになって、「仕事の能率が上がるように

なった」と言われることがしばしばあります。

                

歯は食事の時以外にも用途があるのです。

              

ただし、過度の「食いしばり」は歯を悪くする原因になるので気をつける必要があり

ます。


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インプラントが他の歯を救う

2008-10-11 09:31:00 | インプラント

インプラント治療は失った歯を回復させることが第一目標ですが、メリットはそれ

だけではありません。

          

その隣の歯を救います。

           

               

歯を失った場合、少なくなった歯で顎の動きを支えます。

             

本来上下14本の歯(前歯6本、奥歯8本)で顎を支えて食事をするようにできて

いますが、本数が少なくなると残った歯にかかる負担が大きくなります。

                 

そこで失った歯の部分にインプラントを入れると、負担能力が回復するので、

隣の歯の負担が減ります。

            

インプラントによって噛む力が回復するだけではなく、周りの歯の寿命も長くなる

のです。

             

これもインプラント治療を行う大きな目的です。

                 

         

特に、数本の奥歯を失うと前歯に負担がかかってきます。

             

奥歯を回復させると、前歯が救われて長持ちするようになります。


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インプラントでの味

2008-10-10 09:34:00 | インプラント

「インプラントで食べる時に味は感じるのですか?」

                

という質問がよくあります。

               

インプラントでの噛み応え、食感、味、は自分の歯と同じです。

            

良く噛める分、味がよくなったと言われることもあります。

                 

いままでしっかりと食べられなかった方がインプラントを入れてしっかり噛めるよう

になると、味が良くなることが多いです。

                

これは、食べ物を最後までしっかり噛み砕くとその食材の本来の味が出ることに

よって味が良くなるようです。

           

インプラントは人工物ですが、食べ物の味は天然のままを感じることが

できます。


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インプラント失敗で顔が変わる?

2008-10-08 09:30:00 | インプラント

「インプラントが失敗すると顔の形が変わってしまいませんか?」

                

という質問を時々受けます。

                

インプラントは顎に埋め込むので、それが失敗すると顎が変形してしまい顔の形

まで変わってしまうのではないか、と心配されるようです。

          

結論から言いますと、顔の形が変わってしまうことはありえません。

                

インプラントの幅は天然の歯よりも小さいです。

                

奥歯を抜歯しても顔の形が変わってしまうことがないように、インプラントが失敗

しても顔貌が変わることはないのです。

            

それ以前に、術前にしっかりと審査をすればインプラントの手術で失敗すること

はまずありえません。


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インプラントの歯磨き

2008-10-07 09:28:00 | インプラント

インプラントは虫歯になりません。(歯周病にはなります。)

           

実は、「インプランとは磨かなくてもいいんですよね。」という勘違いをされている方

がけっこういらっしゃいます。

                     

人工の歯(人工歯根)なので磨く必要がないと感じるそうです。

                      

たしかに虫歯を予防するという観点からは磨く必要がないかもしれませんが、

歯周病の観点からしますと天然の歯以上に気を使っていただきたいくらいです。

                  

                

インプラントの歯?磨きをしっかりやっていただきたい理由は「インプラントに防御

作用がない」からです。

                 

天然の歯には歯周病に対抗する機構が生まれつき備わっていて、歯周病菌が

侵入してくると歯ぐきが腫れたり出血したりして歯周病菌と闘おうとします。

                 

歯ぐきが腫れたり出血するのは歯周病菌と闘っている証拠です。

                  

               

インプラントにはこの防御作用がないので、歯周病菌が侵入しても歯ぐきが腫れ

たり出血したりしません。               

                      

そしてまったく症状がないまま歯周病(インプラント周囲炎)が進行していきます。

                    

インプラントは歯周病にならなければだめにならないので、歯周病を完全に

コントロールできれば一生持つ可能性があります。

                     


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インプラントの適齢期

2008-10-06 09:17:00 | インプラント

インプラント治療は何歳頃が適正なのでしょうか。

               

下限では「顎が成長する20歳くらいまで」はインプラント治療はできません。

          

上限はありません。

                  

全身的に手術に耐える体力があれば何歳でも行うことができます。(私の最高

年齢の方は86歳でした。)

                    

              

ですので年齢によってインプラント治療の是非を問うことは意味がありません。

                  

「噛める歯が欲しい」と感じたときがインプラント治療の適齢期といえます。

               

                     

近年インプラント治療の成功率は飛躍的に上がっています。

              

インプラントが長持ちするようになって、本人の寿命がインプラントの寿命にとど

かないのではないかと考える方がいらっしゃいました。

                               

「インプランとは長く持つようになったらしいけど、自分がもつかなー。」

「10年はもつインプラントを入れて5年しか生きなければもったいない。」

            

という考え方だそうです。

             

                  

