小幡歯科医院歯科話

品川区目黒駅前小幡歯科医院の公式ブログです。一般歯科治療の話から体の健康の話まで幅広く語ります。

インプラントの寿命

2022-09-30 00:35:04 | インプラント

寿命シリーズの最後はインプラントです。

 

当院の用いているストローマンインプラントについての残存率のデータがあります。

 

10年で96.2% (1999年、Buser)

10年で99.2% (2003年、Lambrecht)

 

と高い数字が出ています。

 

また、1995年に出された日本人(森田、石村、石川ら)によるデータでは

 

10~15年の寿命は上顎で90%、下顎で94%

 

となっていて、すべて90%を超えています。

 

ブリッジの寿命が8年で50%、入れ歯の寿命が4年で50%でした。

 

 

それらに比べるとインプラントの寿命はかなり長いです。ブリッジや入れ歯よりもインプラントの方が長くもつという点において、実際に臨床においても同じような実感があります。

 

きちんと適応症を選べば、インプラントが最も長持ちする治療と言えます。

 

 

 

小幡歯科医院

目黒駅 品川区 小幡歯科医院 (sakura.ne.jp)


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入れ歯の寿命

2022-09-25 08:46:43 | 入れ歯

前回に続き義歯の耐久年数の話です。

 

以下の調査からの報告です。

森田 学他:歯科修復物の使用年数に関する疫学調査(岡山大学予防歯科)

         日本口腔衛生学会45(5):1995             

 

総入れ歯ではなく部分入れ歯の調査ですが、部分入れ歯の平均使用年数は4年で50%です。

 

ブリッジが8年で50%でした。それに比べると、入れ歯の耐久年数はかなり短いです。

 

それは、入れ歯がブリッジに比べて違和感が強いからです。

入れ歯の種類について 目黒駅前 小幡歯科医院 (sakura.ne.jp)

 

入れ歯には、歯ぐきに乗る赤い部分があって、それが人によっては強い違和感を生じさせる要因となります。

 

平気な人は平気なのですが、どうしても入れ歯の違和感に慣れない人もいます。一度入れただけで違和感に耐えられず、二度と入れ歯を入れない人もいます。それが4年で50%という低い耐久年数につながっていると思われます。

 

逆に最初から入れ歯を入れることに抵抗がなく、ずっと問題なく使用できている人もいます。

 

入れ歯の治療の成功のカギは、患者さんが入れ歯に抵抗感がなくなることにあります。

 

 

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ブリッジの寿命

2022-09-23 20:28:30 | ブリッジ

前回に続き、歯科の統計をご報告します。

 

歯の治療において人工の歯を入れることを義歯装着といいます。

 

その義歯の耐久年数を調べた調査がありました。

森田 学他:歯科修復物の使用年数に関する疫学調査(岡山大学予防歯科)

         日本口腔衛生学会45(5):1995

 

それによりますとブリッジの平均使用年数は8年で50%でした。

 

歯科治療は10年問題なく機能して成功という目安があります。

 

ブリッジを行った症例では、半分が8年でダメになっているということです。

 

ブリッジは歯のないところを他の歯で補うため、一つの歯にかかる力が本来の1.5倍から場合によっては2倍くらいの力がかかります。

 

歯の状態がよくないとブリッジの治療は選択できません。

 

実際には10年もたなかった症例もありますし、20年近くもつ症例もあります。事前にどれくらいもつかの予測をするのはとても難しいことなのですが、すくなくとも、歯の状態がいいということが条件となります。

 

 

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歯並びが悪いと80歳で20本の歯が残らない

2022-09-21 22:00:00 | 矯正

長ったらしいタイトルになりましたが、かなり厳しい調査結果の内容です。

 

8020運動というものがあります。

 

80歳で20本の歯が残るように歯のケアをしましょう。80歳を過ぎて20本歯があれば食事に困っていないという統計があるのです。

 

そして歯並びと8020の関係を表わす統計が1999年に報告されました。以下、80歳で20本以上の歯が残っている人の歯並びの結果です。

 

正常咬合者(正常な歯並び)      56.9%

上顎前突(出っ歯)          17.6%

過蓋咬合(前歯のかみ合わせが深い)  25.5%

反対咬合(受け口)          0 %

開咬(前歯がすいてかみ合っていない) 0 % 

 

やはり、かみ合わせがよい方が年をとっても歯が悪くなっていないことが伺われます。

 

厳しい結果と言ったのは、「受け口」と「前歯がすいている」人の8020達成者がゼロということでです。

 

そして、「出っ歯」や「かみ合わせが深い」場合は、18%、26%と歯並びがよい人に比べると半分以下の達成率です。

 

もう20年以上前の統計ですから、現在では8020達成者はずっと多くなっています。

 

ですが、上下の前歯の歯並びがある程度正常でなければ歯が残らない、という結果は衝撃でした。

 

当院は専門ではありませんが、矯正治療の大切さが伺える統計結果でした。

 

 

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定期検診の重要さ

2022-09-18 17:27:12 | 歯科話

今や、定期的に歯科医院でチェック、クリーニングをすることは当たり前になりました。

 

このブログを開設した15年前には、まだ定期検診の概念は世の中に浸透していませんでした。

 

治療が終了した患者さんに、その治療のメンテナンスとして定期的にチェックをお勧めすることは随分と前からありました。しかし、何も歯で困っていない人に歯科医院でのチェックをお勧めするのはこの10年くらいに定着した感があります。

 

また周術期口腔ケアといって、「体の手術を行う前に口の中を清潔にすることが、その手術の傷の治りをよくする」ということが医科の先生方の中でも当たり前になりました。ですので、手術予定の患者さんは必ずその前に歯科受診を勧められるようになりました。

 

そして、口の中が清潔に保たれると腸の環境にもいい影響を与え、ひいては全身の健康にも寄与するということも常識になってきました。

 

たかが歯磨き、歯のクリーニングではないのです。

 

そして、以前もこのブログで書きましたが、定期的に歯科医院でチェック、クリーニングをしている人は歯が悪くなりにくいという実感があります。

 

定期的というのは、せいぜい一年に1回~4回の定期検診です。

 

このクリーニングだけで歯の健康が維持できるとは思えません。定期検診を行う人は日頃の歯のケアもしっかりされていることが、健康維持ができている大きな要因であると思われます。

 

そして今回の本題ですが、定期検診を行っていると「少しだけ口の中の状況が悪くなった」時に歯科医が気づくという側面があります。

 

歯が虫歯になりそうになった、歯ぐきが少し弱くなった、歯ぐきに少し炎症が生じている、歯並びが少し悪くなった、かみ合わせが少し悪くなった、、、、などです。

 

これらは患者さん自身では気がつかないものです。

 

そして、このような状況の変化を見つけたらその原因を探ります。

 

歯磨きがおろそかになっていないか

忙しくなっていないか

ストレスが溜まっていないか

食生活が乱れていないか

生活リズムが悪くなっていないか

寝不足になっていないか

高血圧、高脂血症、糖尿病と診断されていないか

新たに薬を飲むようになっていないか

近々に手術を受けていないか

 

などを口の中のわずかな症状の変化から探り出そうとします。「歯磨きがおろそかになる」以外はすべて生活環境の変化です。生活環境を改善しないと、今までの口腔ケアでは健康維持ができなくなる可能性もあるので、生活上のアドバイスも行います。

 

それほど全身と口腔内環境は密接につながっています。

 

口は食べ物がはいるという点で全身の入り口であり、全身の健康を測るバロメーターでもあるのです。

 

 

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