「ファイバーコアのデメリット」という、こちらの記事がよく読まれています。2010年5月の投稿です。
https://blog.goo.ne.jp/obatadc/e/e528d509c94466fa43afcd15859e2a4e
「ファイバーコアは金属の土台(メタルコア)に比べて、取れやすいというリスクがある」と語っています。
もうファイバーコアを使うようになって10年以上が経ちました。
そして何例かトラブルも経験しました。
やはり一番のトラブルは、ファイバーの土台ごと歯が取れることです。
実際の症例をご紹介しましょう。
ファイバーコアを用いてセラミックの歯をいれました。
5年後、ファイバーコアごと歯が取れてしまいました。
取れた歯をそのまま元に戻せる場合もありますが、今回は一からやり直しました。
隣の歯が欠けていますが、そのままでやり直しました。
次もファイバーコアが取れた症例です。
歯が折れてしまったので、ファイバーコアを土台にして治すことになりました。
ホワイトニングをしてセラミックの歯が入ったところです。
7年後、ファイバーコアごと歯が取れてしまいました。
こちらは中でファイバーコアが折れていたので、やり直すしかありませんでした。
ファイバーコアを入れ直して、セラミックの歯を作り替えました。
歯ぐきを切っているので、以前よりも歯が長くなっています。
ファイバーコアの最大の欠点である、「取れてしまう恐れ」のトラブルでした。
しかし、もしも金属の土台を入れていたら歯が割れていたかもしれません。
歯が割れてしまえば抜歯を考えなければなりません。
取れてしまっても歯が割れる可能性の低いことはファイバーコアのメリットといえます。
ところが、ファイバーコアを用いたのに、歯が割れてしまった症例もあります。
歯が欠けてしまったので、ファイバーコアを入れて、ハイブリットセラミックの歯を作りました。
3年後、歯の根が割れてしまいました。
歯が割れないようにファイバーコアとハイブリットセラミックを用いたのに、根が割れてしまいました。
歯が欠けた時に、すでに歯の根にもヒビが入っていたのかもしれません。
金属の土台を用いていても同じ結果になっていたでしょう。
割れた歯を接着剤でくっつけてもとに戻しました。
この症例はうまくいきましたが、必ず成功する治療ではありません。
ファイバーコアも万全ではありませんが、歯を壊さないという点に関しては金属よりも確実にメリットがあります。
今後も、歯を守るためにファイバーコアを積極的に使っていくつもりです。
小幡歯科医院
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