これは個人の考え方なので歯科医としましては何のアドバイスもできませんが、

「噛める歯が欲しい」と感じていればインプラント治療の適応であると思います。


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インプラントに歯が入ったら

2008-10-05 09:33:00 | インプラント

インプラントに歯が入ると感動します。

              

初めてインプラント治療した意義を感じることができる瞬間です。

                  

ただ長い間歯がない状態だった場合、歯を入れてもすぐに噛めないことがあり

ます。

            

噛み方を忘れてしまっているのです。

                 

そういう場合は仮歯でリハビリをして、噛めるようになるまで仮歯を調整します。

                  

噛み方を忘れてしまっていると、その感覚を取り戻すまでに半年くらいかかること

もあります。

                   

そういう場合はあせらずに徐々に噛む感覚を取り戻すようにしましょう。


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インプラントの感動場面

2008-10-04 09:29:00 | インプラント

インプラント治療では、インプラント埋入の手術から6週間経たないと歯を入れ

られません。

               

それでも進歩によって早くなっていて、昔は手術から上顎は6ヶ月、下顎は4ヶ月

待たなければなりませんでした。

                

現在では手術から1ヵ月半経つと歯(仮の歯)が入るのです。

            

この瞬間がインプラント治療でもっとも感動的な瞬間です。

           

長年歯がなかったところに、ある日突然歯ができるのです。

                         

仮歯を入れて、見た目、噛み具合、発音などを確認して問題がなければ最終的な

本歯を入れます。

                  

仮歯がうまく入れば本歯はすぐに入ります。

              

ですからインプラントに仮歯を装着するのはインプラント治療においてとても重要

なステップになります。

                      


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家電と歯科治療

2008-10-03 09:26:00 | 歯科話

先日エアコンを買いました。

             

夏の間にエアコンが壊れて、夏の終わりに買う羽目になりました。

               

そして大手量販店に行ったのですが、、、、、。

               

           

                  

メーカー、機種がたくさんあってどれを買うかとても迷いました。

              

メーカーによっても説明が違うし、メーカーの中でも何種類かのエアコンがあって

どのレベルのものを買うか悩みました。

             

ふと、歯科治療に似ているな、と思いました。

                     

メーカーは歯科医院で、機種は材料です。

                  

                   

患者さんによく言われる言葉です。

             

「歯科医院によって説明が違う。」

「どの材料がいいか決められない。」

                   

                       

歯医者によって考え方が異なり、また様々な歯科材料が開発されていて治療方法

一つに決めることが難しいことがあります。

                    

それでも決めなければなりません。

                

私がどうやって決めたかといいますと、、、、、、。

               

                 

すべてのメーカー、すべての機種をカタログで勉強しました。

                 

そして店員さんをつかまえて、納得するまですべてのメーカー、機種の説明をして

もらいました。(1時間くらい話していました。)

                

それで完全に一つにしぼられたわけではありません。

             

でも、すべてを知ったことによって後悔せず購入できるような気になりました。

                

               

歯科治療でも、悩んだら徹底的に説明を受けるべきだと思いました。

                 

できる限りの情報を集めれば悔いは残らないと思います。

                 


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保険治療と自費治療

2008-10-01 09:21:00 | 歯科話

歯科材料には「保険治療」と「自費治療」とがあります。

               

保険治療は国が定めた材料、治療方法に従って歯科治療を行い、決められた

治療費を支払うものです。

         

自費治療は保険治療の枠にとらわれず、より質の高い材料を使い高度な治療を

目指すもので、保険治療よりも治療費が高額になります。

               

                 

具体的にはどこが違うのでしょうか。

            

材料以外にもっとも異なるところは、治療における「手間ひま」です。

          

患者さんの、歯の状態、歯ぐきの状態、歯並びの状態、咬み合わせの状態、

お口の状態、顎の状態、そして全身の状態に合わせた治療を行うために時間

や手間をかけ高い技術を投入します。

              

そうすることによって快適で長持ちする歯をつくります。

                

「見た目が良く」、「良く噛めて」、「長持ちする」歯をつくることに全力を尽くします。

そのために時間と治療費がかかるのが自費治療です。

                   

               

そういう面で歯科治療には3つの段階があります。

            

1 保険治療で十分なレベルの治療ができる場合

         

2 保険治療でも治療は可能であるが長持ちさせるには不安があり、自費治療を

  勧める場合

            

3 自費治療でなければ治療できない場合 

           

               

ですので

                      

保険治療で長持ちさせられる場合は保険治療を中心に考えます。

               

保険治療に不安がある場合はご相談します。

              

自費治療でなければ治療できない場合は検討していただきます。

                

             

それにはご自分の歯の状態を把握していただくことが重要ですので、よく審査して

説明するようにしています。

                 

なお、無理に自費治療を勧めることはいたしません。

         

患者さんのご希望をかなえることを第一に優先しています。

                   

                   


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